仮面ライダーが浸透したバンドリの世界   作:知栄 砂空

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はい、タイトルの通りです。

ましろちゃんの過去が明かされます!

どうしてましろちゃんは仮面ライダーを好きになったのか、どうやって透哉と知り合ったのか。

その全てが今、明らかに!

一応注意点として、ましろちゃんの過去捏造が含まれております。

それはちょっと嫌だなぁ、苦手だなぁという人は、ブラウザバック推奨です。

それでも全然問題ないよーという人は、是非このまま見て行ってください!


第八十五話 ましろの過去(前編)

【広町家 アトリエ】

 

〜〜♪♪

 

ましろ「花はやがてほころんでゆく〜♪鮮やかに〜♪」

 

〜〜♪♪

 

ましろ「そして〜♪」

 

〜〜♪♪

 

ましろ「Beautiful〜♪Forever〜♪」

 

〜〜♪♪

 

……〜♪

 

ましろ「……ふぅ。」

 

透子「よっしゃ!超完璧!!いや〜、あたしってやっぱ天才だな〜。」

 

つくし「うん!いつもより上手くできた気がする!ななみちゃんのベースも、いい音してたよ!」

 

七深「つーちゃんのリードが良かったからだよ〜。るいるいはどうだった?」

 

瑠維「そうね……。みんな、確実にレベルアップしていると思うわ。それに……」

 

七深「それに?」

 

瑠維「倉田さんの歌声が、いつもより力強くなっていたように感じたわ。」.

 

ましろ「え?わ、私?」

 

透子「あ、確かに!なんかいつもよりノリやすいと思ったら、シロの歌声のせいだったのか。」

 

ましろ「ご、ごめん……。私、そんなつもりは……」

 

つくし「いやいやいや!瑠維さんは注意してるんじゃなくて、褒めてるんだよ!」

 

ましろ「え……そうなの?」

 

瑠維「別に褒めているわけではないけれど……でも、そうね。いつもより力強い歌声のおかげで、さらに音に深みが増した、というのは良かった点だと思うわ。」

 

透子「それもう褒めてるって、ルイ。」

 

七深「るいるいがここまで高評価を出すなんて……。しろちゃん、もしかして最近、何か良い事あった?」

 

ましろ「え!?い、いや……別に、何も……ないよ?」

 

透子「そのキョドりかた、怪しいな〜。シロ、いったい何良い事あったんだ?ほら、吐け吐け〜。」

 

ましろ「うわっ、ちょ、透子ちゃん、苦しいよ……。」

 

つくし「私も気になる!教えて、ましろちゃん!」

 

七深「しろちゃんへの尋問タイム、始まり始まり〜。」

 

ましろ「る、瑠維さん!見てないで止めて〜!」

 

瑠維「……区切りもいいし、一旦休憩にしましょう。」

 

ましろ「瑠維さん〜〜!!」

 

 

 

 

 

透・七・つ「透哉先輩の布団で寝た……?」

 

ましろ「う、うん///……。」

 

瑠維「……」

 

透子「……まぁ、それは100%シロが悪いよなぁ。」

 

ましろ「うっ……」グサッ

 

七深「目の前で後輩がフラフラしてたら、誰もがその選択を取らざるを得ないよね〜。」

 

ましろ「うっ……!」グサッ!

 

つくし「ましろちゃん、流石に先輩に迷惑はかけちゃダメだよ。」

 

ましろ「ぐふっ……!」グサッ‼︎

 

瑠維「まず、そんな時間まで起きている事自体がダメだと思うわ。」

 

ましろ「がはっ!」グサ-ッ‼︎

 

透子「って……大丈夫か?シロ?」

 

ましろ「……」ズーン

 

つくし「あーあ、ましろちゃん落ち込んじゃった。」

 

透子「あ、あたしのせいじゃないよな!?」

 

七深「たぶん、誰のせいとかじゃなくて、正論を言われちゃったから改めて自分の失態を思い返しちゃって、それで落ち込んでるんじゃないかな?」

 

つくし「あー、そういう……」

 

透子「またシロのめんどくさいとこが出ちゃったか〜。」

 

ましろ「私は……最低だ……。私は……愚か者だ……。」

 

つくし「……どうするの、これ……。」

 

七深「うーん……透哉先輩呼ぶ?」

 

透子「逆効果じゃね?それ。」

 

瑠維「……倉田さん、ちょっといいかしら。」

 

透・七・つ「!?」

 

ましろ「ふぇ……?」

 

瑠維「確かにあなたは、鑑先輩に迷惑をかけた。でも、それはしっかり反省して、鑑さんにも許してもらえたのよね?」

 

ましろ「う、うん、まぁ……。」

 

瑠維「なら、もうそんなことを気に病む必要はないと思うけれど。」

 

透子「! そ、そうだよシロ!大事なのは過程じゃなくて、結果だから!」

 

七深「私、透哉先輩の布団で寝た話、詳しく聞きたいな〜。」

 

つくし「私も!その後何があったか聞きたいし!」

 

ましろ「…… 何でみんな、そんなニヤニヤしてるの……?」

 

つくし「そんなの決まってるじゃない!」

 

七深「今からたーっぷり聞けるんだもん♪」

 

透子「シロの好きな透…「だ、だから別に好きじゃないってば〜!」ったく、まだそんなこと言ってんのかー?」

 

つくし「良い機会だからましろちゃん、今日こそ白状してもらうよ?」

 

ましろ「え……?」

 

七深「透哉先輩のことを、どう思っているのか♪」

 

透子「白状するまでここから逃さないからな〜?覚悟しろよシロ〜。」

 

ましろ「ひぃっ!る、瑠維さん!助けて!」

 

瑠維「……このコーヒー、美味しいわね。」

 

つくし「あ、ほんと?新しいコーヒー豆、つぐみ先輩にもらったんだ♪」

 

ましろ「瑠維さんってば〜〜!!!」

 

七深「今日しろちゃん、るいるい呼ぶ率高いね〜。」

 

ましろ「そんなことどうでもいいから〜〜!!」

 

透子「よーし……かかれー!!」

 

ましろ「!! ちょ、待って待って待って!!待ってええええ!!!」

 

 

 

 

 

ましろ「……私は、透哉先輩のことが……好き、です……。い、異性として……。」

 

透子「よっしゃ言ったー!」

 

つぐし「なかなか手強かったねー。」

 

七深「でも、しろちゃんも結構耐えた方だよ〜。」

 

ましろ「うぅ……みんなひどいよ……。動けない私の前で私の好きなものを見せつけたり、嫌いなものを見せて脅したり……。こんなの、人間がやることじゃないよ……。」

 

七深「……動けないって言っても、るいるいが軽く羽交締めしてただけだよね?」ヒソヒソ

 

瑠維「ええ。強くしたら倉田さんが可哀想だから軽い力で押さえてたのだけど、全然、びくともしなかったみたいね。」ヒソヒソ

 

透子「どんだけ華奢なんだよ、シロ……。」ヒソヒソ

 

つくし「ましろちゃんの力が弱すぎるのか、瑠維さんの力が強すぎたのか……。」ヒソヒソ

 

ましろ「聞こえてるからね?つくしちゃん。」

 

つくし「え……!?」

 

ましろ「つくしちゃん、私の力が弱いこと、バカにしてたんだ……。友達だと思ってたのに……。」

 

つくし「ば、バカにはしてないよ!?」

 

七深「あ、やっぱり前者だったんだ。」

 

透子「てか自覚あったのかよ。」

 

瑠維「……」

 

ましろ「どうせ私は、力が弱くて嫌いなものが多くてみんなにバカにされて当然のネガティブ女ですよ……。」

 

つくし「だーかーら!そういうこと言わないの!!」

 

 

 

 

 

透子「ところでシロ、お前って、ほんとに透哉先輩のこと好きなん?」

 

ましろ「え、さっき私そのこと言ったのに、何その質問……。」

 

透子「いやさ、よく考えたら、無理やりシロに言わせた感はちょっと否めないなーって思ってて。もし、あのままあたしらに脅され続けるのが嫌で、そこから逃げるためにとりあえずこう言っとこう、って感じだったら、それは本心じゃないよなーって思って。」

 

ましろ「……」

 

つくし「あ、確かに。」

 

七深「そこのとこ、どうなの?しろちゃん。」

 

ましろ「……んだよ。」

 

透子「ん?何て?」

 

ましろ「……本心だよ、もちろん。……私は、透哉先輩が……好きなの///。」

 

つくし「ま、ましろちゃんが、乙女の顔だ……。」

 

七深「なんか、見てるとこっちまで恥ずかしくなってくるな〜。」

 

透子「ねぇねぇシロ!何で透哉先輩を好きになったの!?」

 

ましろ「な、何で!?そ、それは……か、カッコよくて、尊敬できて……優しいから?」

 

透子「え、そんな理由?なんか漠然としてるなー。」

 

ましろ「だ、だって……!」

 

瑠維「聞き方が悪いのよ、桐ヶ谷さんは。」

 

透子「き、聞き方?」

 

瑠維「倉田さん、あなたが鑑さんを好きになったきっかけはあるのかしら?」

 

ましろ「き、きっかけ……?」

 

瑠維「そう。鑑さんと出会ってから、好きになるまでの過程。何かがあって、何かが起きたから、あなたは鑑さんのことを好きになったんじゃないの?」

 

ましろ「何かがあって、何かが起きた……。……うん、そうだ。あのとき、透哉先輩が助けてくれて……そこから、どんどん好きになっていって。気がついたら……」

 

七深「ねぇしろちゃん、その話、詳しく聞かせてよ〜。」

 

ましろ「……!え?あ、ごめん、何か言った?」

 

つくし「ふふ、完全に自分の世界に入ってたね、ましろちゃん。」

 

ましろ「ご、ごめん……。」

 

透子「謝んなって!そんでさ、あたしもシロが恋に落ちたきっかけ、聞きたい!ルイも気になるよな?」

 

瑠維「……私は別に「「「気になるよね(よな)!?」」」……ええ、まぁ。」

 

つくし「というわけでましろちゃん、お願い!」

 

ましろ「……え?これ、本当に私が話す流れ?」

 

透・七・つ「もちろん!」

 

ましろ「えぇ〜……。」

 

瑠維「嫌なら、無理に話さなくてもいいわよ。」

 

ましろ「ううん、嫌とかではないんだけど……ちょっと恥ずかしいし、たぶん長くなると思うから……」

 

透子「そんなのミクロンだって!早く話しちゃいなよ!」

 

ましろ「せ、急かさないでよ。……まさか、他の人にこの話をする日が来るなんて、思わなかったな。……話は、私が中学生の頃に遡るんだけど……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜某年前 冬〜

 

中学に入って、初めての冬が訪れた。

 

だからって何かが変わるということもなく、私はただひたすら、平凡な日々を過ごしていた。

 

今日も学校だが、実を言うと、特にすごく楽しいわけでも、全然楽しくないわけでもない……普通だ。

 

これと言って仲の良い友達もいないし、クラスの人と話すのも、授業中の話し合いや行事のときくらいだ。

 

たまに昼休みとかに声をかけられることもあるが、そのときも一言二言程度しか喋らない。

 

どちらかと言うと、私は俗に言う"ぼっち"というものに該当するのだろう。

 

……寒い。

 

今年の冬は近年でみても上位にくるくらいの寒さだと思う……。

 

正直、こんな寒い中、学校なんて行きたくない。

 

家でこたつに入ってみかん食べて、温まりながら過ごしたい。

 

……でも、そんな理由で学校に行かず、結果お母さんに迷惑をかける、なんてことはしたくないから、行くけど。

 

……準備を終えた私は、ゆっくりとドアを開ける。

 

!! さ、寒っ……!

 

うぅ、寒い……寒すぎるよぉ……。

 

ていうか、雪降ってるじゃん……。

 

今日は学校終わったら、すぐ、走って帰って来よう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

って思ってたのに、お母さんにおつかい頼まれちゃった……。

 

さ、寒い……こんなことなら、カイロ持ってくればよかった……。

 

それにお母さんも、おつかい頼むなら学校行く前に言ってくれればいいのに。

 

それならカイロだって持って来たし、防寒着だってよりあったかいのを着てきた。

 

……出来るだけ早く買い物済ませて、早く帰ってこたつ入ろ。

 

えーっと、買って来て欲しいものはメッセージに送ったって電話で言ってとよね。

 

メッセージメッセージ……。

 

……!

 

これ、ビーフシチューの食材だ!

 

ってことは、今日の夕飯は……。

 

……ふふ♪

 

ちょっと元気出てきたかも。

 

早く買って帰って、ビーフシチュー作ってもらおうっと。

 

……ビーフシチュー♪ビーフシチュー♪

 

 

 

 

 

お肉にじゃがいもに、玉ねぎに……。

 

……うん、全部ある。

 

ちょっと重いけど、これくらいなら全然。

 

ビーフシチューのためだもんね。

 

よし、それじゃあ帰ろ……あ、そういえば。

 

ピラッ

 

買い物したら、なんかもらえたんだよね。

 

……抽選券?

 

えー何々……?

 

『お買い物1000円ごとに一枚お配りしています』か。

 

これ、もう使えるのかな?

 

……あ、場所も書いてある。

 

この近くだ……もうこれが使える抽選会もやってる。

 

……せっかくだし、やって行こうかな?

 

あ、でも、お母さんに頼まれて買ったものだから、お母さんのものになるのかな?

 

……電話してみよう。

 

 

 

 

 

電話をかけて聞いてみた結果、私が使ってもいいとのことだった。

 

それならと思い、抽選会の会場に向かう。

 

会場は食品売り場から少し離れたところにある、広場みたいなところにある。

 

そこにはステージが設置されていて、よくイベントをやっているのだ。

 

このショッピングモールの中央にあたる場所で、目立ちもするから、抽選会の会場にはぴったりなのだろう。

 

そんなことを考えながら歩いていると、目的の広場に着いた。

 

のはいいのだが……。

 

ましろ「い、いっぱい並んでる……。」

 

思った以上に混んでて、人もたくさん並んでいた。

 

あまりこういう場所には来ないから分からなかったけど、抽選会ってこんなに人が集まるものなんだ……。

 

……!

 

ひ、人がどんどん最後尾に……。

 

私も、早く並ばなきゃ!

 

 

 

 

 

「次の方どうぞー!」

 

結構待つのかと思ったら、案外そうでもなかった。

 

係の人の誘導や回転率が早いからか、スムーズに列が動くのだ。

 

同じ場所に立って待つ時間もほんの10秒程度、長くても30秒程度だから、この長蛇の列に関しては並んでいても全くストレスがない。

 

遊園地の人気アトラクションとかだと2、3時間待つって聞いたことあるけど、そこと比べたら雲泥の差だろう。

 

呼ばれたので抽選券を差し出して、1回抽選をする権利をもらう。

 

周りを見ると、10枚、中には30枚くらい持っている人もいて、上には上がいるんだなぁと驚かされる。

 

抽選形式はガラポンで、抽選券1枚につき1回回すことができる。

 

何が当たるのか、詳しくは見ていないが、この手の抽選会は参加賞としてポケットティッシュが1個もらえるのというのが定番だ。

 

回せるのは1回だけだし、どうせ参加賞だろう。

 

そう思って回して出た玉の色は……青だ。

 

青……?

 

参加賞の玉が青って珍し……

 

『カランカランカラン‼︎』

 

ましろ「!?」

 

「おめでとうございます!3等が当たりました!」

 

さ、3等……?

 

え、参加賞じゃないんだ、これ。

 

3等……3等か。

 

なんか……うん、悪くないんだけど……ちょっと、喜びずらいな……。

 

喜びずらいけど、一応お礼言っとこう。

 

ましろ「あ、ありがとうございます……。」

 

「3等の景品は、映画のチケットになります!」

 

え、映画のチケット?

 

そんなのも景品にあるんだ……。

 

「使える期限が決まっているので、ご注意を。」

 

ましろ「わ、分かりました。ありがとうございます。」

 

期限か……。

 

今やってる映画となると、2月くらいまでかな。

 

……人が多いから、ここで開けるのはやめておこう。

 

となると……やっぱり家かな。

 

家に帰ってお母さんに頼まれてたものを渡して、それから自分の部屋に戻ってゆっくり開けよう。

 

……何の映画のチケットが入ってるのかな……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ましろ「ただいまー。」

 

ましろの母「おかえり、ましろちゃん。急におつかい頼んでごめんね、寒かったでしょ。」

 

ましろ「ううん、大丈夫だよ。あ、これ、頼まれてたやつ。」

 

ましろの母「ありがとうましろちゃん!あ、そういえば、抽選券もらったんでしょ?どうなったの?」

 

ましろ「あぁ……3等が当たったよ。」

 

ましろの母「3等!?すごいじゃない!」

 

ましろ「そ、そうかな……。あ、3等の景品、映画のチケットらしいんだけど、もしだったらお母さんいる?」

 

ましろの母「映画のチケット?……ううん、私はいいわ。ましろちゃんが当てたものなんだから、ましろちゃんが使いなさい。」

 

ましろ「お母さん……。うん、分かった。ありがとう。」

 

ましろの母「……夕飯、ましろちゃんの好きなビーフシチューだから、時間になったら降りてくるのよ。」

 

ましろ「うん。……楽しみにしてるね。」

 

 

 

 

 

ガチャ……バタンッ

 

さてと、寒いから羽織ものを着て……。

 

さっそく開けてみようかな。

 

そういえば、今って何の映画やってるんだろう?

 

……いいや、面白そうな映画やってるとしても、それのチケットが入ってるとは限らないんだし。

 

……『今上映されている映画のチケットが、ランダムで1枚入っています』。

 

映画のチケットがランダム方式って、面白いとは思うけど……人によってはいらないチケットが出るかもしれないんだよね。

 

そういう意味ではこれ……天国か地獄だなー。

 

……いらなかったら、お母さんにあげよう。

 

お母さんもいらないようだったら……。

 

……クラスの人にあげる?

 

いやでも、そんな親しくもない人から映画のチケットなんかもらいたくないかな……。

 

……そこら辺は後で考えよ。

 

今はこれを開ける、それだけを考えて……。

 

……よし、開いた。

 

えーっと、当たったチケットは……。

 

これは……

 

 

 

 

 

仮面ライダー?

 

"平成ジェネレーションズ、FOREVE"……?

 

今って、こんな映画やってるんだ。

 

……仮面ライダーか。

 

昔からやってて、子供に人気ってことは分かるけど、私は見たことないなー。

 

ヒーローとかあまり興味ないし、どちらかと言うと、男の子が見る番組でしょ?仮面ライダーって。

 

子供向けで、かつ男の子が見るような番組だもん……このチケットは、私はいらないかな……。

 

コンコン

 

ましろ「! はーい!」

 

???「入っていいか?ましろ。」

 

あ、お父さんだ。

 

ましろ「うん、いいよ。」

 

ガチャ

 

ましろの父「ましろ、夕飯のおかずなんだが、コロッケとメンチカツどっちがいい?」

 

ましろ「コロッケとメンチカツ?……それなら、コロッケがいいかな。」

 

ましろの父「コロッケか、分かった。……ん?ましろ、何だ?それは。」

 

ましろ「? これ?映画のチケットだよ。抽選会で当たったんだ。」

 

ましろの父「へぇ、そうなのか。! それ、仮面ライダーか!」

 

ましろ「え!?う、うん……。」

 

ましろの父「懐かしいなぁ〜。昔、BLACKとかアマゾンとか見てたなー。」

 

ましろ「? そ、そうなんだ……?」

 

ましろの父「ましろ、それ見に行くのか?」

 

ましろ「いや、私は……。! あ、もしだったらお父さんいる?2月頃まで使えるらしいよ。」

 

ましろの父「……いや、遠慮しておくよ。それはましろが当てたものだろ?なら、ましろが使いなさい。」

 

ましろ「(お母さんと同じこと言ってる……。)でも私、仮面ライダーは…「最近は、仮面ライダーは大人が見ても楽しめる作品だと聞くよ。女性が変身する仮面ライダーも少なくないらしい。」え……女の人の仮面ライダーもいるの?」

 

ましろの父「まぁ、私の時代は電波人間タックルとかいたからなぁ。仮面ライダーに変身していてもおかしくないだろう。」

 

ましろ「??」

 

ましろの父「特に、今回の映画はかなり気合いが入ってるらしい。お父さんは仕事が忙しくて、見る時間はとれそうにないが……ましろにはチケットがある。せっかくの機会なんだし、毛嫌いせずに見てみるというのも、悪くはないんじゃないか?」

 

ましろ「別に、毛嫌いしてるわけじゃ…「それじゃ、私は下に戻るよ。夕飯の時間になったら降りてくるんだぞ。」……う、うん。」

 

……バタンッ

 

……せっかくの機会、か。

 

確かに、当たったのに自分から水の泡にするというのも、ちょっと気が引けるような……。

 

……どうせ暇だし、来週にでも行ってみるかな。

 

 

 

 

 

ましろの父「……ふぅ。」

 

ましろの母「お父さん、どうしたの?ため息なんてついて。」

 

ましろの父「ん?あぁ……なぁ、母さんの好きな仮面ライダーって何だ?」

 

ましろの母「仮面ライダー?……私なら、Wとかファイズかしら。でも、どうして突然仮面ライダー?」

 

ましろの父「ましろが、仮面ライダーの映画を見に行くのか迷ってるみたいなんだ。抽選会でチケットが当たったらしくて。」

 

ましろの母「チケット……あぁあれ、仮面ライダーだったのね。そう、ましろちゃんが仮面ライダーを……。」

 

ましろの父「……やっぱ、遺伝って関係あるのか?私達も昔、仮面ライダーが好きだったろ?」

 

ましろの母「その言い方だと、今は好きじゃないみたいな言い方に…「ち、違う!そういう意味で言ったんじゃ……」ふふ、分かってるわよ。」

 

ましろの父「ほっ……。」

 

ましろの母「でも……そうね。今までヒーローに興味のなかったあの子に、仮面ライダーのチケットが……。遺伝を通り越して、運命かもしれないわね。」

 

ましろの父「運命か……。ふっ、かもしれないな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜某年某月某日〜

 

ましろ「う、嘘……。」

 

抽選会で当たったチケットを持って、私は映画館に来た。

 

まではよかったのだが……まさかここまで混んでいるとは……。

 

ワイワイガヤガヤ

 

ワイワイガヤガヤ

 

ワイワイガヤガヤ

 

チケット売り場にも、飲食売り場にも、さらには館内への入場ゲートも、全てに人が並んでいて、恐ろしいほどの人混みがそこにはあった。

 

たまにここの映画館の前を通るが、いつもはこんなじゃなかったはずだ。

 

なのに今日に限って、しかもあまり混んでないだろうと思い朝一に来たのにも関わらず、この長蛇の列と人の数。

 

いったい今日は何があるというのだ……。

 

……ん?

 

これは、今日私が見る仮面ライダーの映画のポスター……。

 

……え?

 

ちょ、ちょっと待って?

 

この映画の公開日って……『12/22』……。

 

……今日!?

 

え、だからこんなに混んでるの!?

 

……でも、仮面ライダーの映画で、こんなに人がいるなんて……。

 

って、よく見たら……もちろん子供もいるけど、大人もいっぱいいる……?

 

あ、女の子も、何人か……。

 

……お父さんが、最近は大人でも楽しめるって言ってたけど、本当にそうなんだ……。

 

「いやー楽しみだねー映画!」

 

ましろ「!」ビクッ!

 

「私の推しのウィザード、どれくらい出てくるかなー?」

 

「あたしは電王の活躍が楽しみだなー!」

 

……私と、同じくらい……?

 

女の子にも人気、ってことかな……?

 

『ただいまより、9:30上映開始の、仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVEの入場を開始いたします。』

 

! わ、私も早く行かないと!

 

えーっと、チケットチケット……。

 

ドンッ!

 

ましろ「わっ!」

 

「危ねえなぁ!気をつけろ!」

 

ましろ「す、すみません……。」

 

痛たた……。

 

盛大に転んじゃったなぁ。

 

……そんなことより、早くチケットを……。

 

って、あれ?

 

チケットが……ない?

 

……!

 

もしかして、今ぶつかられ……ぶつかって転んじゃった勢いで、落とした!?

 

ど、どうしよう!早く探さなきゃ!

 

えーっと、えーっと……。

 

……だ、ダメだ……人が多すぎて、どこに落ちたか全然分からない……。

 

どうしよう……ずっとこの場にいたら、人の邪魔になるし、でもチケットを探さなきゃだし……えーっと、えーっと……。

 

私はどうすればいいか分からず、頭も混乱してきて、もう泣いちゃいそうで……。

 

 

 

 

 

そんなときだった。

 

???「なぁ、君。」

 

ましろ「うぅ……え?」

 

???「これ、君のだろ?」

 

そう言って差し出されたのは、私が抽選会で当てたチケットだった。

 

ましろ「! わ、私のチケット!」

 

???「っ!ごめん、ちょっとこっち!」

 

グイッ!

 

ましろ「え……?」

 

差し出されたチケットを受け取ろうとしたら、今度は突然手を引かれた。

 

ほんとに突然だったので、そのことに対してあれこれ考える暇もなかったが、この人がそうした理由はすぐに分かった。

 

???「よし、ここなら。……人混みの中じゃ、渡しづらいだろ?改めてこれ、はい。」

 

ましろ「……あ、ありがとう、ございます。」

 

人混みから、連れ出してくれたんだ……。

 

???「しっかしひどいよなぁあの人。自分からぶつかってきてさ。」

 

ましろ「あ、いえ……。あれは、私がちゃんと周りを…「君のせいじゃないって。100%あの人のせい。」……で、ですね。」

 

やっぱり、そう見えたんだ。

 

……私も、分かってはいるもん。

 

私がぶつかったんじゃなくて、あの人からぶつかられたって。

 

でも、やっぱり……。

 

……あれ?

 

そういえばこの人、何でそのこと……。

 

???「それより君、もしかして仮面ライダー見に来たのか?」

 

ましろ「え?」

 

???「って、チケット持ってんだからそうに決まってるよな。いやさ、君くらいの女の子が1人で見に来るなんて、珍しいと思ってさ。とは言っても、差別してるわけじゃ全然ないぞ?男でも女でも、ライダー好きはライダー好きだ。性別なんて関係ない。……なぁ、君の好きなライダーは誰なんだ?俺は……」

 

……やっぱりだ。

 

どれだけ優しくたって、この人も男の人。

 

私には……無理。

 

ましろ「……ほ、本当に、ありがとうございました。では私は、これで……」

 

???「え?あ、ちょっ……」

 

そうして私は、逃げ出すようにその場を離れた。

 

……チケットを拾ってくれて、人混みから連れ出してくれたのに……私、すごく失礼だな……。

 

でも……やっぱり、男の人は苦手……。

 

 

 

 

 

???「……俺、またやっちゃったかなぁ?」

 

???「お待たせー! ? どうしたの?透哉くん。」

 

透哉「あぁ、花音。……いや、何でもない。」

 

花音「そう?ならいいけど。それより、早く行こ!入場始まってるよ!」

 

透哉「お、おう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

館内に入ったら、なんかもらえた……。

 

"レジェンドライダーマグネットコレクション"?

 

こういうのはもらったことがないけど、入場者特典ってやつかな?

 

……周りの人達、もう開けてる。

 

中には喜んでる人や悔しがってる人もいて……あれ?あの人達、交換してる……。

 

そういう文化もあるんだ。

 

……私は……開けても、何か何だか分かんないだろうし、このままにしとこう。

 

とりあえずお手洗いに行って、席に座って、映画が始まるのも待ってよう。

 

……仮面ライダー、私に楽しめるのかなぁ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜映画鑑賞中〜

 

電王(ロッド)『てええい!!』

 

アナザー電王『うわあああああ!!』

 

〜〜♪♪

 

アタル『……パチッ』

 

???(ウラタロス)『大丈夫?』

 

アタル『! ……スッ』

 

 

 

 

 

『『『(……お?)』』』

 

 

 

 

 

アタル『……!の、野上良太郎!?』

 

良太郎(ウラタロス)『……』

 

 

 

 

 

『『『ええええええ!?』』』ザワァ

 

「え?え?」

 

「良太郎!?え、マジ!?」

 

「う、嘘でしょ?」

 

「え、ヤバいヤバい!」

 

「マジかよ最高すぎん!?」

 

ザワザワザワ……

 

ましろ「(!? な、何!?みんな突然どうしたの?映画中なのに、何でこんなにザワザワしてるの……?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜映画終了後〜

 

「いや〜最高だったな〜!」

 

「まさか良太郎が出てくるなんて!あれはマジでサプライズだよ!」

 

「うわっ、もうネットニュースになってる!朝一で見に来て良かった〜。」

 

「ジオウカッコよかったー!」

 

「エグゼイドもカッコよかったぞー!」

 

「仮面ライダーは……思い出にいる限り、消えないんだなって……。」

 

「お前何泣いてんだよ……。」

 

ましろ「……」

 

あれが、仮面ライダー……。

 

……か……

 

 

 

 

 

カッコよかった……!

 

ていうか、仮面ライダーって、あんな考えさせられる作品だったんだ……。

 

現実には存在しないけど、ショーとか、映画とか、グッズとかで仮面ライダーを見てきて……それを自分が覚えている限り、ライダーはいる。

 

……深いなぁ。

 

過去と現在の話も、辻褄がちゃんと合ってたし、時空を超えた兄弟の絆っていうのがすごく良かったし……。

 

最後の仮面ライダー大集結は仮面ライダーをよく知らない私が見ても圧巻だったし、電王……だっけ?

 

あのライダーはなんか見たことあったな。

 

すごくフィーチャーされてたし、変身解除?後の人が出てきたところですごい劇場がざわめいてたし。

 

何よりほんとに……カッコよかったなぁ。

 

仮面ライダーって、あんななんだ……。

 

……家帰ったら、ちょっとだけ調べてみようかな。

 

……!

 

そうだ!

 

入場者特典でもらえた、マグネット、開けてみよう。

 

えーっと……あった。

 

何が出るのかなぁ……えいっ。

 

これは……あ、確かクウガと……ダブルだ。

 

その隣は……なんていう仮面ライダーなんだろう?

 

カッコよかったけど、映画の中で名前が出てこなかったんだよね。

 

調べてみよう。

 

……………アギト、と……オーズって言うんだ。

 

どっちもカッコいいなぁ……。

 

って私、さっきからカッコいいしか言ってないや。

 

……あ、せっかくだからパンフレット買って行こうかな。

 

へぇ、通常盤とDVD付きがあるんだ。

 

DVDって、何が入ってるんだろう?

 

……とりあえずここは、通常盤でいいかな。

 

……物販コーナーも、人がいっぱい……。

 

みんな、仮面ライダーが好きなんだ。

 

……でも。

 

仮面ライダーが子供だけじゃなく、大人にも女の子にも見られる理由、分かった気がする。

 

……早く家帰って、パンフレット見て、仮面ライダーのことについていろいろ調べようっと。

 

 

 

 

 

これが、私と仮面ライダーの出会いだった。

 

抽選会でたまたま当たったチケットで、仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVEを見に行き、仮面ライダーのカッコよさ、面白さを知った。

 

私はこの日のことを、一生忘れないだろう。

 

……忘れるつもりもないが。




この回を書くにあたり、もう一度平ジェネFOREVEを見返しましたが、





ほんといい映画ですよねあれは。

良太郎(佐藤健)が出てくれたというのもありますが、今僕達が生きている仮面ライダーが実在しない現実の世界と、仮面ライダーが実在する虚構の世界、というテーマが、めちゃくちゃ好きなんですよね。

みんなが一度は夢見た世界を、この映画で再現してくれてるんですよね。

クライマックス、人々に呼ばれて現実の世界に次々と仮面ライダーが現れるシーンは、マジで鳥肌ものです!

全員カッコいいんですが、オーズの登場シーンで『アンク……』と呟きながらタカメダルを触るのは、完全にやってますよね?ね!?(ちなみに僕はここで3回中3回泣きました)

マジで平ジェネFOREVEは、仮面ライダーが少しでも好きな人なら一度は見てほしい作品です!

最後の必殺技ラッシュとか平成ライダー20人の立ち姿とかマジで圧巻ですのでw!
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