「はぁ……」
既に早くも慣れ親しみだした集会所の酒場にて、クリスティアーネは頭を押さえ、ガックリと疲れ果てた様に落ち込んでいた。
グラビモスとウラガンキンが立ち去った後、残されたラングロトラの意識が戻る前に高台から降りた4人は、幸いにも、先に撤収したショウグンギザミも含めた他の大型モンスターと遭遇することなく、ベースキャンプへと帰還できた。
多少のトラブルこそあれど依頼自体は達成でき、さらに福産的に入手できた鉱石を使って、火属性に耐性があるモンスター対策として新たなバスターソードも生産できたのだが、元々望み薄だったとはいえ、狙っていたドスイーオスは、大型モンスターに圧倒されたためか、影さえ見ることもなかった。
それから数日、こうして集会所に顔を出しては、その都度ドスイーオスに関する依頼を探すも、ドスランポスやドスゲネポスはちょくちょく目にするも、対照的に全くと言っていいほどドスイーオスは見かけなかった。
このままイーオスシリーズを作成できないとあっては、それに応じてゲリョス、ひいてはフルフルに挑むのが遅れ、それを理由にせっかく始まったハンター活動を、父から妨害されかねない。
ヤクライのアドバイスを思い出して焦りと緊張はないが、どうしても不安で思考がマイナス方面に働いてしまうあまり食欲もわかず、依頼の確認も込みできたはいいものの、席に座ったまま動けずにいた。
「おぉクリス、久しぶ……あんま、調子ようなさそうやな。何があったん?」
「大方目当てのモンスターか、その素材が手に入ってねぇんだろうよ。確か祝賀会でゲリョス挑むのにイーオスシリーズ用意するってたから、大方ドスイーオス関係か?」
そこに姿を見かけて声をかけたのは、試験で組んだものの、合格の祝賀会以来となったシンと、それ以前の現地訓練で何度かパーティーを組んだビオ。そこに受付の方からゴウとテリルも合流してきたが、防具や装備に付着した、まだ乾いてない泥や草の汁を見るに、どうやら依頼で一戦交えてきたところのようだ。
「あ、シン様にビオ様。それにゴウ様とテリル様も……」
「随分と疲れたというか、何か悩まれている様ですね。以前話されていた、お父君関連の件ですか?」
「そうですね。正確には、先程ビオ様がおっしゃられた様に、ドスイーオスの素材が不足しているせいで、イーオスシリーズの製作が足止めされてる状態でして……」
「あー、そのせいで思い悩んでブルーな様子だったんだねぇ……」
「なんや、ちょいと前に、ディードやドラコ連れてゲネポスとイーオスまとめてしばいた聞いたが、そん時集まらんかったか」
呼ばれて顔を見た面々に、少し前と同様事情を話すと、揃って察し同情的な目を向けるが、残念なことに、彼らがいくら同情してもドスイーオスは現れないし、ましてや欲しているドスイーオスの素材は手に入らない。とはいえ打開策とまではいかずも代案は浮かんだようで、テリルが1歩前に出る。
「じゃあ、気分転換も兼ねて代わりに違うモンスター狩りにいかない?確か毒を使う鳥竜種って、他にもいたよね」
「あぁ、いたな。フロギィっつったか?その装備ならイーオスシリーズの代用までいかなくても、最悪同様に毒は防げるだろうな」
ランポスやイーオスとは異なる系統、『
「フロギィですか。私としても、まず毒を防ぐことが最優先事項ですから、この際背に腹は代えられませんね」
「決まったか。んじゃあテリルも行くつもりみたいだし、ドスフロギィ関係の依頼探してくるわ。お前らはどうする?」
すでに提案した幼馴染が行くつもりとあって、早くも同行を決めたビオが名乗り出るとともに残る2人に聞くと、どちらも申し訳なさそうに断りを入れる。
「あ~すまん、折角なら同行したいとこやけど、うちに仕送り出さんとならんねん。また今度頼むな」
「すみませんが、先の依頼で少々疲れましたので、私も今回は遠慮させてください」
「そっか、こっちこそすまんな。んじゃあ、残り1枠はこっちで何とかするわ」
とはいえ同期の好というべきか、断られても不満など持たずに切り上げたビオは、早速依頼を確認しに受付へと向かう。
残り1枠どうするかは次回考えときます