内通者   作:三軒過歩

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少し前に取蔭どんなキャラだっけとアニメと漫画と内通者と体育祭4を見て43位を上位10%と書いていたミスに気づき20%にこっそり修正しました。それでも上位は上位です。


内通者と合同訓練

「いよいよ今日だな。」

 

心操との朝練を終えて職員室に向かう。今日はA組B組合同訓練の日だ。自分のクラスの授業を公欠してその訓練に参加することになっている。

 

「失礼します。」

 

職員室に入って相澤先生に話を通す。

 

「来たなお前等。前から伝えていたが今日はA組B組の合同訓練にでてもらう。一限目の時刻までに運動場γに集合。アップを済ませてからすぐ来るように。」

 

「「はい」」

 

 

「今回特別参加者がいます。」

 

物間が相澤先生の捕縛布で首を絞められることをきっかけに静かになるA組とB組に対してブラトキング先生の言葉が響く。

 

「特別参加者?」

 

「倒す」

 

「女の子!?」

 

「「一緒に頑張ろうぜー」」

 

八百万や爆轟、上鳴などがそれぞれに反応を見せるなか、二人は先生たちの影から顔を出した。

 

「ヒーロー科編入を希望している、C組心操人使君とD組佐々木過渡君だ。」

 

「「どうぞよろしく」」

 

「うげっ噓でしょ。」

 

「マジかよ」

 

強力無比な洗脳の個性をもつ心操に反応を見せるものがほとんどだが、心操よりも佐々木に対して大きな反応をした者が二人。

 

「それじゃあC組の心操から一言挨拶を。」

 

「何名とは既に体育祭で接しまたけれど、拳を交えたら友達とかそんなスポーツマンシップを掲げられるような気持ちいい人間じゃありません。俺はもう何十歩も出遅れてる。悪いけど必死です。」

 

弛緩した雰囲気がだんだんと引き締まっていく。

 

「立派なヒーローになって俺の個性を人のために使いたい。この場のみんなが超えるべき壁です。慣れ合うつもりはありません。」

 

ぎらついている心操の挨拶に気が引き締まると両クラスからは拍手が送られた。

 

「じゃあ次、佐々木。」

 

相澤先生に言われて心操に変わって一歩前に出る。

 

「さて、心操君は何十歩も出遅れてるって言いましたけど、僕はそうは思わない。僕は君たちのすぐ後ろ、なんなら君たちと同じところにいるという自信がある。少なくとも体育祭の時点では僕も心操君も君たちの半分以上よりも前にいた。」

 

彼は自己評価が低いですよね。と投げかけるがそれに反応する者はいない。唯一心操が頭を抱えているくらいだ。両クラスの敵愾心がむき出しになっていく。

 

「だから劣っているとは思わない。劣っていないからこそ慣れ合うつもりでもありますし、遠慮や油断をしてくれたら普通科に叩き落しますので対等な関係として仲良くしてくださいね。」

 

礼をする。挨拶が終わったのに拍手なんて起きようもない。当然だ。はっきりと煽った。言っている内容は心操と真逆なのにどっちが慣れ合うつもりがない人間の挨拶かなんて誰でも分かる。

 

「じゃあ早速やりましょうかね。」

 

ため息をついて相澤先生が戦闘訓練の概要をブラトキング先生と一緒に説明し始めた。

 

 

「というわけで心操と佐々木にはそれぞれ二つ引いてもらってそのチームの五人目になってもらう。」

 

さあ引けと差し出された箱に心操が先にくじを引き、そのチームに挨拶を済ませている。あの一言の後とはいえ佐々木に比べたら随分好印象だろう。おおむね肯定的に受け入れられているようだ。その様子を横目に佐々木がくじを引いた。

 

「A組は5でB組は4です。」

 

「A組は緑谷のところで、」

 

「B組は取蔭のところだな。」

 

とりあえず、先に出番が来るほうから挨拶を済ませようと取蔭のチームが固まっているところに行く。

 

「初めましての人が多いのでとりあえず初めまして。D組の佐々木過渡です。よろしくお願いしますね。」

 

「ギラついたやつは大歓迎だ。A組切り刻んでやろうぜぇ!」

 

「ああ、よろしく。俺はお前のこと全く知らないからとりあえず個性を教えてくれ。」

 

「マップの状態からして瀬呂と耳郎が怖いからね。その二人の対策の幅が五人なら広がる、だよね切奈。」

 

輪に入って挨拶をする。喧嘩を売ったような挨拶をしたのに少なくとも表面上は好意的に接してくれる。一人を覗いて。

 

「よりによってあんたが来るとはねえ。」

 

凡戸が振った話には答えず佐々木に話しかける。

 

「やりにくいったらありゃしない。」

 

体育祭での一件で取蔭の僕に対する心証は悪いだろう。それを僕自身に自覚されているのだ。気にならないわけがない。

 

「なに、お前等知り合い?」

 

仲悪いのかときかないあたり、気を使ったのだろう。これからチームを組むんだ。雰囲気を悪くしてられないのは事実だ。

 

「体育祭のときにちょっとね。」

 

佐々木が体育祭の一次種目で大立ち回りをしたことは観客以外ではほとんど誰も知らない。それを知らない泡瀬や凡戸にわざわざ言う必要もないということだろう。まだ高校生なのに、どうしてこうも雄英生は大人びてるのやら。

 

「へえ。じゃあ取蔭は佐々木の個性が分かってるんだ。それならもうA組を切り刻む作戦が練られてたりするのか?」

 

「僕らにも共有してよ。」

 

「ああうんそれが私にも佐々木君の個性を知らないんだ。だからそれの把握からかな。うちらは四戦目だから時間はたっぷりある。個性を把握してじっくり作戦を考えていこうといいたいんだけど…」

 

ちょっと待ってねと泡瀬たちを留め佐々木だけを手招きし声を潜める。

 

「どうやってここまでたどり着いたのさ。君がこの雄英ヒーロー科に認められるはずがないでしょ、()()()()()()()()。」

 

「まさかあのときの言葉を信じてたんですか?どう考えてもブラフでしょう。」

 

「そりゃそうだよ。ブラフだと思った。だから調べたんだ。」

 

普通科()の個性が何かなんて普通調べないでしょうに。」

 

調べようと思えば個性の名前くらいは簡単に調べられるが調べようと思わなければ普通知ることはない。取蔭は調べたんだろう。僕を脅威と思って。

 

「信じられなかった、というよりあってはならないことだよね。無個性の人間にヒーロー科がそれも雄英のヒーロー科が負けるなんて、そんなこと。」

 

それならさぞかし驚いただろう。でもそれを誰にも言わずにいてくれたことには感謝しなきゃいけない。無個性という触れ込みがあればみんなやりにくいだろうから。

 

「ハハ。確かにそうだね。だから普通科しか受験しなかったわけだし。でも今はそうじゃない。僕も資格を得たんだよ。」

 

「はぁ?」

 

共有(リンク)と取蔭切奈の相性はかなりいいほうだ。日常的に片眼ずつ別のものを見るとかげのしっぽきりを使う彼女には今更見るべき視点が一つ増えたくらいじゃ混乱しないだろうから。体に触れる。そうすれば共有(リンク)が完成する。

 

「ちょ、まって、なにこれ、え?」

 

共有(リンク)、五感を他者と共有する僕の個性だよ。君以外なら触れただけで混乱してまともに動けなくなるでしょ。」

 

視点が二つになってまともに動けるようになるまで一ヶ月かかった。捕縛訓練動作など難しい動きを出来るようになるまで一ヶ月。ぎりぎり間に合った。

 

「それ以外にも使いようはある。さあ、勝ちに行こうよ。」

 

共有(リンク)を解除して三人を手招きした。




凡戸君、君、取蔭のこと名前呼びしてたんですね。これで切奈って呼ぶのは凡戸で固定だから誰か分かりやすくなりました。ありがとう。さて彼の一人称ですがのんびり屋という点を考慮し僕で行きます。泡瀬と鎌切は俺でしょう知らんけど。
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