でもって意外に登場人数が少ないと少ないなりにセリフの配分が難しかったり・・・
湿地帯北部に広がる草原区域、エリア8。そこを覆う丈の高い草の中で、横たわるイャンクックの遺体を
潰れた左目や、先端の欠けた下顎、ディードが振るうスラッシュアックスを思わせるトサカを始め、身体の各所に多数浮かぶ傷が、潜り抜けた修羅場を示すかの如く目立つ巨体に反し、僅かな差異も見逃さない、高い危機察知能力で群れとその身を守ってきたドスイーオスは、まさにそれの告げる迫り来る危機が「ハンター」と呼ばれていることは知らずとも、他の生物の鱗や甲殻、金属でできた
『ギュゴァアアッ!ギュゴァアアッ!』
即座に周囲で同じく草に紛れ、ブルファンゴやコンガ、ランゴスタにアプトノスと、多様な獲物を口にしていたイーオス達に呼びかけると、顔を上げた彼等を連れ、東西の2か所ある出入り口のうち東側を通り、中心部にあたるエリア4に向けて移動。そこから低い段差を飛び越えて、北東へと走り去っていく。
彼等が選んだのは、撤退。これ以上に犠牲を出してでも縄張りを守るより、一縷の望みを抱いて新天地を目指し、そこでの再起を狙うつもりの様だ。
一方そうとは知らないクリスティアーネ達は、ぬかるんだ泥地のエリア5から足元が幾分しっかりした森林地帯のエリア6に北上し、そこでモスを襲っていたイーオスと対峙していたが、突如何かを感じとったように視線を逸らし、エリア8へと走り去っていく姿を見送る。
「なんだ?連中急に逃げてったぞ?」
「大方、向こうにいた親玉に呼ばれでもしたんだろうねぇ。ドスゲネポスとでもかち合ったんじゃないかい?」
「何にしても、この先は確かめなきゃならんだろうな。一応閃光玉は、調合分も込みで可能な限り持ってきたが、足りることやら……」
それまでの攻撃態勢から一転して、敵前逃亡ともとれるイーオスの行動に疑問を抱いたドラコに、他の敵と遭遇した群れへの加勢と見立てたイスミが答え、ディードも念のためといつでも投げれる様に閃光玉を手に、先頭を進んでいく。
しかし踏み入れた先には一面に草が広がるばかりで、時折その合間から見つかるのも食い荒らされた死体のみと拍子抜け状態のまま横断した4人は、ドスイーオスどころかイーオスさえも一切目にせぬままエリア4に着き、一体何ごとかと困惑してしまう。
「っかしいなぁ……イーオス共どこ行ったんだ?」
「仕方ありませんね。見つからないのでしたら、ドスゲネポスから先に探して撃破しましょうか」
思わずガシガシと装備越しに頭を掻くディードに、クリスティアーネは已む無く次の目標たるドスゲネポスに狙いを移すことにし、南東にある段差に飛び移り、そこから移動する。
南部に広がる森林地帯の一角。腹どころか手足も骨だけになる程食い荒らされ、バラバラに分散したアプトノスの死体が複数横たわるエリア2では、その周辺で屯するゲネポス達に混じって、2~3回りほど大きな体躯をしたドスゲネポスも2体眠っていた。
残りの仲間と結託して、他の群れを統率するドスゲネポスを仕留めて乗っ取りを続けてきた彼等は、足を踏み入れたハンター達に対しても最早敵なしと慢心を示すかの如く動じなかったが、周囲で威嚇する配下のゲネポス達の声を聞き、仕方なさそうな様子で大あくびと共に起き上がると、大きく身をかがめ、早々に意識を臨戦態勢へと切り替える。
「
「結構な数だこと……早速コイツの出番かね」
武器を構えて前に出るクリスティアーネに続き、再度取り出した閃光玉を握り、投げる準備をするディード。
「ちょいと周りの奴等は不安要素だが、ここは4人でまとめて相手するより、2対1のフォーメーションで行こうか」
「そうだな。どうにもできねぇ以上、ひとまず奴等の牙には引き続き警戒しねぇと……」
それに続く形でイスミも閃光玉を取り出して2人の横に並び、そしてドラコが攪乱に駆け出さんと最前に立つ。
「悪く思うな。テメェ等にゃ俺達がゴシャハギやゲリョスに挑むための犠牲になってもらうぜ……行くぞおおぉぁあ!!」