やはり俺が吸血姫の弟だったのは間違っていない。   作:東雲 那音

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久しぶりの投稿!諸君さしぶりだな!モチベ上がらずにダラダラと書いていた作者の私がやってきたよー!
これを書くのに長い時間を要したけど、内容は凝ってないのでよしなに?


まさかのソウルシスター?

ユエの突然の学校訪問があった今日。部活も終わり一人、帰路に着いていた。

 

自転車をこぎ、思い浮かぶのは部活中での出来事。ユエに頭を撫でられ、安心しつつも恥ずかしい姿を見せてしまった。その事に羞恥心でリアルに床を転げ回ったあと、雪ノ下と由比ヶ浜に八幡の秘密を話した。

 

二人は八幡の秘密を知ると、初めは信じられないと言う顔をしていたが八幡が簡単な魔法を見せると信じてくれた。由比ヶ浜は初めて見る魔法に大興奮でもっと見せて!とせがんできたり、雪ノ下は魔法を自分の知っている知識で紐解こうとしたりと騒がしかった。

 

秘密を受け入れられたことに八幡はしばらく呆けたと、思わず笑ってしまい悩んでいたのが馬鹿らしくなってしまった。

 

「話して良かった……」

 

心のそこからそう思えた。秘密を教えたことで関係がより一層深まった感じがして、彼女達が『本物』だと確信した。この世界で初めてできた本物。このことに八幡は歓喜した。

 

日の暮れた道を歩き、やっと見えてきた家。扉を開けて家の中に入っていく。

 

「お兄ちゃんおかえりー」

 

「……おかえりなさい」

 

ご帰宅後、直ぐに違和感。と言うよりも異物感。聞きなれた愛しの妹の声ともうひとつ、聞き覚えのある声がする。声の張本人はリビングで小町と寛いでいた。

 

「……なんでいるんだよ」

 

「……八幡の妹にも秘密を知ってもらった方がいいと思って。あと、あって会ってみたかった」

 

「え?なんで妹いること知ってんの?」

 

「……結衣に聞いた。八幡のこと聞いてみたらたくさん教えてくれた」

 

「あいつ……」

 

人のことをペラペラと喋る由比ヶ浜に明日、会った時に説教してやろうと心の中で決める。個人情報を勝手にばらまいてはいけない事をしっかりと骨の髄まで教えてやらねばなるまい。

 

「お兄ちゃん、秘密、教えてくれるよね?」

 

「あぁ、話すわ。長くなるぞ?」

 

そして、小町にも八幡は秘密を語った。

 

小町は雪ノ下と由比ヶ浜と同じ反応をして、魔法を見せたりユエが過去話(前世話)をしたりして信じてくれた。

 

「お兄ちゃん、前世で頑張ってたんだね。お疲れ様、お兄ちゃん」

 

「おう、ありがとな」

 

この後、ユエが「……八幡の妹なら私の妹でもある。お姉ちゃんと呼んで」と言って、小町のお姉ちゃん呼びが確定したり、魔法を見せたりと騒がしい夜を過ごした。

 

 

 

 

 

 

▲▼▲▼

 

 

 

蝉が鳴き喚き、学校も昨日から夏休みに入った真夏の日。南雲家では朝からユエが服やアクセサリーを着飾り、お出かけの準備をしていた。

 

「……〜♪」

 

鼻歌を歌いながら12歳の姿からフォームチェンジ。17歳の姿に変身し、誰もが振り返ってしまう美貌の美少女になる。

 

「ユエさん、今日もお出かけですか?」

 

ちょうどリビングに入ってきたシアがユエに聞いた。

 

「……うん。5時までには帰ってくる」

 

いってきます、と言って家から出ていくユエを見送ったシアはハジメの作った念話石が組み込まれたアーティファクトでこのことを嫁ぇ〜ズと愛娘と愛人(未定)に連絡。

 

「それでは皆さん、ユエさん尾行作戦を開始しますよ!」

 

『『『『ラジャー!』』』』

 

ユエの尾行作戦がはじまったのだった。

 

 

 

 

事の発端は二日前に遡る。

 

帰還者たちの集いの場、ウィステリア。そこにはシア、香織、雫、ティオ、そして仕事の手伝い中に引っ張りだされてきた優花が席についていた。

 

「ユエさんの様子がおかしいです」

 

神妙な口調で語るシア。嫁ぇーずはうんうんと首を縦に振り肯定する。

 

「最近、帰って来るのも遅いのぅ」

 

「毎日ウキウキしてるよね」

 

「なんか、お姉ちゃんぶる様になったわね」

 

ここ最近のユエの変化を皆が疑問に思っている。五日前ほどから毎日どこかに出かけるようになり、夜に帰ってくる。当然皆が気になってくる。

 

「もしかして……、浮気?」

 

「いやそれは無いでしょ」

 

突拍子のない香織の言葉にすかさず優花が反論した。

 

「そうですよね。ユエさんはハジメさんが大好きですから」

 

「でも、そしたらなんで帰りが遅いのかしら?」

 

「ユエからしたら、日本は異世界だし気になる物でも出来たのかな?」

 

「たしかに日本は珍しい物がたくさんあるからのう」

 

ユエが浮気などありえない。浮気は即刻なしとなり、次に出てくるのは珍しい物につられたのか?といもの。コレが一番可能性が高く、一体何がユエの興味を引いたのかが気に鳴りだしてくる。

 

「なら、ユエの後をこっそり尾行しよう!」

 

「ユエ本人について行っていいか聞けばいいんじゃないの?」

 

「分かってないなぁ優花ちゃん。あわよくばユエの弱みを握れるかもしれないから尾行するんだよ!」

 

「ユエ絡みだと香織の性格が悪くなってるんだけど!?」

 

恐ろしやと戦慄する優花。ユエとハジメが絡むと度々ヤバくなる香織に助けを求めるように雫に目線を向けるも、サッと目をそらされる。雫は疲れたのだ。もう、こうなった香織は止められないの!突撃娘は止まらないの!と雰囲気が語っている。

 

こうしてなんやかんや話し合って、ユエの尾行が決定し今に至る。

 

「目標発見、距離50。隣町に向かってる模様」

 

『こちらも目標発見。……あ、自転車に乗ってる男の子がユエに見とれて事故を起こしたよ』

 

『私も目標発見。……ユエに見とれたチンピラが排水溝に落ちたわ』

 

『妾も目標発見したのじゃ。……ユエに見とれた店員が商品を落として壊しておるの』

 

『ユエは歩く天災なんじゃないの?』

 

ユエが通り過ぎれば必ずと言っていいほど何かしら起こる。これはたしかに歩く天災だ。そんな周りを見てか、ハッとなにかに気づいたユエ。バッグから眼鏡を取り出してかける。

 

「どうやら、認識阻害のアーテイファクトをつけ忘れてたみたいですね」

 

その後は見とれて事故を起こす男たちの数は減った。減ったと言っても5人中2人は必ず事故っているのがなんとも言えない。ユエの美貌がアーテイファクトを上回っている。

 

「あ、千葉駅に着きましたね」

 

無自覚に災害を引き起こしながらやってきたのは千葉駅。辺りをキョロキョロと見回している。そのせいで、ふと目のあった男性が倒れるがとりあえずスルー。一体誰を探しているのかとシア達はよく観察する。

 

『ん?知らない子ね』

 

どうやら目的の人物を見つけたようで、笑顔で駆け寄って行くユエ。その先には女の子が二人。黒髪ロングの清楚系の女子にピンクっぽい茶髪のギャルのような女子だ。

 

『結構かわいい子達だね』

 

『そうね。でも、ユエはどこで知り合ったのかしら?』

 

『謎じゃの』

 

合流したユエたちはそのまま次の目的地に向かうのか?と思っていたがその場に留まりベンチに座った。楽しそうに会話をしながら、誰かを待っているようだ。

 

それから数分話していると、ユエがやってくる一人のアホ毛の生え、腐った目の男性に気づき大きく手を振る。手を振られた男性も満更でもなさそうに手を振り返した。

 

これだけなら良かった。

 

ユエは小走りに男性に近づいて軽く抱きしめた。

 

そう、抱きしめたのだ。それはもう、慈愛のこもった表情で優しく。

 

「だ、誰ですかあの男!」

 

『え?え?ほ、本当に浮気!?』

 

『お、落ち着くのじゃ!こ、こういう時は魔法を頭の中で唱えれば!』

 

『それじゃ魔法が発動しちゃうでしょうが!こういう時は明鏡止水よ!』

 

『いや、皆が落ち着いて!!』

 

そんな光景を見れば当然パニックになる嫁ぇーず達。あのハジメLOVEなユエが他の知らない男を抱擁したのだ。それも愛の籠った感じで!これではメダパニを食らったかのようなるのも仕方ない。

 

「と、とにかく尾行を続けましょう!きっと、何かの勘違いかも知れませんから!」

 

『そ、そうじゃの!ユエが浮気など有り得はせん!』

 

問いただしに行きたい気持ちをグッと堪えて何かの間違いである事を祈り、尾行を続行する。ユエ達は4人でどこかに向かっていく。

 

「ここは、ディスティニーランド?」

 

「色々な乗り物がありますね〜」

 

「ここ、久しぶりにきたわね」

 

ユエたちが入口から入って行ったので、シア達も合流して中に入っていく。このまま尾行を続けようとした瞬間にそれは起きた。

 

「お兄ちゃんに近づく女ぁ!覚悟ォ!」

 

手にロープを持ちユエ目掛けて襲いかかる女子。いつもであればそんな不意打ち簡単に回避できるだろうが、いまは気が緩んでいるようでユエは気づいていない。

 

「ユエさん、危ない!」

 

あと少しで、ユエに魔の手が届く!と思いきや、届くことはなかった。ロープを持った女子の姿はいつの間にか建物の影に吊るされていた。それも何故か亀甲縛りで……。

 

どこか、既視感を感じる嫁ぇーず一同。

 

一体、何が起こったのか。それはシア達の目にはハッキリと写っていた。魔の手が届く手前で別の女子がそれを阻止。どこから現れたのか体を勢いのままタックルして器用にロープを奪い亀甲縛りして建物の影に吊るし、そのままどこかに消えていった。

 

「……なんだったんでしょうね。今の」

 

「なんか、動きがソウルシスターズに似てたわね」

 

「一瞬で判断して行動する。実に見事な動きよ」

 

「……なんだか頭痛くなってきたわ」

 

「あ、ユエが行っちゃうよ!」

 

考えるのをやめてユエの尾行を続ける。

 

「お兄ちゃんに近づくなぁ!」

 

ーーザッ!バシッ!

 

「シャオラァァ!」

 

ーーシュッ!ピシッ!

 

「死ねぇえぇ!“ピーッ”がァ!」

 

ーーガシッ!スポッ!

 

ジェットコースターにお化け屋敷、ゴンドラにと沢山の乗り物に乗っていくユエたち。ここだけ見ていれば楽しそうな光景だ。しかし、しかぁし!その背景で繰り広げられている異様な光景が楽しそうな光景をぶち壊していた!

 

過激な女の子がどこからともなく現れたてはユエとその友達?である二人に襲いかかる。それをまたどこから現れたのか、別の女の子が阻止するという攻防が続いていた。

 

ガムテープを持って襲う女の子がいれば、脇にある木の上から女の子が飛び出しガムテープを奪って簀巻きにし、それを担ぎまた木の上に戻っていく。鎖を持って襲ってきた女の子がいれば、協会のような建物から女の子が現れ鎖を奪って十字架に、まるでキリストのように磔にする。またまた体格の良い、レスリングの格好で襲う女の子がいれば、何故か真上から女の子が着地しながら現れ、襲ってきた女の子を見事な一本背負いで放り投げて飾りの煙突に突き刺した。

 

「私たち、何を見ているんでしょうね?」

 

「もしかしたら、雫ちゃんのソウルシスターズより過激かもね。あの女の子たち……って、あれ?雫ちゃんが遠い目をしてる!?」

 

「……こんなところにもいるのね、ソウルシスターズは。あはは、はははー……」

 

「雫が壊れておる!」

 

「雫さんのソウルシスターズじゃないですよ!戻ってきてくださーい!」

 

「なにこのシュールな光景……。ん?ねぇ、なんか、ユエこっち見てない?」

 

「「「え?」」」

 

優花に言われ、ユエの方を見ると確かにシア達を見ている。というかシアに限っては目と目があってしまった。

 

ーーじ〜……

 

ーー……サッ

 

ーーじ〜……

 

ーーダラダラ……

 

ユエの視線がシアに突き刺さる!まるで、尾行してたなお前。とでも言うように視線がグサグサとシアに突き刺さる!目を逸らしても逃がさないよ?と見られ続けることにダラダラと汗を流すシア。サッとティオの後ろに退避!

 

「な、なんじゃ、このゾクゾクしてしまう視線は!ハァハァ、んっ、たまらん!」

 

さすがは変態。ユエの刺すような視線を快楽に変えてしまった。ユエなんだか気味悪く目をそらすと、ため息を吐いてシア達の元に行くのだった。




あれですよ、あれ。実は嫌われてないてきな?
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