トレセン学園の教師でウマ娘?   作:とあるP

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とあるPです。

久しぶりのウマ娘になります。凪先生の日常編になります。


episode4 凪先生の日常

ブロワイエの来日が決定した次の日、凪は街の商店街に来ていた。つい先日引っ越してきたばかりなので、生活用品を買い足す必要がある。

 

「えっと…肉屋はあそこにあって、魚屋はここか…」

 

今日は土曜日。休日ともあって、街は大いに賑わっていた。そこに1人のウマ娘が現れた。その子はピンク色の髪の毛にショートカット。赤い目を元気いっぱいに開けて、八百屋さんの前で大きな声を出していた。

 

「さぁさぁ!人参が安いよ~!甘くて美味しい人参だよ~!」

 

「いいぞ!ウララちゃん!」

 

「頑張って~!」

 

よく見ると昨日自己紹介したハルウララが元気よく声を出していた。それにつられて、凪は八百屋さんの前までやって来た。

 

「こんにちは。ハルウララさん」

 

「あ、センセーだ!こんにちは!」

 

「お手伝いですか?」

 

「うん!今日はね、八百屋さんのおじさんから「お手伝いしたら、人参い~ぱいあげる」って言ったんだ!だから、頑張るね!」

 

「そうですか。なら人参を3本くださいな」

 

「はい!ありがとうござい!」

 

そう言ってハルウララから人参3本を貰って会計をするのであった。

 

「すまないね。何だかせがんだ様になったみたいで…」

 

「いえいえ、どうせ今日の夕食を何にするか決めかねていたので…それに、僕は人参好きなので」

 

「お、そりゃあいいね。なら、1本オマケしてやるよ」

 

「ありがとうございます」

 

八百屋さんで人参を買った凪はある物を買うために、商店街の薬局に立ち寄った。

 

「いらっしゃいませ」

 

「すみません。湿布やテーピングテープってありますか?」

 

「ありますかけど、生憎ウマ娘用のしか置いてないですよ」

 

「それで、大丈夫ですよ」

 

薬局で色々揃えた凪は昼飯を取るため商店街をぶらぶらしていた。ふと見ると路地裏で男4~5人で1人のウマ娘を囲んでいる姿があった。

 

その子は下手なナンパにうんざりしているようだ。

 

「なぁ~お嬢さん~俺達とイイ事しようぜ」

 

「そうそう、気持ちいいことだからさぁ」

 

「退屈させないぜ」

 

「お生憎さま。アタシは人を待っているの。用がないならさっさと帰って」

 

「何だとこのアマ!」

 

「ウマ娘だからっていい気になりやがって!」

 

「構わねぇ!やっちまえ!」

 

それを見ていた凪はマズイと思って慌てて男達の間に入った。

 

「スト――プ!」

 

「誰だアンタ?」

 

「先生…」

 

「探しましたよ、ゴールドシチーさん。さぁ学園に帰りますよ」

 

そこに居たのは、昨日の深夜にやったトレーニングに参加していた、金髪がよく似合うゴールドシチーだった。そして、凪はゴールドシチーを連れ出しそうとしたが、男達に再度囲まれてしまった。

 

「オイオイ兄ちゃん。あとから来て美味しい所だけ持っていくのは無しだぜ」

 

「それによう~こんな優男よりも俺達の方がずっと楽しませてやるからよ」

 

どんどん男達が近づいていく中で、凪はシチーを庇う様にした。そして、1人の男が鉄パイプを手にして、凪に襲い掛かって来た。

 

「どけよ!優男!」

 

「先生―!」

 

男は凪の頭めがけて鉄パイプを落としてきた。その事に怖くなったシチーは目をつぶってしまった。

 

ガキッン!

 

鉄パイプ特有の鈍い音が響き渡った。恐る恐るシチーが目を開けるとそこには、鉄パイプを片手で(・・・)持っている凪の姿があった。

 

「ダメじゃないですか~そんな事をしたら。怪我でもしたら大変ですよ」

 

「くっ!あ、アレ?」

 

「おい、どうした!?」

 

「ぬ、抜けねぇ!」

 

凪は男が殴ってきた鉄パイプを持ったまま離そうとはしなかった。そして、その鉄パイプに力を入れると、グシャ!と言う音が聞こえた。

 

見てみると、凪が持っていた鉄パイプの部分が潰れていた。

 

「ひぇ!何だよこの男!」

 

「ば、バケモノか!」

 

「落ち着け!囲んで叩き込めばいい!早くしろ!」

 

残りの男達が他の鉄パイプを取ろうとしたが、その間にシチーの手を取って男達の隙間を抜けた。

 

「逃げるよ!」

 

「え、っきゃ!」

 

「あ、待ちやがれ!」

 

「逃がすんじゃあねぇぞ!」

 

シチーと凪は男達から逃げるため、全速力で商店街を駆け回った。その時シチーの脚がもつれて倒れそうになったので、すかさず凪が受け止めた。

 

しかし、男達がすぐ目の前まで来たので、シチーの両足を持ち背中に手を入れて抱き上げた。いわゆるお姫様抱っこ状態である。

 

「ちょっと先生!?」

 

「喋らないでください!このまま行きます!」

 

そう言って、凪はシチーを抱っこしたままトレセン学園へ急いだ。それを見た商店街の人達は『ウマ娘をお姫様抱っこした先生』と言う異名が付いたのは別の話…

 

 

 

 

 

 

 

 

トレセン学園の門をくぐった凪とシチーは安堵の表情を浮かべていたが、シチーは頬を紅くしていた。ふと凪は今の状況を思った。

 

それを見た凪は急いでシチーを立たせるのだった。

 

「ふぅ…何とか巻いたみたいですね」

 

「///」

 

「あれ?ゴールドシチーさん?大丈夫ですか?」

 

「あのさ先生…早く降ろして欲しいんだけど///」

 

「あれ?…あー!すみませんでした」

 

「だ、大丈夫だし///」

 

「怪我とかありませんか?」

 

「うん。転がっていないから大丈夫だよ。ありがとうね先生」

 

「良かったです。けど、あの人達は?それに、待ち合わせした人とかいないのでしたか?」

 

「あ~平気だよ。あれ噓だし」

 

「へ?」

 

「だってあーでも言わないと、アイツら引かないからさぁ~」

 

それもそうだったと思う凪であった。

 

「それよりも先生はどうして、商店街(あんな場所)に居たの?」

 

「それはですね。最近引っ越してきたばかりだったので、色々調達して来たんですよ」

 

そこには、八百屋で買ってきた人参と薬局で買って来た湿布とテーピングテープがあった。

 

「人参は今夜の夕食を作る為に買ってきたんですよ。湿布やテーピングテープは皆さんの練習用です」

 

「ふ~ん…ねぇ先生。助けたお礼に、夕食作ってあげようか?」

 

「…冗談は止めてくださいよ。もし他の先生達に見つかって、怒られるのは僕なんですよ」

 

「チェ!面白くない」

 

「冗談でもいい冗談と悪い冗談がありますよ」

 

「…冗談じゃないのに」

 

「はい?」

 

「何でもないよ♪それじゃあまたね」

 

そう言って、シチーは寮の自室に帰っていくのであった。それを見送った凪は自室で買ってきた人参で料理をするのであった。

 

 




さぁ凪先生争奪戦。各バ一斉にスタートしました。スタート直後ですが、キングヘイロー、セイウンスカイ並びましたが、ここでゴールドシチー1バ身リード!


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