アホ勇者と貧乳僧侶がわちゃわちゃいちゃいちゃします。

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勇者「僧侶って胸ないよね」僧侶「は? 」

僧侶「いきなりなんですか? 喧嘩売ってるんですか? 」

 

勇者「別にそういう訳じゃないんだけどさ」

 

僧侶「じゃあ、なぜ、そんなことを言ったんですか」

 

勇者「だって、胸ないじゃん」

 

僧侶「ぶん殴りますよ」

 

僧侶「私は勇者様がどうして急にそんな事実無根なデマを言ってくるのか聞いているんですよ」

 

勇者「いや、デマでは・・・」

 

僧侶「・・・・・・」ジロリ

 

勇者「あ、ハイ、いえ、なんでもないです」

 

勇者「いやさ、今、俺達、洞窟の中にいるわけじゃん? 」

 

僧侶「いますね」

 

勇者「それでさ、目の前の壁には亀裂があって、その奥にさ、宝箱らしきものが見えるじゃん? 」

 

僧侶「見えますね」

 

勇者「貧乳僧侶なら、この隙間も通れるだろうし、この奥に行ってもらおうと・・・って痛っ、痛い! 無言で殺気を出しながら杖の先でグリグリしないで! 」

 

僧侶「勇者様が貧乳だとか余計なことを言うのがいけないんです! 」

 

僧侶「だいたいそんなこと言うなら勇者様が行けばいいじゃないですか! 胸ないですよね! 」

 

勇者「そりゃ、男だからな。でもな、重大な問題が1つある」

 

僧侶「重大な問題・・・? 」

 

勇者「そう、それは・・・」

 

僧侶「それは・・・? 」

 

勇者「俺の高い身長では、この隙間の高さは低すぎて、この中に入っても満足に動くことができないってことだ! 」

 

僧侶「やっぱり、胸関係ないじゃないですかあぁぁぁぁあ! 」

 

勇者「いや、関係あるって! 街に置いてきた魔法使いちゃんは、お前より背が小さいけど、ここを通れると思うか? 」

 

僧侶「・・・・・・通れるんじゃないですかね? 」

 

勇者「今の間はなんだ、今の間は。絶対通れるわけないだろ、うちの巨乳ドジっ子ロリ魔法使いちゃんが、こんな狭い隙間。つっかえるし、もし、入ったら確実にあの子、この隙間に嵌るぞ」

 

勇者「というわけで、僧侶、行ってきてくれ。ほら、たいまつ」

 

僧侶「うぅ・・・、釈然としませんけど、行ってきます」

 

勇者「ほい、いってら」

 

***

 

僧侶「うぅ、暗くてジメジメしてます・・・」

 

勇者「おーい、僧侶無事かー」

 

僧侶「はいはい、大丈夫ですよー」

 

僧侶「あ、抜けれましたね・・・、よいしょっ、と」

 

僧侶「勇者様ー、宝箱の前に来ましたよー」

 

勇者「そうか! じゃあ、宝箱の中の物を回収して気をつけて戻ってきてくれー、・・・ってうわ、危な! 」ヒュン

 

僧侶「どうかしたんですかー? 」

 

勇者「いや、大丈夫だ。ただ、骨剣士に襲われただけだから! 」

 

僧侶「それ、大丈夫じゃないやつですよ! 」

 

勇者「大丈夫、大丈夫。これぐらいなら俺一人で・・・、って、すまん! 僧侶! 不味いかもしれない、思ったより数が多いわ、これ! 」

 

僧侶「あー! もう、だから言ったじゃないですか! 今、そっちに戻ってまとめて浄化しますから、それまで持ちこたえてくださいよ! 」

 

僧侶「宝箱の中は・・・」パカッ

 

僧侶「えっ・・・・・・」

 

勇者「おーい、僧侶! へるぷ! マジでヤバいかも! 」

 

僧侶「は、はい! 今行きます! 」

 

僧侶「どうしよ、これ・・・、と、とりあえず、ふくろの中に入れておいて・・・、急いで勇者様のところへ行かないと」

 

***

 

勇者「助かったー、ははっ、ほんと死ぬかと思ったぜ! 」

 

僧侶「 笑い事じゃありませんからね? 魔物よけの聖水を勇者様が買い忘れてたのが原因なんですからね、次からは気をつけてくださいよ、本当にもう・・・」

 

勇者「分かった、分かった、次からはちゃんと気をつけるからさ。それより、あの宝箱の中身何だった?」

 

僧侶「あ、それは、その、えーと・・・」

 

勇者「ん? どうかしたのか、僧侶? 」

 

僧侶「あー、そのですね? 勇者様、あの宝箱の中身は薬草しか入ってませんでしたよ」

 

勇者「うわ、マジか。あんな分かりづらいとこに隠してあるんだから絶対レアなやつだと思ったんだけどなあ・・・、くたびれ損だな」

 

僧侶「宝箱を取りに行ったのも、骨剣士を倒したのも、ほとんど私ですからね? 勇者様は聖水を忘れて死にかけてただけじゃないですか」

 

勇者「まあ、過ぎたことは置いといてさ、今日は僧侶がもう疲れただろうし、この辺りでこの洞窟の探索はやめにしとくか」

 

僧侶「勇者様、私を気遣うと見せかけてご自身が疲れたから帰りたいだけですよね? 確かに私の魔力は骨剣士をたくさん浄化したので枯渇ぎみですけど・・・」

 

勇者「よし、なら決まりだな。街に戻って宿を取るか」

 

僧侶「はい、それで構いません」

 

勇者「それじゃ、洞窟から脱出するから捕まってろよー」

 

***

 

勇者「よし、街についたな」

 

僧侶「ほんと、勇者様の魔法便利ですよね、洞窟の入口に戻る魔法とか、行ったことのある街や村まで戻る魔法とか」

 

勇者「 勇者だからな、これぐらいは使えないとな」

 

僧侶「勇者様の存在意義はほぼそこにあるといっで過言ではありませんね」

 

勇者「それは、言い過ぎだろ!? 他にもたくさん、色々あるだろ、色々」

 

僧侶「剣であれば戦士さんが、攻撃魔法であれば魔法使いさんが、回復魔法は私がいますし、勇者様は全部使えますけど、全部そんなに上手くないじゃないですか、器用貧乏ですよね」

 

勇者「ぐっ・・・、俺が気にしていることを・・・」

 

僧侶「まあ、その分、勇者様は便利な魔法か使えるんだから、いいじゃないですか」

 

勇者「店売りの消耗品と同じ効果だったりするけどな・・・」

 

***

 

僧侶「やっぱり、この街の温泉は気持ちいいですねぇー」

 

魔法使い「そうだね、僧侶ちゃん。この街にずっと居たいぐらい〜」

 

戦士「あたしも同感だな。ここ、飯も美味いし、さすが有名な温泉街って感じだよな。ここ最近、忙しかったし、しばらくこの街でのんびりしても問題ねえだろ」

 

戦士「そういえば、 勇者に聞いたんだけど、洞窟で見つけた宝箱の中身、薬草だったんだって? それも見つけにくいところにわざわざ置かれてたやつらしいじゃんか」

 

僧侶「・・・あー、そうですね、残念ながら、薬草しか入ってなかったんですよ、苦労したのにひどいですよね? 」

 

僧侶「洞窟探索も大変でしたし、本当に休みたいです・・・」

 

魔法使い「ごめんね〜、僧侶ちゃん、私、手伝えなくて。洞窟の中だと完全に足でまといになっちゃうもんね・・・」

 

戦士「それを言うならあたしもだよ、私が武器を壊していなければ、もっと楽に進めたかもしれないのに、さ」

 

僧侶「気にしないでください、二人とも。それほど、危ない洞窟ではないみたいでしたし、勇者様と二人でも大丈夫ですよ」

 

魔法使い「ふーん・・・」ニヤニヤ

 

戦士「ふーん」ニヤニヤ

 

僧侶「なんですか、二人とも・・・」

 

魔法使い「ううん、なんでもないよぉ? ただ、僧侶ちゃん、とっても嬉しそうだな〜って思っただけだから」

 

僧侶「そ、そんなことありませんよ? 」

 

戦士「本当かぁ? 勇者のやつと二人っきりになれるのが、嬉しいんじゃねーのー? 」

 

僧侶「そんなこと、は・・・ない、と思いますけど・・・」

 

魔法使い「顔、赤くなってるよ〜? 」

 

僧侶「少し、のぼせちゃっただけです! わ、私は先に部屋に戻ってますからね! 」

 

***

 

僧侶「はぁ・・・、本当に、これどうしましょう」

 

僧侶「(これ、どう見ても下着・・・ですよね? それもとても露出の多い女性物の・・・。これでちゃんと大事なところが隠れてくれますかね・・・? こんなのを着ていたら変態だと思われてしまいます・・・)」

 

僧侶「(洞窟にあった宝箱の中身になんでこんなものが・・・、慌てて持ってきてしまいましたけど、どうしましょうか・・・、こんなものを持っているところを誰かに見られでもしたら、恥ずかしすぎて死んでしまいます・・・)」

 

僧侶「(もしかして、何か、特別な効果があったりするのでしょうか? 鑑定できる方に見てもらいたいところですが、これを鑑定所に持っていくわけにもいきませんし・・・)」

 

僧侶「(仕方がありません。使い切りの高価な品ではありますが、鑑定のスクロールを使うとしましょう)」

 

僧侶「(鑑定してみた結果は・・・、えーと、『女性の魅力を高める黒の勝負下着。気になる男性もこれでイチコロです! 』)」

 

僧侶「」

 

僧侶「やっぱり、ただのエッチな下着じゃないですか! 」

 

僧侶「(早くこんなの捨てちゃいましょう)」

 

僧侶「(こんなの・・・)」

 

僧侶「気になる男性もイチコロ・・・」ボソッ

 

僧侶「(勇者様も、私のこと気になったりするんでしょうか・・・? )」

 

僧侶「でも、神に仕える私がこんなの着れるわけ・・・! 」

 

僧侶「(それに、勇者様は私のことを貧乳だとかふざけたことを言ってましたよね・・・)」

 

僧侶「(男性は大きい方が好きと聴きますし・・・、やはり、勇者様もそうなんでしょうか・・・。私が着ても勇者様は喜んでくれないのではないでしょうか・・・)」ションボリ

 

僧侶「・・・これのことを考えるのはやめにして、もう、今日は寝るとしましょう」

 

僧侶「(戦士さんと魔法使いさんは、まだ温泉の方でしょうか? 勇者様はまだ戻られていないみたいですが・・・、勇者様も温泉ですかね? )」

 

***

 

戦士「あー、いい湯だったー」

 

魔法使い「ね〜」

 

戦士「僧侶のやつも、もう少し入っていけばよかったのに・・・って、あれ? 」

 

魔法使い「どうしたの? 」

 

戦士「いや、あそこに 勇者が・・・」

 

魔法使い「あ、ほんとだ。勇者くんも温泉に来てたのかな? 」

 

戦士「そうかもな、って、あいつどこ行くんだ? やけに挙動不審だな? あっちの方は確か、って、まさか、あいつ・・・」

 

魔法使い「ん? あっちの方ってなんかあったっけ〜? 」

 

戦士「あー、あっちの方にはな、歓楽街があるんだよ」

 

魔法使い「かんらくがい? 」

 

戦士「子供の魔法使いにはまだ早いかもな。まー、ようするにあいつも男だったってことだなあ」

 

魔法使い「ん〜、よくわかんないかも? 」

 

戦士「どうするかな、あいつ、今から、シバいてやろうか。んー、いや、それよりも・・・」

 

魔法使い「それよりも? 」

 

戦士「このこと僧侶のやつには言わない方がいいな、あいつがこの光景見たら、たぶん 勇者は良くて半殺し、悪いと、生と死を何度も行き来させられることになるぜ・・・」

 

魔法使い「うわ〜、怖いね〜」

 

戦士「あぁ、だから、このことは僧侶には・・・」

 

僧侶「私のこと呼びましたかー? 」

 

戦士「うわ、僧侶!? いつからそこに! 」

 

僧侶「え? たった今ですけど・・・、帰りが遅いので心配して迎えに来たんですよ」

 

戦士「あー、それは心配かけたな。それじゃあ、早く宿に行こうか」

 

僧侶「あ、そういえば、勇者様見ませんでしたか? まだ宿に帰られてなくて・・・」

 

戦士「・・・ 勇者は見てないなー、案外すれ違いで宿にもう戻ってるかもしれないな」

 

魔法使い「う、うん。勇者くんなんて、全然、私は見てないよ! 」

 

僧侶「そうですかー」

 

戦士「それじゃあ、早く宿に行こうぜ! 」

 

僧侶「ちょっ、戦士さん! 押さないでください! 分かりましたから、そんな急がなくても大丈夫ですから」

 

僧侶「もう・・・、戦士さんたら・・・って、あれ、あそこにいるの勇者様じゃないですか? 」

 

戦士魔法使い「!! 」

 

僧侶「あー、やっぱり勇者様ですよ、あれ? あっちは宿とは反対方向なんですけど、どこへ行こうとしてるんでしょうか? 」

 

戦士「そ、僧侶、人違いじゃないか? 」

 

僧侶「えー、絶対勇者様ですってばー、もう、勇者様ってば、迷子になってるんですかね? 仕方ないですねー、もう、追いかけて連れてきてあげましょう」トタトタ

 

戦士「・・・行っちゃった。あーあ、あたし知らない、 勇者が悪い。魔法使い、あたしらは宿に戻ってよ」

 

魔法使い「う、うん。勇者くん大丈夫かなあ? 」

 

***

 

僧侶「(もう、勇者様ったら、どこまで行くんでしょうか?) 」

 

僧侶「(なんだか、段々、怪しい雰囲気のお店が増えてきたような・・・、あっ、勇者様があそこのお店に入ろうとしてます! 何かお買い物、でしょうか? 勇者様が入ろうしているお店は・・・へ? )」

 

僧侶「・・・・・・」

 

勇者「よし、行くぞー! 」

 

僧侶「勇者様ー、そんなに意気込んでどこへ行かれるのですかー? 」

 

勇者「どこってそりゃあ、綺麗なバニーさんがいると評判の、このお店に・・・・・・、えっ」

 

僧侶「へえ、そうなんですかー、へえ、ふーん」

 

勇者「」

 

勇者「そ、そ、僧侶!? なんで、ここに・・・」

 

僧侶「それはこっちの台詞じゃないですかー? 勇者様? 勇者様こそ、なんでこんな場所に? 」

 

勇者「えー、あー、そ、それはだな? あまりにもこの街が広すぎて迷子に・・・」

 

僧侶「へえ、そうなんですねー、その手に割引チケットらしきものを持って迷子になって、そのうえ、迷いもなく、一直線でここを目指してらしたんですねー? へえー? 」

 

勇者「」

 

勇者「さ、さあ、僧侶よ、宿へ行こうじゃないか! もう、遅い時間だし、皆待ってるだろう! 早く帰ってゆっくり休もうじゃないか! 」

 

僧侶「勢いで行こうとしても誤魔化されませんよ? 」

 

勇者「・・・・・・あの、僧侶さん」

 

僧侶「はい、なんですか? カス勇者様」

 

カス勇者「え、カス・・・、いや、あの、私めはどうしたらお許しいただけるのでしょうか」

 

僧侶「許す? 許すとは不思議なことを言うんですね? ゲス勇者様。私は別に怒ってませんよ? 」

 

ゲス勇者「ゲス・・・、絶対怒ってらっしゃいますよね? 」

 

僧侶「いえ、怒っていませんよ? 別にゴミ勇者様が何をされようが私にはどうせ関係の無いことですし? クズ勇者様は私の事なんてどうせ、気にもしていないんでしょうし? 」

 

ゴミクズ勇者「ゴミ、クズ・・・、い、いや、そんなことは無いぞ! 俺が僧侶のことを気にもしていないなんてことはないぞ! 」

 

僧侶「へえ、そうなんですか? 」

 

勇者「あぁ、ずっと僧侶のことばかり気にしているぞ! 」

 

僧侶「ず、ずっと!? そ、それは、私が気にするというか、なんというか・・・、それに勇者様、それって告は・・・」

 

バニーガール「ハーイ、お店の前のそこのイケメンさん、よかったらお店に来てね、サービスしちゃうわよ♡」

 

勇者「はい、ぜひ、行かせていただきます! 」シャキッ

 

僧侶「」

 

勇者「今のお姉さん、胸大きかったなあー・・・、って、あっ」

 

僧侶「はははは、勇者様、ずっと私のことをなんでしたっけ? 」

 

勇者「え、えーと」

 

僧侶「そんなに巨乳がいいなら勇者様なんて巨乳に埋もれて窒息死してしまえばいいんですうううううううー! 」ビューン

 

勇者「え、僧侶!? はやっ! 行っちゃったよ・・・。巨乳に埋もれて、か・・・。アリ、だな」キリッ

 

***

 

僧侶「(勇者様の馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿ー! 何が私のことばかりずっと気にしてる、ですかー! その言葉を言って3秒と経たないうちに他の女に目がいってるじゃないですかー! 勇者様のあんぽんたん! すけこまし! 鈍感! 馬鹿! アホー! )」

 

僧侶「(ほんと私が馬鹿みたいです・・・。勇者様の言葉に、一人で勝手に舞い上がっちゃって、勇者様が私のことなんとも思ってないことなんかとっくに知ってたはずなのに・・・)」

 

僧侶「いつの間にか、宿に着いてましたしね。もう、今日は寝ましょう。寝て、嫌なことは忘れましょう・・・」トボトボ

 

魔法使い「あ、僧侶ちゃん、帰ってきた〜! 」

 

戦士「お、おかえり、僧侶」

 

僧侶「ただいま、戻りました。すみませんが、疲れたので今日はもう寝ますね、おやすみなさい」バタン

 

魔法使い「布団の上に倒れ込むようにして寝ちゃった・・・」

 

戦士「この様子だと、見ちゃったんだろうな。あんにゃろ、帰ってきたら絶対シバいてやる」

 

魔法使い「私も後で、勇者くんに炎をお見舞しよっと」

 

***

 

勇者「(結局、あの後、僧侶のことが気になって店に入る気分じゃなくなっちゃった・・・。適当にそこら辺の酒場で飲んで時間潰してきたけど、皆、もう、寝てるよな・・・? 寝ててください! )」

 

勇者「僧侶たちがいる隣の部屋は、うん、灯りはついてないみたいだな・・・」ホッ

 

勇者「(明日、僧侶に謝ろ)」

 

勇者「ふぁあーあ、ねみぃ、俺ももう、寝るか・・・」

 

勇者「おやすみ」

 

***

 

勇者「(夜中にふと、目が覚めてしまった・・・)」

 

勇者「(ん? なんか、廊下の方から物音がする、な? 女将さんとかだろうか。俺の部屋の前で止まったな。え、部屋の扉が開いてゆっくりと誰かが中に入ってくるんですけど。女将さんはそんなことしないよな、まさか、幽霊か! 俺、幽霊とか無理なんですけど! 助けて、誰か助けてー! 今はただ目をつぶってひたすらに耐えるしかない! )」

 

??? 「――ま、もう寝てしまわれたのですか?」

 

勇者「(なんか言ってるー! 無視、無視! 心を無にするんだ! 無に! )」

 

??? 「どうやら、寝てしまわれたみたいですね・・・、ふふっ、じゃあ仕方がないですよね? 」

 

勇者「(無無無無無無無無無無無・・・、段々こっちに足音が近づいてるー!? )」

 

??? 「うふふ・・・」

 

勇者「(無無無無無無無無無無無無無・・・!)」

 

???「可愛い寝顔・・・、ずっと見ていたいくらいです」

 

勇者「(無無無無無無無無無無無無!)」

 

???「早く起きないと食べちゃいますよ? うふふ・・・」

 

勇者「(触られてるー! 胸の当たりに手が置かれて・・・! 心臓止められるーー!? )」

 

???「私、もう我慢できません・・・! 」ノシ

 

勇者「(う、上に・・・! 俺の上に乗って!? 無だ、心を無にするんだ・・・! 無無無無無無無無無・・・)」

 

ムニッ

 

勇者「(無無無無無無二・・・、ん? ムニッ? え、なんか、この幽霊妙に柔らかいというか、なんといか・・・)」

 

僧侶「勇者様・・・」

 

勇者「( 勇者、様・・・? )」パチリ

 

勇者僧侶「あっ・・・」

 

勇者「(目を開けたらそこにいたのは僧侶。そして、唇が触れそうなぐらい近い距離にいました。意味わかんない。え、これ、夢? 夢だよな? )」

 

僧侶「あら、あら、目覚めてしまわれたのですね、勇者様」

 

勇者「(なんか、僧侶がすげえ妖艶に微笑んでいるんだけど、うわっ、さっきは近すぎてよく見えなかったけど、よく見たら僧侶がすげえエロい格好してる。まじでこれ夢だな、焦ったー、一瞬現実かと思ったじゃねえか)」

 

僧侶「勇者様、私のこの格好どうです? 似合ってますか? 」

 

勇者「めちゃくちゃエロいです」

 

僧侶「もう、勇者様ったら・・・、そんなにハッキリ言わないでくださいよ」///

 

勇者「(こんな夢見るなんて俺溜まってんのかなあ。しかも、さっき怒らせたばかりの僧侶が相手とか、最低だな、俺)」

 

僧侶「勇者様・・・」

 

勇者「(僧侶が目をつぶってこちらに顔を近づけてくる・・・、どうせ、夢なんだ、この雰囲気に流されてたっていいじゃないか)」

 

勇者「僧侶・・・」

 

勇者「(そして、俺たちの距離は縮まっていき・・・)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇者「やっぱり、駄目だ! 」

 

僧侶「!? 」

 

勇者「そうだよ、こんなのは夢だろうがなんだろうが駄目に決まってる! 明日から僧侶にどんな顔して会えばいいんだ! 」

 

僧侶「 勇者、様・・・? 」

 

僧侶「・・・・・・やっぱり、私じゃダメなんですか? 私みたいな貧乳は勇者様に好きになって貰えませんか? 勇者様に、女として見て貰えないんですか? 」グスン

 

勇者「・・・はぁ? 」

 

僧侶「勇者様は私のこと何とも思ってないかもしれないですけど、私は勇者様のことが好きで、好きで、仕方がないんです。勇者様が、他の女の子と話すたびに嫉妬してますし、魔法使いさんや、戦士さんにいつ勇者様が恋慕の情を抱いてしまうか、気が気じゃないんです。不安になるんです。他にも、お姫様や、生贄にされていた女の子、盗賊さん、エルフの女性、砂漠の女王様・・・、皆が皆、勇者様のことを好きになってくれるのは嬉しいんです。私の好きな勇者様のことを皆に認めてもらえるんですから。でも、ダメなんです。誰かが勇者様を好きになるたびに、醜い感情を抱いている私がいるんです。勇者様は私の物なんだ、幼なじみの私が1番勇者様のことをよく分かっているんだって、思っちゃうんです。勇者様を束縛する権利なんか私にはないのに、勇者様の足枷に私がなろうとしているんです。もう、嫌なんです、こんな辛い思いをするのは。今にも、この胸が張り裂けそうなんです。もう、私に期待を抱かせないでください! 淡い期待を抱いて、裏切られるぐらいなら、いっそのこと私のことなんてなんとも思ってないってはっきり言ってください! 」

 

勇者「・・・・・・」

 

勇者「はぁ・・・」

 

僧侶「・・・っ! やっぱり、私ってめんどくさい女ですよね、今も勇者様にご迷惑をかけて・・・」

 

勇者「あー! 違う、違う! 」

 

僧侶「え? 」

 

勇者「今のは俺の馬鹿さ加減に呆れてたんだよ・・・、ほんと何やってんだろうな、俺ってさ」

 

勇者「(さすがに馬鹿の俺ですら分かる。これは夢じゃない。僧侶は真剣に悩んでいたんだ。俺のせいで)」

 

勇者「(それに女の子に先に言わせておいて男から何にも言わないようなら、漢じゃないだろうが! )」

 

勇者「僧侶、俺はお前のことが好きだ! 」

 

僧侶「・・・・・・ふぇ? ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、勇者様!? 」

 

勇者「昔から好きだった。いつから好きだったのかも思い出せないぐらいずっと昔から」

 

僧侶「あっ・・・」

 

勇者「なのに、僧侶の気持ちには全然気づけなくて、しかも、僧侶を傷つけてしまって・・・」

 

勇者「それでも、こんな俺でも許してくれるなら・・・」

 

勇者「俺と、付き合って下さい! 」

 

僧侶「・・・・・・」ポロポロ

 

僧侶「・・・はい、喜んで!」

 

 

***

 

勇者「・・・・・・あの、それでさ、気になってることがあるんだけど、聞いてもいいか? 」

 

僧侶「・・・なんですか、勇者様? 」

 

勇者「僧侶の服めちゃくちゃエロいけど、それどうした・・・ぐふぉ! 」バキッ

 

僧侶「気にしないでください! (うぅ、今になって恥ずかしくなってきました)」

 

僧侶「(勇者様のことを考えて、眠れなくなって、気づいたらこの服を着ていたなんて・・・、さっきまでの私、大胆なことをしてた気がします・・・、本当に私はどうしちゃったんでしょう・・・)」

 

勇者「わ、分かった、あともう1つだけいいか? 」

 

僧侶「はいはい、なんですか」

 

勇者「僧侶は、昔さ、俺の事、様なんて付けずに勇者って呼んでたじゃん、なんで、呼び捨てで呼んでくれなくなったんだ? 」

 

僧侶「そ、それは・・・、その・・・」

 

勇者「・・・聞いたら不味かったか? 」

 

僧侶「いえ、そういう訳では無いんですけど・・・、勇者様、聞いても笑わないでくださいよ? 」

 

勇者「分かった、約束する」

 

僧侶「近所に教会があったのを勇者様は覚えてますか? 」

 

勇者「あぁ、覚えてる、覚えてる。小さい頃、よく近所の奴らで遊びに行ってたよな。神父さんもシスターさんもすごく優しくてさ、神父さんにはよく一緒に遊んでもらったり、シスターさんはよく焼き菓子をくれたりしてさ、二人とも、元気かなあ・・・」

 

僧侶「そうですね・・・、とっても懐かしいです」

 

勇者「んで、教会がどうかしたのか? 」

 

僧侶「その、勇者様が、シスターさんのこと・・・」

 

僧侶「大人のお姉さんって感じですごく綺麗、と言ってて、それを聞いてシスターさんに憧れるようになって、まずは口調から入ってみようと真似をした結果、こうなったんです・・・。回復魔法を覚えたのもシスターさんに憧れたのがきっかけだったかもしれません」

 

勇者「お、おう・・・」

 

勇者「(どうしよう、めちゃくちゃ恥ずかしい・・・。僧侶が俺のこと想ってくれてるのはさっき聞いたけども! そんな昔から意識してたとか言われると・・・)」

 

勇者「ま、まあ、今じゃ、その口調がすごく馴染んだよな、僧侶に」

 

僧侶「そうですね、最初は意識してやってたんですけど、今ではこの喋り方に自然となってますね」

 

僧侶「それで、勇者様、今の私は綺麗、ですか? 」

 

勇者「あぁ、とっても綺麗だと思う」

 

僧侶「ありがとう、ございます。そんな直球で返してくるなんてやっぱり勇者様はずるいです」///

 

勇者「あのさ、僧侶、お願いがあるんだけどさ、いいかな? 」

 

僧侶「なんですか? 」

 

勇者「俺と二人きりのとき、その時だけは昔みたいに、勇者って呼んで欲しい」

 

僧侶「っ!? 」

 

勇者「実は俺さ、僧侶が俺の事を様付けで呼ぶようになった時からさ、なんとなく距離を感じちまって、僧侶が俺のことを嫌いになっちゃったのかもしれないって思ってたんだ。今じゃ、もう慣れたけどさ、やっぱり昔みたいに呼んで欲しいんだ」

 

僧侶「わ、分かりました、ううん、分かった、 勇者」

 

勇者「口調も戻るんだな」

 

僧侶「だ、だって、昔みたいにって 勇者が・・・、それとも、口調はいつもの方がいい? 」

 

勇者「いや、そっちでいい、そっちがいいんだ」

 

僧侶「そ、そう」

 

勇者「僧侶・・・」ガバッ

 

僧侶「あ・・・」バタン

 

勇者「俺、もう我慢できない」

 

僧侶「いいよ、 勇者なら・・・、ううん、 勇者がいいの」

 

勇者「本当にいいんだな? 」

 

僧侶「くどいよ、むしろ、私がしたいの」

 

勇者「好きだ、僧侶」

 

僧侶「私も、勇者のことが好き」

 

勇者僧侶「ん・・・」チュッ

 

勇者「絶対お前を幸せにするから」

 

 

***

 

 

勇者「ところでさ」

 

僧侶「うん・・・」

 

勇者「僧侶ってやっぱり貧乳だったな」

 

僧侶「は? ぶん殴りますね」

 

 

 

 

 

 

 


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