仮面ライダーが浸透したバンドリの世界   作:知栄 砂空

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はい、今週3話目投稿はましろちゃんの過去後編です。

先に言っちゃうと、今回はちょっと胸糞展開があります。

それをかき消すような展開もありますが、そういうのが苦手、嫌な人はブラウザバック推奨……って言ったら前回と全く同じなので、……出来れば見ていってくれると嬉しいですw。


第八十六話 ましろの過去(後編)

〜現在〜

 

【広町家 アトリエ】

 

つくし「それが、ましろちゃんと仮面ライダーの出会いだったんだ。」

 

ましろ「うん。当時は何であんなに劇場がざわついたのか分かんなかったけど、今では狂おしいほど分かるよ。良太郎が何年ぶりかに仮面ライダーに戻ってきたんだもん。そりゃ劇場もざわめくよ……。」

 

透子「あたし、見に行こうと思った矢先にSNSでネタバレされたんだよねー。あのときはマジ萎えたわ〜……。」

 

ましろ「ほんとにもう、すぐにネットニュースになっちゃったからね……。」

 

七深「それだけみんなびっくりしてたってことだね〜。それより、しろちゃんがそんなに早くから透哉先輩に会ってたことのほうがびっくりだよー!」

 

透子「あたしもあたしも!てっきり透哉先輩が言ってた、"シロが中三の頃"かと思った!」

 

ましろ「私も、最初は気づかなかったんだ。でも、透哉先輩と話すようになって……ある日、平ジェネFOREVEの話になったんだ。そのときに私が落としたチケットを拾ったっていう話を聞いて、『あ、あれ透哉先輩だったんだ』って。」

 

つくし「なんかもうその時点から、運命感じちゃうよね〜。そのときは落としたチケットを拾ってもらっただけの関係が、ましろちゃんが中三のときに本格的に知り合いになり、今では後輩に好意を抱かれる先輩に……。」

 

瑠維「それで、倉田さんが中学三年になったときは、どうやって知り合ったの?」

 

つくし「ちょっと瑠維さん!私のこと無視しないで〜!」

 

七深「まぁまぁつーちゃん、よしよし。」ナデナデ

 

透子「ルイ〜、意外と興味津々だなー。」

 

瑠維「途中まで聞いておいて、最後まで聞かないのは気持ちが悪いだけよ。」

 

透子「またそんなこと言う……。ほんっと素直じゃないよなお前は。」

 

ましろ「あはは……。でも、その気持ち分かるよ。1つの話を途中まで聞いちゃうと、最後がどうなるのか気になっちゃうよね。」

 

瑠維「ええ。」

 

透子「……ったく、シロだけにはやたら甘いし。」

 

七深「とーこちゃんもまぁまぁ。……しろちゃん、話の続き、聞かせてくれる?」

 

ましろ「あ、うん。それからはね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから私は、動画サイトで仮面ライダー関連の動画をこれでもかと見漁った。

 

仮面ライダーのいろんなシーンをバックに曲が流れる動画、名シーンや名言をまとめた動画、映画の予告や変身シーンをまとめた動画、仮面ライダーのおもちゃやグッズを紹介している動画、仮面ライダーのいろんなことについて解説している動画など、様々なジャンルの動画を、目についたものから片っ端に見ていったのだ。

 

もちろんその頃にやっていた仮面ライダージオウも、途中からだけどリアルタイムで見始めた。

 

でもそれ以前の回も見たかったので、お母さんにお願いしてある動画サービスに入らせてもらい、しっかり1話から見た。

 

おもちゃとかも買いたかったが、……正直な話、それを持ってレジに行く勇気が私にはなかった。

 

やっぱりちょっと、恥ずかしかったのだ。

 

……でも、何かしら仮面ライダーのグッズが欲しかったので、出かけた先で仮面ライダーのガチャガチャを見つけるたびに、何回か回していた。

 

もちろん、他の人に見られていないか、確認して。

 

……動画を見て、ガチャガチャをして、ジオウを見て。

 

そしたらまた、動画を見てガチャガチャをしてジオウを見ての繰り返し。

 

仮面ライダーを知ってから最初の2、3ヶ月は、そんな日々が続いた。(もちろん、その間も学校にはちゃんと行った)

 

 

 

 

 

そうしているうちに月日は経ち、私は中学2年生になった。

 

まぁだからと言って、何が変わったとかはないけど。

 

あ、でも変わったことはあるな。

 

……ちょっと仮面ライダーの知識がついた。

 

クウガからジオウまで、これはなんてライダー?って聞かれたら答えられる程度には知識が。

 

それと、グランドジオウのおかげで順番も言えるようになった。

 

まぁ、サブライダーとか映画限定ライダーとかは、まだあやふやなところがあるけど……。

 

ちなみに、昭和ライダーについては、まだ全然だ。

 

こういうことはあまり言わない方がいいんだろうけど……平成ライダーのほうが、正直好きだし。

 

あと、この年の秋から新しい仮面ライダー、ゼロワンが始まった。

 

記念すべき令和ライダー1作目ということで、話題性もすごいらしい。

 

……それと、ジオウの最終回良かったな。

 

ソウゴが変身したオーマジオウ、カッコよかったなぁ。

 

夏に公開された『Over Quartzer』、冬に公開された『令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』も、もちろん見に行った。

 

どっちも面白かったし、特に前者は最強フォームが勢揃いしたのがすごくカッコかったので、一般販売の最強フォームのライドウォッチを、いろんな店を回って集めた。

 

え?もう恥ずかしくないのか?

 

……うん。

 

動画見てたら、女の人が仮面ライダーのおもちゃを紹介してたり、変身ポーズを再現してるって動画が結構あったし、仮面ライダーの情報を見るためにいれたSNSでも、女の人が仮面ライダーについて呟いてるのもいっぱいあった。

 

中には私みたいに女だから恥ずかしくて仮面ライダーの買い物ができないって人もいたけど、それでもみんな、最終的にはちゃんと買えたって報告をしてて……。

 

だから私も、最強フォームのライドウォッチを集めるために、勇気を出して……。

 

その結果、無事買うことができたんだ。

 

カブトハイパーフォーム〜ビルドジーニアスフォームのライドウォッチが、私の初めてのDX玩具。

 

ベルトをゲットするのはまだ先になりそうだけど……ライドウォッチだけでこの満足感。

 

いつか、普通のクウガ〜ビルドまでのライドウォッチも集めて、全部ライドウォッチダイザーにはめて飾りたいなぁ。

 

 

 

 

 

平ジェネFOREVEを見てから1年が経ち、私は今、完全に仮面ライダー沼にはまっている。

 

……仮面ライダーについて話せる友達とかはいないけど、1人の世界に入ってひたすら仮面ライダーのことについて考えるというのも悪くない。

 

動画を見てると時間が経つのをつい忘れてしまうし、SNSで仮面ライダーについて呟いているのを見るのも楽しいし、勉強になる。

 

だから私は……今後も、このままでいい。

 

中学3年生……中学最後の年になるけど、変わらず私は、仮面ライダー沼につかる日々だろう。

 

 

 

 

 

……と、最初はそう思っていた。

 

6月、あんな事が起きるまでは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜某年前 6月〜

 

学校が終わり、私はショッピングモールに来ていた。

 

目的は三つ、仮面ライダーのおもちゃコーナーを見に行くこと、ガシャポン広場で仮面ライダーのガチャガチャを回すこと、食品売り場の食玩コーナーで仮面ライダーのあるものを買うことだ。

 

……見事に全部仮面ライダーだが、これが私の日常なのだ。

 

財布の中には……うん、大丈夫。

 

これならガチャガチャも回せるし、食玩も買える。

 

ふふ、楽しみだな〜。

 

 

 

 

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ましろ「〜〜♪♪」

 

DXゼロツープログライズキー、買えて良かった〜。

 

家帰って遊ぶの楽しみだな〜♪

 

欲しかった色紙ARTと装動のクウガも買えたし、ガチャガチャは電王のラバーマスコットとゼロワンのコレキャラ、それと……きゅーぱっか?っていう可愛いのを見つけて、結構回しちゃったけど……運良く数回で欲しいの出たし。

 

今日の仮面ライダー遠征も、満足満足♪

 

……遠征って言うほど、遠出してないけど。

 

あ、そうだ。

 

色紙ART、今もう開けちゃおうかな。

 

三つ買ったけど……一つだけ、一つだけ開けよう。

 

ラインナップは……あった。

 

うーん、そうだなー……。

 

ゼロツー、クウガ、箔押しあたりが出てくれたら嬉しいかな。

 

……えいっ!

 

! ジオウとゼロワンのWライダーキックだ!

 

やったー!箔押しゲット〜♪

 

 

 

 

 

「……やっぱ可愛いなあの子。」

 

「……そろそろ行っちゃうか?」

 

「……ああ、行こう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……17:00、もうそんな時間だったんだ。

 

ショッピングモール行って、ガチャガチャして、おもちゃコーナーと食玩コーナーで買い物して、ちょっと休憩して……。

 

あー、でもだいたいそんなものか。

 

寄り道してから帰る時間帯って感じするし、まぁ丁度いいのかな。

 

よし、早く帰って、ゼロツーで遊んだり装動作ったり残りの色紙ART開けたりしようかな。

 

家に帰った後も、楽しいこといっぱいだなー。

 

ふふ、楽しみがいっぱい♪

 

 

 

 

 

「よお、お嬢ちゃん。」

 

ましろ「!」

 

え?

 

だ、誰……?

 

「君、可愛いね。」

 

「ねぇ、今暇?暇ならさ、俺らと遊ぼうよ。」

 

ましろ「い、いや、私は……」

 

も、もしかしてこれって……俗に言う、ナンパ?

 

「一人でいるより、俺らといたほうが楽しいよ?」

 

「ほら、行こうよ〜。」

 

ましろ「や、やめて……ください……!私、帰らなきゃ…「おっと、そうはいかないよ〜?」!?」

 

は、挟み討ち……!?

 

そ、そんなの……。

 

「怖がらなくていいからさ〜。」

 

「遊ぼうぜ〜?ガシッ」

 

ましろ「い、嫌!離して……ください……!」

 

「そんなこと言わずにさー。」

 

「ほらほら〜。」

 

ましろ「や、やめて……。やめて……ください!」

 

パッ!

 

「おっと!」

 

ましろ「! きゃっ!」

 

ドサッ!

 

「大丈夫か!?」

 

「あ、ああ。危ねぇ危ねぇ……。おいてめぇ!いきなり離したら危ねえだろうが!」

 

ましろ「そ、そんなこと……。悪いのは、そっちじゃ…「ん?何だこれ?」!!」

 

わ、私のバッグ!

 

転んだ拍子に吹き飛んだんだ……。

 

「これって……仮面ライダーか?」

 

ましろ「!!」

 

「この女の子が?いやいや、女の子が仮面ライダーって……」

 

「しかも見たところ中学生か高校生……。それで仮面ライダーとか、幼稚すぎんだろ〜!」

 

ましろ「……か、返して……」

 

「ん?」

 

ましろ「返して……ください……。」

 

「……いいけど、返して欲しかったら、俺らについてこいよ。」

 

ましろ「え?」

 

「お、それいいな!取引だ取引!」

 

「俺らと遊ぶか、このバッグをぶちまけられるか、どっちか選べよ。」

 

ましろ「ど、どっちか……?どっちも嫌です!」

 

「……なら仕方ねえなぁ。

 

 

 

 

 

……ほい。」

 

ドシャー!

 

ましろ「!?」

 

「えーっと……お、これ学生証じゃん。」

 

「マジ?俺にも見せろよ。……倉田ましろ。お、中学生だってよ!」

 

「ヒュー!最高じゃん!」

 

ましろ「……か、返して……。返してよ……。」

 

「ん?まだ何か入ってんぞ?……お、財布!」

 

「マジか!それで俺らと遊べってことじゃん!」

 

ましろ「ち、違っ……!」

 

「ん?これは……お、これも仮面ライダーじゃん。」

 

!! きょ、今日買った、ゼロツーの……。

 

「しかもおもちゃじゃんか!……何だよこのバッタみてえなやつ!ダッセー!」

 

ましろ「!!」

 

「こんなのが仮面ライダーだなんて、世も末だなー。」

 

「赤と黄色とか気色悪い〜。」

 

ましろ「……めて。」

 

「……あ?」

 

ましろ「……めてよ。……仮面ライダーのこと悪く言うの……やめてよ。」

 

「ん?何だぁ?聞こえねえなぁ。」

 

「あと、お願いするときは敬語。やめて"ください"だろ?幼稚園で習いませんでしたかー?」

 

ましろ「……うぅ……うう……」

 

「ん?何?泣いてんの?」

 

「しかも道端にへばりながら?中学生が?恥ずかしいー!」

 

ましろ「うぅ、ぐすっ……ううう……」

 

ダメだ……。

 

涙が……止まらない……。

 

バッグの中漁られて……仮面ライダーのこと、悪く言われて……悔しくて、悲しいのに……言い返せない……。

 

怖くて……怖くて……泣くことしか、できなくて……。

 

「まぁ、でも大丈夫だよ。」

 

「俺らと楽しいことすれば、泣き止むって。」

 

「ほら、立てよ。俺らと遊び行こうぜ?」

 

ましろ「……フルフルフル」

 

「んだよ、今度は首振って否定かよ。」

 

「もう無理矢理連れてこうぜ。いっしょに楽しいことしような。ましろちゃん♪」

 

い、いや……気持ちの悪い声で……私の名前、呼ばないで……。

 

「おら、行くぞ。」

 

ましろ「い、嫌!」

 

バシッ!

 

「いって!この、調子のりやがって!ほら行くぞ!立て!」

 

ましろ「嫌!嫌!!」

 

「るっせえなぁ。まぁでも、じきに静かにさせるし、それまでの辛抱か。」

 

「なぁ、このぶちまけたやつどうする?」

 

「放っておけよ。この財布と学生証以外、全部ゴミだ。」

 

「それもそうだな。」

 

ましろ「は、離して……離してよ……。」

 

もう……何を言っても通じない……。

 

この人達には、何一つ、言葉が……。

 

この人達と遊びになんて……行きたく、ないのに……。

 

今すぐ、帰りたいのに……。

 

……私は……何も……。

 

……何も、できない……。

 

うぅ……。

 

悔しいよ……悲しいよ……苦しいよ……怖いよ……。

 

お母さん……。

 

お父さん……。

 

誰か……。

 

……誰か……。

 

……助けて……。

 

 

 

 

 

???「おい!何してんだあんたら!」

 

ましろ「……!」

 

「あ?」

 

「何だ?」

 

「誰だ?」

 

……今の、声は……。

 

???「その子嫌がってるだろ!離せよ!」

 

「んだよてめえ!ヒーロー気取りがああん!?」

 

???「そんなんじゃねえよ!いいから早くその子を離せって…「うるせえ!」ヒュンッ! うわっ!」

 

「そのヒーロー気取りの相手は頼んだぞ!」

 

「おら行くぞ!歩け!」

 

ましろ「っ!た……助けて!」

 

???「! ああ、待ってろ!」

 

「いっちょまえにカッコつけやがって!この!ヒュンッ!」

 

???「うわっ!っと!おっと!」

 

「ちょこまかと避けやがって……!!」

 

???「反射神経だけはいいんだよ!いいからあんたらはその子を離……せ!」

 

ドスッ!

 

「あう!!」チーン

 

「うわっ……まともに蹴り入りやがった……。」

 

「んのやろう!もう頭にきた!」

 

 

 

 

 

???「あ、あそこですお巡りさん!」

 

警察官「こらぁ!そこ何してるー!」

 

「! ヤベェサツだ!」

 

「し、仕方ねぇ!ずらかるぞ!」

 

パッ!

 

ましろ「あ……。」

 

???「! 危ない!」

 

 

 

 

 

ガシッ!

 

ましろ「!」

 

???「ふぅ、セーフ……。」

 

「おい起きろ!サツが来る!逃げるぞ!」

 

「お、俺の……俺の、玉が……」

 

「引きずっていくぞ!ほら、早くしろ!」

 

「お、おう!」

 

警察官「こらぁ!待てー!!」

 

???「……サンキュー彩。」

 

彩「ううん、全然。そんなことより、この子は……」

 

???「あぁ、たぶん大丈……ってあれ?」

 

ましろ「……」

 

彩「! だ、大丈夫じゃないじゃん透哉くん!えーっと、こういうときは…「落ちつけって。たぶん、気を失っただけだよ。」……え?」

 

透哉「あんなことがあったんだ。すごく怖かったろうし……このまま、寝かせてやろう。」

 

彩「……う、うん。じゃあ、私はこの散らかってるのを片付けるね。」

 

透哉「あぁ、頼む。……」

 

ましろ「zzz……。」

 

透哉「……場所、変えたほうがいいよな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……うぅ、うーん……。

 

……!

 

あ、あれ?

 

今私、何を……。

 

透哉「お、気がついたか?」

 

え?

 

…………!!??

 

わ、私、何でおんぶされてるの!?

 

ましろ「あ、あの……私、その……」

 

透哉「安心しろよ。もうあいつらはいない。俺と俺の友達が追っ払ったからな。」

 

ましろ「……お、追っ払った……?」

 

……あ、そうだ。

 

私、ナンパに絡まれて……。

 

……ううん、あれはもう、ナンパの域を超えてた……。

 

あれは……。

 

……!

 

ガシッ!

 

透哉「! え?」

 

ましろ「ガタガタガタガタ……」

 

透哉「……そうだよな、怖かったよな。」

 

ましろ「!」

 

透哉「怖くて、震えが止まらない……当たり前だよ、あんな目にあったら。」

 

ましろ「……」

 

透哉「俺は一部始終を見てたわけじゃないけど……荷物の散乱ぐあいから、相当酷い目にあったんだなってのが見て取れるよ。君のような女の子に、大の大人が3人で。……怖かったよな。」

 

ましろ「……ぐすっ、うぅ……」

 

透哉「……」

 

ましろ「うう……うわあああん!!」

 

透哉「……」

 

ましろ「怖かった……怖かったよおお!!ほんとに……ほんとに……うぅ、うう……うわあああん!!」

 

透哉「……よく頑張ったな。」

 

 

 

 

 

ましろ「……ごめんなさい。私の涙で……服、濡らしちゃって。」

 

透哉「大丈夫だよこれくらい。それより……落ち着いたか?」

 

ましろ「……はい。少し……」

 

透哉「そっか。」

 

ましろ「……あ、あの……」

 

透哉「ん?」

 

ましろ「あ……ありがとう、ございます。」

 

透哉「……ああ。……あ、どうする?歩くか、まだこのままのほうがいいか。」

 

ましろ「……まだ、このままでいさせてください。」

 

透哉「OK、分かった。」

 

ましろ「……あったかい……。」

 

透哉「……俺は、鑑透哉。高校2年生だ。」

 

ましろ「え?」

 

透哉「自己紹介だよ。やっぱ、名乗っておいたほうがいいだろ?」

 

ましろ「……透哉……先輩。」

 

透哉「! ……」

 

ましろ「……私は……倉田、ましろです。中学、3年生です。」

 

透哉「2年後輩か。……よろしくな、ましろちゃん。」

 

ましろ「……はい。よろしくです、透哉先輩。」

 

 

 

 

 

……これが、私と透哉先輩の、本当の出会いだった。

 

向こうは、昔私にチケットを拾ってくれたことを覚えていないようだが、私はしっかり覚えていた。

 

なぜ……と言われると説明が難しいが、あえて言うなら、男の人だったから。

 

それと、私が記念すべき仮面ライダーに出会った日だからというのもあるかもしれない。

 

この事件があってから、私と透哉先輩は頻繁に連絡を取るようになった。

 

最初は助けてもらったお礼をしたいからという理由で連絡先の交換をし、それについての連絡を取るだけだったが、そうしているうちにお互いが仮面ライダー好きということが判明したのもあって、たまに会って話をしたり、時には出かけるということも多くなっていった。

 

……今思えば、透哉先輩からより、私から先輩に連絡を取ったりすることのほうが多かったかもしれない。

 

昔の私なら、先輩も男の人だからという理由で、話すことすらも、避けていたはずなのに。

 

その根拠に、チケットを拾ってもらった日、先輩にお礼も言わず逃げ出した。

 

私なんかに、あんな積極的に喋ってくれたのに……。

 

……でもやっぱり、助けてもらったからというのは、大きいと思う。

 

ほんとに、すごく怖かったから……。

 

怖くて悔しくて、涙が止まらなくて……もう、ダメなんだって思ったから……。

 

そんなときに透哉先輩が、私を助けてくれたから。

 

……もしかしたら、すでにそのときに一目惚れしていたのかもしれない。

 

今までその自覚がなかったけど、私が月ノ森に入学する頃にはもう……好きになっていたと思うから。

 

……透哉先輩は……。

 

カッコよくて……。

 

優しくて……。

 

尊敬できる先輩で……。

 

 

 

 

 

……私の、一番のヒーローで。

 

そんな先輩が……透哉先輩が、私は好きなんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜現在〜

 

ましろ「……っていうのが、私が透哉先輩を好きになった理由、かな。ごめんね、ちょっと曖昧な感じで。でも、ほんとにそんな感じで…ギュッ! ふぇ?」

 

つくし「ましろちゃんのことは、私達が守るからね。」ギューッ

 

七深「広町も、全身全霊でしろちゃんを守るよ。」ギューッ

 

透子「その3人のナンパ?マジ許せねー!あたしそういう奴らが一番ムカつく!!」

 

瑠維「もし会うときがあったら、ピーーをピーーして、ピーーの中にピーーしてからピーーとピーーを…「瑠維さんそれ以上はダメだよ!女子高生にあるまじき発言だよ!」それほどの怒りが湧いているということよ。」

 

ましろ「あはは……。でも、大丈夫だよ。あの3人、無事捕まったみたいだから。」

 

透子「え、そうなん……?」

 

つくし「警察の人、すごーい……。」

 

七深「……今更だけど、ごめんねしろちゃん。」

 

ましろ「え?」

 

七深「話すの、辛かったよね?しろちゃんにとっては、思い出したくもないくらい嫌な出来事だったのに、私……」

 

ましろ「だ、大丈夫だよ。私も、話せてなんか、スッキリしたから。」

 

透子「確かに、ななみの言う通りだよな……。シロ、あたしもごめん!」

 

つくし「私も!まさか、そんなひどい話だとは、思わなくて……」

 

瑠維「私達みんな、反省すべきね。」

 

ましろ「み、みんな、そこまで思い詰めなくても…「でも!」!」

 

透子「シロが透哉先輩を好きになった理由、めっっちゃ納得した!」

 

つくし「そんなことがあったら、誰だって惚れちゃうよね〜。」

 

七深「透哉先輩のこと、改めて見直しちゃったかもー。」

 

瑠維「鑑先輩が誰からも尊敬されるはずよね。」

 

ましろ「えへへ……。」

 

透子「何でシロが照れてんの……?」

 

つくし「……!私、良いこと思いついたよ!」

 

七深「良いこと?」

 

つくし「ましろちゃん!

 

 

 

 

 

……透哉先輩に告白しよう!!」

 

透・七・瑠「!」

 

ましろ「……え?……えええええ/////!!??」

 

つくし「丁度今週末はクリスマスだし、告白するにはぴったりでしょ?」

 

透子「あ、確かに!いいじゃんシロ!透哉先輩に告っちゃいなよ〜。」

 

七深「この機会を逃す手はないよ、しろちゃん!」

 

ましろ「そ、そんな……こ、告白?だなんて///……。は、早すぎるよぉ///!」

 

透子「全然早くないって!月ノ森に入る前から好きだったんだろ?ふーすけの言う通りクリスマスも近いし、今しかないって!」

 

ましろ「で、でも……。あ、せめて、高校を卒業するまでは…「ましろちゃん!」! つ、つくしちゃん……?」

 

つくし「透哉先輩をカッコいいって思ってるのは、ましろちゃんだけじゃないんだよ?特に、彩先輩と花音先輩、友希那先輩と紗夜先輩。今名前を挙げた先輩達は透哉先輩と一番近い距離にいる人達でしょ?彩先輩なんか昔からの仲らしいし、心の奥では透哉先輩を好きかもしれないよ。」

 

ましろ「……た、確かに……。」

 

瑠維「もちろん、それは湊さんや氷川さん、松原さんも例外じゃないわよね。」

 

ましろ「うっ……。」

 

つくし「ましろちゃん、恋は競争なんだよ。早く自分の気持ちを伝えないと、他の誰かに取られちゃうかもしれない。そんな厳しい戦場なの。」

 

七深「つーちゃんが、いつにも増して燃えてる……。」

 

ましろ「……で、でも、もし彩さんが透哉先輩を好きだとしたら……私は、邪魔をするべきじゃないと思う。」

 

つくし「え?」

 

ましろ「私なんかより……透哉先輩のほうが、お似合いだと思う…「ましろちゃん!」!?」

 

つくし「私"なんか"って言わない!それに私は……透哉先輩とましろちゃんのほうが、お似合いだと思ってるよ!」

 

ましろ「そ、そんなこと……!」

 

七深「しろちゃん。」

 

ましろ「!」

 

七深「もっと自分に、自信を持ってもいいんじゃないかな?しろちゃんは、この1年間Morfonicaとしてやってきて、すごく成長したし、変わった。それは、透哉先輩も分かっているはずだよ。」

 

ましろ「……」

 

透子「シロ。最初あたしは、何でシロはこんな人が好きなんだろうって思ってた。でも、実際に会って喋って、今日の話も聞いて……理解した。理解したし……この人は、シロを絶対に見捨てない。シロを絶対幸せにしてくれるって、そう思った!」

 

ましろ「……」

 

瑠維「倉田さん。私からは一言だけ伝えるわ。……あなたなら、きっと大丈夫。よく言うでしょ?当たって砕けろ、と。」

 

七深「るいるい〜、砕けたらダメだと思うけど……。」

 

瑠維「……」

 

ましろ「……あはは。」

 

透・七・つ「!」

 

ましろ「ありがとう、つくしちゃん、透子ちゃん、七深ちゃん、瑠維さん。……私、頑張ってみる!」

 

透・七・つ「シロ(しろちゃん・ましろちゃん)!」

 

ましろ「私……クリスマスに透哉先輩をお出かけに誘って……こ、告白するよ///!砕けるのは嫌だけど……あ、当たって砕けろだもんね!」

 

瑠維「……ふふ。」

 

つくし「もう、ましろちゃんったら。」

 

透子「それとシロ、お出かけじゃなくて、デート、な?」

 

ましろ「で、デート!?」

 

七深「確かに!クリスマスといえばデートだもんね〜。」

 

ましろ「く、クリスマス……デート……。」

 

瑠維「……今になって怖気ついた、なんてことはないわよね。」

 

ましろ「……う、うん、大丈夫!私、透哉先輩を誘ってみる……ううん、誘うよ!く……クリスマスデートに!そして……こ、告白するんだ!」

 

透子「その意気だシロ!」

 

七深「頑張って、しろちゃん。応援してるよ!」

 

つくし「ましろちゃん……こんな、立派になって……」

 

透子「おいおいふーすけ、泣くの早いって。」

 

つくし「だ、だって〜!」

 

ましろ「あはは……。」

 

……私が、透哉先輩に告白か。

 

なんか、急な感じで決まっちゃったけど……すると決めたからには、絶対!

 

みんなも応援してくれてるし……私も……自分の気持ちを、ちゃんと伝えたい!

 

……でも、そのためにはまず、先輩をクリスマスデートに誘わなきゃいけないんだよね。

 

どうだろう……先輩、予定空いてるかな?

 

……ううん、最初から弱気になってちゃダメだよね。

 

予定が空いてることを信じて……いざ、先輩に連絡を……!




もうみなさんお分かりだと思いますが、今回の過去編、前のオーズオタクの回は次のある回のための布石でした。

そのある回とは……





クリスマスデート回です!!(絶対ためる必要ない)

次回はクリスマスの10:00に投稿予定です!

乞うご期待!!
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