「いやいやいやいや!?これはちょっとシャレになんないッ!」
超常解放戦線を一網打尽にする作戦で後方支援の役どころだというのに、ここには脳無が二体もやってきてしまっている。ここにプロの戦闘向き個性はいない。
「全然攻撃通らんぞこいつ!!」
「竣工したって足止めにもならない!」
そうなれば当然戦闘向き個性はインターン生に限られる。
「やばいやばいこんなの俺の個性じゃ薄氷もおなじだ!」
他のインターン生と比較して雄英生がすぐに動き出せてるのは林間合宿の賜物か、それでもこの厄災相手には荷が重すぎる。こいつらをまともに相手できるのはトップクラスのヒーローだけだ。
「一瞬は止まる、とにかく張り続けて!」
プロヒーローが指示を飛ばすのを横目に物間も空気の壁を作る。少しでもこいつらの被害を抑えなければならないから。
「そっちに一体行ったぞ!」
「ちょっ、まッ…」
「泡瀬ッ!」
角取の個性を使って生やした角で泡瀬をぎりぎりで脳無から引きはがす。回原が何とか脳無の攻撃を受け流す。
「動きは単調だぜ、こいつら!」
俺でもいなせると得意げだが一撃食らえば終わりの状況に冷汗がひどい有様だ。それでも時間稼ぎを買って出てくれてる。僕も同じことができれば回原の負担を半分にできるのに。
「あっぶな!」
僕には彼ほどの身のこなしができない。彼の個性を真似れても彼が今まで個性を十全に扱えるように培ってきた経験が僕にはないから。だから今も角取の個性で遠くから援護するくらいしかできない。それも彼女には大きく劣る。
「物間サン!そっち危ないネ!」
余計なことを考えた代償だろうか、回原をかいくぐって接近してきた脳無の存在に気づくのがワンテンポ遅れた。
「「物間ッ!」」
鎌切と泡瀬の叫び声が響く。咄嗟に個性を刃鋭に切り替えて防御しようとして。
(時間切れ!?)
刃が出せないことに気づく。脳無の剛腕が目の前に迫る。
ー----
「君の個性じゃ、スーパーヒーローにはなれないね。」
ー----
その瞬間に想起されるものは僕の重荷。最期くらいもっといいとこを思い出したかったのに。
(ははっこれが走馬灯か。僕が主役の物語はここで終わる。)
ズドン!
物凄い轟音が響いて、でも僕は生きていた。目の前の人物が脳無の攻撃を受け止めていたから。
「こいつの攻撃を真っ向から受け止めた?」
驚愕のあまり声がこぼれる。常人の十倍なんて比じゃないパワーが脳無にはある。それを受け止めるような相当なパワーがあるヒーローはここにはいないはずだ。
「増強系万能枠の掛け合わせ、そりゃ当然この程度じゃ届かないよねェ…!」
「はァ!?」
声を聞いてより混乱が高まった。彼はここにいるはずがない人間で、脳無の攻撃を受け止められるパワーなんて当然ない人だったのだから。
「君、何でこんなところにいるんだよ、
「ありえないはずの最悪が起こった。それを起点に未来が確定していくさまが視えた。だからそれを覆す義務が僕にはある。」
佐々木は僕の疑問には答えない。いや答えてるつもりなのかもしれないけど、僕にとって、いやここにいる誰にとってもその言葉の意味は分からないだろう。
そして、この話と同時に内通者と伯父さん解禁!この話が予約投稿なので★消すの遅れるかもしれませんけど読んで問題ないです。