まぁでも、たまにはこういう回があってもいいのかなぁって。
タイトルはめちゃくちゃど直球ですが、あまり捻りがない感じのも面白いかなって思って、これにしましたw。
【鑑家 透哉の部屋】
『……ピピピ!ピピピ!ピピピ!』
透哉「……ん。」
透哉の母「どれどれ?……38.5℃。だいぶ熱あるわね。」
透哉「マジか……。」
透哉の母「学校には私が代わりに電話しておいたから、今日はゆっくり休みなさい。あいにく仕事だから家にはいてあげられないけど、薬を飲むくらいなら、一人でもできるわよね?」
透哉「あぁ、まぁ……。」
透哉の母「よし。それじゃあ行ってくるから。ものすごく辛いってなったら、職場に電話してきていいから。薬を飲む時以外は、極力動かないで寝てること。分かった?」
透哉「分かった……。いってらっしゃい。」
透哉の母「……いってきます。」
……ガチャ
透哉「……はぁ。」
まさか、ここにきて風邪引くとはな……。
前は頭が痛かっただけなのに、昨日突然喉が痛くなって、熱も出始め……。
くそ、今の時点でだいぶ辛え……。
朝の分の薬はもう飲んだから、次は昼……あと三、四時間後くらいか。
三、四時間、ずっとこの状態で寝てろと。
……はぁ〜……。
ひっさびさだな、こんなきつい風邪……。
うぅ〜……だる……。
……うーん……。
今何時だ……?
俺、どれくらい寝てたんだ……?
……あれ?
気のせいか、なんか額が冷たいような……。
???「……!……めた?……や。」
ん?
何か、声がする……。
誰かいるのか……?
???「……うや、……えてる?
……透哉。」
透哉「……!?」
ガバッ!
???「! やっと起きたわね。」
透哉「ち、千聖……?お前、何で……ていうか、学校はどうしたんだよ。」
千聖「今日私の学校、午前で終わりだったのよ。感謝しなさいよ?学校が終わった後、直で来てあげたんだから。」
透哉「上から目線だな……。でも、正直助かった。ありがとう。」
千聖「あら、お礼なら、下にいる彼女に言ってくれる?」
透哉「彼女?」
千聖「私は彼女が透哉のお見舞いに行きたいって言うから、ついてきてあげただけよ。ちなみにその冷えピタも、彼女が買ってきてくれたものよ。」
透哉「だから、その彼女って誰の…「ガチャ あ、透哉くん、目が覚めたんだね。」か、花音?……あー、なるほど、そういうことか。」
千聖「そういうことよ。」
花音「え、何が……?」
よく考えてみればそうか。
どんな面倒なことでも、お願いされれば絶対にそれを受け入れる、ただ一人千聖が甘い相手。
俺へのお見舞いも、こいつにいっしょに行きたいって言われたから断らなかった。
そんなやつ……花音しかいねえよな。
花音「あ、それで透哉くん、具合はどう?」
透哉「ああ。まぁ……少しは良くなった、かな。」
花音「そっか。念の為、熱測っておく?」
透哉「あぁ、そうするよ。……ところでさ。」
花音「ん?」
透哉「俺が風邪引いてるって、誰から聞いたんだ?まだ誰にも話してないのに……」
花音「お母さんだよ。透哉くんのお母さんから連絡をもらって、それを私に教えてくれたんだ。」
透哉「あー、なるほどな。」
千聖「……口を挟むようで悪いけど、花音のお母さんと透哉のお母さんって知り合いだったの?」
透哉「! ま、まぁな。」
花音「前にスーパーでいっしょに買い物をしてるとき、ばったり会って、そのときに知り合ったんだ。それから私のお母さんと透哉くんのお母さん、あっという間に仲良くなっちゃって。ね、透哉くん。」
透哉「そ、そうそう。ママ友ってやつだな。」
千聖「そうだったのね。」
花音「ほらほら、透哉くんは早く熱を測って。」
透哉「あ、おう。」
花音「千聖ちゃん、悪いけど、ちょっと手伝ってくれる?」
千聖「もちろんよ、花音。」
透哉「で、花音は下で何してるんだ?」
千聖「何って、昼ごはんを作ってくれているのよ。時間も時間だし、お腹くらい空くでしょ。」
透哉「ひ、昼ごはん……?あ、そういや今何時だ……え、13:30!?」
予定よりだいぶ寝てたんだな……。
千聖「それじゃあ私は、花音の手伝いをしてくるから。ご飯なら、後で運んでくるから心配しな…「あ、俺もいっしょに行っていいか?」え?」
花音「でも、透哉くんは病人…「ちょっと下に降りてご飯を食うぐらいなら大丈夫だよ。それに、熱も下がったしな。……ほら、37.6℃だ。」……」
千聖「それでも微熱じゃない。まだ万全の状態じゃないんだから、おとなしく寝て…「分かったよ、透哉くん。」え、ちょっと花音!?」
透哉「ほら、花音はいいってさ。サンキュ…「でも、無理はしないでね?少しでも異常を感じたら、すぐに言うんだよ?それから……」分かった、分かったって……。でも、昼ごはん食うだけだぜ?流石に大袈裟じゃ……」
花音「じゃあ透哉くんはここで寝ててね。行こう、千聖ちゃん。」
透哉「わ、悪かった!俺が悪かったよ!ごめんごめんて!」
花音「……もう。」
千聖「……」
【鑑家 台所】
透哉「おー!旨そー!」
花音「風邪を引いてる透哉くんでも食べれるように、喉の通りがいいものにしたんだ。もし残ってもタッパーに入れて保存しておけるから、自分の体調と相談しながら、無理せず食べてね。」
透哉「! わざわざ、俺に合わせてくれたのか?花音と千聖は元気なんだし、もっとちゃんとした昼ごはんを作れば…「そんなことしたら、かえって花音に負担をかけるでしょ?私達とあなたと、それぞれ別のご飯を作るなんて。」あ……まぁ、そっか。」
花音「それは別に大丈夫だけど……。それより、早く食べよ?あったかいのが冷めちゃうよ。」
千聖「そうね。まさか、こんな形で花音の手料理を食べれるとは思わなかったわ。」
花音「えへへ……。あまり自信はないけど、少しでも美味しいって思ってくれたら、嬉しいな。」
千聖「花音が作ってくれたものなら、何でも美味しいに決まってるわよ!」
透哉「いただきまーす。」
千聖「って何一人で食べようとしてるのよ!」
花音「あはは……。千聖ちゃん、私達も食べよっか。」
千聖「……ええ、そうね。」
透哉「……!このスープ旨っ!」
千聖「ほんとね。かぼちゃスープの様だけれど、それだけじゃない。まろやかでコクもあって、飲み込んだ後に奥からほんのりハーブの味がして……。これ、他に何か隠し味があるわね。」
花音「流石千聖ちゃん、するどいね♪」
透哉「花音。お前これ、お店出せるな。」
花音「お、お店!?それはちょっと、大袈裟じゃ…「いいえ花音。それは私も思うわ。これをメニューとして売れば、大繁盛間違いなしよ。」ち、千聖ちゃんまで〜?」
透哉「ってのはまぁ冗談だけど……ほんと旨いよ、これ。いや、これ以外にも卵かけご飯だったり、野菜炒めだったり、ハンバーグだったり……卵かけご飯なんか、いつも食べてるやつより数倍美味しいしよ。何かひと工夫したりしてるのか?」
花音「うん、ちょっとね。」
透哉「やっぱりか。……花音、改めて、本当にありがとな。ペコリ」
花音「そ、そんな、頭まで下げて言わなくても……!私がしたくてやったことだし。」
透哉「千聖もありがとな。さっきこっそり花音から聞いたよ。この冷えピタを選んでくれたり、部屋を掃除してくれたり……料理も手伝ってくれたんだろ?」
千聖「……まさか、花音経由でバレるなんて。」
花音「ご、ごめんね、千聖ちゃん。」
透哉「正直俺一人じゃ、何をするにもきつかったからさ。昼ごはんだってあのままいくとカップ麺か食べないかの二択だったし、一人で辛い中ずっと寝てるってのも、ちょっと精神的にきそうだったし。だから、お前らが来てくれて助かったし、嬉しかった。本当にありがとう。」
千聖「……透哉がここまで素直になるのも、風邪の影響かしら?」
花音「うーん……そうかも。」
透哉「んだよお前ら!人がこんなに感謝してるのによ!」
花音「ごめんごめん!突然のことでびっくりしちゃって……。」
千聖「ここまでしてあげたんだから、しっかり風邪を治しなさいよ。みんなも心配してたんだから。」
透哉「みんな……。って、もうそこまで知れ渡ってるのか!?」
花音「透哉くんのお母さん、彩ちゃんのお母さんにも連絡したらしくて……。」
千聖「そこから彩ちゃんに伝わって、またそこから彩ちゃんがいろんな人に伝えて……って感じでね。」
透哉「母さんと彩め……。」
千聖「でも要は、それだけあなたが大切に思われているってことでしょ?」
透哉「……そう、なるのか……。」
花音「だから、今日は一日ゆっくり休んで、また元気な姿を見せてよ!」
透哉「……ああ、分かった。花音、千聖、本当の本当にありがとな。」
千聖「それはもういいわよ///……。ほ、ほら、早く食べないと、せっかくの花音の手料理が全部冷め切ってしまうわよ。」
透哉「! そうだった!早く食べねえと!」
花音「む、無理して全部食べなくてもいいからね!?まだ風邪を引いてるのには変わりないんだし、食べきれなかったらタッパーに入れて…「んぐ!?んー!んー!」って透哉くん!?」
千聖「そんなにかきこんだら詰まるに決まってるでしょ!?早く水飲みなさい!」
透哉「わ、悪い……。ゴクゴクゴク……ぷはぁ!げほっ、げほっ!あぁ、死ぬかと思った……。」
千聖「全くもう……。」
花音「よ、良かった〜。」
透哉「ほんと、すまん……。」
【鑑家 玄関】
千聖「それじゃあ私達、そろそろ帰るわね。」
透哉「皿洗いまでやってもらっちゃって悪いな……。」
花音「お皿を洗うまでが、お料理だもん。」
透哉「まぁ、そうかもしれないけど……。」
千聖「透哉。くれぐれも、ゲームをしたり動画を見たりなんてことはしちゃダメよ。私達を見送ったら、すぐに部屋に戻って寝ること。いいわね?」
透哉「ギクッ! わ、分かってるよ。まだちょっとだるいし、そんなことするわけ…「でも、顔に書いてあるよ?私達のおかげでちょっと熱も下がったし、少しだけゲームしようって。」うっ……。」
千聖「……私が見張っていたほうがいいみたいね。」
透哉「わ、分かった分かった!すぐ寝る!すぐ寝るからさ!」
花音「それじゃあ透哉くん、約束ね。」
透哉「へ?」
花音「ほら早く、指出して。」
透哉「……お、おう。」
花音「指切りげんまん♪嘘ついたら二度と私達と口聞ーかない♪」
透哉「!? え、ちょ、罰重すぎな…「指切った!」あぁ!」
千聖「なかなか鬼畜ね、花音……。」
花音「これくらいスリルがあったほうがいいでしょ?」
透哉「スリルって……。せめて仮面ライダーの話しない、とかにしねえか?」
花音「ダーメ♪もう指切りしちゃったもん♪」
透哉「……悪魔。」ボソッ
花音「何か言った?」ニコッ
透哉「!! い、いや!?何も言ってねえよ!?あ、な、何か眠くなってきたなー。そろそろ寝るかなー。」
花音「ふふっ♪……それじゃあね、透哉くん。お大事に。」
千聖「お大事に、透哉。」
透哉「お、おう……。じゃあな……。」
……ガチャン
……約束破ったら二度口聞かないは重すぎるし鬼畜すぎるだろ……。
まぁ監視とかいないし、黙ってればこっそりゲームとかやってもバレないだろうけど……。
あいつらするどいし、すぐ嘘バレそうだしな。
……ちゃんと寝るか。
おっと、その前に薬飲まねえと。
えーっと、確かポケットに……。
……にしても花音の作った昼ごはん、マジで旨かったな。
……また、食べてえなぁ……。
……なんてな。
〜PM 3:15〜
透哉「zzz……。
……んー……。今、何時だ……?」
……15:00。
あれから二、三時間くらいか。
……熱、測るか。
『……ピピピ!ピピピ!ピピピ!』
……37.1℃。
またちょっと下がったか。
やっぱこの冷えピタ、効果あるんだなぁ。
……薬……は、流石にまだ早いから……。
……あ、トイレでも行くか。
ジャー……
ふぅ。
さてと、これからどうするか。
っつっても、ゲームとかしてたらどうせあいつらにバレるし……。
となると、やること何もないし……。
……寝るか。
とにかく寝て風邪を治す。
まずはそれが一番か。
……少し寝すぎだとは思うけど。
まぁ、でもたまにはいいか。
あと一時間ぐらいで母さんも帰ってくるだろうし、それまで寝て……
『ピンポーン』
え?
チャイム?
……また誰か、お見舞いに来てくれたのかな?
……とりあえず、出てみるか。
……ガチャ
???「! 透哉先輩!」
透哉「え、ましろ?」
ましろ「透哉先輩大丈夫ですか!?ひどい風邪だって聞いて、私、とても心配で……。学校休んででもお見舞いに行こうと思ったんですけど、それは流石にお母さんが許してくれなくて……。だから学校が終わった瞬間、ダッシュで来たんです!あ、もちろんモニカのみんなには事情は説明してます。それで改めてなんですけど、透哉先輩体調は…「ちょ、ちょっと落ち着けましろ!」! は、はい!」
透哉「……つまりは、お見舞いに来てくれた、ってことでいいんだな?」
ましろ「あー……まぁ、簡潔に言うと、そうです。」
透哉「だよな、そうだよな。よし。……とりあえず、ありがとな。体調なら、朝と比べたらだいぶ良くなったよ。」
ましろ「そうなんですか!良かったぁ……。」
まさか、花音と千聖に続いてましろも来てくれるとは。
最初めちゃくちゃ早口で喋り始めたのにはびっくりしたけど、それだけ心配してくれたってことだよな。
俺、マジで大切に思われてんのか……。
なんかそう考えると、泣けてくるな……。
ましろ「! と、透哉先輩!泣いてるんですか!?」
透哉「……え?あれ?俺、いつの間にか泣いて……」
ましろ「と、とりあえず、家の中に入りましょう!ここじゃあ寒いですから、風邪が悪化しないうちに!」
透哉「あ、お、おう。」
【鑑家 リビング】
透哉「……はぁ〜、あったけ〜。」
ましろ「コーヒーで良かったですか?」
透哉「ああ、バッチリだよ。ありがとな、ましろ。」
ましろ「えへへ……。あ、そういえば透哉先輩。」
透哉「ん?」
ましろ「さっき、どうして泣いていたんですか?」
透哉「あぁ……。……俺、本当に大切に思われてんだなぁって。」
ましろ「え?」
透哉「俺が風邪引いてること、みんな心配してくれてるらしくてさ。そう思ったら、なんか嬉しくて……。気づいたら、涙が出てたんだよな。」
ましろ「……当たり前じゃないですか。」
透哉「え?」
ましろ「そんなの当たり前じゃないですか!透哉先輩は、みんなにとっても、私にとっても、絶対に失いたくない人で……。あの頃からずっと、優しくて、私の尊敬する先輩で……。昔も今も、これからも、私の大切な人で……。」
透哉「お、おい、ましろ……?今度は、お前が泣いてないか……?」
ましろ「……え?……あれ、ほんとだ……。私、何で……?」
透哉「……もうやめるか、この話。なんかしんみりするし、変な涙出ちゃうしな。」
ましろ「……」
透哉「なんか楽しい話しようぜ!えーっと……そうだ!映画楽しみだよな!MOVIEバトルロワイヤル!ギーツとリバイスと龍騎の三つ巴のバトル、いやーどうなるか今からめちゃくちゃ楽し…「透哉先輩。」ん?」
ましろ「……もう大丈夫です。ありがとうございます。」
透哉「え……。いや、大丈夫って、何が…「それより透哉先輩、部屋に戻りましょう?体調が良くなったって言っても、一応まだ病人なんですから。」お、おう……。」
楽しい話して、元気づけてやろうと思ったのに。
変なやつだな……。
【鑑家 透哉の部屋】
ましろ「……37.1℃。これなら今日中に熱は下がりそうですね。」
透哉「ああ……。」
さっき測ったのに、圧に押し負けてもう一度測ってしまった……。
何度なのか見たいって言われても、言えばそれだけで済む話なのにな。
まぁ、聞くより見た方が確実、なんて言われたら、もう反論できないよな……。
ましろ「あと、この冷えピタも、貼り替えたほうがいいですよね?朝からずっとしてるっぽいですし、今私が替えを…「だ、大丈夫だよ。これ、五時間くらい効き目があるやつだから。あと、貼ったのは13:00くらいだから、次変えるなら18:00、19:00辺りだな。」そ、そうなんですか。」
透哉「おう。」
ましろ「……あ、じゃあ薬持ってきます…「それも大丈夫だから!な?」……そうですか。……あ、じゃあお腹は…「悪い、さっき昼ごはん食べたんだ。」あ……なるほど。」
透哉「……」
ましろ「……私、来た意味な…「それは違えよ!」!」
透哉「なにも、看病することだけがお見舞いじゃねえよ。……風邪引くとさ、辛いんだよ。」
ましろ「え?」
透哉「体もだるくて、頭も思ったように動かなくて……。俺ん家、父さんも母さんも共働きだからさ、普段家には誰もいねえしよ。まぁつまりは、1人なんだ。だるいし辛いし、そのうえ1人ってさ、……正直、寂しいんだよな。」
ましろ「……」
透哉「久々に風邪引いて、改めて気づいた。病気のときって、……誰かがいっしょにいてくれるだけでも、安心するもんなんだって。1人でも2人でも多くいてくれたほうが。」
ましろ「……」
透哉「だからお前も……無理に看病しようとするな。いっしょにいてくれるだけで、そばにいてくれるだけでいい。そのほうが安心できるから。」
ましろ「……///」
透哉「頼めるか?」
ましろ「……は、はい///!一時間でも、二時間でも……なんなら一生かけてでも、いっしょに……。!? って私、何言ってるの/////ーーー!!??ち、違うんです透哉先輩!!今のはその、言葉のあやというか、何というか///……。……透哉先輩?」
透哉「zzz……。」
ましろ「……ね、寝てる……?……はぁ。何か、損したような、ほっとしたような……。」
透哉「zzz……。」
ましろ「……気持ち良さそうに寝てる。……さっき言ってた通り、私がいるから、安心できたんだ。」
透哉「zzz……。」
ましろ「……これから、どうしよう……。帰ったら帰ったで、透哉先輩寝てるから家の中から鍵なんてかけられないし、このままここにいても迷惑になる気がするし……。」
『だるいし辛いし、そのうえ1人ってさ、……正直、寂しいんだよな。』
『久々に風邪引いて、改めて気づいた。病気のときって、……誰かがいっしょにいてくれるだけでも、安心するもんなんだって。』
『いっしょにいてくれるだけで、そばにいてくれるだけでいい。そのほうが安心できるから。』
『頼めるか?』
ましろ「……そうだ。私、頼まれたんだ。……そうだよね。そばにいるって、当人が寝てても例外じゃないもんね。それに透哉先輩が起きた後、誰もいなかったら……。……よし、先輩が起きるまで、ずっとここにいよう。頼まれたことを、役目を、しっかり果たさなきゃ。」
透哉「zzz……。」
ましろ「……それにしても透哉先輩の寝顔……。カッコいい……のもそうなんだけど、同時に、可愛いってのもあるかも……。……ちょっとだけ、ちょこーっとだけ写真撮ってもいいかな……?……い、一枚だけ、一枚だけだから。」
パシャッ!
ましろ「! ど、どうしよう!今ので起きちゃったかな!?」
透哉「zzz……。」
ましろ「……ほっ、良かった〜。……透哉先輩の寝顔、撮っちゃった。……えへへ♪これは、私の内緒の宝物、かな♪」
透哉「zzz……。」
この後も透哉先輩は二時間くらい眠ったままで……。
先輩のお母さんが部屋に入ってくるまで起きなかった。
私も先輩のお母さんも、お互いの存在にびっくりしたが、向こうは何かを察したのか、ごゆっくりと一言だけ言って、部屋を出て行った。
透哉先輩は寝ぼけていたのか、その言葉の意味がよく分からなかったらしいが、私はすぐに気づいた。
その後の私はと言うと……透哉先輩と先輩のお母さんに帰りますと一言だけ言って、そそくさと逃げるように帰ってしまった。
自分でも、すごく失礼なことをしたと思った。
だからあの後電話で謝ったが、なぜか逆に謝られた。
悪いのは絶対私なのに……。
翌日、透哉先輩の風邪は完璧に治り、学校にも無事行けたらしい。
他のバンドの人達からも心配のメッセージが何件も来ていたらしく、返信にすごく時間がかかったそう。
ほんと、愛されてるなぁ透哉先輩は。
お見舞いに来たキャラの人選の理由?
私の趣味だ、いいだろう?