やはりできることが少ない生活って、やりたいって思ってもやる気力が奪われていきますね・・・
ベースキャンプからエリア1に出た一行が目にしたのは、かつてクリスティアーネがアプトノスやズワロポスが謳歌していた水場を占拠する、2桁は達しているだろうジャグラスの群れ。どうやら思っていたより大規模な群れで、周囲に転がる犠牲となったろうアプトノスやズワロポスの骨を見るに、この一帯を占領しているようだ。
「早くもジャグラスに遭うとはな。
「了解しました。前衛はお任せを」
「おっと、私もお付き合いしますよ」
「あ、ちょっと待って。今演奏するから」
早速クリスティアーネがフルミナントソードの柄に手を伸ばすと、八雲も鉄刀【神楽】を引き抜き、ヤツマの演奏に合わせ、ジャグラスの群れに突撃していく。外敵に気づいたジャグラス達は、早速迎撃態勢に入るが、それよりも早くクリスティアーネのフルミナントソードや、ヤクモの鉄刀【神楽】に切り裂かれる。更に演奏を終え、追いついたヤツマもソニックビードローで殴りつけていき、隙を突いて死角から牙をむいたジャグラスも、レインが構えたジャギットファイアから放たれる貫通弾に射抜かれ、地に伏していく。
「これで一通り片付いたか、さっさと次のエリアに向かうぞ。手下ばかり相手にしていては、埒が明かんからな」
「わかりました。今八雲様と共に刃を研いでますので、少しお待ちを……」
やがて向かってきたジャグラスを殲滅し、撃ち終えて弾倉が空になったジャギットファイアに弾を補充していたレインの号令に、初戦闘を終えたフルミナントソードの刃に砥石をかけていたクリスティアーネが答える。彼女の方は最悪切れ味が落ちても、重量を活かせば、効果を切らさぬようにとヤツマが演奏しているソニックビードローよろしく、鈍器の要領で振り回して戦うことも可能だが、細身の刀身故重量がなく、無闇に振り回そうならモンスターの体や周囲の物に刺さってしまったり、酷いとそれを抜こうとした拍子に折れてしまうことさえあるヤクモの鉄刀【神楽】はそうもいかない。そのため手早く、それでいて丁寧に得物の手入れを終えたクリスティアーネは、ヤクモの元に向かうと、手入れを手伝う。
「ありがとうございます、クリスさん」
「いえいえ。こちらこそ手伝ってもらっているのですから、これくらいは当然です。それでは行きましょうか」
そしてヤクモの手入れが終わると、一行はエリアを北上していく。
暫く進み、かつてクリスティアーネが先にドスフロギィを討ったエリア11に着くと、岩山を隔てて東にある水辺から、アプトノスの悲鳴じみた鳴き声と、バシャバシャと水を叩く音がする。どうやら水を求めて訪れた結果、哀れな犠牲者が出たらしい。
「向こうに何かいるようです。行きましょう!」
真っ先に駆け出したクリスティアーネに続き、岩山の北から回り込んだ一行が目にしたのは、倒れたアプトノスを囲い、その肉を争うように貪るジャグラスと、その横で別のアプトノスを一飲みし、大きく腹を膨らませた一際大きなジャグラス――今回の狩猟対象でもある群れの長、ドスジャグラスの姿だった。
「あれが親玉か。群れの規模に違わず、随分とデカいな……」
「あ、あわわ……あんなデカいなんて……」
その体躯と、背中に伸びる見事な鬣状の鱗にレインが唸り、ヤツマが動揺するが、アプトノスで膨れた腹と、細身で2足歩行の鳥竜種とは違い、ガッシリした4足歩行の牙竜種なのを抜きにしても、これまで相手したババコンガやイャンクックとは違う威圧感に、クリスティアーネもフルミナントソードの持ち手を握る手に、力がこもる。
やがてドスジャグラスは、獲物を貪り続けるジャグラスを置いて、すでに腹を満たしたジャグラスを連れ、水辺伝いに南下していき、姿を消す。おそらく腹に収めた獲物を、すでに討たれたとは知らないエリア1のジャグラスに届けに行ったのだろう。