内通者   作:三軒過歩

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のこって小森が言うと可愛いですけど、書くときに難しくてう、うぜえ。


物間寧人と騎馬戦

「漁夫の利っと。」

 

そう言って葉隠チームから鉢巻を奪い首に巻き付ける。

 

「次はどの騎馬だ?」

 

競技場を俯瞰する。心操チームを見ると、ちょうど拳藤チームが鉢巻を奪っているところだった。残しておくとやばそうな佐々木擁するチームだが、騎手は意外なことに佐々木ではなかったし、動きも機敏には見えない。チームに恵まれなかったかと佐々木のことを意識から追いやる。

 

「爆豪のとこだ。一千万をバカみたいに狙ってるから、隙が大きい、自分が取られるなんて考えてもいないんだろうね。」

 

「分かった背後から寄ってく。」

 

 

「結構簡単に取れたのこね、心操チームのところ。」

 

「騎手も普通だったし、機動に優れるわけでもない、何で佐々木(あいつ)が騎手をしなかったんだろう。」

 

佐々木の身体能力を知る取蔭が不思議そうに言う。

 

「切奈が気にするような恨めしさは感じなかった。」

 

「まあ、得点が取れたんだ、切り替えるぞ。A組の緑谷と轟チームのとこだ。」

 

拳藤の指示でさらなる得点を稼ぎに行く。彼女はクラス委員長、得点に余裕がある今、B組を狙わずにA組の持つ鉢巻を狙いに行く。

 

 

「怒らないでね、先に煽ったのは君だろ?宣誓でなんて言ってたっけ、恥ずかしいやつ…まあいいやお疲れ。」

 

凡戸に固められて身動きが取れないでいる爆豪たちを置き去りに小大チームから逃げる。

 

「次、一千万か?」

 

「ああ、そうしたいところなんだけど…」

 

逃げながら円場がそう聞いてくる。爆破と硬化、強力無比な二つの個性を持つ今なら、一位奪取も不可能ではない。本調子であれば狙いに行っていた。

 

「一位騎馬は狙わないでおこう。ここはキープに専念だ。大丈夫1300点以上あれば通過は間違いない。」

 

そう言いながらもブラトキング先生の言葉が頭の隅で引っかかる。

 

ーお前の作戦は間違ってない。イレイザーに言わせれば合理的って言うだろうし、きっと体育祭ではB組優位に進められるだろう。だがな、常にトップを狙う者とそうでないものの差は社会に出てから響いてくるぞー

 

B組バカのブラト先生ならこの作戦を評価してくれると思って伝えた時のことだ。喜んでくれるかと思ったが、思った反応はもらえなかった。トップを狙い続けるものとそうでないものの差は確かにあるのかもしれない。だが、それが現れてくるのは今ではないはずだ。

 

「分かった。」

 

「残り一分を切ったあ!」

 

円場の個性と爆豪の個性でけん制していると、プレゼントマイクからのアナウンスが入る。自分の順位を確認する。二位だ。

 

「少しできすぎかな、まあ引き続きキープに専念だ。」

 

より一層注意してくれ、そう続けようとした。そのアナウンスと同時に時間切れが来て、爆豪と切島の個性が使えなくなったからだ。

 

「ッ!円場!ガード!」

 

そう指示を出す暇があるならば自分で張ればいい。何のためのコピーだ。そう自虐する。だが、もう肺に痛みが走っていた。乱発はできない。何とか円場のガードが間に合い、爆豪を止める。

 

「てぇぇりゃああああ!」

 

爆豪が円場のガードを殴り破る。円場に後ろのバリアを張らせたせいで、動き出しに時間が掛かり、二本奪われる。後方のガードは僕の役目だったのに。

 

「大丈夫だ物間!まだ四位!その一本を死守する!」

 

円場の言葉にすぐに我に返る。後悔も反省も後回しだ。通過できなきゃみんなに申し訳なさすぎる。本調子でないのは、僕の都合なのだから。

 

「「角取、凡戸!!」」

 

回原と黒色の指示を受け円場と二人で両サイドに壁を張る。

 

「くそっ!」

 

「後ろから爆豪チーム!」

 

「!」

 

「任せろっ!」

 

円場がガードを張る。追い付かれるのは時間の問題、防ぎきるしかない。

 

「おぉぉぉらああああ!」

 

しかし、そのシールドは猛追してきた爆豪にたやすく破られた。

 

「容赦なーし!彼はあれだな、完璧主義者だな!」

 

プレゼントマイクの実況も耳に入ってこない。頭が真っ白になる。もう間に合わない。()()()()と思ってしまった。

 

「みんな、ごめん。」

 

気づけばそう自然と口にしていた。諦めきれず、爆豪チームを追いかけていた騎馬三人の動きが止まる。

 

「別にいいよ。障害物競走でB組のために無理させたし。」

 

後ろに向かう物間に個性を貸すことしかできなかった円場が、

 

「あの時助けに行かなかった俺たちが、お前を責められるわけないだろ。」

 

戻るのを見過ごした回原が、

 

「謝るのは俺達の方だ。力になれなくてごめん。」

 

助けてもらった黒色がそう言葉を結ぶ。

 

三人の言葉を受けて、顔を伏せる。顔を覗き込むものはいない。

 

「「「次は勝とうぜ。」」」

 

「っ!ああ!」

 

その顔は負けてしまったわりには晴れ渡っている。

 

「タイム、アップ!」

 

物間、円場、回原、黒色、第二種目敗退。




大事なことなのでもう一回言いますけど、小森が言うと可愛いです。私がのこって文章を書くぶりっ子ムーブに耐性が無いだけで。そんなことより物間の皮かぶった何かが出来上がってしまったことを反省しなければ。原作でも裏でこんなやり取りがあったらいいなあ。…ないかな?
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