Re:ゼロから始まる弾かれた王様の異世界生活   作:アーロニーロ

6 / 14
UA: 1,226、お気に入り:37ありがとうございます!今後も頑張っていきたいのでよろしくお願いします!


地上最強と地上最凶

 『剣』が舞う、剣術が舞う、銀閃と赤き武具の衝突が繰り広げられる。両者ともに甚だしい威力を持った攻撃が衝突するたびに家屋が冗談のように飛ばされていく。

 

 片や、感染しただけでも驚異的なまでの強さを誇ることのできる『シガイ化』を全身に余すことなく蝕まれ、シガイの王となったが故に想像を絶するほどのスペック値を誇る(バケモノ)

 

 片や生まれつき世界に愛されすぎたが故に(・・・・・・・・・)体内のゲートが耐えきれず破壊され、魔法が使用できなくなった代わりに文字通り生物を超越した(バケモノ)

 

 二匹の(バケモノ)(バケモノ)がまるで互いの尾を喰らいあうように殺し合う。心・体・技、全てを賭して衝突しあう。そして、今この瞬間それら全てを束ねて優勢に立てているのは。

 

「そらそら、どうしたぁ!?」

 

「くっ」

 

 アーデン(シガイの王)であった。確かにラインハルトは全ての能力値においてアーデンよりも上、いや、遥かに上回っていた。しかし、アーデンに能力値を埋めてあまりあるほどのモノがあった。

 

 それは経験。

 

 生まれついたその瞬間から負け犬が決定づけられていた(光の王の贄であることが決められていた)アーデンの人生は常に劣勢であった。王座に選ばれたとしても弟に斬り殺されかけられる。ルシス王国の王の血を根絶やしにするあと一歩のところで剣神に追い詰められる。など、仮に成功しそうな時でもアーデンには失敗が付き纏っていた。故に、アーデンは常に考える。自身の最悪を相手の強さの尺度が常に自身の想定を上回っていることを。その果てに得たのが未来視に近い先読みだった。

 

 そして何より年季の差がありすぎた。ラインハルトは天才だ。それこそ天災と言って差し支えないほどに。しかし、2000と50年という差を埋めるには天才の一言で片付けるには重すぎた。

 

「どうしたぁ、剣聖!そんなもんか、よっ!」

 

「なっ!ぐぅっ」

 

 フェイントで放たれた拳の衝撃を地面に流して掴む。防がれることを想定していなかったためか、一瞬だけ固まったラインハルトを引き寄せて上空へと蹴り上げる。上空へと飛んでいくラインハルトに向けて『賢王の剣』を射出し、シフトをして一気に距離を詰める。想定外の速さに目を見開くラインハルトに向けて威力の高い初撃を見舞い、そのまま片手で6連続攻撃をかます。空中であったが故に踏ん張りが効かずさらに上空へと飛んでいく、そして、もう一度『賢王の剣』を射出して同じ行動をこなす。その際、最後の6連撃の内の3連撃は回避されたが、アーデンの目論見通り雲の高さまで到達した。そして、

 

「流石にこの高さから受け身も取らずに相当の速度でぶつかれゃあ、死ぬよな?」

 

 ニヤリと笑うと同時にそう言うと『父王の剣』を上段に構えて全身の筋肉を連動させながら振り下ろした。

 

 ガギンッッッッッ!!!

 

 金属と金属がぶつかり合う音が上空に響き渡る。するとそこには空中を足場にしている(振り下ろしに踏ん張りながら耐えている)ラインハルトがそこにはいた。

 

「なっ!」

 

「『空捉の加護』」

 

 そう言うと『父王の剣』を弾き返し、武器が後方に下がる。ガラ空きになったアーデンの上半身に向けて横薙ぎの一閃が走る。はずだった、

 

「驚いた……」

 

「危ねぇなぁ、オイ」

 

「これを防ぐとは。確かに今さっきまで体制を崩した上に、その剣は後ろに下げさせた。だと言うのにいつのまにか剣が前にあった。……本当に不可思議だ」

 

 アーデンがラインハルトの攻撃を防げた理由は背車刀と呼ばれる技術にあり。咄嗟に『父王の剣』を背中のほうで持ち替え、相手の意表を突く形で攻撃する刺突技を防御に回したからだ。

 

「オッサン舐めんなよっ、て言いたいが今のはマジでヤバかった。おたく空飛べた、いや、歩けたんだな(・・・・・・)。そんなのがあんならなんでさっきの二度にわたる攻撃を防ぐ際にそれを使わなかった」

 

「これは今さっき得た加護だからね。慣れるのに少しだけ時間がかかった」

 

 加護を得た、という言葉から察するに戦いの最中から他愛のない日常内など場所を問わず必要ならば新しい戦力を得ることが出来る、と言うことだ。反則すぎる能力に内心唖然としていると、笑みを浮かべているラインハルトがそこにはいた。その様子を見てアーデンは自身の選択ミスを悟りながら戯ける。

 

「オイオイ、どうしたの笑っちゃって。もしかして、高所恐怖症?おろして差し上げようか?ラインハルト」

 

「いや、少しだけ安心してね。ここならば誰も巻き込まないからさ、

 

 

 

 

心置きなく全力でやれるよ」

 

「!」

 

 ラインハルトの声とガギンッッという音が全く同時にアーデンの背後から響く。瞬間、ラインハルトが視界から消える。勘と経験を総動員させて攻撃を凌ぐ。が、切り傷が頰に肩に腕に少しずつ刻まれていく。それでも全ての攻撃はかすり傷で済んでいる。しかし、体に増えていく傷跡が確かにアーデンの動きを先読みし捉えてきている何よりの証だった。

 

「ぐうぅぅう、あ゛あ゛ぁぁぁ!」

 

 『父王の剣』をしまい『獅子王の双剣』を顕現させ、最初に一刀で切りつけた後、双刀で手数の多い連続攻撃を行い、トドメに一刀で突いた後に斬りつけを行う。が、

 

「見事、だが、まだ僕でも対処ができるよ」

 

 放たれた斬撃を全てギリギリのところで避けられすぐに距離を詰められ、すれ違いざまに腹部を斬られる。痛みで一瞬固まるも、すぐに立て直し『獅子王の双剣』でラインハルトの持つ『龍剣』レイドを受け止める。

 

 鍔迫り合いに持ち込まれた段階でやっぱ、加減してたかぁー。現実逃避をした。そして、考えていた中でも最悪の予想が当たっていたことにゲンナリしながらもあることに気付く。

 

「ハッ、あんだけ大言壮語並べておきながらどうしたよ剣聖様!

 

 

そんなに楽しそうな顔しちゃってさぁ(・・・・・・・・・・・・・・・・・)!」

 

「は?」

 

 少しだけ力が緩んだことを利用して鍔迫り合い状態の剣に対して自身の『獅子王の双剣』の角度をずらすことで武器を逸らした。そして、油断し体制を崩すことに成功したアーデンはラインハルトに向けて攻撃をするが回避される。それをあらかじめ予想していたアーデンは舌打ちしながらシフトをして距離を取った。前を見ると口元に手をやり、自身の口が弧を描いていることに唖然としているラインハルトの姿がそこにはあった。いずれにせよなんにせよチャンスであると悟ったアーデンは『獅子王の双剣』を消すと同時に『慈王の盾』と『飛王の弓』を展開する。

 

「そら行きな」

 

 そう言うと『飛王の弓』ーー見た目は完全にボウガンだがーーから考えられない速度で連射されて放射状に無数の放たれた矢は寸分違わずラインハルトの元へと殺到した。そこには、肩と太腿を矢で貫かれたラインハルトがいた。

 

「……驚いたなぁ、

 

 

まさか当たるとは思ってなかったな(・・・・・・・・・・・・・・・・)。何があったの?」

 

 牽制兼誘導のために放ったはずの矢が当たったことに驚く。内心ラッキーと思っているアーデンだったが何よりも疑問に思ったのが。

 

「なんで当たる直前まで防がなかったのかねぇ」

 

 そう、ラインハルトは服に矢が当たった瞬間になってようやく剣を振るい矢を叩き落とし始めたのだ。ぶっちゃけ、服に当たってから複数本の矢を2本残して全て叩き落としたラインハルトの神業に呆れはしたが油断や慢心とはかけ離れた男なのはこの攻防で理解しているつもりだった。すると、

 

「何、故『矢避けの加護』が発動しない」

 

 ラインハルトは痛ましく顔を歪めながらそう呟いていた。こちらを睨むラインハルトの一挙一動を警戒して見ながら先程の言葉の分析を行う。

 

(『矢避けの加護』ってことは、矢が当たらなくなる加護ってことか?それとも遠距離攻撃全般が通じなくなる加護のことなのか?前者なら痛手だが『飛王の弓』が使えなくなるだけで済むが、後者なら遠距離攻撃無効ってことになる。……洒落になってないなぁ、オイ」

 

「声に、漏れてる、ぞ」

 

「おっと」

 

 口を押さえる真似をしたアーデンは次に当たった理由を考える。そして、この世界には存在せず、自身のみが所有するあるモノが頭に浮かぶ。

 

「シガイか」

 

 恐らくというか予想でしかないがシガイが加護の発動の阻害をしているのではないかと予想を立てる。そして、その阻害はあくまでも自身に(アーデンに)影響するものだけに発動しており、ラインハルト自身の強化をする加護には発動しないのではないかと考える。実際、加護全てを阻害するのであれば現在進行形で作用している『空捉の加護』は発動出来るはずがないのだから。

 

「痛っ……」

 

 ラインハルトが太腿と肩についた傷の痛みに呻いていた。

 

「これが痛みか……」

 

「なんだ知らなかったのか?」

 

「恥ずかしながら、ね。何分肉体的な痛みとは無縁だったからね」

 

 その言葉を聞きアーデンはだろうな、と呟く。実際、2000年以上生きながらえているアーデンから見てもラインハルトの強さは異常だった。恐らくだが純粋な強さだけを見れば剣神よりも上ではないかと思えるほどだった。恐らく、というか確実にアーデンが現れるまでラインハルトの体に傷を負わせたものはただの一人もいなかったのだろう。

 

 つまりラインハルトは今日まで痛みを知らないで生きて来たのだ。

 

「痛みというのは嫌なものだな」

 

 ラインハルトは初めての痛みを噛みしめながらアーデンを見た。そこには攻撃されたことに対する屈辱などは一切なくただアーデンを倒すべき敵として見据えていた。それを見て顔を顰めるアーデン。当たり前だアーデンがここにいる理由は同じ目をした男にやられたのだからだ。時間を稼ぐためにアーデンはラインハルトに話しかける。

 

「いい加減話を聞く気になった?一応言うけど俺は何も「知っている」……あ゛?知ってるってどう言う意味?」

 

 言い切る前に話を断たれた挙句、「知っている」と言われ少しアーデンの語彙が荒くなった。その様子を見てラインハルトは説明した。

 

「知っているっていうのはね。君がこの国に害するつもりは無いってことだよ。始めは混乱して斬りかかった。でも、相手をしているうちに君がどんな人間かも理解出来たつもりだ」

 

 その言葉からは逃げるための時間稼ぎでなく純粋にただ、相手を理解した者だけが放つ言葉の重みを感じられた。だったら、

 

「なんで見逃さない」

 

ただ単純に君の中で蠢くそれが危険だからだ(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)。それが暴走してこの国に牙を剥くかわからない以上、僕はそれを、君を見逃せない。いや、見逃すという選択肢を選ぶことができない」

 

「……何故だ」

 

「僕がラインハルト・ヴァン・アストレアだからだ。剣聖であると同時に法の担い手として正義の使者として平和を乱しうる者は見逃せないからだ」

 

 その発言を聞き俺はいやでも理解した。なるほどね。わかった。よ〜くわからされたよ。つまり、コイツは。

 

「正しさの奴隷ってか?」

 

「そう、なんだろうね。だが、それで構わないよ」

 

 断言したコイツを見て俺はコイツとだけは決して分かり合える日が来ることはないと言うことを知らしめられた。武器を構え、全力で仕留めにかかろうとする。すると、いきなり剣聖が落下を開始した。突然の出来事に困惑している間にも剣聖は落下し続けている。その様子を見ながら逃げたのかと思いその場を後にしようとする。瞬間、尋常じゃない『死の予感』が俺を襲った。それと同時に、この攻撃は回避が不可能であることも悟った。あの日、ノクティス・ルシス・チェラムによって与えられたものと全く同じものを味わされることを理解した俺は一瞬焦ったがすぐに腹を括った。

 

「しゃあねぇな、博打と行こうや」

 

 そう言うと、片手に持っていた『飛王の弓』を筆頭に『賢王の剣』、『修羅王の刃』、『聖王の杖』、『獅子王の双剣』、『夜叉王の刀剣』、『覇王の大剣』、『神凪の逆鉾』、『伏龍王の投剣』、『闘王の刀』、『鬼王の枉駕』、『慈王の盾』、『父王の剣』を全て顕現させる。そして、『慈王の盾』を自身のすぐそばに待機させたまま両手に『覇王の大剣』を持ち構える。『慈王の盾』以外の武器にシガイが纏う。ほぼ全ての武器の先端にシガイが収束する。そして、全てを飲む黒閃が遥か上空から放たれた。

 

 

side ラインハルト

 

 初めは恐怖だった。しかし、いつからだっただろうか?恐怖が『興奮』に変わっていったのは。よくないことなのだろう、悪いことなのだろう。正義の味方として騎士としてあってはならないのだろう。だが、この胸の高鳴りはこの高揚感が決して押さえられるものではなかった。

 

 ああ、なんて楽しいのだろう。

 

 生まれて初めて少しの間だけだったけど、僕は生まれて初めて全身を使って動けた戦えたのだ。周りの騎士達の言ってることは理解出来なかったが、今なら理解出来る競い合える喜びを。遥か上空でナニカが収束していくのがわかる。そしてそれが自身を確実に滅ぼすことの出来るものだということもわかった。

 

 だからなんだと言うのだ。勝ちたい。勝ちたい。勝ちたい。生まれて初めて誰かに勝ちたいと思えた。生まれて初めて周りから与えられた使命ではなく自身の心で想いだけで何かを成し遂げてみせたいとそう思えたんだ。だから、

 

「絶対に勝つんだッ」

 

 ラインハルトは構えていた剣を頭上へ振り上げる。刃の煌めきに従って、マナが集まりすさまじい熱量が発生する。それは空を割り、大気を穿ち、地を砕き、マナを渦巻き、刃の直線状にあった全ての物体を両断しうる光が収束する。

 

 それは所有者の魔力を“光”に変換、集束・加速させることで運動量を増大させ、振り下ろした剣の先端から光の断層による「究極の斬撃」として放たれた。次の瞬間、ラインハルトの目の前で世界がずれた。

 

 

 ラインハルトの斬撃とアーデンが収束したシガイの漆黒の光線が放たれたのは同時だった。着弾した瞬間、あまりの衝撃からか空間にヒビが入る。究極の斬撃と全てを飲む黒閃が拮抗しあう。そして、決着はすぐについた。

 

 勝ったのはラインハルトの究極の斬撃だった。空に光が昇る。世界の終焉と、再生が同時に行われる斬撃はシガイの王を討つべく昇り続ける。自身の攻撃が押し負ける光景を見届けたアーデンは斬撃に向かって落下の速度を乗せて突っ込んでいった(・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

 『慈王の盾』を斜めにして受け流す構えた状態で斬撃が衝突した。あまりの熱量、あまりの威力、口で表現することすら困難なほど非現実とも取れる威力を伴った斬撃に向けて進み続ける。盾が軋む、体内が沸騰したかのような痛みが俺を蝕む。痛い、辛い、体がそう叫ぶ。脳がこれ以上進むなと告げる。それでも構わずに突き進む。そして、

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぉぁぁぁ!!」

 

 抜けた。その様子を見たラインハルトの呆気に取られた顔を見て笑いながら両手持ちで構えた『覇王の大剣』を全霊を持って振り下ろした。

 

 しかし、

 

「危な、かった」

 

 回避、されていた。

 

「咄嗟に肩で受けた。それほどの勢いだ。龍剣では、いや僕の筋力では弾かれて防ぎきれなかったから。肩で受けた。お陰で少しだけ軌道がずれて、致命傷を避けられた。この程度の傷ならすぐに治る。

 

 

 

 

ーー僕の勝ちだ」

 

 剣を首に突きつけ猛々しく笑うラインハルトを見てアーデンはーー笑った。ラインハルトは困惑する。最後の攻撃は避けることができた。確かに当たったがそれでも致命傷とは程遠い。僕の勝ちは確定している。だが、なんだ?なんで、こんなにも嫌な予感がするんだ(・・・・・・・・・)。その答えはすぐに現れた。

 

 ラインハルトは斬りつけられた肩に違和感を覚えた。ふと目をやると、肩の切り傷から黒い光が漏れ出ていた。そして、悟った。ああ、なるほど。

 

「僕の負けか。ああ、クソッ……勝ちたかったなぁ」

 

 瞬間、肩口から腰にかけて黒い極光と共に斬撃が走る。それがラインハルトの人生最後の光景だった。

 

 

「ゴフ、なんっとか、上手く、いったな」

 

 血反吐を吐きながらアーデンは笑みを浮かべた。最後に放った技は『覇王の大剣』に過負荷を与え、籠められたシガイを漏出させ攻撃に転用する。本来であれば黒い極光の斬撃となるシガイをあえて放出せず、対象を斬りつけた際に解放する剣技に寄った。そうすることでラインハルトのように膨大な魔力を爆発させて外部から破壊するものではなく、圧縮した膨大なシガイを敵に流し込み内部から爆発させる。つまるところ、切断箇所を爆破させる技となった。

 

 つまりは、全てがブラフだった。馬鹿みたいに収束させて放たれたシガイの光線も攻撃が失敗したように見えたことすら全て。これらは賭けだった。ほぼ確実に負ける賭け。しかも、失敗したら確実に死ぬおまけ付きの。だが、アーデンは賭けに勝った。

 

 突然ラインハルトだった死体から炎が噴き出た時は焦って咄嗟に構えたが。シガイによって食い尽くされて鎮火した。それを見届けるとアーデンは今度こそ勝ったと思い座り込む。すると、

 

「ん、この死体……。ジャージのガキか?」

 

 そこには頭が欠損しジャージを着ていた男の死体が転がっていた。恐らくだが最後の打ち合いの時に巻き込まれたのだろう。そう思うと少年の運のなさに同情してしまった。しかし、少年の死体から溢れ出た影のような女を見てその思いはすぐに塗りつぶされた。

 

 その場から離れようとする。しかし、まるで時間が止まったように全てが停止する。鳥も、草も、風も、シガイに蝕まれているラインハルトすらも、止まっていた。ただ漠然と意識だけがそこにあり続けた。停止した世界を目にしながら世界が一瞬で灰色と黒に色褪せ、自分の意志に反して体が。世界が、再度過去へと巻き戻り始めた。

 

『愛してる』

 

 誰かの蕩けそうなほど熱情に溺れた声が停まった世界に響いた。




・憑依版アーデンは原作のアーデンよりも強い設定です。ここまで武術に秀でてる理由はアーデンは元は王族である点や生まれた時代を考えるに、武術の一つや二つはかじっていても可笑しくないと考えられたからです。2000年間封印されていた間も自意識はあったのではないかと考察し脳内で武術の型や戦いなどを脳内でリフレインし続けていた。そして、その後も復讐を誓ったアーデンはさらに強さを求めるために鍛えた為これくらいの強さになった、と言った設定です。

・今回登場したオリジナル加護の空捉の加護ですが。くうそく、と読みます。効力は字面の通り空を捉えて空を移動したりすることが出来ると言ったものとなっています。

・ジガイによる加護の無効化ですが。例えば『風受けの加護』などアーデンの攻撃を直接減衰させたりするデバフ系の加護や『不死鳥の加護』などの復活系や回復系の加護は基本無効化されます。その代わり自身の才能を引き上げる『剣聖の加護』などのバフ系の加護は無効化出来ません。

・アーデンのラインハルトが剣神より強い発言でしたが。作者のイメージの都合上、剣神は相手に力を授けたり、アーデンを知らない力で拘束するなど万能型の強さを誇る。対してラインハルトはその万能性を全て力にふったような感じとなっています。

・アーデンの強さはボルカニカ以上ラインハルト未満です。今回勝てたのは本当に運が良かったからです。

 以上となります。読んでいただきありがとうございました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。