収入以上に臨時支出ばっか増えて一体どんだけ稼がにゃならんよ・・・
「今だ!行けクリス!」
「お任せを!てやぁあああ!」
天へと高く伸びた木々と、その根元を覆う霧に日光と視界を遮られたエリア4にて、アダイトの号令と共に、クリスティアーネが対峙するゲリョスの喉にバルバロイブレイドを奔らせる。喉笛を割かれたゲリョスは、吐こうとした毒液を傷から漏らしながら地に伏せ、動かなくなる。
「ふぅ~、これで5……いや俺達が倒した分は、4体目か。結構倒したな」
「そうだねぇ。もう1、2体仕留めたら、ゲリョスシリーズ一式作る分は足りるんじゃない?」
ドラコが数えた通り、グラビモスにやられたゲリョスから剥ぎ取り後、一行は新たに2体のゲリョスを討伐した。そのうち1体目との戦闘で、油断して剥ぎ取りに近寄ったカグヤが騙し討ちを受けて突き飛ばされ、2体目との戦闘で、クリスティアーネが頭からかけられた毒液が、飛散した拍子にかかったアダイトが、回復を優先しようとしたところに啄ばみを浴び、ビンの反射が気を引いたのか、回復薬を盗まれるトラブルこそ発生したが、それ以外は特に問題なく順調に進み、皆一様にゲリョスの素材でポーチを膨らませている。
「更に狩るのもいいが、そろそろいったんベースキャンプに戻って、休みがてらポーチの整理しないか?回復薬や解毒薬の補充もしたいし、クリスがくれた元気ドリンコのおかげで疲れはないが、腹減ってきてよ……」
素材の量は十分かもしれないが、「あるに越したことはない」とばかりにまだまだやる気のカグヤに対し、ドラコは休憩のため、ベースキャンプへの帰還を希望する。
「そうだな。俺もさっき回復薬盗まれたし、クリスも頭から毒液浴びた訳だし、防具のおかげで効かなくても、洗い流すくらいはしといた方がいいんじゃないか?」
「お気遣いありがとうございます。毒液に関しては、戦闘中に幾らか流れたでしょうけど、その際に泥も付着しましたし、少しきれいにしたいのは同意しますね」
いくらフロギィシリーズのスキルで毒にならないと言っても、吐瀉物を頭から浴びていい気分ではないため、アダイトの気配りに感謝する。
「ん~、そっかぁ。アタシとしては、このまま勢いに乗じて更に戦果を、って思ったけど、言われてみれば、確かに消耗してきたね。わかった、万全な体制を整えるために、いったん戻ろうか」
「決まりだな。それじゃ、キャンプに戻るか」
カグヤも引き留められて冷静になるうちに、少々逸り過ぎたことを自覚したようで、一時撤収を受け入れたため、エリア2を通ってベースキャンプに帰投する。