ベースキャンプに戻り、クリスティアーネが先に武器の点検や荷物の整備を終えた横で、ビオとテリルは、早速肉焼きセットを取り出し、先程仕留めたばかりのズワロポスの肉を焼いていた。
「はい!「上手に焼けました~!」」
揃って見事に焼きあがったこんがり肉を掲げ、ベレッタが拍手を送る姿を微笑ましく眺めながら、手元に残った肉をどうしようか悩むクリスティアーネ。
まだ支給された携帯食料は手元に残っているし、残るドスフロギィのことを考えると、早々に向かうため悠長に肉を焼いている暇はないだろう。しかし他の3人はすでに休憩に入っており、1人先走って勝てる相手でもない以上、この場は合わせて自身も休息に徹するのが吉。そう判断し、自身も取り出した肉焼きセットに肉を装着し焼き始めるのだが……。
「や、やはりどうにもうまくいきませんね……」
彼女が肉を焼きたがらない理由、それは単純に、肉を焼くのが上手くいかないのもあった。どうにも焼きあがるタイミングが掴み切れず、今回の様に早まって生焼けにしてしまったり、逆に焼き過ぎて焦がしてしまったりと失敗を繰り返してしまうため、普段は支給された携帯食料や、ハチミツを使った飲料『元気ドリンコ』で喉を潤しながら空腹を誤魔化している。
「あー、クリスってお肉焼くの下手だったっけね。気が利かなくてごめん……」
「い、いえ!私が不得手なだけですから、お気になさらないでください!それよりも先程は、ビオ様共々的確に攻撃の手を合わせていただき、ありがとうございました」
そこに声をかけてきたテリルを労いながら、肉に口をつけると、荷物の整備を終えたビオとベレッタも寄ってきた。
「防御できないこっちとしちゃ、火力兼前衛担当のアンタがモンスターの真正面で大々的に注意引き付けてくれるから、安心して戦えるぜ」
「ありがとうございますビオ様。といっても、今回は私の都合に付き合っていただいた訳ですし、それくらいするのは当然ではあると思いますね。では、そろそろもう1つの群れを相手しに行きましょうか!」
エリア13は周囲を囲まれた袋小路の窪地となっており、出入り口もエリア12との1点に限られているため、守る分には有利に働きそうだが、逆に逃げ道がないため、背水の陣となったフロギィ達の猛攻が予想された。現に立ち向かってきたフロギィの数を見る限り、規模は先程相手にした群れに比べ小さそうだが、早々にドスフロギィが姿を見せ、4人を立ち入らせまいと毒霧ブレスを絶え間なく順々に放つ姿から、その士気と連携具合は上回っていることが見て取れる。
「クッソ、随分必死じゃねえかよコイツ等……」
「奥側に巣が見えます。おそらく、近々卵を産むつもりだったみたいです。今のうちに、狩り尽くしてしまいましょう……!」
先程同様クリスティアーネが先頭に陣取るも、
しかしこのまま彼女1人に任せじり貧とする訳にも行かないと、意を決したクリスティアーネは前に出る。
「おそらくゲリョスの毒液は、この比ではないでしょうが……。とにかくこの場を打開するためには、打って出るしかありません!あまり頼り切りにはなりたくありませんが、閃光玉を使います!目を潰した隙に、1体でも多く仕留めてください!」
「任せろ!親玉以外狩り尽くしてやらぁ!」
「そういうことだから、クリスはドスフロギィお願いね!」
埒が明かないためにやむを得ぬと判断したクリスティアーネが投げた閃光玉が炸裂し、フロギィ達の毒霧ブレスが止んだ合間を突き、毒霧を払ったバスターソードの横薙ぎに続き、ビオのスタンプで足元がふらついたフロギィ達を、テリルが次々と喉を割いて仕留めていく。そして正面のドスフロギィまでの道中にいたフロギィをさらなる横薙ぎで道端へと押し退ける様に突き飛ばし、切り上げで突き上げ、ドスフロギィへの溜め斬りを叩き込んだ際の衝撃で吹き飛ばし、遂にエリア13内へと叩き込まれたドスフロギィと1対1で対峙する。