もしもワンダショがポケモンの世界にいったら?If Wonder's go to the Pokémon world   作:GAOまる

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ポケモンとプロセカのクロスオーバー作品です。シリーズですので、前回をご覧になってない方はぜひ、そちらをご覧になってからご覧ください。

投稿頻度が遅くなってしまいすみません!次はもっと早く書けるように頑張ります。

追記 ジャックポットサッドガールの2DMV、最高でした!


もしもワンダショがポケモンをゲットするなら?(司編)

司の場合

 

 

意気揚々と駆け出した司は、森の中で彷徨っていた。

そう、完全な迷子である。

 

(どうして…こうなった……どこだここはぁぁぁぁ!!)

 

地図アプリも圏外になっている。相当森の奥深くまで来たようだ。これでは連絡も取れない。

だが司は迷った理由は分かっていた。いや、決して自分が方向音痴だとかそういうことではない。もっと直接的で、もっと恐ろしい理由…そう、奴らだ。

 

司は目の前にうごめくそのポケモンたちを見る。アリアドス、デンチュラ、マルヤクデ…いや名前などどうでもいい。

問題はそのポケモンたちが、司がもっとも嫌いな形をしているということ。そう、司は追いかけてくる彼らから逃げに逃げて、こうして森の奥に迷い込んだのだ。そして、追いつかれた。

彼らはその巨体に見合わず足が速かったのだ。

ポケモンたちは、でかい。司の生活を脅かすあの小さな悪魔たちが、何倍もの大きさになり、司の目の前にいま立ち構えている。

 

 

(いやまてまて…彼らはポケモンだぞ…いくら俺の大嫌いなあやつらの姿をしているとはいえ…。よし、落ち着いてもう一度見るんだ。)

追い詰められた司は現実逃避に走る。

 

目を瞑り、深呼吸をし、脳裏に彼を思い浮かべる。そう、司の足によちよちと寄り添ってきた、愛くるしい彼の姿を。

(そうだ…、敵意はないんだ。愛情をもって接すれば…!!)

 

勢いよく目を開けた。      

 

 

が、

 

 

無理だった。彼らの眼光は、ちょうどよく玩具を見つけた子供のように、怪しげに揺らめいていた。

 

ーーーヒュッ  声にならない悲鳴が溢れた。

 

目の前の怪物が持ち前の鋭い爪を振り上げている。切り裂かれたらひとたまりもないであろう。

シュッと降りかかる。風を切り、司めがけて飛んでくる。

  

司は横に転がり避けた。降りかかった爪が地面に突き刺さる。間一髪だった。 

 

虫ポケモンたちは、目の前の玩具が反抗したことに怒りの声を発している。すぐさま爪を引き抜き、再び司に近づいてきた。

 

だが司にはもう抵抗する気力も体力もない。あの回避は司にとって最後の抵抗だった。司は自らの終わりを悟り始める。

(こんなにあっさり…終わるのか…)

このセカイはどこか安全が保証されているのかと思っていた。

みんなには注意していたが、実際に自分が危険な目に遭うとは思っていなかった。

(すまない…みんな…約束…守れなくて……)

未練ならたくさんあるはずだ。だがいざ実際に死に直面すると、直前にしたみんなとの約束しか頭に流れてこなかった。

 

ごめん、とそれだけを復唱しながら、意識は闇へ落ちていく。

 

視界が…ぼやけていく。朦朧とした司の目に映ったのは、おぞましい虫ポケモンたち………と、それに立ち向かう1匹のポケモンの姿だった。今にも虫たちに攻撃しようとしている。

 

(あれは…俺を……助けて………)

 

 

 

司の意識はそこで途切れた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーーーッハ!!

意識が戻った。あたりを見回しても、もう虫ポケモンたちはいない。そしてあの司を助けてくれたポケモンも姿を消していた。

ふと地面を見ると、ぼこぼこになっており、焼け跡や爪痕が残っていた。きっとあの子が必死に戦ってくれたんだろう。

 

(お礼を言えなかったな。)

 

姿形もわからないが、あの子は間違いなく司の命の恩人だ。

 

「ありがとう!!見知らぬポケモン!!この恩は決して忘れないからな!」

司は誰もいない虚空に向かって叫ぶ。

 

届いているかはわからない。それでも伝えたかった。

見ず知らずの司を勇敢にたすけてくれた。小さな青い勇者に。

 

…返事はない。それでいい。感謝の声に飛びつく勇者はいない。

 

だから次、また会えたら…今度はもう一度ちゃんと伝える。

「ありがとう」と、そして…

 

「俺と一緒に来てくれないか」と。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ポケモン探しを再開した司は、ずんずんともと来た道を戻りながら、あたりを見回す。

 

司の求めるポケモン、それは強いポケモンだ。

なにを隠そう、実は虫ポケモンに追われる前、司は森の中でポケモンバトルをするトレーナーたちを見ていたのだ。

 

茂みから隠れてこっそり見ただけだが、それでも凄かった。

豪快に繰り出される技の数々、華麗に避けるポケモンたち、そして、ポケモンとピッタリ息のあったトレーナー。

 

それはまるで小さなショーのようで、司は子供に戻ったように魅入っていた。

 

自分もあの場に立ちたい!

 

そう思うのはもはや必然である。

やるならばやはり勝ちたいものである、だから、司は誰にも負けない、強力なポケモンを探しているのだ。

 

森の中を慎重に歩く。目を凝らすとやはりたくさんのポケモンがいる。だが…トランセル…ピジョン…キレイハナ…なかなかこれだというものが見つからない。昔から感覚でものを選んでいた司にとって、自分の感覚に当てはまらないものはなかなかゲットしようという気にはなれなかった。

 

だからこそさっきの出会いは運命のようなものを感じたのだ。

 

またしばらく歩いていくと、目の前を大きな湖が覆った。

(こんなところ、来た道にあったか?)

急いで虫ポケモンたちから逃げるときに通り過ぎてしまったのだろうか?なんにせよ幸運だ。強いみずポケモンが見つかるかもしれない。奥の方は霧がかっているが手前の方はまだ見える。ぐるりと見回すとたくさんのポケモンが見えた。ここなら見つかるかもしれない。

 

湖の麓でちびちびとウパーと遊んでいると。ザブンと音がした。

ウパーを逃して上を見る。窪んだ岸の上にポケモンが這い上がったようだ。

 

司はすかさずそのポケモンをカメラに納める。

[ニョロゾ!おたまポケモン!みずタイプ!お腹の渦はずっとみていると眠くなる!子守唄がわりに子供を寝付かせるのにも使う!]

 

(ニョロゾか…)

力強いフォルム、猛々しい表情、司の脳内ピースがピタリとはまる。…(少し怒りすぎな気もするが、元気があるのはいいことだ。)

 

(よし、こいつにしよう。)

司はスッと投球フォームに入る。思えば野球など中学の体育ぶりだ。自然と手に力が入る。

(フフフ…見せてやろう!昔、授業中に皆の表情を凍りつかせた魔球、その名もペガサスストライクを!!)

 

「どおぉおりゃああぁああ!!」

グインと腕をふり、放たれたボールは美しい弧を描く。

(キマッた…)自慢のカッコいいポーズをとる。

入射角、スピード、全て文句なしだ、これは当たる!

 

「さぁ、ニョロゾ!俺のポケモンにーーー」

 

ザッバァアアアァーーーン!!!

 

突如湖から飛び上がる黒い影、美しい弧はそれによって阻まれた。茫然としている司の前で3回ボールが揺れる。顔を上げるとニョロゾはもういなかった。

 

「な、な、なんだそれはぁぁぁあ!」 

司はボールを手に取り、ゲットしたポケモンをだす。

 

ピチピチと跳ねるそれにカメラを向ける。

[コイキング!さかなポケモン!みずタイプ!力もスピードもほとんどダメ!セカイで一番弱くて情けないポケモン!]

 

(コイ…キング…セカイで一番弱くて…情けない…)

 

どういうわけか強いポケモンを求めていたら最弱のポケモンを捕まえてしまった…司は落胆する。

 

だが…もう司は気にしないことにした。そう、司は知っている。小さな体でも強敵に立ち向かえる勇気があることを、その内に秘めたパワーを、きっとこいつにもあるはずだ、その強さを。

 

それにこいつ、よく見ると図鑑の写真よりずいぶん大きい。2、いや3まわりは大きいのだ。きっと強くなるだろう。いや、してみせる。

 

司はコイキングを持ち上げると言った。

「よーし!俺とお前、これからともに強くなるぞ!お前も王の名を背負うものなら精一杯俺についてこい!」

コイキングはビチビチと喜ぶ。

 

司はコイキングをボールに戻すと、湖に背を向ける。

これからはこいつと一緒に、強くなるんだ。

決意に満ちた司の目は輝く。

(そしていつかまた…あいつに会えたら…)

その先は決まっている。

 

 

帰ろう、寧々に約束のグレープフルーツのデザートを作らねばならない。ポケモンたちの食事も作らねば。

司は湖の周りにある木の実をもぎとりながら歩を進める。

 

夕焼けが作りだす彼の姿は反射された湖の光と重なり、まさにホンモノのスターそのものだった。




後書きです!
司くんはコイキングを無事ゲットです!ということは…後にどうなるかはもちろんわかりますよねw
そして司くんを助けた謎のポケモンは一体?
ヒントは青いポケモンですね。

そしてえむちゃんがゲットしたもう1匹も判明しましたね!
ニョロゾですね!意外でしたか?進化系を見ると少し納得できますよ。

この作品は、ポケモンを知らない人、プロセカを知らない人、それぞれの架け橋になればいいなと思って書いています。どちらも素晴らしい作品です。手をつけたことがないよという方がこれを機にその作品たちに触れてくれれば、作者としてそれ以上の喜びはございません。

それでは次は類くん編です!お楽しみに〜。
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