サブタイトルでおやじギャグを言ってしまい申し訳ありません。
それに、それほど華麗ではありません。
・・・ごめんなさい。
陽炎さんから預かった食材を台の上に並べ、その隣に文から預かった食材である肉をドンと置いた。ジャガイモにニンジン、玉ネギにカレールー…そしてそこに肉がそろえば完全にカレーの具材だ。ルーを抜いて考えてみても、誰が見たってカレーの具材だと即答するだろう。それくらい定番な・・・肉じゃが?
いや、確かに肉じゃがにニンジンと玉ネギを入れる家庭もあるだろうけどさ…っていうかこれ何の肉?
…気にしないでおこう。カレーを作るぞ、カレーを。
ご飯は幽々子様の夕食に備えて大量に炊いているからいいとして。
「さあ、調理開始だ!」
ジャガイモの芽を取り除き、ニンジンと一緒に皮をむいて行く。玉ネギも表層の皮をはぎ、真っ白な肌を露出させた。肉の余計な脂身を取り除いて…と。これでよし。
さて、今日はせっかくだし材料を大きめに切ろう。下準備を済ませたジャガイモを大きめの大きさに切り、水に浸しておく。肉は一口大のサイコロ状に切り、ニンジンも一口大に。玉ネギは真ん中で真っ二つにしてからくし切りに。
食材の下準備が完了したら鍋にバターとサラダ油を熱し、肉を入れて色が変わるまで炒め、そこに野菜を投入してさらに炒める。えーと、水の量は…これくらいか。
「ザバァ!」
特に意味もなく効果音を口にしてみる。
誰もいない台所に虚しく響く中、ふたをして沸騰するまで強火にかける。
沸騰を待つ間特に何もすることが無いので、ただじーっと鍋を見つめる。腹減ったな。ここでバナナを一口。…うん、美味い。
「きた!」
ふたがカタカタと震え、間から湯気が立ち上る。
ようやく沸騰したようだ。バナナを一口…あれ、もう2本も食べちゃってる。
ふたを開けると表面に灰汁が浮かんでいた。
出たな、
俺が成敗してやる!
水を張ったボウルという名の盾と、お玉という名の
「かくご!
うん、いい感じ。…で、
「ふはは、どうだ参ったか!」
ヤバい、超楽しい。
「
パシャッ!
…え、パシャッ?
「あらあら、楽しそうね。」ニヤニヤ
「あや~~~!!??」
見られた~。写真撮られた~。
俺の黒歴史が新聞で幻想郷中に広まってしまう…。
まったくもう、文ったら。写真撮りに来たのなら事前に声をかけてくれればよかったのに。
そうすればあんな誰にも見せられない姿を晒すこともなかっただろうに。…え?俺が一人でしゃべっていて声をかけられなかった?…さいですか。
「それよりも、いいの?」
「鍋~?もういいよ、恥ずかしい。」
竹串を取り出し、構える。
もうどうにでもなれ。
「ヴェィ!」ぷすっ
…うん、いい感じにやわらかくなったな。
後ろで笑いをこらえきれない文を放っておいて、火を止めてルーを溶かす。
そして、滑らかさと甘みを出すために隠し味の・・・をすりおろして投入し、和風にするために醤油も少し。あとはルーを溶かしながら煮込めば…。
「完成だ!」
「お疲れ様です。ここまで良い匂いが漂ってきますね、早く食べたいです。」
「うん、ちょっと待ってて。あとはご飯にかけるだけだから。」
そしてバナナを…いい加減しつこいか。
「お待たせいたしましたー!」
できたばかりのカレーライスをお盆に乗せ、みんなの待つ食堂の障子を開けた。
茶道の道具は全て片づけられ、部屋の真ん中にはテーブルが置かれている。どうやら妖夢が色々と準備してくれたようだ。本当にありがとう。
「ねぇ、欧我。」
「はい?」
どうしたんだろう、レミリアさん。
「台所の方から「あやー」っていう悲鳴が聞こえたけど、何かあったの?」
「な、何でも…無いです。」
顔が真っ赤になり、目線をずらした。
き、聞かないでくれ…。
ってか、文は何時までニヤニヤしているの!?
別にいいもん!とっても楽しかったからいいもんっ!!
「で、ではお待たせいたしました。カレーライスでございます。」
文が席に着いたことを確認すると、それぞれの前にカレーライスが盛られた皿を置く。
みんなに行き渡ったことを確認すると、「いただきます!」という掛け声とともに食事を開始した。
スプーンですくい、口へと運ぶ。
「「「美味しい!!」」」
カレーを頬張った直後、レミリアさんとフランちゃん、そして陽炎さんが声をそろえて叫んだ。
どうやら隠し味が上手く効いたようでよかった。しかし…
「甘い…。」
「そうですね、辛くないです。」
この2人にとっては甘すぎるようだ。
そりゃあ、仕方ないよね。だってルーが甘口なんだもん。
「ごめんなさい。食材の関係上、辛い物を作ることができなかったので。」
「まあいいわ。でも、たまには甘いカレーもいいわね。美味しいわよ。」
「はい。それに、この滑らかな舌触りも最高です。」
「ありがとうございます!」
うーん、100点満点とまではいかないものの、気に入ってくれてよかった。
ほっと胸を撫で下ろし、バナナを頬張る。
うん、やっぱバナナは美味い。
「ところで、さっきから何を食べているの?」
咲夜さんの視線は右手に握ったバナナへと注がれている。
バナナと聞いて卑猥なことを想像したやつ、あとで無空空間に放り込んでやろうか。
「これ?隠し味です。」
「隠し味?…まさかカレーに入れたの!?」
「ええ、入れました。バナナをすりおろして入れると、程よい甘味が出て舌触りが滑らかになるんですよ。」
信じられないという表情を浮かべる咲夜さんと文。
正直に言うと、俺もこの隠し味入れないほうが美味いと思う。でも、俺の母はバナナを入れるのを止めようとはしなかったし、時には全然隠れていないときもあった。でも、これは我が家の味なんだ。
これを作っているとき、昔懐かしい母の面影を思い出していた。
「美味しそうね。」
「幽々子様!?」
いつの間にか幽々子様が部屋の中に入ってきた。
「ごめんなさいね、美味しそうな匂いにつられてしまいました。欧我、私にも作ってくれるかしら?」
「あ、はい!…陽炎さん、カレールーをたくさん頂戴!」
「任せてくれ。ちょっと待て……ヨイショ。ハイ、足元に気を付けて。」
陽炎さんが出してくれた、たくさんのカレールーを抱えて部屋を飛び出した。
全部が甘口なのはもう驚かないぞ。
これで…っ!?
「わぁっ!!」ドシーン!
痛て、躓いて転んじゃった。
くそっ、慌てるんじゃなかった。足元に気を付けて…と。
食材をたくさん使用し、幽々子様用の大量のカレーを作り上げる。
それを部屋に運び、自分の分も用意して食事を始めた。そこに妖夢が酒を持ってきたため、レストランはいつの間にか大宴会へと発展していた。
ふざけすぎましたかね?
でも、たまにはいいでしょ、たまには。