一週間ぶりくらいですかね?
楽しみに待ってくれている方は、お待たせしました!
リバイス3話感想会は、明日か明後日に投稿できたらいいなと思っています。
あ、ちなみに今回の十六話、本小説で一番長くなっちゃいましたw。
「さぁ!始まりました!!たのバラTV!!」
イェーイ‼︎
フーフー!!
「今回のたのバラTVは特別企画!題して!!
……仮面ライダー特集ーー!!」
パチパチパチ……‼︎
パチパチパチ……‼︎
「それでは毎度お馴染み、ゲスト紹介へと参りましょう!!Pastel✽Palettesの皆さん!お願いします!!」
司会者の合図で幕が上がり、スタジオにステージ衣装を着たPastel✽Palettesの五人が入ってきた。
観客席からは大きな拍手が鳴り響き、Pastel✽Palettesは笑顔で手を振りながら、それぞれの席へと向かう。
それぞれ定位置に着くと、リーダーの丸山彩から自己紹介が始まった。
彩「まん丸お山に彩りを♪ Pastel✽Palettesふわふわピンク担当、ボーカルの丸山彩です!今日この日を、ずっと楽しみにしていました!パスパレとして、そして仮面ライダー好きとして、悔いの残らない時間にしたいと思いにゃ……!」
日菜「あはは、こんなところで噛むの〜?やっぱり彩ちゃんは面白いな〜。」
彩「うぅ〜、今日は噛まないって決めてたのに〜……。」
アハハハハ……‼︎
千聖「ドンマイよ、彩ちゃん。…… Pastel✽Palettesでベースを担当しています、白鷺千聖です。このたのバラTVでは初の試みとなる企画ということで、どんな展開が待っているのか、今からとても楽しみです。」
パチパチパチ……‼︎
日菜「はいはーい、次はあたしね!ギター担当の、氷川日菜だよー!おねーちゃーん、見てるー?あ、今はまだ見れないんだっけ。まぁいいや。今日はおねーちゃんがジョーカーメモリを貸してくれたから、これをお守りにして番組を盛り上げていくからねー!」
千聖「ちょっと日菜ちゃん!?それはさっきスタッフさんに預けるようにって…「無理言ってお願いしたら、特別にいいよーって言ってくれたんだー。なんたって、お守りだからね!」……全く、日菜ちゃんったら。」
パチパチパチ……‼︎
彩「……今のところ、私だけ笑われてるような気がするんだけど……」
麻弥「き、気のせいですよ彩さん……。あ、ジブンはドラムを担当しています、上から読んでも"やまとまや"、下から読んでも"やまとまや"の、大和麻弥です。今日はよろしくお願いします。フヘヘ……」
パチパチパチ……‼︎
千聖「最後はイヴちゃんね。最後だから緊張するかもだけど、頑張って。……?イヴちゃん?」
イヴ「……」
日菜「次、イヴちゃんの番だよ?」ポン
イヴ「! え?あ……、! す、すみません!」
麻弥「そ、そんなに緊張しなくても大丈夫だと思いますよ。リラックス、リラックスしてください。」
イヴ「り、リラックス……。すぅ、はぁ、すぅ、はぁ……。き、キーボードを担当しています、若宮イヴです。……よろしくお願いします。」
パチパチパチ……‼︎
彩「……イヴちゃん?」
「Pastel✽Palettesのみなさん、ありがとうございます!それではさっそく、最初のコーナーに参りましょう!題して!
仮面ライダーヒストリー!!」
パチパチパチ……‼︎
パチパチパチ……‼︎
日菜「イェーイ!!」
彩「い、イェーイ……。」
「このコーナーは、改めて仮面ライダーの歴史を振り返っていこうというシンプルなコーナーです。仮面ライダーを知らないという人も、これを見ればどの時期にどのライダーを放送していたのか、どんなライダーがいるのか、一目で丸分かりです!それでは、さっそく参りましょう!」
司会者がそう言うと、スタッフの人が二人がかりで大きなパネルを持ってきた。
その間にVTRが始まり、Pastel✽Palettesの全員はその映像に釘付けだ。
しかし、キーボード担当、兼モデルの若宮イヴだけは、みんなと同じようにVTRを見ていながらも、一人表情を曇らせていた。
イヴ「……」
「以上、仮面ライダーヒストリーでしたー!」
パチパチパチ……‼︎
「……はい、お疲れ様でしたー!一旦休憩入りまーす!」
「20分後にまた、ここに座っていてください。」
彩「んー!楽しかったー!」
千聖「彩ちゃん、次々に話を振られても、緊張することなくスラスラと話せていたわね。すごいじゃない、見直したわよ。」
彩「えへへ……ありがとう千聖ちゃん。」
麻弥「ジブン、いつもはあまり緊張しないんですが、今日の収録は新しい試みの企画ということもあって、しどろもどろになってしまうことも度々でした……。」
千聖「でも麻弥ちゃんも、一生懸命話に合わせようと頑張っていたじゃない。」
日菜「ジオウのくだりは面白かったよね!ジオウの中で好きなライダーは何ですか?って麻弥ちゃんに聞いたら、キカイって答えて、そこからすごい熱く語ってて…「そ、そのことは忘れてくださいよ〜!ジブンでもやってしまったー!って思ったんですから……」え〜?面白かったのに〜。」
彩「あはは……。……」
イヴ「……」
彩「……イヴちゃん。」ポン
イヴ「! あ、アヤさん……。」
彩「イヴちゃん、朝からずっと元気ないよね?何かあったの?」
イヴ「……気づいて、いましたか。」
千聖「そりゃ、あんな露骨に暗い顔してたら誰だって気づくわよ。でも流石ね。司会者さんやスタッフさん達には気づかれないように、明るい元気なイヴちゃんを演じていた。」
日菜「確かにあれは、千聖ちゃんと肩を並べられるくらいの演技力だったね。」
麻弥「恥ずかしながら、ジブンはその演技には気づけなかったですが……イヴさんの元気がないことは、ずっと気づいていましたよ。」
イヴ「……すみません。せっかくの特番収録だというのに、こんな……」
彩「泣かないで、イヴちゃん。……ねぇ、何があったのか、私達に話してみてくれないかな?もしかしたら、何か力になれることがあるかもしれないから。」
イヴ「……でも……」
千聖「イヴちゃん。」
イヴ「!」
千聖「私達は仲間なのよ。一人じゃできないことも、みんなとなら乗り越えられる。そうでしょ?」
日菜「おー、千聖ちゃん良いこと言う〜。……でもイヴちゃん。どんな悩みも、友達に話してみたら案外すっきりするもんだよ。」
麻弥「すっきり……とまではいかないかもしれませんが、少しは気持ちが楽になるとは思いますよ。」
彩「イヴちゃんがどうして元気がないのかは分からない……けど、だからこそ力になりたい。私達は元気なイヴちゃんといっしょに、この収録を成功させたいんだよ。イヴちゃんも、そうでしょ?」
イヴ「……」
彩「だからお願い、私達に話して?いったい何があったのか、どうしてイヴちゃんの元気がなかったのか。そして、イヴちゃんのそのもやもやをいっしょに解決していこう?」
イヴ「……私……私は……
……私は!武士として失格です!!」
彩・千・日・麻「!?」
彩・千・日・麻「ロックシードを忘れたーー!?」
イヴ「はい……。鎧武という作品において、とても重要なアイテム……特にアーマードライダーには必須のアイテムを、家に置いてきてしまったんです……。」
彩・千・日・麻「……」
イヴ「昨日の準備中に、途中で遊んだりしたから、バチが当たったんです……。武士として許されざるを得ない行為を、私は犯してしまったんです。私は……武士失格です……。」
千聖「……なるほど。だからイヴちゃんは、ずっと……」
彩「し、失敗は誰にでもあるよ!私だって、忘れ物をしちゃったこと、何回かあるし……」
麻弥「そ、そうですよイヴさん。……そうだ!事情を説明して、イヴさんの私物紹介コーナーをなくしてもらうのはどうでしょう?ジブンとチサトさんは今日何も持って来ていませんし、正直に言えばスタッフさんも分かって……」
イヴ「……」ズーン
麻弥「す、すみませんすみません!!今の却下で!今の却下でお願いします!!……それによく考えたら、少々軽率すぎる発言でしたね。ほんとにすみません、忘れてください……。」
日菜「まぁイヴちゃん、収録が始まる前、『私の私物、楽しみにしていてください!』って、スタッフさんにすごい自慢げに話してたもんねー。事情を説明って言っても、説明しづらいよねー。」
彩「ちょっと日菜ちゃん!その言い方は…「でも、事実には変わりないわ。」千聖ちゃん!だけど……」
千聖「イヴちゃん。」
イヴ「……はい。」
千聖「忘れ物をしてしまった。それは仕方のないことよ。でも、残念だけど……それを取りに家に戻ったり、代わりになるものを探したりなんて時間はないわ。よって、……私達に、その問題を解決することはできない。……さっきあんな偉そうなことを言っておいて、不甲斐ないわね。ごめんなさい。」
イヴ「! そ、そんな!チサトさんが謝ることでは…「だから。」?」
千聖「そんな私達に求められるのは……適応力。何があっても、何があったとしても、それを成功させるために考え、動いて、適応する。プロのアイドルなら、これは必要不可欠。」
彩「……ち、千聖ちゃん…「イヴちゃん、そこであなたに伝えるわ。」ビシッ! 聞いてない……。」
千聖「……よく考えなさい、そして動きなさい。その場その場に合った適応力を身につけることは、今後のパスパレの活動にもきっと影響していくわ。」
イヴ「適応力……。」
千聖「そうよ。……できる?」
イヴ「……やります。……やってみます!!私若宮イヴ、適応力を身につけ、立派な武士を目指して頑張ります!!」
千聖「そのいきよイヴちゃん!あなたならきっとできる、私は信じているわ!」
イヴ「ありがとうございますチサトさん!適応力……適応力……」
彩「……あ、あのー、イヴちゃ…「レッツブシドー!!」わぁっ!」ビクッ!
日菜「なんか二人とも、すごい熱くなってるね。」
麻弥「千聖さんのプロ魂に、火がついてしまったみたいですね……。」
彩「い、今の二人、なんか怖いよ〜……。」
日菜「あはは、何も泣くことないじゃーん。」
彩「泣いてないよ!」
麻弥「(泣いてはいませんが、涙目になってます、彩さん……。)」
千聖「適応力を身につけるのよー!」
イヴ「オー!」
???「……熱いな。」
???「熱いですね……。しかし、それもまた良きです!」
???「お前はほんとブレねえな……。」
「たのバラTV特別企画!仮面ライダー特集!!続いてはこちら!!」
デデン!!
「みんなの推しライダー!!」
パチパチパチ……‼︎
パチパチパチ……‼︎
日菜「イェーイ!!」
麻弥「日菜さんは毎回、テンションが高いですね……。」
「このコーナーでは、Pastel✽Palettesのみなさんの推しライダーについて、根掘り葉掘り聞いていこう!というコーナーです!!」
千聖「ついに来たわね……。イヴちゃん、大丈夫?」
イヴ「対応力……対応力……対応力……」
彩「イヴちゃんが、ロボットみたいになってる……。」
「それではさっそくいってみましょう!まず最初に、自分の推しライダーを熱弁してくれる人は…「はーい!はいはい!はーい!!」お、トップバッターは氷川日菜さんだー!それではお願いします!!」
日菜「ふっふっふー、私の好きな仮面ライダーはズバリ!仮面ライダーWだよ!」
「おー!Wですかー!ちなみに、理由などはあるんですか?」
日菜「理由?それはもちろん!おねーちゃんとの思い出が詰まってるライダーだからだよ!」
「お姉さんとの思い出……ですか?」
日菜「うん!あたしの影響でおねーちゃんもWが好きになってね?昔はよく、二人でベルトを着けて遊んでたんだー。今はもう高校生だから、そういうのはあまりしなくなっちゃったんだけど、仮面ライダー好き同士ってことは変わらずで、毎週日曜日はいっしょにリアタイで仮面ライダー見てるんだー♪」
「……なるほど。……くぅー!素晴らしい姉妹愛ですねー!感激ですー!」
日菜「あはは、司会者なのに泣いてるー。」
千聖「日菜ちゃん、司会者の人をからかわないの。」
日菜「はーい。」
「……と、取り乱してしまい、申し訳ありませんでした。いやー、最初から泣かせにきてましたねー。それでは!次に参りましょう!次に推しライダーを熱弁してくれる人はー?……」
「最後に推しライダーを熱弁してくれたのは、若宮イヴさんでした!」
イヴ「ふぅ。……なんとか、この場は乗り切りました。」
千聖「次が問題の、私物紹介コーナーね。イヴちゃん、考えはまとまってる?」
イヴ「はい!バッチリです!」
千聖「そのいきよ。イヴちゃんのブシドー魂、彩ちゃん達に見せてあげなさい!」
イヴ「はい!」
彩「ブシドー……魂?」
日菜「なんかカッコいい!」
麻弥「チサトさんもノリノリですね……。」
「さぁ!次のコーナーは……Pastel✽Palettesさんの私物紹介コーナー!なんと今日は、みなさんにお願いして、それぞれの私物を持ってきてもらいました!ベルト、武器、アイテム、いろいろありますが、みなさんは何を持ってきてくれたのでしょうか!」
司会者が喋り終える頃にはもう、スタジオ中央に長テーブルが用意されていた。
そこには大きな赤い布が被せてあり、布の中には、彩達が家から持ってきた私物が入っている。
「Pastel✽Palettesのみなさん、どうぞスタジオ中央に集まってください。」
司会者の合図で、座っていた彩達は立ち上がり、階段を下りて長テーブルの前に並ぶ。
千聖「……行くわよ、イヴちゃん。」
イヴ「はい!(……いざ、決戦のときです!)」
「……さぁ、Pastel✽Palettesのみなさんも集まったということで、さっそくオープンしていただきましょう!それではリーダーの丸山彩さん!この布を取ってください!」
彩「は、はい!」
日菜「頑張れ〜彩ちゃーん!」
麻弥「これって、応援必要でしょうか?」
彩「もう日菜ちゃん!恥ずかしいからやめて〜///!」
日菜「えへへ〜。」
麻弥「あ、相変わらずですね、日菜さんは……。」
彩「……それじゃあみんな、開けるよ。」
日菜「……」
麻弥「……」
千聖「……」
「……」
彩「……」
イヴ「……」
彩「……いくよ!せーーのっ!!バッ!
……あれ?」
日菜「……ん?」
麻弥「あ……え?」
千聖「!?」
イヴ「え?……どういう、ことですか……?」
「? Pastel✽Palettesのみなさん、どうかしましたか?」
彩「! い、いえいえ!何でもありません!」
イヴ「……」
千聖「……イヴちゃん。」ボソッ
イヴ「!」
千聖「これもまた……対応力よ。」
イヴ「……はい!」ボソッ
「えーここにあるのは、Wドライバー、光剛剣最光&サイコウドライバー、そして…「戦国ドライバーです!」わ、若宮さん……張り切ってますねー。」
イヴ「これを見てくれている人達に早く紹介したくて、つい体が動いてしまいました!」
「……なるほど。これも仮面ライダー好き故の行動、というわけですね?」
イヴ「はい!」
彩「これは……イヴちゃんなりの対応力、ってことなのかな?」
千聖「少々、強引な気もしなくもないけど……」
日菜「まー、面白いからいいんじゃない?」
麻弥「ジブンは面白いというより、謎のほうが上回っていますけどね……。」
謎。
麻弥がそう言うのも最もだった。
彩が布を取った後、Pastel✽Palettesの五人は驚いた表情を見せた。
特にイヴは、驚きのあまり固まってしまうほどだ。
では、なぜそれが麻弥の言う"謎"に繋がるのか。
それは……。
……イヴが家に忘れたというロックシードが、戦国ドライバーといっしょに置いてあったからだ。
今日、彩は光剛剣最光とサイコウドライバーを、日菜はWドライバーとサイクロンメモリとジョーカーメモリを、イヴは戦国ドライバーを持ってきていた。
最光とWには、ベルトとアイテムが揃ってるため変身できるのだが、鎧武に関しては必須アイテムであるロックシードがないため、変身は不可能だった。
……はずだったのだが、何ということだろう。
家に忘れたはずのロックシードがいっしょに置いてあり、あたかも何事もなく最初からあったかのようにセッティングされていたのだ。
この謎の現象に関して、傍から見れば、本当は家に忘れたわけじゃなくちゃんと最初から持ってきていた、と思うのが自然だろう。
しかしイヴは収録が始まる直前まで、自分の荷物や楽屋など、あらゆる場所を徹底的に探していた。
細かいところもくまなく探し、それでもなかったということは、本当にイヴは家にロックシードを忘れてきたということになる。
なら、なぜ忘れてきたはずのロックシードが、現にこの場にあるのか。
その謎は、すぐに明かされることになる。
「イヴさんの私物はこの戦国ドライバーということですが、これに対して何か思い入れなどはあるのでしょうか?」
イヴ「思い入れ……。……私がフィンランドにいたとき、最初に出会った仮面ライダーがこの鎧武でした。日本に代々伝わる武士、それとフルーツ、ダンスなど、いろいろな要素が掛け合わされた仮面ライダー。……昔から日本、そして仮面ライダーに興味はあったのですが、その中の武士をモチーフとした鎧武。最初この鎧武という仮面ライダーを見たとき、私の中に衝撃が走ったんです。そして日本に来た後、バイトをしたりモデルの仕事をしたりしてお金を貯めて、最初に買ったおもちゃがこの戦国ドライバーでした。それまで、仮面ライダーのおもちゃは一つも持っていなかったのですが、このベルトだけはなんとしても欲しいと、強い信念がありました。そうしてついに買えた戦国ドライバー。……一回遊んだとき、なぜか、涙が出てきたんです。ここまでの道のりはとても険しくて、日本に来たばかりの私には今のような友達は一人もいなく、バイトもモデルの仕事も、ずっと一人でした。中には悲しいことや寂しくなったりすることも多く、心が折れかけた日もありました。でも、そんな私に毎日元気をくれたのが、この鎧武でした。頑張って頑張って、やっと手に入れた戦国ドライバー。これには、本当にいろんな思い出が詰まっているんです。そのおかげで、今ではみなさんのような大切な友達もいーっぱい出来ました!だから私は……仮面ライダー鎧武が、一番大好きです!!」
「……」
彩・千・日・麻「……」
イヴ「……?えっ……と……私、何か変なこと言いましたか?」
……パチ、パチ、パチ……。
パチ、パチ、パチ……。
パチパチパチパチパチパチ……‼︎
パチパチパチパチパチパチ……‼︎
パチパチパチパチパチパチ……‼︎
パチパチパチパチパチパチ……‼︎
イヴ「!?」
彩「うっ……うぅ……イヴぢゃーん……。」パチパチパチパチ
千聖「立派になったわね、イヴちゃん……。」バチパチパチパチ
日菜「最高だったよー!イヴちゃーーん!!」パチパチパチパチ
麻弥「ジブン、イヴさんに一生ついていきます!!」パチパチパチパチ
「みなさん!!イヴさんに、盛大な拍手をお願いします!!」
パチパチパチパチパチパチ……‼︎
パチパチパチパチパチパチ……‼︎
パチパチパチパチパチパチ……‼︎
パチパチパチパチパチパチ……‼︎
イヴ「や、やめてくださいみなさん///!恥ずかしいです///!!」
……ヒラ~
イヴ「?」
何かの振動だろうか、玩具が置いてある長テーブルから一枚の小さな紙が落ちてきた。
イヴはそれを拾い上げ、四つ折りになっているその紙を広げてみた。
するとそこには、こんな文が……。
『ロックシード、確かに届けたぞ。
あと、収録頑張れよ。
透哉』
イヴ「!! ……キョロキョロ……キョロキョロ……」
千聖「どうしたの?イヴちゃん。」
イヴ「チサトさん……。……いえ、何も。」
千聖「? そう?」
イヴ「(……どうして、トーヤさんが……。……いえ、そのことを考える前に、言わなくてはいけないことがありますね。……トーヤさん、ありがとうございます!)」
するとイヴは、衣装のポケットに紙をしまい、戦国ドライバーを腰にはめ出した。
彩「! い、イヴちゃん!?」
ベルトを装着すると、隣に置いてあったオレンジロックシードを手に取り、ボタンを押して開錠する。
『オレンジ!!』
そしてロックシードをベルト中央のくぼみにセットし、ハンガー部分を閉じる。
『ロックオン!』
すると和風変身音が鳴り、鎧武の変身待機状態になる。
〜〜♪♪
彩「……」
千聖「イヴちゃん……。」
日菜「〜♪」ワクワク
麻弥「おー……。」
「……」
スタジオ内に変身待機音が鳴り響き、イヴの掛け声を合図、にそれは一気に変身名乗り音へと変わる。
イヴ「……変身!!」
ブレード部分で斬り、ロックシード展開状態になる。
『ソイヤッ!』
『オレンジアームズ、花道オンステージ!!』
イヴ「ここからは、私達のステージです!!」
「……」
彩・千・麻「……」
イヴ「……」
日菜「……パチパチパチパチ……」
イヴ「!」
日菜「イヴちゃーん!カッコよかったよー!!」パチパチパチパチ……‼︎
「……はっ!い、イヴさんの華麗なる変身に、盛大な拍手をー!」
パチパチパチパチパチパチ……‼︎
パチパチパチパチパチパチ……‼︎
パチパチパチパチパチパチ……‼︎
パチパチパチパチパチパチ……‼︎
彩「華麗なる……?どちらかと言うと、カッコよかったよね?」パチパチパチパチ……‼︎
千聖「まぁ、いいんじゃないの?どちらでも。」パチパチパチパチ……‼︎
麻弥「ジブン……感激しました!!」パチパチパチパチ……‼︎
イヴ「あ、ありがとうございます!ありがとうございます!!」
「さぁさぁさぁ!盛り上がってまいりましたー!!続いての変身は…「司会者さん。ゴニョゴニョゴニョ……」……分かりました!彩さん!お願いします!!」
彩「!? わ、私ー!?」
日菜「頑張れー、彩ちゃーん。」
彩「日菜ちゃん!今絶対司会者さんに何か言ったでしょ!!」
千聖「彩ちゃん。」ポン
彩「え?」
千聖「対応力、よ。」
彩「……うわ〜ん……千聖ちゃんまで〜……。」
麻弥「が、頑張ってください、彩さん……。」
???「……すげえな、イヴのやつ。こんな大勢の人の前で、堂々と。」
???「イヴちゃんの生変身最高でしたー!!この後彩ちゃんと日菜ちゃんも生変身があるって考えたら……あぁもう感激ですーー!!そうは思いませんか!?透哉さん!!」
透哉「おいパレオ、観客席なんだからそんなはしゃぐなって。それに、あいつらに気づかれでもしたらどうする……。」
パレオ「大丈夫ですよ!このパレオのメイク&変装を信じてください!絶っっ対に気づかれませんから!」
透哉「まぁ、確かにこの変装の完成度は高いけどさ……。」
しかし、さっきこっそりロックシードを置きに行ったときは、ほんとにバレないかヒヤヒヤしたぜ……。
あの千聖でさえも欺けてるんだもんな、この変装。
二時間かけただけのことはあるな……。
パレオ「透哉さん!もうすぐ彩ちゃんの生変身が始まりますよ!!」
透哉「あぁ分かった分かった。」
あと、……よくこんな良い席取れたよな……。
いったいどんな技を使ったのやら……。
一昨日のガルパステーション、ヤバかったです。
……いやー、あのー……ほんとにいろいろとヤバかったです。
情報量があまりに多すぎて頭がショートするかと思いました。
まぁとりあえず一つ言うとすれば……。
……ガルパピコふぃーばー楽しみーー!!(もちろんこれ以外に言いたいことも山ほどあるんですが、それ全部言っちゃうと後書きが本編並に長くなっちゃうしきりがないのでねw)