モンスターハンター~剛腕巨躯の狩人令嬢~   作:ゲオザーグ

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どうにも「この日この時間までに投稿を」と思ったら、ギリギリにならんと手が付かんのを何とかしたい・・・


晴らされた毒霧

 巣の入り口を守っていたフロギィ達は、目を潰される直前まで前線に立ち、一身に攻撃を受け止めていたクリスティアーネがいなくなったとあって、視覚を取り戻したと同時に、残るビオとテリルを大したことなしと判断し襲い掛かる。しかし彼らとて期待された存在。高台から支援射撃を続けるベレッタも含め、同期故に息が合うのもあってのチームワークで立ち回っていたが、そこから1人欠けたところで、フロギィ達にその勢いを止めることはできなかった。

 

「うぉおりゃっとぉ!」

 

 スタンプで眼前のフロギィの頭を叩き潰したビオが、振り上げの遠心力を活かして跳躍し、別のフロギィの腰に、落下の勢いを乗せた一撃を文字通り叩き込む。その様に恐れをなしたフロギィ達が、テリルに狙いを向けるも、数に任せた嚙みつきや尾の一振るいは身軽に避けられ、毒霧ブレスを吐こうとすれば、その隙を突いて喉を裂かれ、と碌にダメージを与えられないまま被害が広がっていく。

 そしてドスフロギィの援護に向かおうとしたフロギィは、ベレッタに足や頭を射抜かれ、叶わぬまま果てていく。

 その間ドスフロギィと1人で対峙したクリスティアーネは、バスターソードで体当たりを防ぎ、続く尾の薙ぎ払いを滑り込むような前転で回避し、懐に潜り込むと、前端部分にある返しをドスフロギィの腹に突き刺し、無理やり押し込んで傷を広げさせる。

 

「ゲギャオオォッ!」

 

「くぅっ!負傷を抜きにしても、先程のドスフロギィ以上の実力……。ですが、協力に名乗り挙げ、今も後ろで抑えてくださっているビオ様達のためにも、ここで果てるわけにはいきません!」

 

 苦痛に悲鳴のような咆哮を挙げたドスフロギィは、腹に刺さったバスターソードの峰を踏みつけ、クリスティアーネの動きを封じたところに強烈な頭突きを放ち、周囲を囲う外壁まで突き飛ばす。しかしクリスティアーネの目に絶望はなく、ドスフロギィが得物を後方へと蹴り飛ばし、毒霧ブレスを放つべく喉を膨らませ、頭を大きく振り上げた隙を突いて一気に駆け出し、バスターソード目掛けて滑り込む様に跳躍。見事に柄を掴み、ゴロゴロと転がった後に起き上がり構えると、避けた毒霧を背後に、口からその残滓を零しながら、喉を膨らませたままのドスフロギィと対峙する。

 

「(先の傷からの出血と、こちらに来ない様子から察するに、あと1撃で決まる!防がれる前に再度懐に潜り込み、そこから攻撃に転じれば……!)」

 

 直後クリスティアーネが駆け出すと同時に、ドスフロギィも軽く後ろに頭を引く程度に隙を押さえ、再度毒霧ブレスを放つが、喉が縦に裂け、倒れ伏す。

賭けに勝ったのは、滑り込みながらすれ違い様の一閃を決め、毒霧に飛び込まず、寸前で起き上がり止まったクリスティアーネだった。

 

「個としての総力、見事でした。あなたの力、私が更なる高みを目指すための糧としてお借り致します……」

 

「おーい!無事かクリスー!」

 

「こっちは片付いたよー!毒霧で見えないけどそっちは大丈夫ー?」

 

 紙一重で決まった決着を噛み締め、もう起きることのないドスフロギィを振り向いて一瞥して間もなく、ビオとテリルの声が聞こえる。

 

「ビオ様!テリル様!ご安心ください!無事とは言い難いですが、ドスフロギィは討伐しました!」

 

「そうか!そいつは大手柄だ!とりあえずこっちは毒霧晴れるまでフロギィの剥ぎ取りしてるから、功労者権限ってことで、お前はその間ドスフロギィから好きなとこ剥ぎ取っとけよ!」

 

「ありがとうございます!ビオ様の方こそ、フロギィ達を引き受けてくださり感謝します!依頼は達成しましたが、お互い最後まで油断せず行きましょう!」

 

 毒霧の壁に遮られ、互いに状況はおろか姿すら確認できないが、戦果の報告と激励をしあい、獲物の遺体に剥ぎ取りナイフを突き立てていく。そして毒霧が晴れ、再会と共に残りの剥ぎ取りを済ませた面々は、ベースキャンプに帰還。依頼達成の報告を様子見に来ていたアイルーに伝え、ミナガルデへと凱旋した。

 

 

 

 

 

 

「こ、これは……少し露出が多すぎではないでしょうか……?」

 

 ドスフロギィ討伐達成から1晩明け、早速クリスティアーネが加工屋に素材を持ち込み、フロギィシリーズの作成を注文したところ、素材は十分と快諾されるも、いざ提示されたデザインを見て、思わず言葉を詰まらせてしまっていた。

 特にマントのないガンナー用に至っては、太股共々露出が目立つ腹回りが背面まで見えてしまっている。

 

「とは言っても、これが正式デザインだからねぇ。一応男性用なら、多少ごたつくけど、その分露出は控えめではあるよ」

 

 そう話す加工屋の受付が示した男性用のフロギィシリーズは、対照的に肌を見せず、しっかりと全身を覆う、元来の役目に準じたデザインとなっていた。

 

「性能が変わらないのでしたら、こちらの方が安心できそうですね……こちらのデザインでお願いしたいのですが」

 

「こっちでかい?理由は違うとはいえ、イスミさんもだけど、変わった趣味だねぇ……」

 

「イスミ様はどうか分かりませんが、私の場合は『女性が無闇に肌を晒すべきではない』と父に言われてきましたので……とにかく、こちらのデザインでお願いします」

 

「わかったわかった。素材は十分だし、ちゃんと料金ももらった以上、そっちの意向に合わせるから、とりあえず奥の採寸室で計測受けてきて」




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