仮面ライダーが浸透したバンドリの世界   作:知栄 砂空

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燈ちゃん誕生日おめでとう!!

やはり思った通り、今年はガチャとか来ませんでしたね。

そのため燈ちゃんの誕生日回は書かなかったのですが、来年は絶対書きます!!

誕生日ガチャも来年やるはずなので、絶対当てたいです!

あと本当に個人的な話になるんですが、燈ちゃんと誕生日近いのでちょっと嬉しいですw。


第百三十一話 私と一生、仮面ライダーしてくれますか?

愛音「……」

 

透哉「へぇ、燈はボーカルなのか。」

 

燈「はい。あのちゃんは、ギターで、立希ちゃんがドラム……そよちゃんと楽奈ちゃんは……」

 

現在私達は、ショッピングモールに向かって歩いている。

 

透哉さんとともりんが前の方に並んで歩いていて、その後ろを私が着いていく感じで歩いている。

 

傍からすれば、愛音は2人の話に混ざらないのか、と思われるだろうが、私はこれでいい。

 

むしろ、こっちのほうが好都合だ。

 

なぜなら……後ろからのほうが、2人のことをじっくり観察できる。

 

特に透哉さん。

 

今はともりんと楽しく話しているつもりだろうが、いつかはぽろっと尻尾を出すだろう。

 

確かにともりんの言う通り、この人は優しく、良い人なのかもしれない。

 

でも、そういう人にこそ、必ず裏の顔がある。

 

今はそれを隠しているようだが、私の目は誤魔化せない。

 

思わず"あっ"とボロを出したとき、そのときが透哉さんの先輩としての威厳を失う時だ……。

 

ともりんはこの人のことを100%信頼してるみたいだから、それで化けの皮が剥がれたとき、もしかしたら落ち込んじゃうかもしれない……。

 

……でも、それもともりんのためだもん!

 

ううん、ともりんだけじゃない……。

 

私達MyGO!!!!!のためでもあるんだから!!

 

「……のん。……愛音ってば!」

 

愛音「……え?あ……な、何ですか?」

 

透哉「今の聞いてなかったのか?」

 

愛音「はい、ちょっと考え事をしてて……」

 

燈「あのちゃん、考え事って……?」

 

愛音「あはは、大丈夫大丈夫、そんな大したことじゃないから。」

 

透哉さんの裏の顔、化けの皮が剥がれたときのことを考えてたなんて、ともりんに言えるわけないし……。

 

愛音「と、ところで、何の話をしてたんですか?」

 

透哉「ん?あぁ、燈に、MyGO!!!!!を結成したときの話をしてもらってたんだよ。」

 

愛音「MyGO!!!!!を、結成したときの……?」

 

燈「うん……。あのちゃんが、私をバンドに誘ってくれたこととか、お互い迷子だけど、いっしょに進もうって言ってくれたこととか、みんなバラバラになっちゃったとき……そよちゃんを、説得しに行ってくれたこととか、いろいろ、話してた……。」

 

愛音「……そう、なんだ……。」

 

透哉「……お前らも、いろいろあったんだな。」

 

愛音「……"も"ってことは、透哉さんも昔何か…「いや、俺に何かあったってわけじゃなくてな。」?」

 

透哉「俺の知り合いにも、バンドをしてるやつらがいてな。そいつらも、昔いろいろあったんだよ。あるライブハウスのオーディション絡みとか、メンバー全員が幼馴染だから故の喧嘩とか、あるライブでのトラブルによる炎上とか……バンドとしての目標が高すぎたことでバラバラになりかけたり、1人に振り回されて成り行きでバンドに入ってしまったり……初めてのライブが思うようにいかず、自信を失いかけたり、あるとき放ってしまった一言で、ずっとそばにいてくれていた人を傷つけてしまったり……。」

 

燈・愛「「……」」

 

透哉「まぁ、今言った出来事のほとんどは、俺が直接見たわけじゃないから、後から聞いたことなんだけどな。……その後も、いろんな苦難があったけど、みんなで乗り越えて……そして今、あいつらは新たな一歩を踏み出している……いや、踏み出し始めている。俺は、そんなあいつらのことを、応援することしかできないけど……それであいつらが頑張れるなら、俺は自分ができる限り、いや、それ以上の応援をするだけだ。」

 

燈・愛「「透哉さん……。」」

 

透哉「だからお前らも……MyGO!!!!!も、これからだ。何があっても、バンドのみんなといっしょなら、絶対乗り越えられる。だろ?……って、ライブを見てない奴が何勝手なこと言ってんだって話だけど……。」

 

燈「……」

 

愛音「……バンドのみんなといっしょなら、絶対乗り越えられる、か。……透哉さんって、そういうくさいセリフ言うんですね。」

 

透哉「……やっぱ、らしくねえか。」

 

燈「そ、そんなこ…「いいんじゃないですか?」! あのちゃん……!」

 

愛音「今の話を要約するとつまり、私達MyGO!!!!!のことも応援してくれるってことですよね?」

 

透哉「……あぁ、もちろんだ。ライブでも、お前らに聞こえるくらいの声で応援するよ。」

 

愛音「……ふふ。じゃあ、私も頑張っちゃいますね♪期待しててくださいよ〜。」

 

透哉「ああ!いやー、そう言われたら俄然、ライブを見るのが楽しみになってきたよ!」

 

燈「……わ、私も、頑張ります……!」

 

透哉「おう、頑張れよ燈、期待してるぞ。……後で、立希と……そよ、楽奈、だっけ?その2人にも、楽しみにしてるって言っといてくれ。」

 

愛音「もちろんですよ!なんなら、今電話して伝えよっかな〜。」

 

透哉「い、いや、後ででいいよ後でで……。」

 

愛音「え〜?いいじゃないですか〜。」

 

透哉「いや、ショッピングモール行く時間もあるし、な?」

 

燈「……」

 

 

 

 

 

燈『……何で、突然透哉さんのところに来たの?』

 

愛音『……だから言ったでしょ?ともりんの話を聞いて、もっと透哉さんのことを知りたくなったから、って。』

 

燈『本当に、それだけ……?』

 

愛音『本当にそれだけだよ。』

 

 

 

 

 

燈「(……やっぱり、"透哉さんのことを知りたくなっただけ"じゃなかった……。あのちゃんはそのことに加えて、透哉さんと仲良くなりたかったんだ。……ふふっ。よし、透哉さんがMyGO!!!!!を応援してくれるように、私は、あのちゃんと透哉さんがもっと仲良くなれるように、応援しよう……!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ショッピングモール】

 

透哉「よし、着いたな。まずは…「ガッチャード……!」はは、分かったよ。」

 

……私また、透哉さんのペースに飲み込まれてた……。

 

もう〜!

 

裏の顔を暴く、化けの皮が剥がれるのを待つって決めたばっかなのに〜!

 

……透哉さんって、魔性の女ならぬ、魔性の男だなぁ……。

 

あれを意識してやってるのか、無意識でやってるのかは分からないけど……ここまで強敵だとは思わなかった……。

 

……こうなったらもう、待つだけじゃダメか。

 

うん、そうだよ。

 

私としたことが、私らしくなかった。

 

自分から責めて、自ら透哉さんの裏の顔を暴く……。

 

よし、これで行こう!

 

そうと決まったらさっそく……って、あれ?

 

……ともりんと透哉さん、どこに……「おーい、愛音ー!」!!

 

燈「あのちゃん、早く……!」

 

2人共、いつの間にエスカレーターに……。

 

って、私も早く行かないと!

 

愛音「ふ、二人とも待って〜!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ショッピングモール おもちゃ屋】

 

透哉「お、あったぞ、ライドケミートレカ。」

 

燈「は、はい。……あれ?購入制限……10パックまでになってる……。」

 

透哉「お、ほんとだな。前まで3パックまでだったのに。ラッキーだな、燈。」

 

燈「はい!えーっと、PHASE:00とPHASE:01をそれぞれ10パックずつ……」

 

透哉「あ、それ、紙のやつを複数枚持って行かなくても、1つずつ持って行ってレジでそれぞれ10パックずつ欲しいって言えば、ちゃんとその通りに買えるぞ。」

 

燈「え……そう、なんですか……?」

 

透哉「ああ。」

 

愛音「……」

 

どうしよう……いつ責めよう……。

 

頃合いを見てって思ったけど……ずーっとともりんと話してるんだもんな……。

 

ともりんもともりんで、ずーっと透哉さんと……。

 

しかも、話題は仮面ライダーの一点張り……。

 

……少しくらいは、私にも話しかけてくれればいいのに……。

 

透哉「そういえば知ってるか?とうとうライドケミートレカ、PHASE:02が発売されるんだぜ。」

 

燈「! 新しいライドケミートレカ……!」

 

透哉「おう!しかも今週発売だってよ!楽しみだよな!」

 

燈「絶対買います!」

 

……はぁ、なんかつまんない……。

 

……ん?

 

これは……。

 

『ガッチャードライバー試遊台

 

2枚のカードを使ってガッチャンコして遊んでみよう!!』

 

……あ、ガッチャードのベルトか。

 

ともりんにライドケミートレカを見せてもらった日に、ちょっとだけ調べたっけ。

 

へぇ、試遊台なんてあるんだ……。

 

 

 

 

 

燈『この前家に来て、私のカードを見てるときの愛音ちゃんの目、キラキラしてた……。まるで、私が初めてライドケミートレカのパックを買って開けたときみたいに。』

 

愛音『……私、そんなに目キラキラさせてた?』

 

燈『うん……!それに、可愛い、カッコいいって言ってたし……だからあのちゃんも、きっと気に入ると思う……!』

 

 

 

 

 

そういえばあのときの返事、まだしてなかったな……。

 

私が話題変えて、そこから透哉さんの話になって、昨日のことも詳しく教えてもらって、そして、ともりんを透哉さんから守るために、こうして……。

 

……守る、ために……。

 

……チラッ

 

燈「透哉さん、私……今度、ガッチャード、見てみたいです。」

 

透哉「お安いご用意だ!テレビで毎週録画してあるから、今度また家来いよ。いっしょに1話から見ようぜ。」

 

……透哉さんに、裏の顔なんて……ほんとに、あるのかな……?

 

さっきからともりんとずっと話してるけど……全部優しい感じで、すごく先輩してて……悪いとこなんて、1つも……。

 

……あれが、本当の……透哉さん、なのかな……。

 

透哉「! 愛音、それ見てたのか?」

 

愛音「! い、いや……たまたま、近くにあったから…「あのちゃん、これ、すごく楽しいんだよ……!」と、ともりん?」

 

透哉「そうだ、試しにちょっと遊んでみろよ。ほら、左側にホッパー1の、右側にスチームライナーのカードを入れるんだ。」

 

愛音「……えっと……こっちに、ホッパー1を……」

 

『ホッパー1!』

 

愛音「で、こっちに、スチームライナー……」

 

『スチームライナー!〜♪』

 

燈「そしてレバーを引いて、ガッチャンコ……!」

 

愛音「が、ガッチャンコ!」

 

『ガッチャンコ!〜♪スチームホッパー!』

 

愛音「……綺麗……。」

 

透哉「だろ?多色発光が綺麗だし、絵柄がガッチャンコして繋がると気持ちがいいよな!」

 

燈「スチームホッパー以外にも、いろんな組み合わせがあって……しかも、私のオーズのパラレルも使えるから……すごく、楽しいんだ。」

 

愛音「……そう、なんだ。」

 

透哉「そうだ。今度愛音も、家来るか?」

 

愛音「!」

 

……い、今だ。

 

丁度このタイミングで、ともりんを家に入れた真意を聞きだせば……。

 

最後まで問い詰めて……私の考えは正しかったって証明してやる!

 

愛音「と、透哉さん!昨日、ともりんを家に呼んだ本当の目的…「あのちゃん!いっしょに透哉さんの家、行こう!ガッチャードライバーはもちろん、他のライダーのベルトもたくさんあるし……ううん、それどころか、仮面ライダー部屋があるから……!きっと楽しいよ!」「おいおい、ハードル上げるなって燈……。まぁでも、そうだなー……。あ、猫。うち猫がいるんだ。すあまって言うんだけどな、最近やっと抱っこさせてくれるようになって……」……」

 

透哉「昨日、なんだかんだガッチャードライバーでしか遊ばなかっただろ。だから次は、他のライダーのベルトも遊んでみたらどうだ?」

 

燈「あ、遊んでみたいです……!うーん……あ、オーズ、とか……」

 

透哉「オーズか!よし来た!オーズは最大最強最高級のベルトがあるからな〜。あれはびっくりするぞきっと。」

 

燈「びっくり、ですか?」

 

透哉「ああ、びっくりだ。」

 

燈「……ますます、楽しみです!」

 

……あぁ、そっか。

 

本当にともりんの言う通り、他意はなかったんだ。

 

仮面ライダー、ただそれだけのために、家に行ったんだ。

 

……2人の会話には……全く、裏がない。

 

そして、透哉さんの言動にも……。

 

……じゃあ、今日1日私が考えてたことは、全部、無意味なことだったんだ。

 

裏の顔があるだの、化けの皮を剥がすだの、ともりんとMyGO!!!!!のためだの、守るだの……。

 

……何やってんだろ、私。

 

透哉「愛音もきっと驚くぞ!……愛音?」

 

愛音「……ダッ!」

 

透哉「!? お、おい愛音!」

 

燈「あ、あのちゃん……!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【???】

 

はぁ……はぁ……。

 

……また、逃げてきちゃった……。

 

いやでも、あのときとは状況が違うか。

 

……でも、逃げてきたことに変わりないや、はは……。

 

……はぁ。

 

結局私、何がしたかったんだろ。

 

透哉さんに突然啖呵切って、そこからなぜかショッピングモール行く流れになって、その中で裏の顔暴こうとかなんとか思ってるだけで全然実行に移せなくて……そして今……頭がぐちゃぐちゃになって……逃げた……。

 

……今日の私、最悪じゃん……。

 

愛音「はぁー……。こんなことなら、透哉さんのことを詳しく聞いたりなんて、するんじゃなかった……。」

 

 

 

 

 

「俺が何だって?」

 

愛音「え?」

 

透哉「……」

 

愛音「と、透哉さん!?何で、ここに……」

 

透哉「追いかけてきたんだよ。途中で見失いそうになったけど、近くの人に『ピンクの髪の子が通らなかったか』って聞いたらこの路地裏に入ってったって言うから、それでな。」

 

愛音「な、なるほど……。」

 

……息切らしてる……。

 

走ってまで追いかけてこなくてもよかったのに……。

 

透哉「……なぁ、愛音。」

 

愛音「な、何ですか?」

 

透哉「……俺さ、燈に何かしたかな?」

 

愛音「……え?」

 

透哉「さっき、っていうかショッピングモール来る前か、立希に言われたんだよ。俺が燈に何かしたから、愛音が怒ってたんじゃないかって。」

 

愛音「……」

 

透哉「で、いろいろ考えたんだけど……全然思い当たる節がなくて……。家に呼んだときも、最初こそ戸惑ってはいたけど、普通にベルトやすあまと遊んでたし……ショッピングモールにも、あいつか行きたいって言うから、それなら明日行こうぜって約束して来た感じだし……。愛音に何か話したんじゃないかって立希も言ってたから、お前なら何か知ってると思ったんだけど……。」

 

愛音「……りっきーが、そんなことを?」

 

透哉「ああ……。それで、どうなんだ?燈、俺のことについて何か言ってたか?」

 

……透哉さんも透哉さんで、そんなことをずっと考えてたんだ……。

 

……私って、本当にバカだなぁ。

 

愛音「……言ってましたよ。」

 

透哉「! や、やっぱりか!な、何て言ってたんだ……?俺、あいつに何か嫌なこと…「とても優しくて……たまに可笑しくて……。男の人だけど、すごく良い人なんだって、言ってました。」……」

 

愛音「透哉さんに出会わなければ、自暴自棄になるところだったって。透哉さんがいたから……透哉さんがいてくれたから、私は今もこうしてライドケミートレカから、仮面ライダーから離れないでいられるんだって。……ともりんも、最初は透哉さんの家に入るの、不安だったみたいですけど、結局不安要素なんて一切なくて……本当に、ただ純粋に、助けたいという一心で……私と凛々子さんを、助けて、くれたんだ、って……。」

 

透哉「! お、おい、何で愛音が泣いてるんだよ……。」

 

愛音「……え?あ、あれ……?お、おかしいな、どうしたんだろう私……。」

 

……そうだ。

 

私、本当は分かってたんだ。

 

ともりんの話を聞いて……実際に会って話してみて……透哉さんは、私の思ってるような人じゃなかったって……。

 

分かっていたのに、変な意地張ってそれを認めず、あと少しで私、ともりんの邪魔を……。

 

……邪魔を……するところだったんだ……。

 

あんなに楽しんでて、喜んでたともりんの、邪魔を……。

 

愛音「……めん……さい……。」

 

透哉「え?今、何て……」

 

愛音「ごめんなさい……!透哉さん……!!」

 

透哉「! え……え!?」

 

愛音「私、透哉さんのこと……勝手に裏の顔があるんだって、思い込んでました……。この人を、ともりんやMyGO!!!!!のみんなに近づけちゃいけないって……初対面の女の子をその日のうちに家に上げるような男の人なんて、信用ならない、何か企んでるに違いないって……。」

 

透哉「う、裏の顔……?」

 

愛音「でも、そんなこと全然なかった……。ともりんの言う通り、とても良い人で……悪いとこなんてないんじゃないかって、思うくらい……。さっき初めて会って、今に至るまで……ちょっと話しただけなのに、そんなこと分かるのかって思いますよね?でも……ともりんの表情が、それを物語ってた……。」

 

透哉「……」

 

愛音「直接何かされた、言われたわけじゃないのに、突然何言ってんだって話ですけど……透哉さんとともりんに対する罪悪感が、すごくて……。あと少しで私、2人の邪魔をするところだった……。2人の楽しんでる時間を、奪ってしまうところだった……。そう思ったら……言わなきゃ、って……。」

 

透哉「……」

 

愛音「だから……ごめんなさい……!よく分かんない話で急に謝られるって、それこそ意味分かんないと思うんですけど……私の気持ちが収まらなくて……。だから……!」

 

透哉「愛音。」

 

愛音「!」

 

透哉「……とりあえず、場所変えねえか?」

 

愛音「……え?」

 

透哉「周りに見られてる……。路地裏っつっても、人目につきやすいところだしな、ここ……。」

 

愛音「……あ。」

 

「あの子、なんか泣いて謝ってるよ?」

 

「あの男が泣かしたのか?」

 

「ひでえやつだな。同じ男として恥ずかしいぜ。」

 

「あの子可哀想……。」

 

透哉「……な?」

 

愛音「……分かりました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【近くの公園】

 

透哉「ほらよ。」

 

愛音「……さっきRiNGで、ミルクティー奢ってもらったばっかなんですけど。」

 

透哉「さっきはさっき、今は今だ。燈も、ほら。」

 

燈「あ、ありがとうございます……!」

 

愛音「……透哉さんって、奢るの好きなんですか?」

 

透哉「いや、そういうわけじゃないけど……こういうの、先輩っぽいだろ?」

 

愛音「……はは、何ですかそれ。」

 

透哉「……」

 

路地裏から、近くの公園に移動してきて、今私とともりんはベンチに座っている。

 

透哉さんは立ってるが、私の左隣にまだ座れるスペースがあるので、そこに座るよう手でベンチをポンポン、と叩いて促す。

 

透哉「……いや、俺はいい…「いいから、座ってください。そのほうが楽でしょ?」……それもそうだな。じゃ、隣失礼するよ。」

 

……流石に、3人座ると狭いな……。

 

ともりん、苦しくないかな……。

 

ていうか……私今、透哉さんとすごい密着してるんだけど……!?

 

……だ、だからって別に、何とも思わないけど!

 

……透哉さんは、どうなんだろ……。

 

やっぱり何か、思うところが…「美味え〜!やっぱ寒いときはあったかいカフェオレに限るな〜。」……ないな。

 

これはたぶん、いや、きっと何も思ってない。

 

はぁ、ほんのちょっとでも意識しちゃった私がバカみたい……。

 

燈「そ、そういえば、あのちゃん……。」

 

愛音「んー?何?ともりん。」

 

燈「もう、大丈夫なの……?さっき、突然走ってどこかに行っちゃったから、何かあったのかなって、心配で……。」

 

愛音「……大丈夫かどうかと言われたら、どうだろ……。」

 

まだ透哉さんから、何も聞いてないし……。

 

いや、もしかしたら何も言わないのかもしれない。

 

私が勝手にいろいろ考えて、勝手に謝っただけだし、それで透哉さんが必ずしも何か言葉を返さなきゃいけないなんてことはない。

 

……ほんとにそうだったら、ちょっと心が重いけど、自分の責任だしな……。

 

ちなみにさっき、透哉さんが私を追いかけに来たとき、ともりんはおもちゃ屋で待ってたらしい。

 

もちろんそれは、ともりんの意思じゃなくて透哉さんの指示で。

 

なので路地裏を出た後、一度おもちゃ屋のところに戻ってともりんを迎えに行って、その後にこの公園にやって来た。

 

ともりんからしたら、何が何だか分からなかっただろうな……。

 

透哉「燈、ちゃんと買えたか?」

 

燈「……!は、はい!PHASE:00を10パックと、PHASE:01を10パックで、合計20パック……!ちゃんと買えました!」

 

透哉「はは、良かったな。」

 

ふふ、ともりん嬉しそう。

 

……こうやって見てると透哉さん、なんだかお兄ちゃんみたい……。

 

透哉「……それで愛音、さっきの話なんだけどさ……」

 

愛音「! は、はい!」

 

か、完全に油断してた……。

 

やっぱり、何かしら言われるよね……。

 

……でも、大丈夫。

 

何を言われようと、覚悟はできてる……。

 

愛音「……」

 

透哉「……

 

 

 

 

 

俺にだって、裏の顔はあるぞ。」

 

愛音「……え?」

 

透哉「それはもちろん、燈にも、愛音にも言える。」

 

燈「! わ、私……?」

 

透哉「人間誰しも、表の顔と裏の顔を持ってるもんだ。それを使い分けながら、人は生きてるんだからな。」

 

燈・愛「「……」」

 

透哉「……『俺には最高最善の面もあるし、最低最悪の面もある。口で言う綺麗ごとも、それとは裏腹に、心で思っている黒いことも、両方本当なんだ。』」

 

燈・愛「「……?」」

 

透哉「今のは、数多くある俺が好きな言葉の中の一つだ。これを今の会話に置き換えると……俺達には、良い面もあるし、悪い面もある。表ではいい顔をしていたり優しく接したりしてるけど、裏ではそれが面倒だったり、何で俺がそんなことしなきゃいけないんだ、って思ってしまうことだってなくはない。でも、それは仕方ないことなんだ。人は生きてる限り、時と場合によっていろんな考えや思いを浮かべてしまうものなんだから。」

 

燈「……」

 

愛音「……透哉さんは……あるんですか?良い顔をしたり、優しく接したりするのが、面倒だったり、何でそんなことしなきゃならないんだって、思うこと……。」

 

透哉「……全くない……って言いたいところだけど……昔はたまにあったよ。」

 

燈「透哉さんでも……?」

 

透哉「ああ。小学生、中学生の頃ってさ、いろいろ大変だろ?身体的にも、精神的にも成長する時期だけど、それが逆にナーバスな気持ちにさせたりっていうのがよくあってさ……。今日は人と会いたくない、話したくない……ずっと1人になりたい……そう考えることもあったなぁ。」

 

愛音「……今の透哉さんからは、考えられないですね……。」

 

透哉「……でも、近くにそれを打ち明けられる友達がいた。そいつは幼馴染で、よくいっしょに学校の時間を過ごしたり、家で遊んだりしててさ。ある時までは、そいつのおかげで、そんな時期を乗り越えることができたんだ。」

 

愛音「……ある時までは、って……?」

 

透哉「……まぁ、ちょっといろいろあってな。……とまぁ、小学生中学生の頃はそういう時期もあったけど、高校生になってからは、そんな考えをすることもなくなっていったよ。ちゃんと気の合う友達ができたし、あいつらにも出会えたから、毎日結構楽しいんだ。」

 

燈「……」

 

愛音「……充実、してるんですね。」

 

透哉「ああ。でも、それはお前らもだろ?」

 

燈・愛「「え?」」

 

透哉「毎日充実、してるんじゃないのか?MyGO!!!!!のみんなとも、楽しくやってんだろ?」

 

燈「……確かに……毎日、充実してる……。」

 

愛音「……うん、私も。前はいろいろあったけど、今は……楽しいかな。」

 

燈「それに、バンドを始めて……みんなに会えた。あのちゃん、立希ちゃん、そよちゃん、楽奈ちゃん……そして……。」

 

愛音「……」

 

透哉「……?」

 

燈「……苦しいこともあったけど、乗り越えて……今、迷子のまま、前に進もうとしている……。これからも、大切なみんなと……一生、バンドするために……。」

 

愛音「……うん。頑張ろうね、ともりん!」

 

燈「うん……!」

 

透哉「……一生か……。でかい目標だな。」

 

愛音「透哉さんも、何かいっしょにやります?一生。」

 

透哉「はは、まぁ、考えとくよ。」

 

愛音「あー、それ絶対やらない言い方じゃないですかー。」

 

透哉「いやいや、そんなことねえって……」

 

愛音「ありますよー。」

 

ワーワーギャーギャー

 

燈「……透哉さんと……一生……」

 

 

 

 

 

『燈、俺が仮面ライダーのこと、いろいろ教えてやるよ。いろんな作品があったり、いろんなライダーがいたり、いろんなベルト、アイテムがあったり、それ以外にもフィギュアやカードなど、いろんなグッズがあったり!!』

 

 

 

 

 

『今言ったように、仮面ライダーの世界は広いんだ。ライダーのことを今よりもーーーっと知る事ができれば、燈もきっと、仮面ライダーを好きになるぞ!!まさに、俺の知り合いがそうだったからな!!』

 

 

 

 

 

燈「……この人となら……私……。っ!」

 

愛音「何かないんですか〜?私達と一生やるもの〜。」

 

透哉「んなこと急に言われたって思いつかねえよ……!」

 

燈「……透哉さん!」

 

透哉「? どうした?燈。」

 

愛音「……どうしたの?ともりん。急に改まったような顔して……。」

 

燈「……透哉さん。

 

 

 

 

 

 

……私と一生、仮面ライダーしてくれますか?」

 

透哉「……え?」

 

愛音「……ん?」

 

燈「……」

 

それから数秒間、この公園に沈黙が流れた。

 

私も透哉さんも、一瞬呆気に取られたような声を出し、思考もフリーズした。

 

突然ともりんが言い放った、聞いたことあるフレーズ。

 

聞いたことはあるが……その言葉の意味は、このときはよく分からなかった。

 

そのともりんの言葉を汲み取り、しっかり理解することができたのは、それから数分後の出来事だった。

 

……私、冗談で言ったつもりだったんだけどな……。




そういえば、この前とうとうガッチャードの強化フォームの姿が公開されましたね!

エクスガッチャリバーを使って変身する強化フォーム名は、スーパーガッチャード!

シンプルな名前で見た目もカッコよくて、個人的にはすごく良いと思います!

しかも映画でもエクスガッチャリバーを使って、映画限定フォームのスターガッチャードなるフォームに変身するらしいですから、意外と汎用性のある強化アイテムになりそうですね。(基本形態っぽいクロスエクスレックスやUFO-X?の姿も公開されてましたしね)
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