皆さん、お待たせいたしました。
更新が遅くなってごめんなさい。
2日連続のバイトや疲れ、眠気が重なって今まで執筆できませんでした。
では、どうぞ!
「じゃ、じゃあ気を取り直して部屋へと案内いたします。」
みんなの先頭に立ち、食堂となる部屋へ案内する。
妖夢が床の間に綺麗な花を飾ってくれた。そもそも茶室は派手に飾るものじゃないから驚くほどではないとは思うが…。
…それにしても、さっきから文が自分の胸を非常に気にしているけど、まあ見なかったことにしておこう。
「さあ、こちらです!」
部屋の障子を開け、みんなを中に案内した。
床の間には春をイメージした色鮮やかな花が飾られ、床の間には「感謝」と書かれた掛軸が吊るされている。
まさかこんなどストレートな掛軸があったとはね…。
「さあ、それではこちらにお座りください。お料理の前に、まずは抹茶を振舞います。」
畳にみんなを座らせ、道具を用意する。
フランちゃんの「どうやるの?」という声が聞こえたが、気にしないでおこう。
今日は正式な茶会ではないから、作法はあまり考えなくていいか。念のため紅茶も用意しているから、抹茶が飲めないというときにはそっちを出そう。
…それよりも、陽炎さん既に犬耳が生えてる。
触りたい…もふもふしたい…いや、今は集中しないと。視線を手元に戻す。…でも犬耳が気になる。自然と視線が犬耳の方へ…いやダメだ、落ち着け!落ち着くんだ葉月欧我!!
でも気になって…。あ、目線が会っちゃった。
陽炎の微笑む攻撃!効果は抜群だ!
攻撃を食らって激しくなった鼓動を静める。深く息を吸い、そして吐く。
「はぁ~~~」
「欧我、どうしたの?」
「欧我なりの集中の仕方なんじゃないかしら。」
フランちゃん、レミリアさん、フォローありがと。
よし、これで落ち着いたぞ。
「では、まあお茶会と言っても正式なものでもないので、ご自由にお楽しみください。」
そう言って、点てたばかりの抹茶と和菓子をお盆に乗せてみんなの前に配る。
細かい造形で見事に形作られた桜の花と、淡く深い緑色に輝く抹茶を見て歓声が上がった。
文なんかカメラで写真を撮りまくっているし、陽炎さんに至ってはまるで太陽のように笑顔がキラキラと輝いている。
それでは召し上がれと言おうとしたが、すでにレミリアさんとフランちゃんはもう和菓子を口に運んでいた。そして頬張った直後、カリスマとは程遠い、年相応(そう言えば500歳児と495歳児だったよな?)な子供っぽい満面の笑みを浮かべる。その笑顔を見ているだけで、俺の中に幸せが沸き起こってくる。咲夜さんは目をつむってじっくりと味わっているし、陽炎さんは…うん、犬耳に変化はない。
「美味い…。」
ん?この声は陽炎さん?
「和菓子には、芸術性もあってカロリーも少なくて、抹茶と相性抜群って所が良いよなぁ…。」
芸術性とかカロリーとか、コメントが女の子らしい。
もしものことに備え、ポットとカップを温めていたお湯を建水と呼ばれる器に捨て、代わりに紅茶の茶葉を入れる。
その直後、レミリアさんとフランちゃんの「苦い!」という悲鳴に近い声が聞こえた。顔を上げると、2人は先ほどとは打って変わって怪訝な表情を浮かべながら緑色の液体を凝視していた。
やはり、口に合わなかったのかな。
「あらら、お口に合わなかったようですね。では、こちらをどうぞ。」
まあいいや、準備しておいてよかった。
蒸らすのに2分かかるから、その間を和菓子で繋いでもらおう。紅茶には合わないだろうが…。
レミリアさんとフランちゃんに和菓子をもう一つ差し出した。その後柄杓でお湯をすくい、ポットの中に入れる。ティーコゼーをかけて…と。
「ん!?」
か、陽炎さん?
ふと陽炎さんの方を向くと、頭の犬耳にくぎ付けになってしまった。だってね、犬耳がひょこひょこと動いているんだもん!しかも尻尾がまるで大好きなお菓子を目の前にした時の犬のようにブンブンと振られているんですけど!
「やっぱり美味しい♬抹茶は身体にも良いから凄いよ♬」
うん、確かに凄いと思うけど犬耳!犬耳をどうにかして!
俺の視線に気づいたのか、みんなの視線が一斉に陽炎さんの犬耳に集中した。その直後、部屋は爆笑の渦にのまれた。
「な、何を見ているんだ?」
「陽炎、あなた犬耳が出ているわよ。」
「ふぇ!?う、嘘!?」
咲夜さんの言葉によって陽炎さんはようやく犬耳の存在に気づいたようだ。
両手を頭の上に移動させ、犬耳に触れた直後顔が見る見るうちに真っ赤になっていった。
その様子が可笑しくて、俺もこらえきれずに吹き出してしまった。
もちろん、こんなベストショットを逃すはずもなく、ブン屋のカメラが連続でシャッター音を響かせる。
「わ、笑うな!皆して笑わないでくれ!お、お嬢様!そんな腹を抱えて笑わないで下さ……ちょっ、欧我ー!!そんなに爆笑しないでくれー!////」
陽炎さんが悲痛な叫びを上げたが、笑い声は収まることはなかった。
そもそも、ウルウルな瞳で顔を真っ赤に染めながらこんなセリフを言うのは逆効果である。
その笑い声はしばらくの間止まなかった。
陽炎さんのおかげ(?)で場の雰囲気も和らいだところで、ちょうど2分が経過したようだ。
ティーコゼーを取り、2つのカップに紅茶を注いだ。
「さあ、では抹茶の代わりに紅茶をどうぞ。」
「ありがとう。笑い過ぎて喉が渇いたわ。」
レミリアさんはそう言うとカップを受け取り、目をつむって匂いを楽しんだ。
未だに顔を真っ赤にして俯いている陽炎さんが心配になってきたので、もう1杯抹茶を点てて陽炎さんの元へ差し出した。
陽炎さんはそれを受け取ると、「う~」とか言いながら抹茶をすすっている。
「うん、まあまあね。」
「そう?私はこの味は好きだよ。」
やはり、カリスマの舌はこの程度では満足しないか…。
見知らぬお方、今度はカリスマ吸血鬼をも唸らせる紅茶を…さすがにそれは失礼だな。
みんなが抹茶を十分楽しんだところで、そろそろ料理の方に移ろう。
まずは食材を出してもらわないと。
「では、持参していただいた食材を出してください。」
「あら、私たちは何も持ってきてないわよ。」
「えっ!?」
え、今、何と?
「食材は陽炎が用意してくれると思っていたからね。ほら、出しなさい。」
「あ、はい、了解しました。すこしお待ち下さい。」
そう言うと空間にスキマを作り出し、そこから食材を取り出した。
ジャガイモにニンジン、そして玉ネギ…野菜ばかりじゃないか。そして、文の持ってきてくれた脂ののった肉と合わせて考えると…。
どうしよう、カレーライス以外にレシピが思い浮かばない。
でも、白玉楼にカレールーなんか…
「陽炎さん、カレールーって持ってないよね?」
「有るよ。いや、何時でも何らかの料理が出来る様に蓄えているからな。」
そう言って隙間から取り出したのは、まぎれもなくカレールーだった。しかも“ハルス食品”の“こくうまカレー”じゃないか。何時だったかは忘れたけど、確か外の世界で売り上げナンバーワンを記録したよな。
そんなことは置いといて、まさか本当にカレールーを持っていたなんて。
予期せぬカレールーの登場に驚きを隠せなかったが、まあこれで材料はすべて整った。
「では、作ってきます。しばらくお待ちください。」
そう言うと、陽炎さんが用意してくれた食材を抱えて台所へと向かった。
あ、これ甘口じゃねーか。
ちなみに、作者の今日の晩御飯はカレーでした。
しかもハウス食品のこくまろカレー。
夕食前にこの物語を書き終えていたのですが…何この偶然ww
カレー、美味かったです。