気のせいだと思った。最初は二つ、しかも片方はぼんやりとしか見えなかった。
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「頼むよ。後一本だけだ。」
何か致命的なことが起こった時、きっと洗脳を持つ彼はその事件に関与する。そんな確信があったから、彼の未来を視ることにした。何かあった事実を知るところまで視て、それを速攻で片づけるために。だから副次的ではあったけど、この勝負の結果は視えてた。僕が勝つって結果が。
ドンッ!
「ぐっ!」
敢えて躱させて動きを歪ませる。態勢を崩せばその隙に簀巻きだ。
ビシィッ!
「さっ、今日は何度やっても同じだろ?終わりにしようぜ。明日からも付き合うからさ。」
心操に勝って自主練を終える。その未来視に薄くではあったけれど割り込んできたもう一つの未来。
ビシィッ!
「やった…上手くいった。ハハ、これで俺もお前の予想を覆せて、お前に近づけたかな?」
僕が心操との対決で負けるという未来が視えてそれが実現した。
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それは日を追うごとに増えていく。未来の様々な可能性を見通せるようになったとかそう言う前向きな理由じゃない。この個性は未来を確定させる個性なのに確定できなくなっている。未来視の個性因子はサーの死によって減っていく。
*
「調子が悪いなら今日は自主練やめないか?今日は明確に動きが悪いぞ。」
見通せる未来がこの頃には既に百を超えてた。九十通りの勝ち方と十通りの負け方が視えていて、今回は十通りの中の一つが実現した。
「ごめん、ちょっと無理しすぎたのかな。」
未来を確定させられない、視える未来は無数にある。未来視はずっと先の未来を視て、逆算していかなければならなくなった。
「ヒーロー科の連中はインターンに行ってどんどん進んでるもんな。焦るだろう?」
「ああ、焦るよ。できるだけの可能性を探っておきたいから。」
三月末には異能解放戦線との戦いがある。その戦いでは死殻木の復活を阻止された殻木先生がAFOの音声を使ってギガントマキアを暴れさせ、ニアハイエンドが大量に世に放たれヒーローの信頼は地に落ちて、タルタロスに次ぐ刑務所のほとんどから囚人が逃げ出し社会は混沌に陥る。それでもタルタロスだけは無事な未来。
「ごめん。しばらく自主練には付き合えないや。調べたい事ができちゃった。」
そんな未来がわずかばかり視える。本物のヒーローだけが生き残るそんな最高の社会。それを実現させることが僕の至上命題だ。そのために動いた、
はずなのに。
*
「おま、おまおまおまお前ェェェーーーー!!!!」
全て上手くいくはずだった。百以上の可能性を視て、それでもその未来の一つとしてこんな結果にはならなかったのにどうしてこんなことになったのだろうか。
未来視をそのうち無くすのは内通者と伯父さんを書いたときから決めてたことです。この個性は私の手に余る。期間に関してもオールマイトが個性を渡したのが二月末で完全に失ったのが神野区の戦いなのでおよそ半年を参考に、死者のサーが抗うわけもないのでそれを考慮して…って感じです。