-ザ・・・ザザザ・・・これ・・・ザ・・・おと・・・入って・・ザザザ・・・ブッ!-
あーあー、聞こえますかー音入ってますかー?うん、大丈夫みたい、よかった。
えーと、私です、きらりんです。オグマさん、いつかこれを聞いてくれると嬉しいです。
なんだかオグマさんは、この世界のどこかでまだいるような気がして・・・ヘンですよね。
なので私は、このメッセージを残すことにしました。
あれから世界は、劇的に変わりました。
魔界は太陽の光が届いたことで、世界そのものが明るくなったのが大きかったです。
常時闇の世界から、一日の半分が光の世界になったことで、魔界のみんなの心の有り様が
大きく変化していきました。
また、昼と夜の区別による生活のメリハリ、夜に輝く月の満ち欠けが示す月齢の影響、
星々の輝きは方位と、そして季節を教えてくれた事で、より過ぎゆく時間の流れが
全ての生物にはっきりと認識されるようになりました。
結果、暗闇の世界で悶々と生きるだけの野生のモンスターや竜は、その影響で知能を
飛躍的に伸ばしていったのです。
地上から識者を招いてそれらをより詳しく学び、その知識を教える学校なんかも魔界の
各地に出来て、多くの生き物が教育の場を得る事になりました。
結果、魔界のモンスターの過半数が、知識や言葉を持って暮らす知的生物になりました。
賢くなったみんなが、これから魔界をどう変えていくのか楽しみではあります。
あ、あと魔界にも風が吹くようになり、熱が籠らなくなりました。空気のよどみが
無くなって、それにより雲や雨などの水の循環も活発になってきています、場所によっては
雪まで降るんですよ、レムさんを思い出します。
地上との交流に一役買ったのが、魔界に無尽蔵にあるマグマでした。超高温で、かつ
地中の酸を吸収する性質のある魔界のマグマは、製鉄師や刀鍛冶に大変重宝されました。
あのロン・ベルクさん曰く、魔界のマグマに浸せばどんな強靭な金属も溶解が進み、
叩き直すのに必要不可欠なのだそうです。
また、地中の酸を吸収するため、冷えて固まった溶岩を畑にまいておけば、
土の中の酸身が抜けて、成る果実の甘味が格段に増すことが知られて以来、地上の農家が
こぞって求めるほどの人気商品になりました。
世界樹の森には都市が出来ました。地上への出入り口として多くの人・魔・獣が交差する
分岐点都市として発展を続けています。
サルトバーンのケートスさんは未だ健在です。もともと博識だった彼は、魔界中の学校を
色んな形で支援しつつ、地元の発展に今も奮闘しています、寿命が長いっていうのも
大変ですよね。
まぁもちろん魔界全体が平和になったわけでもないです。要所で小競り合いは絶えないし
地上の人間の冒険者がやってきて魔界を荒らす事もたまにあります・・・お父さんいわく「昔の
自分たちを見ているようだ」との事。
あと、あの
ロガッツさんと
悪さをしては地元の強者にお仕置きされて、捨て台詞を吐いて逃げ去るという珍紀行を
繰り返しています、一体何がしたいんでしょうねぇあの人たちは・・・ジョードロドンさん魔族の
血が強い美人でプロポーションも抜群なのに勿体ない。
地上でもさまざまな動きがありましたが、まずはリヴィアスさんとミールさんが結ばれて
アルキード王国跡に自治区を開いたのが一番のニュースでしょう。いやぁあの後のミールさんが
リヴィアスさんにぐいぐい押しまくる絵面は面白かったですねー、リヴィアスさん照れ照れで。
あの入り江に
ドラゴン、魔族などが気兼ねなく訪れる広域公園として、魔界から訪れる者たちの観光の
地としてどんどん発展していきました。
子供も5人もできたんですよ、ちなみにラーハルトさんがずいぶん可愛がっていました。
やっぱ自分と同じ、魔族と人間の混血児を気にかけていたんでしょうね。
二人の結婚を見届けた後すぐ、マトリフさんが亡くなりました。本人は109歳まで生きて
上等だとか言ってましたが、やっぱり師匠との別れは悲しかったです。
入れ替わるように生まれたポップさんとメルルさんの娘さんは、師匠の名を取って
トマリーと名付けられました・・・ただ成長しても魔法の才能はさっぱりで、何故か
豪傑姉さん的な性格になったようです・・・ポップさん曰く「こりゃ親父の血だな」とか。
リンガイア王国はノヴァさんが継ぎました。実はオーザム東部の漁師町にリンガイア王家の
血を引く人が避難していて、さっそく次期国王として迎え入れたんですが、次の日には
ノヴァさんに王位を譲るという委任状を残してオーザムに帰っちゃいました。
で、それからリンガイアは劇的に変わりました。魔界からの住人をどこよりも積極的に
受け入れたのは師匠のロンさんの影響が強かったのでしょう。おかげで数十年の後にはかつての
城塞王国を上回る強国にまで発展しました。
ダイさんとレオナさんは無事一男一女を儲けて、パプニカとテランの王位を継ぎました。
もう力があればそれでいい、という時代ではないですからねぇ。まぁもし世界の危機が
再び訪れたら隔世遺伝で竜の騎士が復活するかもですが。
あと、パプニカ在住のヒュンケルさんとエイミさん・・・12人も子供作ってます、凄いなぁ。
あ、私?私はその・・・一応、結婚しました・・・あのマネキンさんのヒムと。
べ、別にカッコイイからとか、やたら縁があったからとか、共闘したからとかじゃないんです!
呪文!そう彼の使う呪文”
丁度いいからってコトで・・・だって結婚しないとあのバカ亭主、修行の旅ばっかなんだもん!
ま、まぁ一応子供も3人ほどできましたけど・・・全員自慢のインテリっ子です。
私には宿題がありました。私を見出し、魔王にしてくれたヴェルザー様にまだ何も
恩返しをしていなかったのですから。だからいつか彼が復活するためにオーガニールを
会得しておきたかったんです。
でも、結論から言うと習得は出来ませんでした。魂を肉体に合わせる為には、魂を操る
力が必要になってきます。そしてそれは天界でないと決して取得できない力のようでした。
だた、副産物として生まれた呪文がありました。魂でなく心の意志を力として肉体を
変化させる呪文、人間になりたいと願う者を人間にする、その名も
肉体を遺伝子レベルまで変える効果があります。そしてその効果の持続時間は、その者の
意志の強さに比例する、というものでした。
なんでそれを形にしたかと言うと、それを強く望む人たちがいたんですよ、
その
今でも忘れられませんねー。
なにせ目の前に”歴戦の超戦士””偉大なる豪傑””気は優しくて力持ち”をそのまま
絵画にしたようなめちゃくちゃな強面イケメンさんが立っていたのですから。
その直後に現れたマァムさん、面影がカケラも無かったにもかかわらず、すぐさま彼を
クロコダインさんだと見抜いた時には二度びっくりしました・・・このへんは愛の力ですねー。
後にロモス1のベストカップルと称される二人の関係は、17年後に魔法が切れて
戻った後も何一つ変わらずに続いたようです。
それに比べてウチのバカ
お仲間のマルタ君とザン君に監視をお願いしていますが、もーちょっと頻繁に帰って
来て欲しいもんです・・・まぁマルタ君曰く「照れてるんだよ」との事。うんうん。
ザン君の言う「尻に敷かれるから逃げてるんだろう」という意見は黙殺します!
まぁとにかく、あれから本当にいろんな事がありました。みんな懸命に生きて物語を生み出し
その天寿を全うして逝きました。
あの遠い日の戦いも、オグマさん達の雄姿も、もう人々の記憶の片隅に残している
程度にまでなりました。
でも、それでいいと思います。人が生きて、時に戦い、日々を工夫して、努力して、学び働き、
そして死んでいく事、それが”物語”なのですから。
私の物語も、間もなく終わりを告げます。私に残された最後の使命を成す前に、
あの時以来お別れになったオグマさんに、このメッセージを残します。
-いつか届くと、嬉しいです-
ザ・・・ザザザ・・・ブツッ。
◇ ◇ ◇
アルキード自治区の入り江のほとり、安楽椅子に座った妙齢の魔族の女性が、耳に当てた
”
「さて、オグマさん、聞こえていましたか?」
その女性、ミールは柔らかい声で、誰に向けるともなくそう呟いた。。
あれから90年。
あの時代を駆け抜けた人間たちはもうみんな天に召された。最後まで生き残ったかつての
魔王きらりんも、先日ついに天寿を迎えてこの世を去った。その際に彼女から託された
この魂の貝殻を、ミールはもう何度も聞いていた。
再生する度に、この言葉を伝えるべき
「ねぇリヴィアス、オグマさん、ナタルコンさん、でろりんさん、ずるぼんさん、
へろへろさん、まぞっほさん、ケプラスさん、ガノイザーさん・・・」
かつての仲間に語り掛ける。この世界がこれからどう成るのか、その決定的瞬間が
間近に迫っていた。それはきらりんが自分で死期を決めてまで成そうとする、魔王として
最後の仕事の成果。その時を待ちつつ、かつてのあの熱い物語を駆け抜けた仲間達に
思いを馳せるミール。
「さて・・・あの子たち、どうなりますかねぇ。」
◇ ◇ ◇
魔界。
「うぉー寒っ!おいマルタ、毎度毎度その雪剣何とかしやがれっ!!」
魔族ザンが人狼マルタに、彼の持つ短剣にそう毒づく。マルタの愛刀、魔剣ナタルコンは
行く先々で妙に雪に降られており、いわゆる雨男ならぬ雪剣と称されるほどであった。
『ふ、我にエールを送る者がおるのだよ、お主もそろそろ悟って見せよ。』
ナタルコンの返しに「うるせー!」と毒づくザン。その頭にはオリハルコンの冠が、そして
右手には武骨な
「ったく、お前ら余裕だな、肝が据わってるんだかフザケてるんだか・・・」
彼らを率いて歩く魔族、ヒムが呆れ顔でそう嘆く。これから一大決戦をやらかそうって
時にこうまでいつも通りとか無いだろう、普通は。
「なんだよヒム、ビビってんのか?お前らしくない。」
笑いながら返すマルタに、顔をひん曲げて「違ぇーよ!」と返す。その隣でザンが
「そうそう、こいつがビビんのは奥方に対してだけだって。」
「やっかましい!」
マルタの頭をハタくヒム。それを見た面々、マルタにナタルコン、ザンの被る
ヒムが身につけている
「いよう、来たな!」
天竜山のふもとの洞窟入り口にて、彼らを出迎えたのは二人の魔族だ。赤色の体に
鳥のような翼を備えた、
バアラックなどが太陽の光の下で暮らすことで、その体を大幅に成長させた者たちの総称だ。
「おうラバーにラクー、しばらくだな。ヤツはいるのかい?」
「ああ、お待ちかねだよ。」
ヒムの問いにラバーが返す。その肩にはかつての彼らの隊長の愛用武器”ズタズタヌンチャク”
が掛けられていた。隣のラクーはあの戦士ケプラスが愛用した
を携えている。
二人の案内で、天竜山の洞窟の中に入っていく一行。
-来たか、”
洞窟の最深部、天蓋付きの台座に据えられた冥竜王ヴェルザーが一行を見下ろし、そう告げた。
ラバーとラクーはヴェルザーの元に走り両翼を固める。
ヒムはヴェルザ-を見上げると「へっ!」と笑って肩当ての中から、ひとつのカプセルを
取り出す。
「ウチのカミさんからの伝言だ・・・『お待たせしました』だとよ。」
-うむ、大儀であったな、魔王きらりんよ。お主を選び導いたのはやはり過ちでは
無かったという事だな-
きらりんはヴェルザーの恩に報いるべく、その魂を復活させる事に後人生の多くを注いだ。
ヒムの
自らの寿命が尽きる直前、精神に肉体を従わせる新呪文
生身のまま天界に到達する事に成功したのだ。
彼女は神々の目を盗んで、天界の神殿に封じられているヴェルザーの魂を開放し、
魔法の玉に詰めて
ひとつの魂として輪廻転生を果たしたであろう。
そのヴェルザーの魂がここにある。そしてヒムはその魂を戻し、肉体を魂に合わせて
再生させる呪文、
完全復活を成すことが!
「んじゃ、始めるぜ!デルパぁっ!!」
ヒムの言葉と共に、赤黒い魂が玉から飛び出す。強い意志を感じさせるその魂に手をかざし
その体へと戻す為の呪文を発動させる!
「
ドドドドドドド・・・
天竜山が唸る。その余波はヴェルバリオまで響き渡り、この地域一帯に絶対的な
プレッシャーを振り撒いていく。
『グオォォォォワアアァァァァァァァァ・・・』
魂が宿る、石に変えられていたその肉体が、本来の豪竜の体へと還り、まるで躍動するように
肉が、骨が、皮膚が盛り上がり続け、巨大化して竜の体を取り返し続けていく。
かつての”竜族の命運を担う若き天竜”とまで称され、雷竜ボリクスとの死闘”真竜の戦い”
を制し、その志の成就寸前で竜の騎士バランに打ち倒された、史上最強のドラゴン・・・
-冥竜王ヴェルザーが、今ここに、復活を果たした-
全長30mはあろうかと言う見事な体躯に、暗黒闘気を鎧にしたような黒いウロコを纏って
空気を痺れさせるほどの圧を備えて、彼らの前に佇んだ冥竜王が、にやぁっ、と笑みをこぼす。
「んじゃ、コッチも行くか!」
その竜の圧にわずかな動揺も見せないヒムが、ぐっ!と拳を握って、全身から漲る
力を開放させる!
「はあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
-カカアァァァァァッ!!-
魔界の洞窟に溢れる闘気が、ヴェルザーの暗黒竜の圧を押し返し、互角のせめぎ合いを
続けながら均衡を得る。
魔族ヒム。
かつて戦闘の駒として生を受け、主ハドラーの魂を受け継いだ金属生命体に昇華した彼。
天界に赴き、その肉体を”鍛える”事が出来る魔族の体に作り替えた。かつての親衛騎団の
仲間を自らの装備として魔界に降り立った彼は、良きライバルとなる
天界と魔界の戦”天魔大戦”の最中、魔王を名乗る人間きらりんと恋仲となり、彼女に
相応しい男となるべく、さらなる高み”大魔王”を目指して研鑽を続けた。
地上、魔界、そしてかつては天界と、3界を巡り続けた彼は日に日に成長を続け、90年の歳月を
経てついには世界屈指の強者にまで己を叩き上げたのだ。
彼の親友であるマルタとザンもまた己を磨き上げ、ヒムと共に強者の階段を駆け上がって行く。
かつて尊敬するオグマの愛刀ナタルコンと、リヴィアスの
ヒムの両翼を固めるに相応しい戦士へと己を叩き上げて来たのだ。
マルタはオグマに憧れるが故に身に付いた光の闘気とナタルコンの暗黒闘気を相乗させ、
また人狼らしい神速を持って敵を撃破する斬り込み隊長となり、ザンは類稀なる魔力と剛力で
コーンランスを自在に操り、またパーティの司令塔として頭の
最適の判断を下してきた。
今や世界で知らぬ者の無い程の強パーティと化した3人が、復活したヴェルザーと真っ向から
対峙する。
「んじゃ、コッチもいくか!」
「さぁ、今日こそぶち倒してやるよ、12番ヒム!」
ヴェルザーの左右からラバーとラクーが気合を漲らせる、隊長から譲り受けたヌンチャクと
伝説の超戦士愛用のモーニングスターをその華奢な体で、まるで紙の武器のように振り回す!
ラバーとラクーはヴェルザーの部下となっていた。その理由は何と「今までずっと勝てなかった
ヒムの奴をぶっちめたい!」というなんとも単純な理由なのだが、彼らの隊長である
獣王チウは特にそれを止めなかった。彼らとヒムの良きライバル関係を是として、彼らに
ヌンチャクを託したのだ。
ヴェルザーの部下はもちろん他にもいる。この90年で知性のあるドラゴンも多く育ち、
ドラゴン族の復権を願って彼の元にはせ参じる竜たちも大勢いたのだ。それは竜族の
知性の落ち込みを憂いたヴェルザーにとって嬉しい事だったが、同時に彼らを導く立場として
何としても復活し、その後の覇業を成す使命を課せられていたのだ。
その為にまず、この天地魔界に知られた強者3人に勝たねばならぬ、ヴェルバリオで出番を
待っている同胞たちの為にも!
魔界の洞窟の中、超戦士達がお互いを見据えて対峙する。
「それじゃあボクが、この戦いの立会人になってあげよう!」
突然現れるなり緊張感を削いだのは、全身に布を被った謎の人物だ、顔の部分には
スライムのようなシンプルな目鼻口に、てっぺんには取ってつけたようなカツラが乗っている。
どうやらそこの破邪の洞窟の出口の扉に隠れていたようだ。
「た・・・隊長、何やってんスか。」
ヒムの言葉に、ラバーとラクーも鼻水を流して呆れる。
-ふん、獣王か-
ヴェルザーもまた、その人物の只者ならざるを知り、視線を送る。
「いや、今の僕は謎のモンスター、ビースト君だ!」
堂々と胸を張って宣言するチウ。尊敬するブロキーナ老師が語っていた奥ゆかしさを
今の彼はしっかりと受け継いでいた。この戦い、どちらが勝っても世界の様相は一変するだろう、
ならばその立会人を務める事が、彼ら3人の隊長だった自分の務めだと決めていた。
己の寿命が尽きる、その直前の大舞台で。
「さぁ、正々堂々戦いたまえ!冥途の土産にさせてもらうよっ!」
手を振り下ろすチウ。答えてマルタが、ラバーが動く!ザンが魔法力を開放し、ラクーが
モーニングスターの付いた鎖をまるで蛇竜のように舞い上がらせる!
復活を果たした冥竜王が、竜族の命運をかけて今、世界最強の戦士に咆哮を叩きつける!
長き時を経、自らを鍛えて強者になる事を目指し続けた戦士が、伝説の冥竜王に
己の全てを賭けて挑む!自らが目指した、愛する妻の恩人を超え、”大魔王”に成る為に!
-ボッ、ボボボボボッ!-
戦闘開始の瞬間、洞窟の各所からマグマが小さく噴き上がる!それは地脈の変動ではなく
まるで魔界のマグマが自分たちにエールを送っているようにすら感じられていた。
『オグマよ・・・お主もまた、この戦いを見届けてくれるか・・・』
ナタルコンがそう言って笑う。かつての己の相棒もまた、この戦いに駆け付けてくれたか!
かつて魔界に伝説を作った魔界のオグマ。その物語はもう過去のものではある。
彼と共に在ったリヴィアスも、きらりんも、その両親のパーティ達も、今やもう
その物語を終えていた。
そして地上の勇者、ダイやポップ、ヒュンケル、マァム、そしてコロコダイン。
彼らの物語も、もう過去のものとなって、伝説で語られるのみだ。
だが、ナタルコンの、ミールの、マルタやザンの、ラバーやラクーの、そして
ヒムの、ヴェルザーの物語は終わらない。彼らは今も生きて、そして人生と言う”物語”を
紡ぎ続けているのだ。
人が生き、戦い、愛し合い、学び、働き、人生と言う永い永い道を歩んでいく。
-それこそが”物語”なのだから-
魔界のオグマ -完-
長らくのご愛読、本当にありがとうございました。