内通者   作:三軒過歩

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ヒロアカで三角ベースのドラマCDがあるって知ったんですけど、結末がどうなったのか気になります。


内通者と体育祭4

「僕だけ地雷原なのずるくないですか?」

 

地雷原にいる佐々木は身動きがとりづらく、回避行動も制限される。このままだと後続に追い抜かれると判断し、けん制にとどめておいた後ろの生徒に一撃ずついれた。流石に後ろの生徒を気にしてこの人の相手はできない。正々堂々などくだらないと思っているが、相手がそこを加味してくれるのならば儲けものと思い投げかけてみる。

 

「ん~じゃあ私も地雷原に戻ろうか?」

 

「…そうなっちゃうなら別にいいです。」

 

分かっていっているのだろう。個性により浮くことができる取蔭が地雷原に入ってきても何ら支障はない。体が切断されるということは、物理攻撃も無効なのだろう。近接戦はそれこそ相手の土俵だ。

 

「ヘイトを買いすぎちゃったなあ。」

 

流石に想定外だった。これほどの実力者を相手にすることになるとは思わなかったし、何よりも、この体育祭において、他者を蹴落とすような構造になっていながら他を救い出そうと逆走してくる人がいるなど誰が想像できようか。

 

「流石最高峰とほめてやりたいところです。」

 

ヒーロー飽和社会、偽物はびこるこの社会で、少なくとも目の前の生徒はちゃんと英雄志望だ。偽物ばかりを粛清してきたせいで、自分が認めるヒーロー像に靄が掛かっていたのかもしれない。僕は目の前のような子だけがヒーローを名乗る社会を目指していたのに。

 

「褒めるついでにそろそろやられてくれないかな~」

 

攻撃の密度がだんだんと上がってくる。反撃を試みようとすると受け答えに余裕が無くなる。

 

「残念ながらそれはできません!」

 

なんとかそう叫んで足で掘り起こした地雷を一つ取蔭に向かって蹴り飛ばす。視界を奪ったはずなのに、とっさに片目を分離していたらしく、攻撃が緩むが止まったりはしない。しかたなく、多少の被弾を覚悟して棒高跳びの要領で跳躍し、地雷原を突っ切る。この行動によって獲物を手放さざるを得ない。

 

「来ると思ったよ!」

 

膠着状態になれば強引に突破する、それを読まれていたかのように、大量の破片が襲う。徒手空拳ではこれは捌ききれない。

 

「僕も、あなたが来てくれると思ってました。」

 

貴方は、本当の英雄の卵、僕の見せる隙は見逃さないでしょう?

 

「まさかっ!」

 

背中に一つ仕込んでいた地雷を起動させる。自損覚悟の攻撃に流石に対応できず、囲んでいた取蔭の破片が吹き飛ぶ。

 

「さて、本体はこれですかね?」

 

ボロボロになりながらもすぐにあたりを見渡し、口の破片を掴む。他の破片と比較して一回り大きい破片だった。

 

「あーあ、まさか普通科に負けちゃうなんてなあ。」

 

悔しそうに言う目の前の生徒に対して称賛を送る。

 

「流石ヒーローの卵です。生半可なヒーロー科の足元ごっそり掬ってやろうと思ったのに一人しか掬えなかった。次の競技も大変そうですよ。」

 

しかし、それを聞いた取蔭の口元が歪む。

 

「勝負には負けたけど、足元は掬われてないよ?」

 

そこまで言うと、取蔭の破片すべての動きが止まった。

 

 

「取蔭は負けちゃったか。」

 

物間が抱えていたのは取蔭の破片、取蔭が分割させた中では一番大きかった破片の再生が始まる

 

「ごめんね。止めきれなかった。」

 

口を再生させた取蔭がそう言う。耳が再生する前にそれを言う取蔭に、耳の再生を待っていった。

 

「いや、謝ることはないよ。ものすごいリスクを背負って戦ってくれた取蔭を責められる奴なんていないさ。それに、B組は全員四十番以内に入った。」

 

そう言ってスタジアムのゴールラインをまたぐ。

 

「それは、わざわざ逆走した甲斐があったね。」

 

そういう取蔭は無理に笑顔をつくる。実際、体のほぼすべてを再生させるために必要な体力は凄まじい。次の競技ではほぼ個性を使えないだろう。せめて個人技にならないことを祈るくらいしかできない。自分の不甲斐なさにこっちが謝りたいくらいだ。そうしているうちに佐々木も会場に戻ってくる。彼が後続をきっちりとどめたおかげで、彼の前にゴールしたのはわずかにサポート科の一人だけだった。

 

「いたいた、忘れものですよ。」

 

件の彼は、物間たちをみつけると近寄ってくる、実際には顔だけしか再生していない取蔭に。

 

「試合に勝って勝負に負けた気分です。思い切りが凄くて驚きました。次は、あなた達の足元掬いますから。」

 

そういって取蔭のジャージを側にいた物間に投げ渡す。自分が予選に通ることを確信しているかのようだった。その少し後、ミッドナイトから第一種目の終了が告げられる。

 

「一年ステージ、第一種目は終わりね、それじゃあ結果をごらんなさい!」

 

1位緑谷出久

2位轟焦凍

3位爆豪勝己

 

 

 

36位角取ポニー

37位葉隠透

38位吹出漫我

39位取蔭切奈

40位物間寧人

41位発目明

42位佐々木過渡

 

「予選通過は上位42名。残念ながら落ちちゃった人も安心なさい。まだ活躍の場は残っているわ。次からはいよいよ本選。ここからは取材陣も白熱してくるから、気張りなさい!」

 

「あーあ、やっぱり通っちゃったか。」

 

「D組、佐々木過渡君かあ。次の競技も厄介そうだ。」

 

げんなりとした表情で取蔭と物間が話す。そうこうしている間にも競技の説明がなされる。

 

「騎馬戦か、どうする取蔭。僕と組むかい?もう限界だろ。僕なら二次種目突破くらいは足手まといがいてもできると思うけど。」

 

その余計な一言が無ければなあと内心でため息をつきつつ返す。

 

「それは魅力的な提案だけど、遠慮しとくよ。流石に()()()足手まといがいたら勝てるものも勝てないでしょ。」

 

取蔭は物間の限界を見抜いている。コピーした(慣れない)個性で、分裂も再生もしすぎた。だからこそ最後、先に行かせたのだ。

 

「言ってくれるね。僕はこの通り元気さ。君に逃がしもてもらったおかげでね。」

 

「はいはい、分かった分かった。でも私は拳藤とでも組むよ。時間的には騎馬戦を乗り越えれば次の種目は午後だ。その頃には体力的な不安はある程度解消されてるし、ここは頼れる仲間の力を借りるよ。」

 

「その言い方だと僕は頼れる仲間ではないって言ってるように聞こえるんですけど!!」

 

心外だと憤慨する物間を軽く流し、騎馬戦の仲間を募りに動き出した。




青山君ごめん!君のことは好きな方なんですけど、原作でお腹抱えて42位だったので、佐々木の一撃でお腹の限界が来たところまで妄想出来ちゃいました。故に、本当にごめん。原作では活躍してますし、許してくださいね。でも彼の名誉のために言っておきますけど、一年全体11クラス×20人いるわけですから43位は凄いです。上位20%ですよ。中下位とか何言ってんだ。20~40位なんて上位に決まってるだろ。B組の自力の高さがうかがえますね。
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