イリゼ、ルナ、ピーシェ
【イリゼはソファで目を閉じて座っている】
ルナ「あっ、イリゼ―。……寝てる?」
イリゼ「…んぇ? あ、大丈夫起きてるよ」
【目を開ける】
ピーシェ「……?」
ルナ「よかった。実はイリゼに前から渡したいものがあって……」
イリゼ「え、渡したいもの?」
ルナ「これだよ」
【そう言ってルナはポケットから虹色に輝くシェアクリスタルらしきものを取りだす】
イリゼ「…えっ、これって……」
【感じるシェアエナジーに目を丸くする】
ピーシェ「それは……シェアクリスタル? なんでこんなものを…」
ルナ「あはは…この間いろいろあってね。詳しくはあんまり言いたくないんだけど、そのとき私が持ってたこれにシェアエネルギーを注ぎ込んだんだ。そうしてできましたこちら、なんと偽シェアクリスタルでーす」
ピーシェ「……つかえるの? これ」
ルナ「シェアエネルギーを引き出すくらいなら出来ると思うよ」
イリゼ「そんな料理番組感覚でシェアクリスタルをって…え、でもいいの? くれるの…?」
ルナ「うん。イリゼ、シェアが無いって困ってるんだよね。私は人間だからシェアエネルギーは必要ないし、だったら有効的に使えるひとに渡さないとね」
ピーシェ「……なるほどね」
イリゼ「ルナ…ありがとう、ありがとねルナ。これ、大切に使う。シェアクリスタルだから、っていうのもそうだけど…ルナの私を思ってくれた気持ちもきっと入ってるシェアクリスタルだもん。絶対に無駄遣いはしないよ」
ルナ「うん…そう言ってくれて嬉しいよ。あ、でもこれ言ってしまえば容器で、それ自体は私が今後も使いたいものだから、使用後は返して欲しい…なんて、だめかな」
イリゼ「それは勿論。…というか、容器…? ど、どうなってるんだろこれ……」
【クリスタルつんつん】
ルナ「さあ……? 私がいた次元で作られたものだけど…今はその製造方法も調査してるところだからまだわからないや」
ピーシェ「へぇ……」
イリゼ「そうなんだ…とにかくありがとね。…何か、私にお返し出来る事ってある? シェアエナジーは女神の生命線。それをくれるんだもん、大概の事ならするよ?」
ルナ「なんでも……?」
ピーシェ「なんでもは言い過ぎでは?」
イリゼ「何でもとは言ってないけど…出来る事なら、するよ? ピーシェだって、女神ならシェアの大切さは分かるでしょ?」
ピーシェ「そりゃあ……まぁ」
イリゼ「ね? だから、あったら言って。勿論、無理に捻り出す必要はないけど…」
ルナ「う、うーん……(これは断る方が失礼なやつだよね……でもイリゼにやってほしいことか……)……あり過ぎて困る」
【つい思っていることが口に出た】
ピーシェ「……わたしよりずっとお姉ちゃんだな……この人」
イリゼ「え? あ、あはは…もうこの際複数でも、いいよ?」
【苦笑いしつつも頬が緩む】
ルナ「いいの? じゃあえっとね……いろんなことをイリゼとしてみたいな。お出かけしたり遊んだり…あ、料理も教えて欲しいかな。それからそれから……」
ピーシェ「あ……意外と子供っぽい」
イリゼ「そんな事なら、別に普段からでも良いのに…だって私とルナの仲でしょ?」
ルナ「私とイリゼの仲……? ……姉と妹……?」
ピーシェ「…あ、そういう関係なの?
はじめまして、ルナのおねーさん」
イリゼ「えっ? い、いや違うけど…うぅん…?(何か、微妙に敵意のようなものが……)」
ルナ「イリゼが姉なら、お姉ちゃんって呼んだ方が良いのかな……?
なら…うん。い、イリゼお姉ちゃん。その、頭を撫でて欲しいな……なんて」
イリゼ「いやだからお姉ちゃんでは……まぁでも、言うだけならいっか…」
【ルナの頭に手を伸ばす】
ピーシェ「むっ…、」
イリゼ「……? ピーシェ、どうかした?」
ルナ「わくわく。わくわく」
ピーシェ「いえ別に。妙に子供扱いしてるなって思っただけです」
イリゼ「そう? 私はルナを対等な友達だと思ってるし…子供っぽく見えたのなら、それもルナの魅力だと思うよ?」
【実は手がギリギリの位置で止まったまま】
ルナ「……?(…ん? 今の私子どもっぽいのか……? いやでもイリゼお姉ちゃんからのなでなでをもらうためなら子どもだと言われても……)」
ピーシェ「……ふふっ、対等…ですか? ふふふっ」
イリゼ「…な、何? 何かおかしい事でもあった?」
ピーシェ「いえ、女神のくせに、そんな言葉を使うんですね。
対等に、というのは……逆に言えば対等ではない者がいると言っていることになるんですよ。女神様が差別ですか?」
イリゼ「…差別? それは言葉の綾…に、しても過ぎるんじゃない? それにピーシェは知らないだろうけど、ルナは元々私に敬語を使ってたしね。それもあっての『対等』なんだけど…そういう表現は、あんまり安易に使わないでほしい、かな」
ピーシェ「もちろん、あなた達の関係は良好だと、見ていればわかります。しかし、『良好だから対等に話してる』と上から目線で言っているように、私には聞こえましてね」
イリゼ「…ふぅん。ならさ、ルナに聞いてみる? それでルナが上から目線に感じてたって言うならピーシェの言う通りだけど…そうじゃないなら、ピーシェは自分の意見を、主観的な捉え方だけで押し付けてたって事になるよ?」
【少し声音が低くなる】
ルナ(あ、あれ…? 私が子どもっぽいか否かを考えている間に何かお姉ちゃんとお姉ちゃんの間に不穏な空気が……?)
月光剣『これはこれは…ハード戦争が起きそうですね。その場合原因はマスターになるのでしょうか』
ルナ(何だかわからない単語だけど二人には争って欲しくないよ!?)
ピーシェ「勿論、ルナちゃんがそれで大丈夫なら大丈夫ですよ? ところで……
いつ私が意見を押し付けました? 私はそう聞こえた。と言っただけです。自分の感性を押し付けてるのはそちらでは?」
イリゼ「差別ですか? とは言ったよね。こういうのって、相手がどう感じたかじゃない?
…で、どう? ルナ、答えてもらっても良い?」
ピーシェ「ごめんね、ちょっと、答えてくれる?」
ルナ「ぅえ!? あの、えっと、その……(ど、どうしよう……これ自分の意見を言えばいいんだろうけど、そうしたらどっちかの意見を否定することになっちゃうんじゃ……)」
ピーシェ「あなたの個人的な主観でいいんだよ。難しく考えることない」
イリゼ「うんうん。もしルナが上から目線って感じてたなら、そう言って。それで怒る程、私“は”器量が狭くなんてないからね」
【ちらりとピーシェを見つつ言う】
ピーシェ「……その口調やめていただけます? ルナが怖がってしまいます」
イリゼ「そう? ルナって、物腰は柔らかいけど芯は凄く強いんだよ? すぐ怯えるような、弱い子じゃないよ?」
ピーシェ「知ってます、しかしわざわざ声のトーンを下げるのは論外です。」
ルナ(ど、どうしよう…このまま言わなきゃ二人がずっと口喧嘩したままになっちゃう。で、でも言ったらさらに二人の仲が悪くなったりしないかな……? でもこのままだって喧嘩したままで仲が悪くなっていく一方だと思うし……)
イリゼ「それを言うなら、そもそも初っ端から『差別』なんて言葉使ってくる方もどうかと思うけど?」
ピーシェ「私は個人的主観を述べただけに過ぎませんよ」
イリゼ「だから、大切なのは相手がどう思うかだと思うよ? ルナが実際、どう思ってるかが、ね」
ルナ「あ、あの、ふたりとも落ち着いて。ちゃ、ちゃんと私が思ったことを言うから、ね?」
ピーシェ「うん。ありがとう」
イリゼ「ごめんね、こんな話になっちゃって。ちゃんと聞くよ」
ルナ「う、うん。じゃあ言うけど……あ、あのね…イリゼが私のことを『対等』って言ってくれたのは、それだけ仲が良いって言ってくれたのと同じだと思うから嬉しくて、上からかどうかは考えてなくて……でもピーシェの言うことも分からないわけじゃないから、だから、あの、その……」
ピーシェ「……」
イリゼ「…………」
【じっと見つめている】
ルナ「その…だからあの…………ふぇ」
【いろいろ積み重なったせいで泣き出してしまう】
ピーシェ「……ごめん、イリゼさんの考えを否定したいわけじゃないんだ」
イリゼ「あ、え、ちょっ…ルナ!? わぁぁ、ごめんね! なんかほんとごめんねっ!」
【背中さする】
ピーシェ【ルナの頭を撫でる】
ルナ「ふぇぇ……やだよぉ……やなんだよ……ぅぅ……」
【出てくる涙を何度も拭いながらそう言う】
ピーシェ「よしよし……大丈夫だよ……よしよし……」
イリゼ「う…ほんとにごめん、ルナ…ピーシェ、色々思うところはあるけど…ここは一度、お互い矛を納めようか……」
【小声で耳打ち】
ピーシェ「……ええ。もうやめておきます(……イリゼさんの方がしっかりしてるし、依存しないためにも私を嫌ってもらおうとしたけど……失敗か)」
ルナ「うぅ……ぐすっ……」
イリゼ「(ここは、えぇと…)る、ルナ。さっきの続きじゃないけど、お詫びに何かするよ…? 多分今なら、ピーシェも何かしてくれると思うし…」
ピーシェ「これでおしまいにしましょう。突っかかって申し訳ありませんでした。ルナへの気持ちはよくわかりました」
【握手を求める。】
ピーシェ「えっ、なんか私も?」
イリゼ「え、するよね…? (お願いピーシェ、ここは乗って…! じゃないとルナが…!)」
【手を握りつつアイコンタクト】
ピーシェ「いや、別に大丈夫ですけど……」
ルナ「……ほんとに……?」
【涙でうるうるとした目】
イリゼ「ほんとほんと」
ピーシェ「うん、ほんとほんと」
ルナ「ぐすっ……じゃあね…三人でお風呂に入りたい。裸の付き合いは仲良くなるのに一番だって聞いたことがあるから」
ピーシェ「ええっ!? どこで覚えたのそれ?!」
イリゼ「オーケーお風呂だね! じゃあ早速……え、お風呂? 裸の付き合いが一番って……」(汗)
ルナ「えっと、確か……ルウィーの風呂屋のおばあちゃん」
ピーシェ「多分その人変態だよ」
イリゼ「それか、凄くおおらかでオープンな人かだね…」
ルナ「ふぇ? そんなことないと思う……仲良くなりたいときと仲直りしたいときはお風呂で背中を流し合ったり、サウナで我慢大会したり、湯船の中で胸が浮いてたら鷲掴みにするのがいいって……」
イリゼ「最後の一個で台無しだ……」(汗)
ピーシェ「……間違い……と言うつもりはないけど……、まあいいや、それでいいなら、一緒にお風呂入ろっか」
ルナ「……わしわし?」
【両手で何かを掴むような動作をする】
イリゼ「ルナそういうキャラじゃないでしょ!? え、まさか…それがしたくてお風呂をオーダー!?」
ピーシェ「それは間違いです、やめてください」
ルナ「違うけど…間違いだったんだ……よかった。ネプギアに試す前で」
【ほっとするルナ】
イリゼ「……お、お風呂行こっか…(不味い…これは一緒に入って確かめないと、後々ルナがえらい事をしでかしそう…)」
〜紆余曲折の末、入浴する事なった三人〜
イリゼ「ふぅ……(お風呂では冷静に、ルナの為にも冷静に…)」
【衣服を脱ぎ、タオルで軽く前を隠しながら大浴場へと入るイリゼ。またルナを泣かしては不味い、と自分に言い聞かせる】
ピーシェ「……ふぅ」
ルナ「……やっぱりさすがだなぁ」
【その言葉は二人のプロポーションを見ての発言であった】
ピーシェ「……なんの話?」
イリゼ「…流石? ……ここの作りが…?」
【内装の事かと小首を傾げる】
ルナ「違うよ。お姉ちゃんもイリゼも、女性の私から見ても見惚れるような体付きだから、すごいなぁと思って」
ピーシェ「身体にそこまでの影響力はないよ、大事なのは中身」
イリゼ「あ、結構ドライに返すね…凄いと思ってもらえてるんだから、そこは素直に受け取っても良いと思うけど……」
【対抗心…というより単に驚いたらしく、「えぇ…?」という顔をする】
ピーシェ「私はできるだけ人に好かれたくはないの」
ルナ「あはは……」
【その大事な中身を見てもらうためにも、見た目で惹きつけなきゃと思ったルナであったが、ピーシェの発言を聞いて言わずに苦笑いした】
イリゼ「……え…?」
【ルナは勿論、ここの協会の面々は、皆ピーシェに好意的じゃ…そう思って、ぽかーんと目を瞬かせた】
ピーシェ「ふぁ……あ……、それにしても、やっぱり風呂は良き」
ルナ「…うんっ。そうだねぇ……。……はて、何かを忘れているような……」
【同意するようにゆっくりするルナであったが、自分がここで何かをしようとしていたことを思い出すも、肝心の内容を思い出せなかった】
イリゼ「はふぅ…そこは、気が合うかな…」
【纏めた髪が湯船に浸からないようにしつつ、ぐっと上に手を伸ばす】
ピーシェ「それにしても、イリゼさん肌キレイですね」
イリゼ「え? あ、そう? …まぁ、女性としても女神としても、身嗜みは整えておいた方が良いからね」
【褒められれば悪い気はしない。そんな感じにちょっと嬉しそうに肩を揺らす】
ルナ「うんうんっ。イリゼの肌ってキレイで見るからにすべすべそうだよね! 多分……いや絶対触り心地もいいんだよ!」
【前に出会ったあの茜色の女性も楽しそうに触っていたくらいだから、きっとそうなのだろうと思いそう言う】
ピーシェ「モテるんでしょうね、ご愁傷さまです」
イリゼ「ちょ、ちょっとルナ…? そこまで言われると恥ずかし……え? ご愁傷様? ……何が?」
ピーシェ「友達にモテる子がいて、その子が夫持ちなんですよ。モテると嫉妬で苦労してるらしいので」
イリゼ「あ、あー…。…でもそれで言うなら、ピーシェだってモテそうだと思うよ? 現にルナだって、さっき『流石』って言った訳だし」
【お風呂パワーで大分対抗心が薄れてるイリゼ。柔らかい表情でそう返す】
ルナ「うんうんっ。うんうんっ」
【イリゼの言葉に頭をブンブンと縦に振る】
ピーシェ「……どうでしょう。自分こんな性格なんで」
ルナ「性格だっていいよ! 確かに好き嫌いでの態度の差が大きいとは思うけど、ピーシェが本当はすごく優しいこと、私知ってるもん!」
イリゼ(わ、わぁ…ルナの熱意凄い…)
【発される熱量にちょっと圧倒される】
ピーシェ「……あ、そう」
【そっぽむく】
ルナ「……ぅぅ」
【素っ気ない返事に、何かまずいことを言ってしまったかとしょんぼりする】
イリゼ「む……ピーシェ、今のはないんじゃない?」
【慰めるようにルナの近くへと寄りつつ、ピーシェの事を少し鋭くなった目でみやる】
ピーシェ「……………はずいだけだっての……バカ」
【小さくピーシェがつぶやいたようだが、よく聞こえなかった】
ルナ「……?」
【今ピーシェが何を言ったのか聞こえず、小首をかしげる】
イリゼ「…………」
【何か言ったような…とは思ったものの、ちゃんとは聞こえなかったのでまだじーっとピーシェを見てる】
ピーシェ「……もう、ごめんて」
【ピーシェは優しくルナの頭を撫でる】
ルナ「ふにゅ……にゃふ……」
【どうやらまずいことを言ったわけでも、怒っているわけでもないらしい。そのことに安心して、嬉しそうに目を細めて撫でられる】
イリゼ「…え、あれ……?」
【一瞬にして蚊帳の外になってしまった。そう感じて、呆然と二人を交互に見つめる】
ピーシェ「あれ?
イリゼさんもしてほしいです?」
イリゼ「へ? あ、ち、違うよ!? ちょっと置いてけぼり感あったのが居た堪れなかっただけで……って訳でもないんだからねっ!?」
【驚いてうっかり本心を言ってしまうイリゼ。ほぼほぼ言ってから気付き、もう全く隠せてはいないがそれでも誤魔化しにかかる】
ルナ「にゃふ……? ふにゅ……イリゼ、ぎゅー」
【イリゼの言葉を聞き、どうしたらいいかと考えたルナは、横からイリゼに抱き着いた】
ピーシェ「……おお」
イリゼ「んなぁぁ…!? る、るるっ、ルナぁ…!?」
【不意打ちの抱擁に一気に顔が真っ赤に染まり、声を裏返らせて目も白黒させる】
ピーシェ「……むぎゅ」
【何故かピーシェもイリゼに抱きついた】
イリゼ「なんでっ!? な、なんでピーシェまでっ!? わっ、あ、ちょっ…うぅうぅぅ……」
【左右から抱き着かれた事で身動きが取れなくなり、しかも抱き着くという行為自体でこの上なくテンパり、ぽしゅぅ…とオーバーヒートするように静かになる】
ルナ「…んん? い、イリゼ、大丈夫?」
【嬉しそうに抱き着いていたルナだったが、イリゼが静かになったことに変だと気付き、心配で声をかける】
ピーシェ「うわぁ……ほんとに肌すべすべ」
イリゼ「む、胸…胸とか色々当たってるからぁぁ……っ!」
【同性とはいえ、流石にそれは軽く流す事など出来ないイリゼ。真っ赤なままの顔で、ちょっと情けない声で訴える】
ピーシェ「? 何を言ってるの? おふろで胸を同性で押し付け合うのはごくしぜんですよ?」
イリゼ「嘘だっ! わ、ルナの知識について突っ込んでた時のピーシェはどこにいったの!? 別人!? いつの間にか誰かと入れ替わったの!?」
ルナ「ふぇ? 違うの……?」
【ピーシェの言うことだから本当なのだと信じ、更にぎゅっと押しつけるように抱き着くルナであったが、イリゼの言葉にどちらが本当なのかと戸惑う】
ピーシェ「私は自分の主観しか信じないもので、抱きつきたかったら抱きつくし、胸揉みたかったら揉むんですよ」
イリゼ「違うよ!? 違うっていうか…えぇいもう離れてっ! 離れてくれないと…あー、えっと……わ、わしわしするよっ!?」
【脅そうとしたイリゼだが全く良い案が浮かばず、最終的にさっきのワードを口走る】
ルナ「ふぇっ!? え、えぇっと……イリゼにだったら、別にいいよ……?」
【イリゼの言葉に驚き顔を赤くするものの、イリゼが同性であり友達であることから揉まれてもいいと思い、顔を赤くしたままそう言う】
イリゼ「まさかのOK…!? …じゃ、じゃあもしやピーシェも……!?」
【あろう事かOKされてしまい、目論見が外れるイリゼ。同時にまさか、と思いながら視線を逆側のピーシェの方へ】
ピーシェ「……ワシワシの意味はよくわかんないけど……、まあやりたいならご自由に?」
イリゼ「…………。…も、もう…こうなったらヤケだよぉおおおおぉぉっ!!」
【こっちまでOKを出され、数秒能面の様な顔に。その後頭の中で変なスイッチが入った…というか言葉通りヤケを起こし、ぐわしっ! …と下から掬い上げるようにして二人の胸を掴む】
ルナ「ひゃあっ!?」
【突然イリゼが叫び、更に胸を掴まれたことで驚きの声を出す】
ピーシェ「え……ひゃっ!」
【その瞬間、イリゼの手にふわりとしていて、押したら弾き返されるような弾力が優しく包まれる】
ピーシェ「ちょっ……なにやって……ッ」
【突然の出来事に、ピーシェは赤面し、身体をビクンっと震わせる。
小さく吐息が漏れ、体を震わせるその姿は正に年頃の女性であり、先程まで言い争っていた威厳などかけらも無い。
まるで湯と汗がまじり、艶美な色気を醸し出している】
イリゼ(……!? る、ルナの胸はふにゅんとしていて、指が弾力を感じながらも受け止められた…逆にピーシェの胸はハリがあって、柔らかくも指を弾き返してくる……あ、ヤバい…これは…)
【サイズも感触も違う二人の胸。しかし違うからこそ別種の感覚が同時にイリゼの思考を襲い、心の底から湧き上がる衝動。何か不味い、と感じつつもイリゼの両手は自然に動き、下から掴んだ胸の上へ掌をを滑らせるように動かし、ゆっくりと手の全体で包んでいく】
ルナ「ひゃぅっ…ふ、ぅ…ん……」
【掴まれるだけで終わると思ったルナだったが、イリゼが更に触ってくることに驚きながらも、そういえばわしわしだと言っていたことを思い出し、真っ赤な顔で、恥ずかしさから涙目になりつつも大人しく触られ続ける】
ピーシェ「……っ!」
【その瞬間、ピーシェはイリゼに手刀をあて、ルナに抱きついて下がる】
ピーシェ「な、な、な……なにしてんの!」
イリゼ「あぅっ!? な、何してって……何してんのッ!?」
【衝撃で我に返ったイリゼ。自分ががっつり二人の胸を揉んでいた事に気付き,自分自身に対して突っ込む】
ルナ「……ぁぅ」
【思い返してみれば同性で友達とはいえ、割とがっつり揉まれていて、更に自分もなんだか変な顔になっていたのではないかと恥ずかしくなり、赤い顔をさらに赤くさせる】
ピーシェ「ま、まさか胸揉まれるとは……」
イリゼ「ふ、二人が抱き着いてくるからでしょ!? 実質OK的な事言っておいてそれは酷いんじゃないの!? ……いや私も大分正気じゃなかった事は認めるけども…!」
【やってしまった事への恥ずかしさから、やっぱりまだ顔は赤いイリゼ】
ピーシェ「いやいやっ! まさか胸揉まれるとはおもわなかったし、私達が悪いの?!」
ルナ「ぅぅ……こ、これは……うん。想像以上に恥ずかしい…ですね……はい」
【お風呂に入る前、自分でやるか? と言ったことを思い出し、これを二人にしようとしていたのかと思うとそれもまた恥ずかしくなり、ちょっぴり敬語になる】
イリゼ「悪いっていうか、その……わ、忘れよ…? お互いの為にも、忘れるか胸の奥底に仕舞っておくかしよ…?」
【話してる間も感覚を思い出しては顔が赤くなりっ放しのイリゼ。しかしやってしまった事はもうどうにもならない為、せめて…と胸の中に収めておく事を提案する】
ピーシェ「そ……そうですね」
ルナ「だ、だね……」
イリゼ「…すみませんでした……」
【二人の返答に頷いた後、揉んだ事を謝るイリゼ。それからちょっと身体を沈ませ、湯船に口元まで浸かる】
ピーシェ「い、いえ……こっちこそ」
ルナ「はは、は……ごめんね……」
【そんなちょっとしたハプニングもありながらも、三人は仲良く湯に浸かり、そして脱衣所で服を着直していたとき、ルナはご機嫌な様子で二人に話しかけた】
ルナ「あっ、ねえねえ二人とも。お風呂に入る前に言った、イリゼにやってほしい……というか一緒にやりたいこと、お姉ちゃんも一緒に、三人でやりたいなっ」
【それはお出かけであったり、遊びであったり、料理を教えてもらうことを言っているのであった】
ピーシェ「え? わたしも?」
イリゼ「三人で? ……まぁ、ピーシェ自身がいいって事なら、私もいいけど…」
【風呂でのあれこれで、幾分か対抗心の薄れたイリゼ。ちらりとピーシェの方を見て、それから頷く】
ピーシェ「ふむっ……」
ルナ「お姉ちゃん……どうかな……?」
【少し不安そうにする】
ピーシェ「………まあ、約束だしね」
ルナ「やったっ。よーしっ、二人とどこに行くか、何するか、いっぱい考えて決めなきゃ!」
【すぐに嬉しそうな顔をして、今にも踊り出しそうなくらいうきうきと楽しそうに言う】
イリゼ「…ふふっ。これはまた、色んな所に行く事になりそうだね」
【そんなルナの様子に肩を竦めつつ、しかし満更でもない表情でピーシェへと言った】
ピーシェ「そうですね。あ、イリゼさん、最後に一つだけいいですか?」
イリゼ「え、何?」
ピーシェ「『ありがと』ね、あの子のために私に怒ってくれて」
イリゼ「ピーシェ…。…当然だよ。ルナは私の…大事な友達なんだから、ね」