PhantasyStarOnline2-IF-「戦姫と死神」 作:あるふぃ@ship10
友人を紹介すると、ナウシズで過ごし始めてからすぐに所属することになったチームのマスターから言われ、私はついていった。
目の前には、ブレイバーのカタナ使いとしてはまさに憧れの存在である彼女の姿があった。
出会った当時は、突然有名人に会ったせいか、緊張で上ずった声で話していた記憶がある。
それからしばらく、何度か交流を深める内に彼女から、友人として、遠慮なく振舞って欲しいと言われた。
そんなことがあってから、私は彼女の友人となれるよう、接していくようにした。
共に戦い、共に研鑚し合い、共に語り合い、共に笑い合い...
いつしか彼女とは、戦友として、肩を並べられる存在となった。
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「あるふぃ、悪いけど、この勝負ははあたしが勝つよ。」
彼女の挑戦的な言葉に対し、私も負けじと言葉を返す。
「残念だが、私が勝たせてもらうよ。」
「まさか準決勝のミカエラとの勝負で勝ち上がって来るなんて驚いたけど、そうでなくっちゃあたしのライバルは名乗れないわ。」
「そっちの準決勝の相手はユウだったんだろう?単純な力量差なら彼の方が上のはずだ。よく勝てたな。」
「力で勝てないのなら、知識と経験でものを言わせるだけよ。正面からぶつかり合っていたらさすがに勝ち目が無かったわね。」
四半期に一度行われるアークスバトルトーナメント。
複数vs複数の連携を主とするバトルアリーナと違い、1vs1で個々の戦闘力がものを言う個人として最強のアークスを決める大会。
本戦前に行われる各シップの出場者を決める選抜トーナメント。
その決勝戦が今まさに始まろうとしていた。
「2人のウルからナウシズへの所属移籍申請が受理されてからの初のトーナメント。アリシアにアリス、セラフィム、クオン...ただでさえ強豪揃いのナウシズにウルの守護輝士であるユウとその姉のミカエラまでこちら側で参加することになって、ギャラリーも大盛り上がりさ。」
「戦ってるこっちは必死だっていうのにね。まったく、困ったものだわ。」
大きなため息をつきながら、まリスはやれやれと言ったように手を軽く上げ首を振る。
「...ところで、しばらくウル代表だったユウがナウシズの参加者になったってことは、今回からは誰が勝ち上がってくるのかしらね。」
「それは、自分の目で直接確かめに行けばいいんじゃないか?」
あるふぃは武器であるグリムリーパーを手元に出しながら続けて言う。
「無論、"私に勝てたら"の話だが。」
「なるほどね、クラス担当官は出場不可というルールがあったはずなのにあなたが出てこれるのは、そういうこと。」
「厳密には、クラス担当官は"自身の担当するクラスでの"出場は不可、という話さ。つまり、ラスター以外のクラスであれば私も問題無く出場できる。」
「そういうの...ありなの?」
「もちろんありさ。元々、この大会の立案者は私だしな。規則の抜け穴というのはあらかじめ作っておくものさ。」
「ものは言いようね...」
「何か言ったか?」
ボソッと呟くまリスに対し、本当に聞こえてなかったのか、わざと聞き直そうとしたのか、あるふぃはその言葉を再度問いただそうとする。
「べーつにー」
わざとらしくなんでもないような素振りをするまリスを見て、あるふぃはやれやれとため息をつく。
「まぁいい、そろそろ時間だ。久しぶりのまリスとのタイマンだ。あまり私を失望させてくれるなよ?」
「あるふぃこそ、久しぶりに戦ってみたら手も足も出ませんでした、なんて終わり方しないでよね?」
お互い、ニヤリと笑い、激しくフォトンのオーラが立ち昇る。
相対する2人の抑えきれない闘争心を解放するかのように、試合開始の合図が大きく鳴り響いた。