「ハハハハハハハ!!」
気分が高揚する。万能感に包まれる。今の僕なら何でもできるような、そんな気がする。
「緑谷、爆豪、頼むから無事でいてくれ…!」
+半冷半熱
「今のは佐々木!?」
轟の速度は決して遅くない。あのエンデヴァーに追随出来るそんな速さ。だけどいくつもの個性を重ね掛けしてきた佐々木はその数段上の速さだ。
「ようやくクソゲーも…」
死殻木が放った個性消失弾はイレイザーヘッドが片足を切り落とすことで対応してくれた。だから
「まだまだ付き合ってもらうよォ?」
+抹消
イレイザーヘッドが出血で意識を飛ばしても抹消を使える。
「ねえ、今、いまいま、どんな気持ち、どんな気持ちなの、カナ?」
ようやく終わるはずのクソゲーを強いられる、超強力な裏切者の登場に死殻木はどんな反応をするのだろう。それを想像するだけで顔が邪悪に歪む。でも彼の反応は僕の予想したものとはかけ離れていた。
「佐々木過渡君、また会えて嬉しいよ。」
その声はその姿は、間違いなく死殻木だというのにAFOの姿が幻視される。
「先生そこに、そこにいるんですねっ!」
今ならAFOでも倒せると、そう言う万能感に包まれている、だというのになぜか本能が警鐘を鳴らしている。その警鐘を無理矢理無視して殴りこむ。こいつを殺せば全て丸く収まるんだと。そして
「なにせ…
「がっ!?」
その言葉が紡がれたとたんに体が痙攣したかと思うと崩れ落ちる。意識が朦朧として、何か書き換えられるようなそんな感覚が襲う。
「君が裏切ることは知ってたから対策を打っておいたよ。」
物凄く手間がかかるからこの個性はずっと僕の中で眠ってたんだけどね、と続けるAFOに対して意識を手放さないように体にかきむしり血を滴らせながら言葉を発する。
「な…ぜだ、抹消は効いていた…!」
意識が遠のく。そして一度意識を手放したら最後、僕は先生の駒になる、なってしまう。そんな確信がある。
「魅了の個性はその精神を作り変えるもの。既に完成していて発動のトリガーはただの言葉、言葉は消せないだろう?さあ、こちら側に戻っておいで、僕の友達。」
「あ、あああ、アナタノ、い、イイイ言いなりにはッ、ならないッ!」
「言いなりってこれはお願いだよ?」
その言葉一つ一つが僕を蝕む。もう抹消を発動している余裕なんてなかった。うずくまってる佐々木の横を波動と轟が追い越して行く。
「予断を許さないんだけどなあ。」
ー赫灼熱拳
「噴流熾炎!!」
ー出力100%
「
言葉の穏やかさとは裏腹に相当追い込まれているようだ。二人の必殺技がAFOを攻める。そうだ、大切な友達なんだ、友達が困ってる。力になってあげなきゃ。
「あ、アッガアアアアアアア!!!!!!」
違う、ぢがうぢがうぢがゔヂガヴ!僕は…ボクはッ!
「主よ!!来たぞ!!次の指示を!!あなたの望み通りに!!」
佐々木がどんなに葛藤していても状況は変わり続ける。エンデヴァーが息子に心を砕かれ、ジーニストが戦線に加わって、脳無が来て通形が来る。
「あああああああああ!」
意識が朦朧とするだけだろう!今こいつを逃したらだめだなんだよ!本物を負けさせるなんて許されない。本物をはびこらせるために今まで僕は、何のために!!
ー立ち止まることは許されない。
何のために異常者になった!?僕の原点を思い出せ。僕が倒れてもいいのは死ぬときだけだろッ!!!!
どんなに自分を叱咤しようとも意識は全くはっきりしない。当然だ。僕は偽物だから。本物の英雄や敵が限界を超えて動くなか僕だけが限界を超えられない。けれどそのはずなのに急に意識が少しだけ晴れた。
「な、ナンデ?」
轟焦凍と波動ねじれの攻撃でAFOが意識を失っていたから、その隙に死殻木が前面に出てこれたから、ベストジーニストが連合を抑え込んだから、コンプレスが死殻木を起こすために球体に閉じ込めたから、そんなわずかな糸が紡がれて、佐々木が動き出す。
「グギャア!」
動き出した人間に対して脳無が襲い掛かってくる。その攻撃を受け止めた。
「邪魔ダァ!」
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頭痛が増す。きっとこの体をもってして個性を
「撤退しよう。今は僕の意識が前面に出れているけれど主導権を奪われそうだ。そしたら弔はまだ戦おうとするだろうからね。この体はもう限界なのに。」
「逃がさないにがさないニガサナイ!」
撤退を選択して脳無を足止めに逃げているAFOを追いかける。
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足止めに放たれた脳無を倒して、個性を
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まともに思考が回らなくなりそうで、
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それがなぜか気持ちよかった。