奥戸島で印照才加から簡単に人格の主導権を奪えたこと、同じ個性の重ね掛けが急にできたりできなくなったりしたこと。いくつかの
ヒントはちりばめられていた。気づいて抑え込んで、それができないなら自害しなければならなかった。
「おま、え…」
イレイザーヘッドが驚愕に目を見開く。呆然と放たれた口からは聞き取れきれない言葉の代わりに血が垂れた。
「素晴らしい判断力だね、ベストジーニスト。」
すぐさま佐々木を拘束しにかかったベストジーニストを称賛し、一瞥しただけで個性を抹消する。
「起きろ!佐々木!」
「ジーニストの動きに反応できる君も凄いね。九代目の目隠しになった。」
一瞬のスタンをついて打ったルミリオンの右拳を受け止めてAFOは突撃の個性を発動させ、突撃の直前に爆弾を置いていく。
「筋肉増強×8+変態×8+ジェット×8+剛健+エンジン+
「ルミリオン離れろ!!」
ジーニストの絶叫が響く。透過による回避力に絶大な信頼を置いていたルミリオンは一瞬反応が遅れる。
「今更来たって遅いって言ったよな、先生。」
突撃した先にいた死殻木と佐々木の視線が交錯する。
*
「外側だけ取り繕って、また俺に乗っ取られなおすのか?」
精神世界、AFOと死殻木が対峙する。
「
AFOの原点は、少なくとも死殻木の中に残した原点は死殻木によって取り込まれた。自分の想像を超えるくらいに育ってしまった。そのせいでこんな面倒を抱えている。
「気づいてないとでも思ったか?俺はあんたに育てられた。あんたのやりそうなことくらい分かる。それが自分の身体に仕込まれたことならなおさら。」
最初は真っ当に後継者としてAFOを移植したんだと思ったんだぜと言うその言葉に乗せられた感情は複雑で読み切れない。
「僕の
「皆に僕を見ていて欲しい、全ての崩壊を目指す俺とは真逆の価値観、水と油だ。共存はありえないから取り込むしかない、さあ俺と先生の最後の戦いを始めようぜ。」
AFOを持つ個性同士の戦い、それはどちらがAFOを強力に扱えるかに依存する。どちらが相手の精神を奪えるか、死殻木とAFOが相対し目線が絡み合って、
「いーや、君はあの家に連なるすべての崩壊、そんなものを望んでいるわけじゃないね。君は何か一つ違っていただけで一般人になっていた、ただの凡人だよ、志村転弧君。」
その言葉と同時に過去視が発動する。そして
あるいは…志村転弧