ORIフライ・エフェクト   作:コンバット越前

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あの人オ〇ニーする度に前世のお母さんの顔が思い浮かぶ呪いとかにかかればいいのに……。





モブの覚悟

「今日もあの人絶好調だったね」

 

とある日のIS学園での放課後の教室。少女は友人にそう切り出した。なぜいつも放課後かといえば、皆がいる間はいつもORIの目が光っているからである。オリ主は自分の悪口や悪評、更には敵対勢力(一夏)へのクラスの動向などについて、選挙前の政治家の如くアンテナを張っているのだから。故に迂闊なことは話せないのだ。このオリ主が創造せしORIの世界では、ORIに都合悪いことに対して一切の発言や情報を許さない。ORIに耳障りの良い言葉だけが溢れ、ORIを賞賛することが絶対で、ORIを愛することが人の幸せとなるよう定められている。それはまさにディストピアと呼ぶものなのかもしれない……。

 

「絶好調?」

 

今日もまた少女に付き合ってあげる優しき友人である。

 

「ホラ。実習でいつものアレ。織斑君に対しての演説」

「あ~」

「織斑君も大変だよね。息をするように因縁つけられてさ」

「でも織斑君気のせいか最近少しだけ表情が明るくなったと思わない?」

「うむ。やはりあたしたちの『笑顔であいさつ作戦』が功を成しているのかも」

「そうだといいなぁ」

「少しずつだけど皆の意識も変わってきてる気がするしね。っていうか元々いい子ばかりのクラスなんだから。誰かを除け者にしたり、陰口言ったりさ。あんな陰険なことが罷り通ってきたことが今思えばおかしかったのよ」

「そう……なのかな。でも……うん、そうだね。みんな良い子ばかりだもんね」

 

原作では良い子たちの集まりなのに、それがORIによっては、このORI世界のように一転してオリ主の言うがままに特定のクラスメートを迫害したり、一夏&箒への陰口大会を開催するようになってしまう恐怖。まさか転生と一緒に性悪化ウイルスでも持ち込んでいるのかしら?

 

それとも催眠か。やはり催眠の仕業なのか。

オリ主のことが好きになる。好きにな~る。……ってどこのFF魔女だよ。

 

「でもさ。アレに関してはあの人の言うことやっぱりイミフなんだけど」

「うん。その点には私も同意かな」

「今はもう慣れたかもだけど、織斑君も初めてそれを言われた時呆然としてたよね」

「(゚Д゚)ハァ?……っていうその時の織斑君の表情は今でも覚えてるよ」

「『お前は何を言っているんだ?』って感じかな?」

「たぶん」

「でもさぁ……」

「うん。アレは……」

 

二人は難しい顔で腕組みする。

そして同時にオリ主の専売特許といえる言葉を呟いた。

 

「「KAKUGO」」

 

そう。それはチーオリを象徴するに最も相応しい言葉なのである。

 

 

「ねぇ。正直なとこアンタあの人の言うソレ持ってる?」

「……持ってないです」

「だよねぇ」

 

 

KAKUGOを持て。それは戦場のプロ(笑)たるORI様が『理解していない』甘ったれの織斑一夏少年をSEKKYOUする際に用いられる代表的なモノである。とりあえず一夏には「お前はKAKUGOが足りねぇんだよ!」と言っておけば何とかなるという、ORIの専用魔法のみたいなものだ。

 

あんまし自分の価値観を腕力で押し付けないで下さい。

なんで専用機持ちを始めとする女子たちには強く言わないの?

文句ならいきなりそのIS乗れ言う姉や、そんな危険武器を付属した連中にどうぞ。

弱い僕に八つ当たりしないで諸悪の根源の天災さんにKAKUGO説きに行ったらどうですか?

 

そんな全国の織斑君の声なき反論などガン無視で、今日も元気にKAKUGO。

原作一夏にKAKUGOの嵐!オリ主大戦~ORIは燃えているか~。

 

 

 

「今日もまた平常通りに織斑君相手に炸裂してたよね。兵器がどうこう、命の危険がどうこう、人の命を奪う可能性がどうこう。総じてKAKUGO」

「うん……」

「銃を撃つのは撃たれる覚悟のある人間だけ。そんなこと言って、衆目の場でISの危険性について声高に織斑君に食って掛かってたけどさ」

「なんかそれしょっちゅう聞くよね。なんで誰も彼もその表現使いたがるんだろう?」

「ん?何の話?」

「あ、いやごめんね。何か変な電波受信しちゃったみたいに急に。気にしないで。それで?」

「んなこと言われても撃たれる覚悟なんて自分持ってないッス」

「そんなの持っている子なんてそういないと思うよ……」

「ISには命の危険はない……そんな風に考えていた時期があたしにもありました」

「……」

「ありました……」

「……今は?」

「考えを改めた……ってあの人の手前言わなきゃいけないかもだけどさ。無理っす。ハイ」

「だよね……」

「だってあたしISって単にスポーツの延長みたいにしか思ってなかったし!」

「Me Too」

「ぶっちゃけ無茶言わんで欲しい。そんな物騒なこと承知で入学なんてして来てないよー!」

「ミートゥー」

「人を殺めてしまう覚悟だの、殺されるかもしれない覚悟だの、あたしたちは軍人でも何でもないのよ?織斑君だってそう。ほんの数カ月前までただの中学生やっていた子に無茶言わないでよー!って感じなんですけど!何で誰もツッこまないわけ?織斑君の(゚Д゚)ハァ?って混乱が常識的に普通の反応のはずなのに、彼の周りはその態度をあの人と一緒になって責める始末だったしさぁ!何なのこれぇ!やっぱおかしいよ!」

「ちょっ、落ち着いてマイフレンド。ほらこの乳酸菌入りチョコでも食べて」

 

乳酸菌はストレス改善をもたらすと言われている。ガチの効果は知らんけど。

でも乳酸菌取ってるぅ~?と呪いの人形もをアピールしている。だから取ろうよ乳酸菌。

 

「ふぃー。ありがとう落ち着いたわ。甘いものの力は偉大ね」

「そう。良かった」

「何か最近異常にストレスが溜まっている気がする。疲れてるのかな」

「寮生活であんまり自由ないからね……。一人で落ち着ける時間もないし」

「まったくだわ。それ考えりゃあの二人凄いよね。学校のみならず寮でも異性しかいない環境で生活するなんてさぁ。あたしなら間違いなく頭おかしくなるわ」

 

世の中にはその頭おかしくなるっていう環境に憧れそれを欲し『一夏のせいで入学しちまったよ。辛ぇわ~(チラッ)』というお題目を創り、鼻息荒くやってくるこのORIのような物好きもいるのですぜお嬢さん。ORIの煩悩とせーよくを舐めちゃいけません。

 

「でも織斑君はともかく、あの人はこの環境にストレス溜め込んでいるようには全然見えないよね」

「そりゃ代表候補生みたいな可愛い子らにあんだけ囲まれ、尽くされ、愛されてりゃ毎日がウハウハなんでしょうよ」

「そ、そうかな?」

「どうせ毎晩相手をとっかえひっかえしてヤリまくってるんじゃない?」

「ブホォ!」

 

一緒に食べていた友人がチョコを盛大に吐き出す。

 

「な、な、何てこと言うのよ!?」

「どしたん?」

「ど、どうしたって……」

「何カマトトぶってんのよ?さすがに何を意味するか分からないワケないでしょ?」

「いや……あの……私は……」

「そーゆーのいいから。女性に身勝手な潔癖性や初々しさを押し付けるキモイ童貞君じゃあるまいし」

「と、とにかく!そんなこと考えもしないし!気にしたことも……!」

「それがおかしいのよ!」

「ひっ!」

 

いきなり大声で遮る少女の剣幕に友人がビビる。

 

「おかしいでしょ!あたし達だって今をトキめく16歳よ!天下の女子高校生だよ!?一番性に関心のある青き年代よ!なのに何で誰もこの現状にツッコまないわけ!?」

「ど、どうしたの?落ち着いて」

「落ち着けるかー!おかしいでしょうが!本来は女の園の場で、しかもおはようからおやすみまで一緒の環境でさぁ。男が二人いるのに別々の部屋に住んでいるのよ!?しかもその相方は同じ年頃の女性!こんなん普通なら大問題じゃん!拡散希望案件じゃん!大炎上じゃん!世論やらイカれた女性絶対主義者やらが黙ってない事項でしょーが!なのになんでこんなヤリ部屋OKみたことを、誰一人文句言わず!問題にもならず!皆平然と受け入れてんのよー!」

「や、ヤリ部屋……?」

「年頃の男と女が一緒の部屋で過ごしてんのよ。しかも組み合わせは美男美女。普通ヤることヤるに決まってんじゃん。常識的に考えて毎晩発情した猿みたくハッスルしてると思うのが当然でしょ」

「いや……あの……えぇ~?」

「全く頭おかしいんじゃないのこの学園。つーか教師やら大人は息してるの!?せっかく『二人』いるんだよ!?男がさぁ!なのに何で計ったように別々の部屋になるわけ?しかも一人部屋とかじゃなく相手は当然のように女子!」

「そ、それは……ほら簡単に説明あったじゃん。貴重な男性操縦者だからさ。万が一のことを考えて別々に……?えー、警備の問題とかで……」

「なーにが警備よ。そう簡単に外部から不審者が侵入出来るようなザル警備とシステムだとしたら、どっちにしろ安全もクソもないじゃん。それにそんなに心配なら屈強なマッチョマンでも手配して、夜だけでも彼らと一緒に過ごしてもらうとかさ、幾らでもやりようがあるでしょ」

「そういうわけにはいかないんでしょ……。機密上とかの問題とかでさ……」

 

警備のザルさについて定評のあるIS学園であるが、ORIの世界ではこんなのでもお気に入りのあの子と同居生活送る為の理由になるので楽勝にも程がある。警備の為、安全の為、千冬の口からそう言わせるだけで女子との三秒お手軽同居生活の開始である。やったね!女子高生と同部屋になることが警備や安全面で果たして役に立つのか正直よう分からんけど。

 

「じゃあ尚のことセキュリテイが特に整った安全な個室とかに移ればいいじゃん。ある意味世界の希望的存在の二人なんだからそんな特別だって許されるでしょ。特にあの人なんてアナゴンタだかアナハイムだか、とにかくバックにISモドキ開発するくらいの大企業さえついてる超VIPなんだからさ。どうしても警備面やらで不安で相方が必要ってなら、いっそ先生とか大人と一緒になればいいじゃん。そっちの方が安心安全じゃん。それが何でよりによって同じ学園に通う同年代の女子?しかも百歩譲って気心知れた幼馴染とかならともかく、出会ったばかりの赤の他人と?訳わかんねー。この学園女子高のくせに不純異性交遊を推進でもしてんの?もし合体事故起きたら誰が責任取るん?」

「あの……そろそろ」

 

マシンガンのように思いを吐き出す少女を前に友人は言いにくそうに言葉を濁す。

これ以上ヤバイ。何かもう色々と。なぜかふとそう感じた。

 

「初対面の男との生活を何の文句も葛藤もなく受け入れる方も受け入れる方だけどね。あたしならたとえ相手がイケメンでも絶対ごめんだけどなー」

「まぁそれは……私も同意」

「女の子の気持ちをどう思ってんのかしら。着替え一つでも一々気をつけにゃらならんしさ。イビキかいたりしないかとか、寝顔見られたりしないかとか、気になってオチオチ寝れもしないよ。イケメンと一つ屋根の下とかならあたしも憧れあるけどさぁ、同じ部屋で生活なんてやり過ぎでしょ。だいたい生理の時とかどーすんのよ」

「そういうことは……ね?あんまり夢を壊すようなことは……」

「もう女の子の方も初っ端から常時YES枕を抱いたヤる気満々の兵としか思えなくね?。あの人の相手誰だっけ?確か4組の眼鏡さんだよね?あんなおとなしい顔して実は相当の好きモ……」

「STOP!それ以上いけない!マジでやめてぇ!」

 

ISにエッチやビッ〇な子なんて一人もいません!みんな貞操概念のしっかりしたユニコーン乗馬可能なピュアな子たちなんです!えっ?そんな子がどうして抵抗もなく出会ったばかりのORI()と同伴生活をOKするのかって?それは……えー、変な想像しちゃいけませんよ。きっと毎晩健全に社会情勢でも熱く語り合ってるんでしょうよ。

 

「と、とにかく!そこのとこは情報規制がしっかり成されているっていう所以でしょ?」

「情報規制ねぇ……」

「な、なに?」

「情報の阻止とか規制とか建前つけてるけど、年頃の女の子にそんなの遵守できると思う?別にスマホもネットも規制されてるわけでもなし、休みの日は外に出れて外部とも楽に接触できる。こんなんで情報の流失とか普通どう考えても無理っしょ。この年代の女子高生を信用し過ぎじゃね?つーか世界唯一のIS専門の学園で、最高の機密を扱ってて、しかも世界各国が喉から手が出るほど欲する男性サンプルがいるってのにさ。ちょっとユル過ぎやしませんかね?なんかもう色々考えること放棄してない?」

「もう止めよう……ね?そういう設定は色々と……ね?良い子だから……ね?プリーズ」

 

そう止めよう。設定について疑問を持つのは。考えるんじゃない。ただ感じるんだ。

しかもそれにORIが加わっちゃうと……気分は「これもうわかんねぇな」である。

 

「なんか最近現状について考えれば考える程ヤベー深淵に足突っ込んで行くみたいに感じるわ」

「あまり深みに嵌まらない方がいいよ。ホントに」

 

ORIの世界では賢しい子供は歓迎されない。この世界おかしくね?何かあの人に都合の良いこと起こり過ぎじゃね?そんなことを思うのは危険である。それはORIという世界そのものから粛清される可能性すら含んでいるからだ。エイリアンや政府の陰謀より質が悪い。

考えてはいけないのだ。ツッこんでは駄目なのだ。賢しい子の下にはORIが来るぞー。

 

「クラスみんなが穏やかに過ごせる日々。笑顔の日常。その道のりはまだ険しいね」

「うん……」

「でもあたしは……あたしたちは負けないわ!あの人の言うのとは違っても『覚悟』ならあたしたちにだってある!いつかきっと理想の場所に辿り着くための覚悟が!」

 

KAKUGOではない覚悟。

それは本来誰にでも備わっている気高き信念。

 

その覚悟と今回の話は果たして何か関係あったのかな?

気持ちを昂らせる少女を前に友人は少し疑問に思ったが、黙って友人の言に頷いておく。空気を読むこと、それは人間関係を円滑に進める為の必須条件。

 

拝啓ORI様。お願いですから少しは原作の空気読んだ上で俺ツエーなりして下さいませんか?

 

 

幻想的な夕焼けが照らす放課後の教室。

尊い覚悟を胸に少女たちはORIが支配する世界からの脱却を願うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




セシリア編がどうにも思い浮かばず、結局モブ愚痴に逃げている始末でありんす。


ORIの世界でのIS学園のモブ生徒って、ORIの願望により「キャベツ畑」や「コウノトリ」を信じてるような可愛い女の子しかいないのだろうけどさ。 
思春期のカラミザカリの男女が同じ部屋で同衾することに対して、皆平然と当たり前のように受け入れてるなんてのを見るに、実は「童貞が許されるのは小学生までだよねー!」っていう歴戦の猛者の集まりなんじゃないスかねここ?


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