ビッキィ、冥ネプ、イリゼ
ビッキィ(……眠れない。)
『酷い顔だな』
【ビッキィの内から声がする】
ビッキィ(……うるさい。…お前のせいだろ)
『私のせい? 自業自得って言いたいのか? そりゃご愁傷さま』
ビッキィ(……やかましい)
『そもそも私はお前だ。お前が望んでるから私はいる』
ビッキィ(お前なんか望んだ覚えがない)
『本当に?』
ビッキィ(そうだ…!)
『お前の望みくらい言い当てられるというのに? はっきりとな』
ビッキィ(言うな。…とっくに諦めているんだよ)
『嘘だな、だったらどうしてあいつらから離れない?』
ビッキィ(……黙れ)
『お前は意固地になってるだけだ』
ビッキィ(そんなわけあるか)
ビッキィ(わたしは意固地になんてなっていない)
『ビッキィ。結局のところお前は早すぎたんだよ。
復讐をすぐに終えてしまったから、矛先を求めてるだけだ』
ビッキィ「……そうかもな」
【声に出始める】
『もういいだろう? 心の軋みはお前が一番分かっている筈だ』
ビッキィ「いいや、まだ、大丈夫だ。」
『子供にあそこまで心配されてるくせにか?』
ビッキィ「……誰のことだよ。
……バレてないのに心配されるわけないだろ。…わたしはいつも通りに接している」
『なら感謝しろよ。ルナって子はお前のそれに気付きながらもそれでも接してくれてるんだぜ。優しいこった。
他にもお前が何をどうしてるかなんて理解してる奴はいるだろうな』
ビッキィ「……そうだな…」
『お前さん、いつも通り接してるように出来てないよ。それがもうお前の限界だろう?』
ビッキィ「……まだだ、まだやれる…限界なんか来てない…」
『…ビッキィ、人の限界なんざすぐだよ。お前さんはとっくのとうに限界なのに、その先を定めているんだ。みらいと腹の子を失ったあの日からもうお前さんは限界なんだよ』
ビッキィ「うるさい…だまれ…! わたしはとまらない…とまっちゃだめなんだ…!」
『お前の時間は止まってるのにか?』
ビッキィ「それがどうした…!」
『…どうも私の言葉は届かんらしい。相応しい相手に任せるとするかな』
ビッキィ「相応しい相手…?」
『ビッキィ、私は言ったからな。
それでも止まらないと言うのなら後悔するといい。そうすれば、お前も止まる…否が応なく……』
【そうして声は止んだ。気付けば、朝日が昇っていた】
ビッキィ「……くそ、なんだよ…
……結局、今日も一睡できなかった」
ビッキィ「……任務完了。」
【気分転換に外に出たがその直後に仕事が入り、急行。…たった今終わらせたところだ】
冥ネプ「…? ビッキィ?」
【街を歩いていたらビッキィを路地裏で発見し、路地裏に入って駆け寄ってくる】
ビッキィ「──!? ね、ネプテューヌ…!?」
冥ネプ「…酷い顔だよ? 全然寝てないよね…」
【朝からビッキィの様子が変なことに気付いていたが言えずにいたのを、切り出す】
ビッキィ「は、ははっ…いやぁ、最近寝付きが悪くて…」
【いつもの調子で誤魔化そうとする】
冥ネプ「嘘だよね、それ」
【真剣な顔で誤魔化しを切り伏せる。まだ諦めない】
ビッキィ「……そんなわけないじゃん。…早く帰ろう?」
冥ネプ「…血の臭い」
ビッキィ「──!?」
【ネプテューヌの言葉にハッとなり表情が崩れる】
冥ネプ「やっぱり。でも、それはいいの。今はそういうのじゃなくてビッキィが大事だから。…ねえ、何を悩んでるの? 一人で抱えてないで相談してほしいな」
【暗殺の事を置いておき、ビッキィに詰め寄る】
ビッキィ「悩んでなんかいない。ただの仕事のストレスだよ」
【詰め寄られても変わらずに伝える】
冥ネプ「じゃあピィー子達に私からお願いするよ。仕事減らしてあげてって」
ビッキィ「それはやめて。…必要なことなんだ、わたしの仕事。(必要不可欠だ…戦えなきゃ、わたしにエディンにいる価値なんかない)」
冥ネプ「心を磨り減らして、潰れることが? それなら私、見て見ぬ振りを続けるのやめるよ」
ビッキィ「…すり減ってなんか無い! 潰れてもいない! …わたしは、大丈夫だよ……だからそのままでいて。
見てない振りを続けてよ…」
冥ネプ「…ねえ、ビッキィ」
【声が変わる。まだ活発さが見えるそれから、無機質じみたそれに。ビッキィはそれが記憶に残っている】
ビッキィ(こ、これって…あの時の、グレイブの時の…!?)
【あの時の出来事がビッキィの記憶に蘇る。…背筋が、凍りつくような恐怖と共に】
冥ネプ「質問変えるよ。どうして、私達をそんな苦しそうに見るの? 辛そうな顔をするの? 見て見ぬふり続けてって…辛いって言ってるよね、それ」
ビッキィ「違う! わたしはみんなをそんな目で見てない! そんな顔もしてない! …辛くなんか、ない…!」
冥ネプ「模擬戦後、愛月君と話した時とかルナちゃんと接してる時とか…夜、ひっそりと帰ってきた時とか」
【証拠を並べていくように、その日その日のおかしな場面を言葉にしていく】
冥ネプ「何がビッキィを縛ってるのか、何となく分かるよ。…だって、ズェピアさんと話してた夜、聞こえたから」
ビッキィ「────」
【ネプテューヌが今上げた場面よりも、あの日のズェピアとの会話を聞かれていたという事実に啞然】
冥ネプ「愛した人に、もう会えないんだよね」
ビッキィ「……ッ」
【悲しみ、怒りがないまぜになった表情でネプテューヌを見つめる】
冥ネプ「それを自分のせいだって、責めてるの? ずっと?」
ビッキィ「…そう、だ。──その通りだよ…だけど何も間違ってない。
みらいは、わたしのせいで死んだ…!」
冥ネプ「…どうして死んじゃったの? ビッキィのせいじゃ、分からないよ」
ビッキィ「──わたし、昔ある研究所の実験体だったらしいんだ…覚えてないけど」
【ポツリポツリと自身の事を語っていくビッキィ】
冥ネプ「うん」
【ただ聞く姿勢に徹する】
ビッキィ「わたしは、そこから逃げだして、みらいと育ての親になってくれた人達にあったんだ。
ビッキィって名前も、そこでつけてもらったんだ。…幸せだった。
でも、
その研究所のリーダーが、わたしを見つけた。
そいつらはわたしを連れ去る為に、みらいを事故に見せ掛けて殺したんだ。
みらいだけじゃない、他の人達も」
冥ネプ「それで、その人達をどうしたの?」
ビッキィ「殺した。
この手で、全員殺した。」
冥ネプ「…そっか、うん、分かった。
なら、ビッキィは悪くない」
ビッキィ「…違う!」
冥ネプ「誰かを殺しちゃう、それは悪いことだよ。でも、ビッキィが自分のせいで死んじゃったと思ってるのは違うよ」
ビッキィ「全部わたしが悪い! わたしが居なきゃみんな死ななかった!」
冥ネプ「じゃあ、みらいさんの幸せも無かったことにするの?」
ビッキィ「…ぁ」
冥ネプ「ビッキィだから、みらいさんは幸せだったんじゃないの? 育ての親の人も、ビッキィを幸せになってほしいから育てたんじゃないの?」
ビッキィ「……ぁ…ぁぁ…!」
冥ネプ「それを否定するのは、ビッキィと過ごした人達…何より、ビッキィの否定だよ。それは…駄目だよ、自分のせいだって責めて、その日々を否定することだけはしちゃいけない。例えどんな事があったとしても! それをすることだけはしちゃいけない…!」
【ビッキィの頬に、手を添える。
女神としてでなく、人に寄り添う人として】
ビッキィ「……師匠…みんなぁ…みらいぃ…!」【ぽろぽろと涙を流す】
冥ネプ「辛かったんだよね。大好きな人達を、一片に無くして。だから、復讐をしても心が埋まらなくて、自分を責めることで代用してきたんだ……」
ビッキィ「あ…あああああ…!」
【ビッキィはその場で泣きじゃくる。…今まで抑えてきたものを出すように】
冥ネプ「…うん、頑張ったね。今は目一杯泣いて、辛さを吐き出していいからね」
【泣きじゃくるビッキィを、そっと抱き締めて背中をさする】
ビッキィ「う…うう…! …あああ…!」
【泣き続けている】
冥ネプ「もう許してあげてね…自分を。
未来を、進むために」
ビッキィ「…う…うう…!」
【泣いたまま小さく頷く】
冥ネプ「もうビッキィは、自由になるべきだから。無くした幸せを、もう一度手に入れるべきだから。
だってもう、帰る場所はあるんだから」
【髪を撫でて、ビッキィを罪の意識から解放するための言葉を紡ぐ】
ビッキィ「みらい、みらいぃぃい…!」
【涙が溢れてとまらないまま、ネプテューヌの言葉を聞く】
冥ネプ「きっとそれが…みらいさんの望んでる事だよ。みらいさんは、ビッキィを愛してたんだから…」
【彼女が泣き止むまで、背中をさすり、髪を撫で続けた。辛さを吐き出し、羽ばたけるように】
ビッキィ「────」
【声が枯れている。だけどそれでも涙は止まらず溢れる】
ビッキィ「…ネプテューヌ、ごmいやありがとう。」
【泣き止んだビッキィはネプテューヌをしっかり見つめる。…こころなしか、その目には光が宿っている】
冥ネプ「ううん、いいよ。
…もう、大丈夫?」
【ビッキィを優しく見つめ、微笑む。
それは女神としての笑みでなく、人としての笑みに近い】
ビッキィ「大丈夫。…今度は嘘じゃないよ?」
【片目を瞑りながら苦笑い】
冥ネプ「そっか。なら…私はもういいね」
【そっと、抱擁をやめる】
ビッキィ「うん…本当にありがとう」
【ちょっと名残惜しそう】
冥ネプ「いいっていいって! …ほら、帰ろ?」
【ビッキィの手を握る】
ビッキィ「…うん」
【手を握り返す】
冥ネプ「ふんふふーん♪」
【そうして歩き出した時、ふと、ビッキィの心の中から声がする…】
『よう、ビッキィ』
ビッキィ(…お前、いや…【私】か)
【そうして、気付けば二人だけの空間となる。心の世界だった】
『ああ、お前だよ。私は、お前だ。
…もう、良さそうだな』
ビッキィ(ああ…もう、大丈夫だ。…ありがとう、そしてごめんな)
『頑固者が謝りやがったってことは大丈夫だな。…んじゃ、最後の仕事といこう』
【ビッキィへ、近付く】
ビッキィ(…? 一体何を…??)
『お前から、それを貰わないとな』
【ビッキィへ手をかざすと、ビッキィの中から黒い何かが出てきて、それを闇が飲み込む】
『私の領分まで侵害しやがって』
ビッキィ(お前…ってか、今のは…?)
『お前さんの闇だよ。吐き出しきれて無かったってこった……そんで、これで私の仕事は終わりだ』
【ビッキィと闇の距離が、だんだんと離れていく】
ビッキィ(…そっか…お前、もう居なくなるんだな…)
『そういうことだ。…いってらっしゃい、ビッキィ。もう何も縛るものはないんだ、幸せにおなりよ』
【その言葉の後、ビッキィへ背を向けて歩き出す。距離は離れていき、ビッキィの背後からは光が見えた】
ビッキィ(ありがとう…もう一人のわたし…)
【光に包まれる】
【そうして意識は、現実へと移る】
冥ネプ「ビッキィ、ビッキィ? おーい」
ビッキィ「っ! …どしたの、ネプテューヌ?」
冥ネプ「ボーッとしちゃってたよ?
泣き疲れて眠くなっちゃったとか?」
ビッキィ「ははっ…そんなとこかな…ここ最近眠れてないし…」
冥ネプ「じゃあ帰ったら寝よっか?
私が寝かせてあげようか~?」
ビッキィ「うえ!? い、いいよ?!」
【顔を紅くする】
冥ネプ「お、照れちゃってますなぁ?
ふっふっふ、ビッキィとの絆レベルの高まりを感知しちゃうなぁ!」
ビッキィ「そっか…なら一緒に山に籠もって修行する?」
【仕返し】
冥ネプ「それは勘弁してよ。
ビッキィの修行って撫でるの対策でしょ? 意味ないし…」
ビッキィ「ぐはぁ!?」
【完全敗北を思い出し、ダメージ】
冥ネプ「そういうのって、撫でられて耐性付くんだよ」
【ビッキィを撫でる】
ビッキィ「わふ!!?」
【やはり慣れない】
冥ネプ「あはは、犬みたいな声出すんだね本当に。お姉ちゃんって呼んでもいいんだよー?」
ビッキィ「呼ばないから絶対に呼ばないから」
【早口】
冥ネプ「そっかそっか、それは残念」
【活発そうに笑う】
ビッキィ「ふんだ。」
【顔を紅くしたままそっぽを向く、手は繋いだままだ】
冥ネプ「…うん、明るい顔だね。
なら安心」
ビッキィ「…ありがと。…ネプねぇさん」
【最後だけは超小声】
【聞こえたのか、聞こえてないのか。
それはネプテューヌのみが知っている。穏やかに微笑んだ後にビッキィの手を引いて、家まで帰ったのだった】
イリゼ「うーん…やっぱり、聞いてたのともそこそこ違うんだね…」
【自分の知る神次元との違いを知ろうと街に出て、そこから帰ってきた】
ビッキィ「あ、お帰りなさい。イリゼさん」
【イリゼを出迎えたのはビッキィだ。その目は真っすぐイリゼに向いている】
イリゼ「ただい……(あれ?)」
【憑き物でも取れた? …一瞬でそう思う程何かの変わったビッキィを見て、目をぱちくりとさせる】
ビッキィ「? どうかしました?」
イリゼ「あ、えっと…変な事聞くけど…ビッキィ、だよね…? 双子とか、実はまだ別次元から来た人とかじゃなくて……」
ビッキィ「双子でもないし、別次元の方はそもそもわたしより背が低いじゃないですか…」
イリゼ「……? そ、その子は知らないけど……でも、うん…そっかそっか…」
【暫くビッキィを見た後、安心したように頬を緩める】
ビッキィ「……変なイリゼさん。」
【訝しげに見つめるビッキィ】
イリゼ「あ、あはは……。…その、さ…何か、あったんだよね?」
【苦笑いの後、ふっと表情を引き締める】
ビッキィ「……はい。
色々吹っ切れました」
イリゼ「…そうなんだ…もし良かったらさ、何があったか教えてくれないかな。勿論、ここじゃアレだけどさ」
【ここ、正面扉前】
ビッキィ「……わたしの部屋に行きましょう」
イリゼ「あ、うん」
【少女(?)移動中】
ビッキィ「着きました。…どこから話そうかな…?」
イリゼ「ゆっくり話してくれれば良いよ。私から頼んだ事だしね」
ビッキィ「……まずわたしは、エディンの闇組織所属のアサシンです。…やめる予定ですけど」
【最初からぶっこむスタイル】
イリゼ「え、あ、そ、そうなんだ…」
【見るからに驚いている……が、そこを掘り下げると話は逸れてしまうと考え、ぐっと堪える】
ビッキィ「…ほとんど毎日血に汚されます…それでもわたしはやらなきゃと思い込んでました」
イリゼ「…やらなきゃ…そう思う、理由があったんだね」
ビッキィ「バカみたいな理由ですよ。
大切な人がいました。
今でも愛しています。」
イリゼ「……それは…あぁ、そっか…」
【過去形である事、やらなきゃという言葉、そこからぼんやりと察し、その上で具体的な返しはしない事を選ぶ】
ビッキィ「でも、殺されました。…わたしとその人の育ての親だった人達も」
イリゼ「……うん。…続けて」
【曇る表情。だが、まだ話は終わっていないのだからと言う】
ビッキィ「……やったのは、わたしを生体実験として使っていた研究所
です。わたしを連れ去る為にです。」
イリゼ「…今、その研究所は?」
ビッキィ「わたしがこの手で全員殺しました。
体をいじられて、みんなの敵討ちだと。暴れまわってました、」
イリゼ「……そうしなきゃ、いけなかったんだね。物理的にも、気持ち的にも…」
【その答えは聞きたくなかった。そうであってほしくなかった。貴女は人で、研究所の人達も…心の中にはそんな思いが生まれたが、ぐっと飲み込む】
ビッキィ「……その後からさっきまで、わたしはずっと自分を責め続けていました。…わたしのせいで、わたしがいたからみんな死んだんだって」
イリゼ「…ビッキィは、しっかり者だったんだね。だから、責任を感じちゃった。誰かのせいにする事を良しとせず、自分の中に理由を見出そうとした…そういう事、なの…かな?」
【少し考え、そう答える】
ビッキィ「……いえ。…ただ怒りの矛先を見失っていたんだと思います。…わたしの復讐は、すぐに終わってしまいましたから…だから自分自身に怒りを抱いた…」
イリゼ「…それが、これまでのビッキィだったんだね…。…それで、今日…今日かな? …は、何があったの?」
ビッキィ「……ネプテューヌに説教されました」
【超簡潔に述べるやつ】
イリゼ「あぁ、ネプテューヌに…え、ネプテューヌに!? ネプテューヌが説教!?」
【二度見ならぬ二度聞き】
ビッキィ「……詳しく説明しますと、…仕事帰りの時にネプテューヌにあったんです。」
イリゼ「あ、う、うん…(冗談じゃなかった…!?)」
【ボケでネプテューヌの名前を出していたのかと思っていたイリゼ】
ビッキィ「そこでネプテューヌに問い詰められました。(冗談じゃないですよ…あとファミチキ食べたい)」
【ナチュラルに思考を読み念話でボケる】
イリゼ「ぶっ…!? な、何今の技術!? え、地の文読みに近い何か!? 神次元版の技術!? ……ご、ごほん…って事は、ネプテューヌもビッキィに対して感じるものがあったんだ…」
ビッキィ「…はい。というかわたしが顔に出過ぎだったみたいです…本当に限界でしたから(地の文読みってのが何か知りませんけど、多分そうなんじゃないですか?)」
【大分適当なビッキィ】
イリゼ「そっか、そっか…ふふっ、私に女神の心得的な事訊いてた癖に、普通に女神らしいじゃんネプテューヌ…」
【浮かべるのは柔らかな笑み。ビッキィとネプテューヌ、両方へと思いを向けているかのような、穏やかな微笑み】
ビッキィ「…それで言われましたよ。…自分を許してあげてって。」
【自分にも向けられたイリゼの微笑みに照れ、そっぽを向く】
ビッキィ「──未来に進めって」
イリゼ「…大丈夫? それはちゃんと、自分の足で進める? 誰かの為じゃなくて、自分の為の…自分が望む為の未来に、繋がってる?」
【表情は穏やかなまま、けれど落ち着きのある、心を見つめるような声で言う】
ビッキィ「──はい。わたしはわたしの為に、望む未来を進みます。この足で。
この腕で!」
【イリゼを真っすぐ見つめ、強く誓いを立てるように手を握りしめる】
イリゼ「…よし。それじゃあお祝いに、何か作ってあげるよ。何が良い? クッキーでもケーキでもタルトでも、ビッキィが望む物を作っちゃうよ?」
【その反応を見て安心したように、また嬉しそうに笑みを深めるイリゼ。更に片手で力こぶを作るようなジェスチャーをするが、袖に隠れてる事もあって全く膨らんだような感じはない】
ビッキィ「ならタルトをお願いします、お母さん♪」
【快活な笑みをしながら再び悪ふざけ。…こいつ全く反省してない】
イリゼ「うん、任せて。それじゃあ厨房に……いやだからお母さんじゃないよ!?」
【雰囲気のせいか素で流してしまい、部屋を出る直前に気付いてスピンをかけながら突っ込む】
ビッキィ「おお、いいスピン」
【小さく拍手しながら褒める】
イリゼ「んもう、からかわないでよね…!」
【ちょっとむくれながら厨房へ】
ビッキィ「ははっ」(みらい…わたし、前に進むよ。だから見守っていてね…)
イリゼ「……よし、でーきたっ。ね、どう? 結構上手く出来たでしょ?」
【菓子作りが趣味という事もあり、完成したフルーツタルトを見て気分良さげなイリゼ】
ビッキィ「うわ…すご…」
【思っていたより手の込んだものを出されて語彙力がなくなるビッキィ】
イリゼ「そりゃ、良い事があったんだからね。自然と作る物も凝っちゃうってものだよ。さ、食べて食べて」
【お皿に移して差し出す】
ビッキィ「あ、はい。…いただきます。」
イリゼ「……♪」
【感想を楽しみにしているのがつい顔に出てしまう】
ビッキィ「…出来立てだけあって、サクサクした食感にフルーツとクリームが見事にマッチしている…」
【唐突な食レポ】
イリゼ「でしょう? ……ね、ビッキィ」
【ビッキィの向かいに座るイリゼ。表情に落ち着きが戻り、浮かべているのは真剣な眼差し】
ビッキィ「…ごくん。…イリゼさん、どうしました?」
イリゼ「…無理に進む必要はないんだからね? 止まったって良いの、休んだって良いの。引き返したって、回り道をしたって…何一つ、それは誰かに悪いと言われるような事じゃない。だってそれは、ビッキィの道だから。誰のものでもないビッキィのもので、正解かどうかを決めるのも、ビッキィだから。……だからね、ビッキィ」
ビッキィ「………」
【黙って聞いている】
イリゼ「自分に甘くなってあげて。自分に優しくしてあげて。それをきっと、皆望んでるから。そうして良いって…私が、オリジンハートが、保証するから」
【そう言い切り、再び笑う。柔らかく、優しく…けれど強い意思の籠った、穏やかな笑みで】
ビッキィ「──はい」
【穏やかに、そして意志のこもった声で返事をする】
イリゼ「うん。じゃ、私からの一言はこれでお終い。別に焦らなくて良いから、ゆっくり食べてね」
ビッキィ「はい! 母さん!」
【まだ引っ張るビッキィ】
イリゼ「良い返事…って、だからお母さんじゃないからね!? どんだけそれ好きなの!? そこまで私に母性か何かを感じてるの!?」
ビッキィ「いや、なんかしっくり来るんですよね…」
イリゼ「しっくりも何も、私子持ちじゃないよ……」
【このネタ今後も続くの…? とばかりに肩を落とす】
冥ネプ「ふわぁーあ…何か美味しそうな匂い…」
【眠そうに降りてくる】
ビッキィ「あ、ネプねぇさん。」
【超自然にねぇさん呼び】
イリゼ「あ、ネプテュー…ねぷねぇさん?」
ビッキィ「…いやまぁ…あまりツッコまないでくれると、わたしとしては非常にたすかります」
【あ、やべ的な顔】
冥ネプ「んー…タルト食べてるの? いいなぁ」
イリゼ「……? …あ、大丈夫だよネプテューヌ。勿論、作ったのはビッキィのだけじゃないから」
【まだ暖かい為冷蔵庫には入れていなかったタルトを指さす】
冥ネプ「ほえ、いいの? わーい、いっただきまーす!」
ビッキィ「…ふふっよかったね。ネプねぇさん」
冥ネプ「うん! ところで、二人は何話してたの?」
イリゼ「ビッキィの事だよ。ネプテューヌも、色々話したんだってね」
ビッキィ「あー…まぁそんなとこ」
冥ネプ「んー…まあね。でも、本当にちょっと話しただけだよ?」
イリゼ「…それは、謙遜じゃないかな? だってビッキィ、凄く変わったよ?」
ビッキィ「………」
【二人の会話を黙って聞いている】
冥ネプ「ううん、変わったんじゃないよイリゼ」
イリゼ「…と、いうと?」
冥ネプ「…戻った、かなぁ…」
ビッキィ「ま、確かにわたしって素はこんな感じだねっ」
イリゼ「…あぁ、そっか。確かに今のは、私の言い方が……って、あれ? …そんな、語尾が『だねっ』ってなるタイプだったの…?」
冥ネプ「あはは、いいんじゃないかな。
うん、前よりも断然いいよ。
あ、これ美味しい」
【タルトを食べて、顔が綻ぶ】
ビッキィ「……やべ、恥ずかしい…いい年した女がだねっはないだろ…」
イリゼ「……えっ? それを言ったら、私達女神の立つ瀬が……」(汗)
冥ネプ「残念ながらネプ子さんは諸事情ありで実質18みたいなもんなのだ…」
ビッキィ「いや、女神は老けないから問題はないでしょ……あれ? わたしってそもそも老けるかな??」
【自分の出生を思い出しながら疑問符】
冥ネプ「さあ? まあでも、どっちでもいいじゃん! 楽しんだもん勝ちって言うしね~♪ イリゼも言いたいこと、言えたみたいだし…万事解決って感じかな~」
イリゼ「だね。……あれ? 何今の、メタ視点的な発言は…」
【目を瞬かせる】
ビッキィ「キノセイダヨ」
【裏声】
イリゼ「う、うんまぁ、別に追求する気はないけどさ…」(汗)
冥ネプ「気にしちゃ駄目だよ~
んー美味しい! いやーめでたしめでたし!」
ビッキィ「終わり良ければ全てヨシッ!」
【宇宙猫】
イリゼ「あはは…(ネプねぇさんっていうか、ほんとにネプテューヌの妹分みたいになってるなぁ…)」