赤流が幽香の花畑から家に帰った時、妹紅は家にいなかった。
まさか、とは思ったが、妹紅に引っ付いているはずの蛇が消えてしかまっている様子はないので大丈夫だろう、と考える。
すると赤流の考えていた通り、妹紅は普通に家に帰ってきた。
「おう、おかえり。気分はどうだい?」
「ただいま、……少しは良くなったかな。」
「妹紅に聞きたいことがあるんだけどさ、妹紅って花は好きかな?」
「別に嫌いじゃないけど…どちらかといえば好き…かな?」
「それならよかった、今日すごい花畑を見つけたんだ。明日にでも一緒に行かないかい?」
「すごい花畑?別にいいけど…すごいってどのくらいだ?」
「それはもうこの町くらいの大きさの花畑かな。」
「それはすごいな!明日か、わかった。」
「期待してていいぞ?…って言っても俺が作ったわけじゃないんだけどな。」
そんな会話をして、赤流は出かける前よりも声に少し元気があることに気が付いて安心した。
そして次の日
赤流と妹紅は花畑を見に行くために森をすすんでいた。
「なあ、ここの森は妖怪がでるから入っちゃダメだって赤流が言ってたじゃないか。なのに入っちゃっていいのか?」
「俺がついてるんだ、問題ないさ。これでも町一番の陰陽師として名が通ってるはずなんだけどな。」
「まあそうだけどさ…でも私がついていきたいって言ったときは守りながら戦うなんて無理だからついてくるなって言ってなかったか?」
「あれ、そんなこと俺言ったっけ?」
「言ったぞ。」
「まあまあ、俺の腕が上がったということで。」
「なんだよそれ。」
「ほら妹紅、もう森を抜けるぞ、ここを抜ければもう花畑だ。」
「またいずれ問い詰めてやるからな、いまはその花畑を見なくちゃな。」
そうして赤流と妹紅は森を抜ける。
森を抜けた先は赤流の言うとおり、辺り一面花でいっぱいに広がっていた。
「これはすごい…すごいぞ赤流!これ全部花なのか!?」
「そうだな、全部花だ。…やっぱり何度見てもこの景色は感動するねぇ。」
「何度見てもって…あなたここに来たのはまだ二回目でしょ?」
「ま、そうだけどさ、たぶんこれからも感動するんじゃないかな?」
「そこはちゃんと感動するって言っておきなさいよ。」
赤流の横から話しかけてきたのは風見幽香、この花畑を作った張本人だ。
妹紅が花畑に走って向かって行ったあとから赤流の横に向かって歩いてきたので妹紅は後ろを向かない限り気が付かない。
「あれがあなたの言っていた娘のような存在?」
「そうだ、名前は妹紅。お前も仲良くしてやってくれ。」
「あらあら、私は妖怪よ?妖怪と人間が仲良くできるとでも?」
「目の前にいるだろ、仲良くしてる妖怪と人間が。」
「そういえばあなたって妖怪だったわね…でももう妖怪というより神に近いんじゃない?」
「神かぁ…そういえばちょこちょこ顔だすとか言ってた神にまったくあってないや。忘れてた。」
「あなたぐらいになれば神の知り合いもできるのね。」
「別に俺くらいにならなくてもなれるさ。そんな物騒な神じゃないしな。」
「赤流ー!すごいなここは!………誰?」
「こいつがここの花畑を作った方だよ。」
「そうだったのか!…初めまして、藤原妹紅です。すごいですね、ここの花畑。」
「ありがとう。風見幽花よ。」
「風見幽花?ってあの!?」
「あのってどのよ。」
「残虐で恐ろしい妖怪って噂されてる…」
「それは花になにか危害を加えたりする奴だけだって、なぁ幽花?」
「そうね。あとあなたみたいな、いじめがいがありそうな人間をいじめるのも好きよ?」
妹紅が走って赤流の後ろに隠れる。
「赤流!やっつけてくれ!食われてしまう!」
「大丈夫だって、幽香とは妹紅に手を出さないって約束はもうしてあるんだ。」
「でもいまいじめたあとに食ってやるって…」
「食ってやるなんて言ってないわ。いじめるってのも冗談よ。そこの陰陽師とかいってる奴に無理やり約束させられたから。」
「無理やりだなんて、人聞き悪いな。」
赤流を幽香が仲良く話しているのを見ていて、妹紅は少し不安がとれたのか、
「本当に食わないんだろうな…」
と、口を開いた。
「だから食べないし殺したりしたら赤流に殺されてしまうもの。まだ私は死にたくないわ。」
「赤流に殺される?」
「知らないの?赤流ってすごく強いじゃない。」
「そんな話をするためにここに来たわけじゃないだろ。ほら妹紅、花を見に行こう。」
「あ、あぁ…赤流って強いのか?」
「別に、幽香が適当なこと言ってるだけだろうさ。」
その日は赤流、妹紅、幽香で花を見た後、幽香の家でいろいろな花をみせてもらったり、花の名前を教えてもらったりした後に、3人(2人ほど妖怪)で食事をしたあとに赤流と妹紅は幽香の家から帰った。
~妹紅の家~
「それにしてもあの花畑はすごかったな、風見幽香もみんなが噂するほど怖くなかったぞ。」
「それは花に害を加えていないし、幽香とも約束していたからな。」
「やっぱり花に害を加えるとあの優しそうな幽香でも怖くなるのかな。」
「優しそうって…妹紅に妖力ちょくちょく飛ばして威嚇してなかったか?」
「そうなのか?まったく気づかなかったぞ?」
「気づかなかったなら別にいいか…」
今度会ったときにちょっとお仕置きしてやろうと思ったんだけど。
「もう夜も遅いし妹紅は寝るといい。」
「私ももう寝るつもりだった。赤流も寝るのか?」
「いや、俺はちょっとやることがあるんでまた出かけるよ。」
「わかった、おやすみ赤流。」
「おう、おやすみ。」
そう言って妹紅は自分の部屋に入っていく。
赤流のやること、それはお姫様のところへ行くことだ。
「ちゃっちゃと用事を済ませて俺も寝るかぁ。」
赤流移動中。。。
「こんばんは、来ましたよお姫様。」
「やっときたの?待ちくたびれたわよ。寝ちゃうところだったわ。」
「別に寝たかったら寝てもよかったのに。」
「私の寝てるところを襲おうとでも考えてたんでしょ?」
「誰が輝夜みたいな子供を襲うか。」
「見た目は子供でも中身は大人なんだからな!」
「うるさいな、輝夜の家の人が起きてしまうがいいのか?俺が帰らなければいけなくなるんだが。」
「それは駄目ね。いざとなれば私の能力でどうにかするわ。」
「はいはい…で?今日は何の用?」
「そうだったわね、次の満月の日に月から迎えが来るの。」
……
「え、それだけ?」
「それだけってなによ!私を迎えに月の奴らがくるのよ?」
「俺は輝夜を守ればいいだけのことだろ?何の問題もないさ。」
「永琳も来るわよ。」
「まじでぇ!?」
「だから私だけじゃなくて永琳も一緒に守ってね?」
「ふふふ…余裕だって…そうかそうか、やっと永琳に会えるのか。」
赤流は体感時間では1億年ほど、永琳は2億年ほど会えてないということになります。
「永琳はこっちに赤流がいるって知らないから赤流を見たらびっくりするかもね?」
「それはないかな。」
即答。
「なんでー?永琳の驚く顔が見たかったのに。」
「俺は永琳と別れるときに永琳が来るときは必ず迎えに行くと約束したからな。あっちも覚えてるはずさ。」
「それって何年前の約束よ…」
「2億年くらいか?」
「くらいってレベルじゃないわよ?でも永琳が忘れてたらどうするの?」
「その時は普通に驚くんじゃないか?」
「赤流へこんだりしないの?」
「顔には出さないかな。」
「私にとってはつまらない再会になるわ…」
「なんで輝夜のためにおもしろい再会をしなくちゃいけないんだよ。」
「それもそうね、とりあえず次の満月だからね?忘れたら承知しないわよ?」
「忘れるわけないだろ、2億年前の約束も覚えてるんだぞ?」
「確かに…」
「じゃ、次の満月にまた会おうか。」
「うん、ちゃんと来てね。」
そうして赤流は帰って行った。
「本当に…お願いね…」
最後の輝夜の一言は赤流のは聞こえなかった。
「でも赤流なら大丈夫か。」
本当の最後の一言も赤流には聞こえなかった。
赤流は赤流でどうやって月人から輝夜達を守ろうか、などは考えずに永琳と会ったら最初になんていおうかなー等、関係ないことばかり考えていた。
そうして、月から迎えがやってくる日の1日前、輝夜がお偉いさんみんなに月から来たこと、明日月から迎えに来て帰らなければいけないということを伝えた。
最初はお偉いさん全員嘘だと思っていたようだが、輝夜が必死に伝えた結果、こんなに必死になっている輝夜を信じなければ輝夜から嫌われるとかなんとか思ったらしく、信じたようだった(本気かどうかはわからないが)
そうして町の実力がある陰陽師の上から10人まで輝夜の屋敷まで連れてこられて、大名から
「明日、輝夜を奪いに月から月の民とやらがやってくる。お前らはそいつらを全員殺してでも輝夜姫を守れ。」
と命令がかかった。
最初はそこに呼ばれた陰陽師が全員何を言ってるかわからないような顔をしていたが、大名がそのあとに、
「もし輝夜姫を無事守ることができれば貴様らに一生不自由ない生活を保障してやろう。」
それを聞いてみんな意気揚々と輝夜姫を守る準備をしていたが赤流は
(ここにいる陰陽師みんな強いのにやめちゃったらこの町崩壊するんじゃないか?)
と思ったが声には出さずに心の中でつぶやいた。
集められた陰陽師の中にはよく陰陽師の仕事をしているときに会って話をしたことがある人が結構いた。
みんな結構強かったんだな~と赤流は思っていると赤流にむかってくる陰陽師が一人。
「赤流さん、ひさしぶりじゃあないですか。」
「そうだな、最近は忙しかったもんでね。」
こいつは阿部清明。俺が陰陽師をやっていなければぶっちぎりでこいつが最強の陰陽師だっただろう。
ちなみに俺が妖怪だとバレていない。
いや一度バレそうになったけど妖怪の力を取り込んでいるみたいな嘘をついてなんとかごまかした。
どうすれば妖怪の力なんて取り込めるのかと聞かれたが、そこは聞かないでくれ…と深刻そうに言ったらもうそれ以来聞いてこないようになった。
だがさすがに妖怪だろバレるのも清明の前では時間の問題のような気もしたので、その時から清明が近くにいるときは本気で自分の妖力を隠している。
「輝夜姫を月の民から守るって言ってましたけど、月の民なんて本当にいるんでしょうかね?」
「どうだろうな、明日になればわかることさ。」
「確かにそうですね、でも話をしているときに赤流さんだけ驚いたような素振りを一切見せなかったじゃないですか、それで何か知っているものかと思ったのですが…」
こいつ…侮ってはいけない人間第一位だと思う。
「仕事だからな、たとえどんな依頼だって自分にできるような依頼ならやる。この依頼も自分にできそうな依頼だったから別に驚く必要はないってことさ。」
「ずいぶん自身があるじゃないですか。敵の強さなんてわからないんですよ?」
「馬鹿だな、月の民なんていると思ってるのか?」
「どういうことです?」
「明日、月の民が来なければなにもせずに依頼終了。それでおしまいさ。」
「確かにそうですが、もし来たとして、自分たちよりはるかに強い相手だったらどうするんですか?」
「うーん…その時に考える。今はお前もいろいろ準備したほうがいいんじゃないのか?」
「そうですね…ではまた後ほど。」
清明と話すときは疲れるな…
~次の日~
今日は月の民が輝夜を迎えに来る。
満月のときって輝夜が言っていたからおそらく夜のはず。
妹紅には輝夜が月に帰る日は今日だとは言っていない。
なぜかというと、妹紅のことだからこっそり見に来る気がしてならない。
俺が月の民から輝夜と永琳を守ってどこかへ逃げる様子を見ていたら俺が妹紅に恨まれかねない。
というわけで妹紅は家でなにも知らずにお留守番だ。
輝夜の家の周りには俺以外の陰陽師が均等に立って護衛している。
赤流はというと、輝夜の隣でおじいさん、おばあさんと一緒にいる。
輝夜がその時におじいさんに蓬莱の薬、いわゆる不死になる薬を渡していた。
今まで育ててくれてありがとう、の御礼だそうだ。
その不死の薬に関しては赤流が関与することではない、と考えたので赤流はなにも口出しはしなかった。
そうして夜。
満月が真上に昇ったときに月の民はやってきた。
月からなにか黒い点みたいなものがどんどん大きくなってこちらへ向かってくる。
次第に形が見えるようになって、空を飛ぶ乗り物だと気付く。
そうして月の民が乗っているであろう乗り物が輝夜の家に着陸すると、わけのわからないほどの妖力が町全体を覆った。
この妖力でこの町にいる人間(陰陽師を含めて)全員が気を失ったっぽい。
清明は少し耐えたようだったが、乗り物のドアが開いたときに気を失ったらしい。
そうして乗り物のドアから最初に出てきた月の民は、永琳だった。
「姫、迎えに来ました。」
と、永琳。
「永琳…私、月へは帰りたくない!ずっとこの地球で暮らしていたい!」
と、輝夜。
「姫ならそういうと思ってました。私と一緒に逃げましょう。」
「残念だがそう簡単に逃がすわけにはいかないんです。永琳サン。」
ほかの月の民がぞろぞろと出てくる。永琳たちに銃を構えながら。
「どういうつもりかしら?」
「永琳サン方が逃げるのはこっちにはわかりきってたことなんですわ。そんで逃げていずれ月を脅かすような存在になったら困る、ということでそれならここで殺してしまおう、という上の決定なんです。」
「そんなもので私たちを殺せるとでも思っているの?」
「もちろん思ってますとも。だって、もう撃ってますもん。」
「え?」
永琳と輝夜は一斉に自分の体を見る。しかしなにも変化は見当たらない。
「全然大丈夫なんだけど?」
「そんな!?どういうことだ!?」
月の民が一斉に慌て始める。おそらく銃声、弾道、すべて見えないような銃なんだろう。
「妖力、神力、霊力感知ができる蛇には効かなかったようですねえ。」
後ろから赤流が話しかける
「だれd…」
月の民が後ろを振り向く前に全員まとめて大蛇に食わせる。
「感知できる蛇を用意してなければ正直やばかったけどね…」
「赤流…?」
「久しぶり、永琳。いつぶりだろうね。」
「そうね…2億年ぶり…かしら?」
「約束通り、迎えに来たよ。」
「やっぱりね、赤流なら約束、忘れていないと思ってたわ。」
「こんな大事な約束、忘れるほうがおかしいって、1日たちとも忘れたことはなかったね。」
「ちょっと!2億年ぶりならもっと感動的な再会をしなさいよ!!」
ここで輝夜が乱入。
「いま感動的な再会の途中じゃないか、何してんだ輝夜。」
「そうよ、こんな感動のシーンをぶち壊すなんて考えられないわ。」
「あー、もういいわ。いつまでもその感動の再会なんてしてないで、さっさとここから逃げましょうよ。」
「それもそうだな、永琳、今来たところで悪いんだけど移動するわ。」
「わかったわ。あてはあるの?」
「人間が寄ってこないようなところなら一つあてがあるけど。」
「じゃあそこで決定ね。」
「私も話にいれてよ!」
「入れてるだろ。ほら、行くぞ。」
「もー!」
輝夜が怒ってるけど気にしない。
赤流、永琳、輝夜は迷いの竹林へと向けて出発した。
ビートストリームっていう新しくできた音ゲーに東方の曲が入ってて嬉しい。
最近はその音ゲーにはまってます。