東方短編集   作:slnchyt

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私は再び、成り上がる

―私は再び、成り上がる―

 

――飯綱丸? 飯綱丸龍の事ですか?

 

やっこさん死にましたよ。私が殺しました。こんな風にね!――とはまあ、冗談ではありますが。星を撮影している内に足を滑らせたそうですねェ。それでご臨終です。いくじなしの童貞野郎でしたが、最期がこんなものとは、私も想像しておりませんでしたよ。おお、ぶざまぶざま。

 

お葬式は飯綱丸家で出されました。まあ、慎ましやかなものでしたが。成り上がって間もないのです。そういうものでしょう。お偉いさんと言えば姫海棠家くらいでしたか。あそこは極めてお人よしなので、大概の家にお悔みを出していましたがね。まあ、そういう事ですべてはおしまい。

 

…と、思っていたのですがね。私が勝手に上がり込んでお茶を頂いていた所、現れたんですよ。…オバケが。「死にぞこないましたか?」「お前、もう少し驚いたりしないか、普通?」つまらない反応を返す。これは間違いなく飯綱丸です。私はそれを上から下まで見ました。

 

「少しはイメチェンすべきですね」扇で口を隠し、笑いました。笑っている場合ではないのですが。「それで、生きていたのは結構ですが――今更という感はありますね。どうしたんです、あなた」「仮死状態という奴だ」「ほう」「一回、実際死んでいたのは確かだ」「あの世を見てきたと」

 

「その後、蘇生処置で何とか生き返ったんだが――なんだ、私の後釜が既に決まってしまったそうじゃないか」あなたがどんくさいからですがね。「参ったな、今更蘇りましたよ、なんて出ていく訳にもいかんし…」別に、ノコノコと出ていけばいいでしょう。ひんしゅくは買うでしょうが。

 

「そういう訳でだな、私はぺーぺーの烏天狗としてやり直す事に決めた」「はい?」「初心忘れるべからず、と言うだろう。下からしか見えない事もある」下から見えて嬉しいのはスカートの中くらいですよ。「そういう事で文、私の身分を偽造してくれ」「言うとは思いましたが、本気で?」

 

「ああ、私は本気だよ」まあ、そういうなら構いません。不良天狗が偽造でも肝臓でもやってやりましょう。「止めはしましたよ?」「わかっている」本当にわかっているのだか。私は飯綱丸を連れ、天狗の居所へ連れていきました。「懐かしいな」「回顧するのもイヤになりますよ、いずれ」

 

衣装は脱がせて、下級烏天狗の衣装を着せてあります。顔はとりあえずお札ででも隠しておきましょう。最近流行のファッションなので疑われる事もないはずです。「――文、見かけない顔だな」まあ、早速訊かれておりますが。「新人ですよ、ひよこ上がりの。早速ツバつけなさる?」

 

「それにしては何というか――こう、いで立ちに気品を感じるように思えるのだが」「イエソンナ、ワタクシピヨチャンデスヨ」演技が恐ろしくへたくそですね。あなた。「ふむう…?」「まあ、そういう事で。この不良天狗が案内いたしますよ」私は強引に話を終わらせ、手を握りました。

 

「あなたは大根どころか化石役者ですね」「う、うむ…」ウムじゃないんですよ。「この辺で少し待っていてください。台帳をチョチョッと書き換えてきますから」私は飯綱丸を適当な岩陰に隠すと、あまり入ってはいけない区画にですね、こう入り込む訳です。わたくし不良ですからね。

 

もちろん、見つかるなんてポカはしません。私は棚から素早く台帳を抜き取ると、飯綱丸の名前を足しておきました。贅沢な名前です。今日からあなたは飯丸蜥蜴(めしまるとか)だよ。わかったら返事しな。――まあ、この場にいないんじゃ仕方ないですがね。台帳を閉じ、棚に戻します。

 

さて、さっさと退散いたしましょう。遠足は帰るまでが遠足と――「文?」…私としたことが、後ろを取られたようです。それも最悪に近い相手に。「何してたの、文?」「あなたは知らなくていい事ですよ」振り向いた先に、大天狗の衣装を御召しになった姫海棠サマが立っておりました。

 

―――

 

  ―――

 

遅い。文は何をしているのか。…いやまあ、何かしてもらう立場でいう事でもないんだが。しかし参ったな、このままじゃいずれ――「そこで何をしている」上級烏天狗だ。見つかっちまうよな、そりゃ。「イエ、ピヨチャンハチョットソコマデ…」「そこまでも何もないだろう。来い」

 

サボリ、或いは無任所とでも思われたのだろう。上級烏天狗は下級烏天狗を統率する義務がある。要するに、持て余していればお叱りを受けるという訳だ。草々持ち場を投げ出す奴もいないが、私はまさしくそれと見られたらしい。まあ、仕事はいずれしなきゃならんのだが…

 

――連れてこられたのは飲食店だ。まだ昼前だからか。注文は散発的だ。これなら簡単だ。注文を取って、声で伝える。大声を出すのには慣れている。大天狗たるもの威厳を示せずにどうする。…そんな事を思っていたんだ。その時は。やがて昼が来る。それはまるで――暴風のようだった。

 

次から次に来店する客、客、客! いらっしゃいませも何もない。すぐにテーブルは埋まった。カウンター席もだ。そいつらが一斉に注文する。想像するだに恐ろしかったが、その時間はやってくる。うどん、ざるそば、親子丼、豚汁、アフォガート、お寿司、チキン南蛮にポテトフライ――

 

常に複数の注文を聞き取らなければならない。これが難しいのだ。何度もテーブルを間違えた。叱責が飛ぶ。…わかっちゃいる。わかっちゃいるが腹も立つ。私は大天狗だったんだぞ。お前達よりずっと偉かったんだぞ。…以前は。てんてこまいになりながらも、とりあえず私の担当は終わった。

 

「お前はもういい。帳簿をやれ」息をつく間もなく、副店長代理がドサリ、と紙束を置いた。「サボるなよ」サボりゃしないよ、と思いはするが、言葉にはしなかった。何がカチンとくるのかわかったものじゃない。…さて、帳簿か。私はそれを開いて、鉛筆と算盤を握った。首をコキコキする。

 

こういうのは得意だ。…ううむ、前任者は何をやっていたのだ。いい加減な帳簿つけおって。私はいささか憤慨しながら、それをパッパと片付けてやった。「おい、休憩だ――どうした、もう終わったのか?」茶を飲みながらぼんやりしていると、上級烏天狗が私をじろじろと見る。

 

「お前はそういう仕事の方が向いているかもしれんな。来い」かくして私は再び連れていかれる訳だ。ううむ。私向きの仕事というと、まあ限られる訳だが――まさか、そういう事なのか? 私がついていった先は。…やはりか。あらゆる財務処理を行う部署。通称をカネ地獄。

 

配置されたが最後、永遠に金勘定をさせられる。時には他部署から押し付けられた仕事もこなさねばならない。まあ、要するに私ら――もう私ではないが――へ上がる書類を作っている訳だ。大天狗はそれを一瞥してハンコを押すのが仕事だ。時に恨まれるのも無理はないが。

 

地獄への階段を一歩、一歩と上がる。上級大天狗は平然としているが、実際カネ地獄の上司は上級烏天狗だ。内心は地獄に配置されなくて良かった、と安堵しているに違いない。地獄の入り口に、受付がある。楽な仕事ではない。世間では地獄お茶汲みと――「お前、名前は」…まずったな。

 

「どうした?」今の私の名前がわからない。文がどうにかしたのなら良いが、それも私は知らない。「アノデスネ、ピヨチャンノナマエハ…」明らかにまごまごしていた。わかってはいるがどうしようもない。…あるか? この状況で。「いや、書類にあった。飯丸蜥蜴だな」

 

「アッハイ、飯丸蜥蜴デス」あの野郎、いい加減な名前つけやがったな。まあいい。危機を一つ乗り越えた。上級烏天狗は戻っていった。仲間の惨状を見たくないのかもしれないな。「入れ」地獄の扉が開いた。私は一歩ずつそこへと進んだ。煙。煙。煙草の匂いだ。空気がかすんでいる。

 

算盤と書き物の音がシンクロして音を立てている。「こっちゃ来い」居並ぶデスクの一番奥、少し高い所にあるそこから呼ぶ声がした。一切顔を上げていない。手も止まらない。なんたるプロ意識か。「空いている所に座って仕事をする」中々無理な事を言う。…とは思ったが、致し方ない。

 

私は目の前の書類を片付け始めた。確かにこれはめちゃくちゃだ。いい加減な報告に胡乱な帳簿合わせ、更に帳簿外の購入売買。下の連中のしわ寄せが上にかかっている。レシートを後から出してくる痴れ者をぶっころしたくなるのもわかるというものだ。「ガンバルゾー!」掛け声一発。

 

私は無心で書類を撃破していった。得意とはいっても専門分野ではない――が、周囲よりも倍は早いはずだ。元大天狗のインテリジェンスを舐めるな。「終わったなら次の仕事にかかる!」はいはい。私はフォルダを引っ張り出すと、次の仕事を開始した。筆が乗ってきた。手も早まる。

 

――時間が経つのはあっという間だ。壁のベルがリンリン、と音を立てた。時計はきっかり五時。私は書類を片し、伸びをした。少し休んでから帰るか。「今日はサビ残はなしだ! 帰れ帰れ!!」――と、思ったのだが、叩き出された。…というか、サビ残が常態化しているのか?

 

私が返り咲いた暁には労基にチクってやろう。そう思いながら、地獄からの階段を一歩一歩下りる。…いや、待てよ。今の私には帰る場所がないのではないか? そういえば今日の仕事で、何かしらの金銭を頂戴した覚えがない。金の持ち合わせは――多少はある。仕方ない、宿を取るか…

 

――とは思ったが、実際宿がない。ある訳はないのだが。遊行施設はもっと下だし、そこで割高な金を使うほどの持ち合わせはない。私が仕方なく向かったのは――ネカフェ。ネットのカフェと書いてネカフェ。私がそこを訪れたのはもういい時間だが、ここは二十四時間開いている。

 

それに、いくばくかは安い。個室にはハンモックがかかっている。ネットだからな。私は適当な漫画を何冊か取ると、サービスのコーヒーを持ち込んで暇をつぶした。そうしながら考える。下々の生活も大変だな。尤も、上には上なりに大変ではあるが。どちらが良いと一概には言えない。

 

漫画を返し、茶を汲んで上を見る。星は見えない。いつまでもこんな生活を続けるのかと想像すると、少しばかり嫌になってきた。これが民草の悲観というものなのか。茶を一気飲みし、ハンモックに寝転がる。まあ、いい。眠れば朝になる。仕事を続けていれば給金も出るだろう。…ああ。

 

―――

 

  ―――

 

職場の空気は最悪だ。比喩の方ではなく。私は煙草を吸わないが、これでは肺がどうにかなりそうだな。そんな事を考えながら仕事をする。あまりやり過ぎても仕事が増える一方だというのを理解した。七割くらいがサビ残にならないギリギリのラインらしい。それくらいで丁度良い。

 

「今日もサビ残はなしだ! 帰れ帰れ!!」部長が社員を叩き出す。私は窓を開けて空気を入れ替えていると――肩を叩かれた。「お前はこんな所にいるのは惜しい」ここにずっといろ、と言われると思っていたので、少々驚いた。「お前ならすぐにでも上級天狗になれる。或いは御付きにも」

 

「――それは、どういう事で?」「その気があるなら退職届を書け。退職金も出してやる」ぼさぼさの髪の下の目が、私を見定めるように舐めた。「――ここにいますよ。しばらくか、或いはいつまでも」「そうか」部長は私の手を引き、地獄から追い出した。私は部長をじっと見た。

 

辞める選択肢は大いにあったかもしれない。しかし私は、やもすればこの職場に愛着をも感じていたかもしれない。確かに忙しい。忙しいが、それは意義のある忙しさだ。方々に敵を作り、時に戦いもし、己の権力を維持する為には何でもする。そういうものよりも、ずっと意義のある。

 

―――

 

  ―――

 

――私は今、高い場所にいた。地位はどうだろうか。白狼天狗よりは高く、上級烏天狗や大天狗ほどは高くない。中途半端だ。しかし、民がいればこそ、支配者は君臨する。それを理解していない権力者はいまい。今時、弾圧などしていれば足をすくわれるのだ。ここ数十年で、山も変わった。

 

頬を、翼を、風が撫でる。平穏とは、幾多の犠牲の上に成り立っているのではないか。謂れなき理不尽に耐える者がいる。困窮するものがいる。上級烏天狗になれば、働き次第で一財産築けるだろうが、皆が皆、そのような真似ができる訳ではない。答えを出すのは、難しいように思える。

 

視線の向こうに、下級烏天狗の一団が飛んでいた。見張りの見張りだろう。白狼の監督をしている。そして彼らを、上級烏天狗が見張る。面倒臭い構造だが、この地位と区分がなければ今の社会は回っていかない。いずれはどうなるだろうか。山の老人達も、随分柔和にはなったと聞くが。

 

――私とて、成り上がって以来は上から見下ろしてきた身分だ。何を言う資格もないのかもしれない。休憩時間は終わりだ。私は地獄に向かって飛んだ。やはりあの空気は馴染めない。事ある毎に高い所へ行くのは、或いはそういう理由もあったかもしれない。風を繰り、蹴り飛んだ。

 

―――

 

  ―――

 

仕事を終え、立ち寄ったのは寂れた酒場だ。いつ来ても、客が入っている風ではない。それでも私には、このくらいの雰囲気の方が性に合っていた。借家に帰っても、結局時間を持て余すのだ。カウンター席に座り、酒とつまみを注文した。下級烏天狗としての振る舞いも次第に馴染んできた。

 

しかし、何だな。飯綱丸家はどうなっただろうか。姫海棠家が目をかけてくれると聞いたが、あそこは如何せんお人よしだ。一緒にドボン、なんて事になったら目も当てられない。…まあ、こうなった私の考える事でもないのだが。今になってあの時、出ていけなかった事を後悔もした。

 

身分を捨て、色々なしがらみから離れたつもりでも、結局それは足首を掴んで離さない。仕事をしている間は何も考えずに済む。逃げている実感はあった。しかし、私がいなければ地獄は回らないのだ。そう、私は必要とされている。それに答えるのが、今の私がすべき事だろう――

 

ガラガラ。客が入ってきた。珍しい事もあるもんだ。そいつは私の隣に座ると、つまみを注文した。わざわざ寄ってこなくてもいいだろうに、と思った。口には出さなかったが。私の注文が届いた。酒を飲み、串焼きを食む。隣にもつまみが届いた。伸びる手の先、そちらを向いた。「…部長?」

 

そこにいたのは部長だった。前かがみで、髪はぼさぼさだ。部長もこんな店――というとアレだが――に来るのか。「飯丸」部長はアイスクリームフロートカクテルを注文すると、私の方を向いた。「お前さん、今の生活に満足か」唐突にそんな事を聞かれても困る。「仕事は充実してますよ」

 

「私生活は」「そこまで聞きますか?」「…すまんな」部長はアイスクリームフロートカクテルを受け取ると、美味そうにアイスを食べ始めた。私も次はそれにしようかな…?「飯丸。…いや、飯綱丸」私は盛大にむせた。「――私は飯丸です。そんな大天狗様のようなお名前では――」

 

部長はアイスクリームフロートカクテル――長いなコレ――を一気飲みすると、再び私の方を向いた。「少々、打ち明けたい事があってな」「打ち明けたい事、ですか」まさか計算を大ポカしたとかじゃないだろうな。私は顔を青くしていた。「――飯綱丸よ」部長は再び、その名で呼んだ。

 

「私もかつては大天狗だった」ぼさぼさの髪の下の目が、私を見定めるように舐めた。「ある大天狗は私の影武者だ。誰がとは言わん。気付かれればただでは済まん」そう言うと、部長は長い髪をかき上げた。身なりの悪さを打ち消すほどの美形だった。その顔には確かに見覚えがある。

 

私は動揺していた。しかし同時に納得してもいた。今の部長は、なるほど私と似た境遇なのだと。「私は大天狗の社会に嫌気が差していた。結局それは、逃げるという最悪の形になってしまったが」部長は髪を戻し、背を丸めた。それが今の自分なのだと、或いは言い聞かせるように。

 

「上に立つものにしかできない事もある」部長は何やら封筒を差し出してきた。「大天狗の推薦状だ。もう二枚得れば、お前は大天狗になれる」考えようによっては偽造品になるがな、と部長はぼやいた。「受け取ってくれるな?」私は――躊躇った。ここに骨を埋める気は、あった。

 

「はい」それでも、部長の言う事には一理あると思った。例えば、地獄と称されるほどの待遇を改善できるのは、しようとするのは、恐らく私だけだろう。民草のギリギリの生活を持ち上げてやるのも。喜びを、怒りを、悲しみをわずかでも体験した私なら、できるはずだ。

 

「まずは上級天狗になれ。そして御付きになれば、真の身分を明かす事もできよう」封筒を私に持たせ、部長は笑った。「期待している」「…はい」私は勘定を済ませ、のれんをくぐった。私個人としては、居心地の悪くない地獄だった。…だが、多くの天狗にとってはそうではないのだ。

 

その場で書かされた退職届と引き換えに、私は退職金を得ていた。これで身なりを整えて、上級天狗への試験を受ける。私にとっては簡単なはずだ。そして――御付きか。姫海棠はどうしているだろう。私は暗い空を見上げた。曇で星は見えない。だが、前途は見えた。私は再び、成り上がる。

 

―――

 

  ―――

 

「――それで、今も飯綱丸様は行方不明なの?」事情はよく飲み込めなかったけど、あまりよくない事態なのは私にもわかった。「ええ、まあ。リードは繋いでおりませんでしたので」「そういういい方しないでよ、文」私が大天狗の地位に座って、出てきづらくなっちゃったから?

 

「飯綱丸なら上手い事やっていますよ。いくじなしでのろまな奴ですが、それでも大天狗の地位を守っていたのですから」「そうかなぁ…」「私はむしろ、あなたの方が心配ですがね」文がやれやれ、としてみせた。「何にも知らずに、政治的駆け引きだけで大天狗になったのですから」

 

「草々に足をすくわれますよ。今のままでは」…私も、そんな感じはしてた。私はそういうの、全然わからない。姫海棠家を背負って立つなんて、今の私にはできそうもないし、それを求められるのも困ってしまう。――でも、やるしかないんだ。気分だけは先走っている。実体はどうだろう。

 

悩んでも、答えは出ない。執務を片付けようと思って、私は居室に戻ろうとした。見慣れない御付きがいた。私は傍を通ろうとして――何故か気になって、そちらを見た。びっくりした。本当にびっくりしたんだ。御付き――飯綱丸様はニヤリ、と笑うと、私にウィンクしてみせた。

 

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