色竜と少女 作:ルーラララ
血生臭い風が辺りにただよっています。それをあまり吸い込まないように息をすると、ゆっくりと息を吐き出しました。
「……生きてるって素晴らしいですね」
さて、ここで私の事を紹介しておきましょう。そうでもしないと勘違いする人が出そうなので。
私の名前はノアル・ジークアルト。かの有名な竜殺しこと、『ジークアルト』。その末裔にして、『継承者』です。
継承者というのは、端的に言うなら初代から『
ですが問題なのはそれは一代しか存在出来ないということ。つまりは、一人の継承者が生を受けたなら、その力はその人間が生きている間は受け継がれることはないと言うのです。ですがそれは一代で一人で十分なもの。
その力は我々が支える王家から恐怖の感情を受けるほどなのですから。
その看板のせいで『継承者』は襲撃かあった都市に王家の雑な意向で防衛に出たり、逆に他国へ襲撃に出されたりします。
現在、辺りに見える惨事は私が止めろと言われた物ですが、まあ。無理ですよ?だって実質瞬間的に移動したにも関わらずこの有り様なんですから。
そして一番の問題は私はまっとうな戦闘能力がゼロだと言うことです。……はい、これ一番の友人に言ったら嘘だとバカにされてしばらく信じてもらえませんでした。
そして、これも血からか、通常竜殺しの一族は総じて高い魔力適正と強靭な肉体。そして精神を備えています。
――そう、前述の通り、私以外は。
恐らく、これまでだれも気付かなかった弊害。起こりうる筈のなかった事態です。
かつて初代が殺したといわれている、四体の竜に。
私は彼ら彼女らから認められなかった。その鼓動は感じるものの、恐らく竜達が目覚める事は一生無いのでしょう。ひとえに私が『臆病』なために。力がないために。
……まあ、四体、と言いました。私を認めてくれる竜は、四体だと。
ゆっくりと目を閉じます。体が消え去り、意識が戻る感覚。
ジークアルトが殺したと言われている竜は五。これでは収支が合いません。
……います。一体だけ、一人だけ私に価値を見いだし私に力を貸してくれる竜が。
ゆっくりと目を開いた先には――一人の少女がいました。
彼女こそ、『色竜』を冠する者。
名の所以違わず、世界を彩る色彩は、全てが彼女の思うがまま。ときに現実すら己が意に染色する彼女の力は、まさに『竜』の成せる技と言えましょう。
『色竜アルアミネス』。
それが私を助けてくれる、唯一の竜の名です。