大人ピーシェが頑張る話。合同コラボ   作:ほのりん

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【登場人物】
一誠、イリゼ


家族の絆(最新話)

一誠「…いやこれは、うん…俺も戸惑う……でも、なぁ…」

【教会の庭のベンチにて、小さな袋を手に持ってむむむと悩む一誠。

実はこの袋の中身はクッキーで、作ったのは…自分の姉だ。料理下手を知っていて、尚且つそれがくたばる程の物となれば食べるのに忌避感を抱くのは当たり前で、しかし姉の善意による物に対して粗末な対応はしたくないのが弟としての人情だった】

 

イリゼ「(シェアエナジーを少しでも節約する為に、あんまり激しい動きはしないように、って思ってたけど…やっぱり少しは身体動かさないと、逆に勘とか鈍りそう……あれ?)…一誠、君?」

【自分の今の状態を色々と考え、協会の庭で軽く運動でもしようかと思っていたイリゼ。しかしそこで見つけたのは、ここで出会ったネプテューヌの弟である一誠。

外のベンチに座ってるなんて、一体どうしたんだろう?そう思ったイリゼは、近付きながら声をかける】

 

一誠「あ、イリゼさん。どうかしたんすか?無理しない方がいいっすよ」

【声をかけられて、袋から視線をイリゼに。心配するようにそう言う一誠は、姉の不調を理解し、同じ立場であろうイリゼを気遣っていた。

そういえば、イリゼとじっくり話す機会は無かったなと思いながら】

 

イリゼ「え、と、唐突だね…。……あ、もしかして…」

【開口一番で身を案じられても、ただただ困惑してしまうというもの。しかし彼は、ネプテューヌの弟。であればネプテューヌを介して自分の事を聞いたか、ネプテューヌと同じ状態だと判断したかだろうと思い、イリゼは軽く肩を竦める】

イリゼ「ううん、大丈夫だよ。心配してくれてありがとね。…一誠君は、ここで何をしてるの?…もしや、日向ぼっこ…?」

 

一誠「いやぁ、はは…それならよかったんですけどね。これ、姉ちゃんが作ったクッキーで…食うのに、勇気が要るっていうか…いつかのいーすんと同じ末路を辿るのかなと思うと気が滅入って…ハハハ…」

【訊かれたことにクッキーを渡されて食べるのに勇気が要ることを伝える。

尚、捨てるという選択肢は無くなった。最早、死ぬか生きるかである】

 

イリゼ「へ?あ、じゃあそれはネプテューヌが作ったんだ。…そっか、あの後もまた練習したんだ…」

【ネプテューヌの作ったクッキーだと分かり、イリゼの表情は柔らかく緩む。

何せ、クッキーといえばイリゼがネプテューヌに作り方を教えたばかりなのだ。その時も一先ずはちゃんとクッキーとして食べられるものが完成したのだが、運動や勉強と同じように、料理も練習を重ねなければ覚えたものも劣化してしまう。そしてその「技術」を、早速また練習してくれたのだと知った事で、教えた側であるイリゼは何だか嬉しくなっていた】

 

一誠「ん?もしかして、イリゼさんがねぷ姉ちゃんにクッキーの作り方を教えたんすか?ははぁ…それなら美味いか…?……よし!漢、一誠…いくぜ…っ!」

【イリゼが教えたのなら安心感が湧いて、意を決して袋を開けて中身を見る。そして…緑色のクッキーが出てきて、ゴクリと唾を飲み込む。しかし、ここで引き下がっては弟の恥。

一思いに、とクッキー一つを口に入れて、噛み砕いて味わっていく…そして】

一誠「おお…これは…チョコか!うまい!姉ちゃん、一歩前進だな…!いけるいける!イリゼさんも一個どうぞ!」

【顔を綻ばせて、姉の成長を喜び、分かち合おうとイリゼにも一つ、緑色のチョコクッキーを差し出す】

 

イリゼ「あ、う、うん。頂きます…(そんな、一誠君にとってネプテューヌの料理は覚悟が必要なレベルのものなの…?)」

【明らかに普通料理に対してはしない発言で軽く引いたイリゼだったが、一誠からクッキーを受け取りぱくり。…実のところ、「何故緑!?いや、着色料とかの可能性もあるけど…にしても緑…!?」と思っていたイリゼではあったが…食べた直後、ぱっと表情が明るくなる】

イリゼ「…ん、良いじゃんネプテューヌ。ちょっとベタつく感じはあるけど、味は悪くないよ!」

【そう言ってうんうんと首肯。それから一誠に目をやり、少し自慢げにしながらイリゼは「ネプテューヌ、頑張ってたんだよ?」と言った】

 

一誠「だろうなぁ、と思います。

姉ちゃん、教わるなら全力ですから…お菓子作りなんて、あっちじゃ出来ないからなぁ…」

【自慢げに言われて、嬉しそうに頷いてから、しみじみとした様子で言って、クッキーをまた一口。姉の努力を感じるクッキーを大切に食べていく】

 

イリゼ「そっか……」

【表情から、声音から、ネプテューヌへ対する…家族へ対する思いを感じる。それを感じて、改めてイリゼは意識する。彼は、ネプテューヌの弟なんだと。

考えてみれば、不思議なもの。女神に姉妹ではなく兄弟、というだけで、凄く不思議にイリゼは感じる。そして信次元でいえば、彼ではなくネプギアがいる訳で…ごちゃごちゃと考えていたイリゼは、自分でも気付かぬ内に一誠をじーっと見ていた】

 

一誠「…な、なんか俺しました…?そんな見られると悪いことしたかって思うといいますか…」

【しみじみとしていて、ふと気付くじっと見てくる視線。何か粗相をしただろうかと少し慌てた様子でイリゼに訊く。

思い返してみても、何をしたか分からない。元の次元でもやらかしてる自覚はあるため、少し戦々恐々としていた】

 

イリゼ「……?…あ、ごめんね一誠君。ただちょっと、考え事をしてたっていうか…そのね、一誠君。私の次元だと、ネプテューヌにはネプギア、って妹がいるの。だからそれで、色々と考えてて……」

【言われてから気付いたイリゼは、すぐに謝罪。それから頬を掻きつつ言葉を進め…それから言う。一誠は、ネプギアを知らないのだろうと思って。そちらの次元…いや世界では、ネプギアの代わりに一誠がいるのだろうと考えて】

 

一誠「あー…やっぱネプギアはどこでも妹なんすね。俺のところだけ違うってことか……俺の次元にも、ネプギアはいるんよ。ちょっと色々複雑っていうか…造られた女神なんですけどね」

【自分の次元のネプギアを思い浮かべる。今思えば、ピーシェの次元のネプギアも自分の次元のネプギアも同じような性格だった。ただ、生まれが異なり、関係が違う。本当に複雑なのだ、ネプギアとネプテューヌは。

けれど、切っても切れない関係があるんだなとピーシェの次元とイリゼの次元の話を聞いて理解した】

 

イリゼ「造られた女神…?…って、どういう事…?」

【造られた。その言葉に、イリゼはぴくりと肩を揺らす。

何故か。…それは勿論、イリゼもまた創られた存在、複製体の『イリゼ』として生まれたからに決まっている。

聞いたからといって、何かする訳ではない。というか、この場にいないのだから何も出来ない。だから純粋に…そして深い興味を持って、イリゼはその言葉に訊き返していた】

 

一誠「何つーかな……ロキっていう、ねぷ姉ちゃんの友達…その心臓の神核と、ねぷ姉ちゃんの細胞を元に造られた、姉ちゃんを越えるための女神、なんだそうです」

【今思うと、やるせない気がする。

姉の友人はネプギアのために存在に必要な核を奪われて、けれどネプギアが生まれるにはそれが無ければならなくて。

イリゼに話す時の一誠の顔は、それもあって複雑そうな表情だった】

 

イリゼ「ネプテューヌを越える為の女神…妹として、共に歩む存在として望まれたこっちのネプギアとは、結構違うんだね…。それに、私とも……」

【同一人物でも、来歴が大きく違う事がある、というのは知っている。それでもこれだけの差がある事を知り、イリゼもまた様々な思いが胸中を巡る。

しかし、一誠の表情を見てイリゼは軽く首を横に振る。いけない、これでは空気が重くなるだけだ、と】

イリゼ「…ごめんね、込み入った話を聞いちゃって。…でも、うん…無理に話を変えるっぽく聞こえるかもだけど、一誠君とネプテューヌは良いコンビだよね。ほんと、気の置けない家族っていうか、いい意味で遠慮がない感じっていうか…」

【ネプギアと比べると、一誠はネプテューヌとそこまで正反対ではない。だからこそ、この二人は姉弟というだけでなく、悪友の様でも、コンビの様でもあって、けれどやっぱり姉弟っぽさもあって…それをイリゼは、素直に「良いな」と感じていた】

 

一誠「ハハハ、そりゃあずっといる家族ですからね!姉ちゃんいるところにイッセーさんありってね。まあでも、遠慮がないくらいがいいんですよ。本音を言い合える…それが姉弟だって思ってますから。俺にとって姉ちゃんは憧れだけど、それ以前に家族なんすよ」

【そう言われてそう思われているのが嬉しいように胸を張る。ネプテューヌの隣は別の奴に譲ったけど、弟の特権である。傍にいたり、遊んだり、愚痴を言い合うのが姉弟であると一誠は言う。

そうして支え合ってきた。そうして姉の強さを知った。だからこそ、自分達の在り方は変わらないのだ、と】

 

イリゼ「…素敵だと思うな、そういうの。私もね、姉…みたいな存在がいて、その人とは仲が良いんだけど、姉妹みたいなものだって分かったのは出会ってからかなりした後で、だから普段はお互い敬語で…あ、別にそれが嫌って訳じゃないよ?その人は元々誰にも敬語だし、私も敬語止めると逆に恥ずかしくなっちゃうし…

…ま、まあとにかく私とその人とはそんな感じで、心は通じ合ってるって私は断言出来るんだけど…やっぱり、そういう砕けた関係、家族ならではの距離感っていうのは、かけがえのないものだと思うんだ」

【友達としての繋がりがあるように、家族としての繋がりがある。そして繋がりに優劣はない。それぞれの良さ、それぞれの尊さがあり、その繋がりを感じられる事こそが一番なんだと考えるイリゼだからこそ…その表情には、自然と笑顔が浮かんでいた。一誠の思いに、姉弟という繋がりに触れる事が出来て、イリゼは嬉しいと感じていたのだった】

 

一誠「うんうん…そうだよなぁ、やっぱ、かけがえのない物があるだけで頑張れるもんですよね。…実は、この次元に来られてよかったって思ってるんですよ。皆と出会えたっていうのは勿論なんだけど…姉ちゃんが休めるって思うとホッとして」

【笑顔のイリゼの言葉に共感するように何度か頷き、それから思っていたことを伝える。自分にとって姉はかけがえのない物。だからこそこの次元に来て、気兼ね無しとはいかないまでもネプテューヌが休むことが出来て安心しているのだと】

一誠「知ってると思うんですけど姉ちゃんって責任感強いんですよ。それでいて抱え込みまくるし、しかもそれで悩みまくるし。そんなんばっかだったからよかったなって」

 

イリゼ「あぁ…うん、そうだよね。ネプテューヌ、基本はちゃらんぽらんだし、周りの緊張を解く事にかけてはピカイチだけど、意外と自分に対しては妥協しないっていうか…分かるよ、その気持ち。それに…悪い事なんてないと思うよ?目の前の事を、状況をどう受け止めるかは、その人次第だもん」

【分かるし、やっぱり彼もネプテューヌを姉に持つ存在なんだなぁ、とイリゼは思う。

確かにネプテューヌは大変だろう。心は、魂は人だからこそ、自分達にはない辛さもあるんだと思う。

しかし自分の知るネプテューヌにネプギアがいるように、ここで出会ったネプテューヌにも一誠君という弟が、凄く身近な理解者がいるのなら…間違いなく、大丈夫だと】

 

一誠「そう言って貰えると嬉しいですね。にしても、今回はすげえって思ったなぁ…何せ、次元が違うのもだけどポケモンだとか色々知らないのも知れたし。やっぱ世界は広いなぁって思いますよ」

ドライグ『─口を挟むつもりは無かったが、相棒も大概だぞ』

一誠「うおビックリしたぁ!?ど、ドライグてめぇ!合図くらい出せコラァ!」

【目を輝かせながら世界の広さを体感した一誠の片腕に赤い篭手が現れて、その中から声がして、それが唐突なのもあって一誠は驚いて叱り飛ばす。

しかし声は『自分を棚に上げて話すのが気に食わなかったのでな』と言って、一誠は図星なのかうぐぐと唸った】

 

イリゼ「──!?え、何!?急にどういう事!?どちら様!?そういう形の携帯端末か何かなの!?」

【いきなりの事で驚いたのはイリゼも同じ。しかもイリゼは、籠手を見るのもドライグの存在を認識するのもこれが初めて。故にびくぅ!と肩を震わせ、それからぎょっとした目で籠手と一誠の顔を交互に見る】

 

一誠「ほらお前のせいでややこしくなる…!えっと、こいつはドライグっていって俺の神器…武器に宿ってるドラゴンの魂です」

ドライグ『ふん、そこらの武器と同じにするな。俺は神をも恐れさせた二天龍だぞ相棒』

一誠「あーはいはい……まあそんな感じで、携帯ではないっす」

【説明を終えた後に、自分の携帯はこれです、とスマホを見せながら言う。

唐突に出てきたドライグに吃驚したのは自分も同じ。けれど扱いには慣れているので驚きもすぐに収まっていた】

 

イリゼ「じ、神器?二天龍?……え、えぇと…取り敢えず、はい…原初の女神の複製体、オリジンハートことイリゼです…」

【混乱の抜け切らない、ただ一先ず「そういう存在」である事は理解したイリゼは、困惑しながらもドライグ…というか、籠手に向かってぺこりと挨拶。ここにきて判明した新たな要素を、イリゼの思考は必死で処理しようとしているのだった】

 

一誠「ちゃんと説明すると、神器っていうのは人間の魂に勝手に宿る武器で、それぞれ色んな性能があるんですけど…まあ、ドライグはその神器の中でも特別な神も殺せる可能性があるとかいう『神滅具(ロンギヌス)』って奴の一つなんですよ。それも神様に封印された昔の龍らしくて」

ドライグ『そうだ。俺は二天龍と呼ばれるドラゴンの中でも強大な強さを誇る者。別次元の女神よ、相棒共々よろしく頼むぞ』

【混乱するイリゼのために一誠が補足する。一誠自身、そういう感覚は覚えがある。分からない事ばかりで頭がこんがらがる時は、一つ一つを処理するのが一番だと理解しているからイリゼに説明したのだ】

 

イリゼ「あ、こ、こちらこそ宜しくお願いします。……神も殺せる…物騒な触れ込みだね…(こっちでいう、ゲハバーンみたいなものかな…)」

【説明してもらえた事で、ある程度理解が進んだイリゼ。それは勿論ありがたい…が、やはり女神としては、神殺しの話を嬉々として聞く事は出来ない。しかもその神殺しの可能性を持つ存在から、直接「宜しく」と言われても反応に困る訳で…イリゼの表情は、自分でも気付かない内に何とも言えないものとなってしまっていた】

 

一誠「あーまあ、使い手次第ですよ。そもそも、その神様自体がもう…って感じですし。俺は皆を守るためにこの力を使いますんで、安心してください!

な、ドライグ」

ドライグ『そこで俺に振られても困る。俺は相棒に力を貸しているだけだ。

力とは純粋なエネルギーに過ぎない。それに指向性を持たせるのが貴様らだろう。好きにしろ』

【全くこいつは仲良くする気があるのか無いのか、と一誠は苦笑する。

イリゼには、少し不要な部分…というより心配させるような事まで教えてしまったか、と思う。けれどドライグの言う通り、使い手次第なのだ。どう扱っても力は力。故にドライグは好きにしろと言うのだ】

 

イリゼ「皆を守る為に、か…。…うん、そうだね。力は力、大事なのはそれをどう使うかだもんね。それに…そういうところも、やっぱりネプテューヌの弟だね、一誠君」

【皆を守る。それをさらりと、何の淀みをなく言えるのは、きっとそれが本心だから。普段から思っている事だから。そう感じたイリゼはまた、その顔に柔らかな表情を浮かべる。

実際のところ、彼がどれ程強いのかは分からない。けれど…思いが強いのなら、それが折れない限りは、終わりなんてない。そう信じているイリゼは、言葉と共に頷いていた】

 

一誠「はは、ありがとうございます。

帰るその時まで俺でよければ守るんで!女神のプライドとかそういうのあるかもですけど…やっぱ戦える力があるなら俺も助けになりたいし。改めてよろしくお願いします!」

【ネプテューヌの弟。そう言われて嬉しいのは事実で、けれどこの意志は弟だからではなく、兵藤一誠という一人の男としてのプライドであり、意地のようなもの。強くなくても、自分は這い上がる。その意志が挫けない限り進化は止まらないのだ。イリゼに改めてこの次元での苦楽を共にする仲間として宜しくと手を差し出し、ニッとした笑顔で握手を求める】

 

イリゼ「ふふっ…こっちこそだよ、一誠君。私も今は、満足に戦える状態じゃないし、今後何があるか分からないけど…いつだって、ベストを尽くすのが女神だから。お互い良い姉を持つ者同士、頑張ろうね!」

【こちらもまたにこりと笑って、その手を握る。掴む事に、いつか力を借りるかもしれないという事に、抵抗はない。勿論女神としてのプライドはあるが…仲間と手を取り、共に戦うのが、信次元の女神でありイリゼなのだから。

そして…やっぱりそうなんだ、とイリゼは感じた。ネプテューヌの強みの一つは、繋がりを作る力。皆に勇気を与える力。それもまた、別次元であろうと同じ『ネプテューヌ』が持っているのだと知り…嬉しくも心強いと、感じるのだった】

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