大人ピーシェが頑張る話。合同コラボ   作:ほのりん

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【登場人物】
愛月、グレイブ、冥ネプ、ズェピア、ルナ、ビッキィ


愛月女神化事件

~愛月君逃走事件の翌朝。ネプテューヌと愛月が仲直りしてすぐのこと~

 

愛月「あの……お姉ちゃん?」

【頬を赤らめもじもじする】

 

冥ネプ「どしたのわさわさ。」

 

愛月「『私』……いつの間に女の子になってたの? ……というか誰がやったの?」

 

冥ネプ「あー…あのまま風邪引きそうだったからお風呂入れないとってなってグレイブ君がやったの。でもでも、気遣った結果だと思うし、今日のお昼には戻るらしいから…」

 

愛月「…………」

【うつむき震えだす】

 

冥ネプ「あうあう…ごめんねなのですよ愛月…君? ちゃん?」

 

【愛月は静かに泣き始めてしまった】

 

冥ネプ「うえぇぇぇぇ!? ど、どうしたの!? そんなに嫌だった!? どこか痛い!?」

 

愛月「グレイブのばかぁ~~~~~~~!!!!!!!!」

【一方……扉の近くでやり取りを聞いていたグレイブは?】

グレイブ「はぁ~~~またやかましくなりそうな予感がするな。まぁいいか……ズェピアさんに『飲み物』貰って飲むとするか】

 

冥ネプ「あわわ…落ち着こう!? まずは深呼吸しよう! ふええいーすん、こういう時どうすればいいのー!? そ、そうだ! お姉ちゃんの胸に飛び込んでおいで! むしろ目一杯泣いたら落ち着く!?」

 

愛月「うぅ~~~~ふぇ~~~ん!!!!」

【ネプテューヌに抱き着き泣いている】

 

冥ネプ「よしよし…お姉ちゃんダメダメでごめんねぇ。」

 

ズェピア「…上が騒がしいなぁ…」

【ボンヤリと窓を眺めながらティータイム。】

 

グレイブ「お~~いズェピアさん」

 

ズェピア「おはようグレイブ君。早起きで大変結構。今日はサンドイッチにしておいたが…」

 

グレイブ「おっうまそうだな。ありがと後『紅茶 ストレート』でもらえるかな?」

【椅子に座りながら】

 

愛月「ぐす…………ひぐ……」

【ようやく落ち着き始めた様子】

 

ズェピア「ストレートかね。了解したよ。」

 

グレイブ「うん。お願い」

 

冥ネプ「うんうん、突然で怖かったんだね。」

 

ズェピア「これでいいかな? ああそれと、上が少々騒がしいのだが何か知っているかな?」

 

グレイブ「上? まぁ昨夜の続きかな?」

【どこか遠い目をしながら】

 

愛月「お腹……減ったよ。お姉ちゃん」

【恥ずかしそうに小声で言う】

 

ズェピア「ああ…なるほど。しかし、昼には戻るんだろう? …む、いや待て失念していた。何故性転換薬が完成している? あれは人類が造り出すにはもう少し先のはずなのだが…いや、ポケモンという 超常生物がひしめく世界ならば…? ブツブツ」

 

冥ネプ「よーし、一緒にごはん食べよう! 私もお腹空いちゃったよー!」

 

グレイブ「ズェピアさんやそろそろ騒がしくなりそうだから思考の海から戻ってこ~い」

 

愛月「うん♪ 一緒に行こ? お姉ちゃん」

【自然と手を差し出す】

 

ズェピア「…今しがた結論が出た。 うむ、では朝食の用意をしよう。」

 

冥ネプ「泣いてた癖に調子良いなぁ…はい、行こ!」

【手を握って一緒に部屋を出る。】

 

【こうして二人が部屋を出るとリビングではのんきに紅茶とサンドイッチを食べているグレイブがいた】

グレイブ「ん? おはようさん二人ともさっさと顔でも洗ってきな~~~?」

 

冥ネプ「愛月君、ストップだからね? 駄目だからね! 何が、とは言わないけど!」

 

ズェピア「やあ、おはよう。」

【ニッコリ。その時、愛月に電流走る】

 

愛月「あっ! グレイブ……ピィ!!!」

【グレイブを見かけて怒りそうになったがズェピアを見た瞬間に震えだした】

 

【その頃部屋にいるルナとビッキィは】

月光剣『マスター、起床の時間です。起きてください』

ルナ「ぅんにゅ…あと3……」

月光剣『3分ですか?』

ルナ「30年……」

月光剣『長いわっ!』

 

ビッキィ「…………みらい……♪」

【幸せな夢を見てる模様(二度寝)】

 

冥ネプ「あ゛っ」

 

ズェピア「む、そうか。いやすまない、あの時は申し訳無かった。その話は後でにしよう。では、上の二人を起こしてくるよ」

 

【愛月は震えて泣きそうになっていた】

 

月光剣『マスター、起きてください。いい加減起きないと恐ろしいものが来ますよ』

 

ビッキィ「……だいすき……」

【まだ夢を見てる】

 

冥ネプ「あー…ズェピアさんも心配だったんだよ。だから許してあげて、ね?」

 

ズェピア「ルナ君からにしようか…とはいえ淑女の部屋だ。すまない、起きてるだろうか?」

【ルナの部屋をノックする。】

 

愛月「ひっ…………ひぃぃぃ~~~」

【めちゃくちゃ怖がってしがみついた】

 

ルナ「…ハッ!? なんだか怖いものがそこにいる気がする!?」

【飛び起きる】

 

グレイブ「あ~~~ららこりゃ完璧にトラウマ出来上がってるな」

 

ビッキィ「……いま、おなか、けったよ……」

【まだ眠ってる】

 

冥ネプ「おーよしよし…ズェピアさんも謝ってたから許してあげよ? いい人だって! ……多分」

 

ズェピア「朝食が出来た。既に並べてあるから好きに食べてほしい。では…

ビッキィ君? 朝食の時間だが?」

【ビッキィの部屋の前に着き、扉をノックする】

 

ルナ「あっ、はい! わかりました! …っと、さっさと用意しよう、うん」

【頭痛からは目を背ける】

 

ビッキィ「……!?」

【気配を察知して(臨戦態勢)飛び起きる。】

 

グレイブ「ん〜大丈夫か? 愛月よ〜」

 

ズェピア「…起きているようで大変結構。朝食が出来たよ。下に降りてくるよう。」

 

冥ネプ「こればっかりはズェピアさんが悪いよぉ…」

 

ビッキィ「……はい……」

【頭をおさえつつ】

 

愛月「ひゃい……もぉグレイブのバカ」

【と言いながら拗ねる】

 

ビッキィ「(なんか、思い出しちゃだめなこと思いだしそう……)」

 

ルナ「ほわぁ…はふぅ…おはよ~」

【起きてリビングへ行き、欠伸しつつ皆へ挨拶】

 

愛月「あむ…………プルプル」

【食べてはいるが震えている】

 

ビッキィ「おはよう、ルナちゃん。」

 

【このときいる全員がリビングへ揃うと、そこには顔を洗って席に着いたまだ宥めてる冥ネプとトラウマ再発愛月。グレイブ。

そして…

 

部屋の隅で体育座りしてるズェピアの姿】

 

ビッキィ「なぁにこれぇ」

 

グレイブ「おっおはようさんおふたりとも」

 

冥ネプ「あ、お、おはよー…サンドイッチ美味しいよ? ズェピアさんが作ってくれたんだって。…そこで体育座りしてるけど」

 

ルナ「おはよ~グレイブ君。…んぅ? なんでズェピアさんはそこに?」

 

ビッキィ「う、うんおはよう。──何があったの?」

 

グレイブ「気にすんな……とは言えないか。」

 

愛月「あっビッキィお姉ちゃん……とルナちゃんおはよ」

 

ビッキィ「……うん、おはよう! 愛月くん? でいいよね?」

 

ルナ「うん…気にしないでおくけど…。愛月ちゃんもおはよう」

【密かに呼称を変えるルナ】

 

ズェピア「…いや…すまない…私のせいなので皆の反応は正当なものなのだ…寧ろ心配だったとはいえあれは私の非であることは間違いない。挙げ句の果てに健全なる少年の心に傷をつけたともなれば監督失格。ので、私は少しこうしている。気にしないでくれたまえ、私は路頭の石だ」

 

冥ネプ「OH……」

 

ルナ「うん…よく分からないですけど、そんなところで座ってないでこっちで一緒に座りましょうよ、ズェピアさん」

 

愛月「今は……『ちゃん』でお願い」

 

冥ネプ「あ、うん。分かったよ愛月ちゃん。」

 

ビッキィ「うん、わかった。じゃあ、愛月って呼び捨てでいい?」

【近づいて頭を撫でる】

 

グレイブ「ズェピアさんやあれはタイミングが悪かっただけだよ」

 

愛月「あっ……( ˶ˆ꒳ˆ˵ )エヘヘ」

 

ズェピア「いや…あれは間違いなく私の失態なのだよ…うむ、見たまえ、あの表情。私がいなければあの無垢な顔を維持できる。うむ…地下で縮こまるのが役に合ってると判断した…」

 

ビッキィ「かわいいね、愛月。」

 

グレイブ「(この人もかなり落ち込んでるな……)」

 

愛月「ふぇ? 私が可愛いの?」

 

ルナ「うぅん…じゃあ私がそちらに行きますね」

【サンドイッチを一つ掴んでズェピアの横に座る】

 

ビッキィ「うん、かわいい。すごくかわいい。」

【一旦撫でるのをやめて、席につく】

 

【愛月は顔を赤くしてソワソワしだした】

 

ズェピア「…うむ、君は優しいのだね。化け物に慈悲は不要だよ。」

【ネガティブ、on】

 

冥ネプ「愛月ちゃん、ほら、これ美味しいよ! あーん!」

【玉子サンド差し出し】

 

ビッキィ「……朝食終わったらやってあげる。」

 

愛月「ありがとお姉ちゃん……あむ〜〜〜〜〜♪♪♪♪」

【目を細めて満面の笑みになる】

 

ルナ「別に優しいとかじゃないですよ。ズェピアさんが来てくれないならこっちから行く、それだけです。それに私にとってのズェピアさんは化け物ではありませんから」

 

ズェピア「……君は─」

【ルナの頭に手を伸ばそうとして、そっとやめる。】

ズェピア「─いや…そう、かね。」

 

ルナ「…?」

【その様子に少し首を傾げるが、気にしない方が良いかと意識を逸らし、サンドイッチを食べる】

ルナ「はむ…もぐもぐ…美味しいですね、このサンドイッチ」

【美味しさに優しい笑みを浮かべる】

 

グレイブ「ルナ〜〜? 隣座るぜ〜」

 

ルナ「はーい」

 

冥ネプ「うんうん、一杯食べて大きくなろうね。」

 

ビッキィ「がっ……」

【ズキュゥゥゥン。あまりのかわいさに】

ビッキィ「(ネプテューヌさんは、大丈夫なの……?)」

【かわいさに悶絶】

 

愛月「どうしたの? ビッキィお姉ちゃん?」

【首を傾げる】

 

グレイブ「よいしょっと、ズェピアさんやあんたは化け物なんかじゃない! これは俺らが保証するからよ。そろそろ立ち直れってな?」

 

ズェピア「……うむ、グレイブ君、ルナ君…ありがとう。」

 

ビッキィ「な、なんでもないっ! なんでもないから……っ!」

 

冥ネプ「ビッキィさん、愛月ちゃんの笑顔が大好きなんだって。ねー? ビッキィさん?」

 

愛月「ほえ? そうなの?」

 

ビッキィ「(ネプテューヌさぁぁぁぁん!? この人楽しんでやがるっ!)」

 

愛月「じゃあ〜」

【サンドイッチをひとつ皿に乗せてビッキィの隣に行く】

 

ビッキィ「(どうしたらいい!? 正直に言えば絶対に引かれるっどうすればいいんだ、私ぃ!? 続くぅ)」大混乱

 

冥ネプ「(色々と振り回されたし、これくらいはね~…)」

 

愛月「ビッキィお姉ちゃん! はいあーん♪♪♪♪」【笑顔でサンドイッチをビッキィの前に出して】

 

ビッキィ「あーんっ」思わず素直に受けとるビッキィ

 

ルナ「…? お礼を言うのはこちらでは? 朝食を用意してもらった側ですから。ありがとうございます、ズェピアさん」

【何かをした自覚がない】

 

グレイブ「朝飯ありがとな。ズェピアさんすんげ〜美味いぜ!」

 

ビッキィ「あっ……」(尊死)

 

愛月「美味し〜?」

 

ビッキィ「────」

【反応がない】

 

冥ネプ「あはは、良い感じ良い感じ。」

 

ビッキィ「美味しいよ、ありがとう。愛月!」

 

愛月「ほんと♪ 良かった〜♪♪」

【笑顔】

 

ズェピア「ハハハ…そうだな、そういうことにしておくとしよう。さて…席に着かせてもらう前に、だ。

愛月君、少し良いかね。」

 

愛月「ふみゅ?! ……なっなんですか?」

 

ビッキィ「…………(あとで覚えててください、ネプテューヌさん?)」

【口パクでいっている】

 

ズェピア「すまなかった。心配していたとはいえ、君を傷付けたことに変わりはない。だが、許してくれるのなら……うむ、差し出がましい願いなのだがね。手を、取ってくれまいか。」

【申し訳無いと片膝を着いて、目線を合わせて手を差し出す。】

 

冥ネプ「(得したでしょ?)」

【同じく口パクで返す】

 

ビッキィ「…………(なにも言い返せない……)」

【悔しそうな顔】

 

愛月「う……うん。ズェピアさん……」

【震えながらもズェピアの手を取る】

 

ビッキィ「(どいやら昨晩何かあったみたいだ……何があったんだ?)」

【記憶がない。】

 

冥ネプ「…ズェピアさん、もうあんなことしない?」

 

ズェピア「誓おう。」

 

冥ネプ「うん! 信じるよ! 愛月ちゃん、大丈夫! この人は優しい『人』だよ!」

【笑顔で落ち着かせるように愛月の頭を撫でる。】

 

愛月「ふにゅ……そうなの?」

 

ビッキィ「どうやら大丈夫そうですね。」

【ズェピアがなにかやったんだろうと察するビッキィ(頭痛はさらに悪化)】

 

冥ネプ「うん、行きすぎたかもだけど…優しいのには変わりないよ。まだ怖いなら、この人を信じる私を信じて!」

 

愛月「お姉ちゃん……」

【笑顔になった】

 

ルナ「…大丈夫そうだね、グレイブ君」

【サンドイッチは食べ終わった】

 

グレイブ「そうだな……ん? ヤベェ」

【持っていたある物を見て、大変なことに気付く】

 

ビッキィ「昨日何があったの?」

【興味本意で】

 

愛月「昨日……プルプルプルプル」

 

冥ネプ「─ビッキィさん。この世には知らなくていいことって、あるんだよ。」

 

ルナ「ビッキィ…君はこの間の二の舞をさせる気かい?」

【模擬戦のときの最後の出来事を指して言う】

 

ビッキィ「……!? 愛月ごめん! 無理して言わなくていいからっ」

【手をとるビッキィ】

 

グレイブ「(やっばどうしようかこれは……この次元ならまさかの状況になりうる)」

 

愛月「ビッキィ…………お姉ちゃん」

【潤んだ目でビッキィを見上げる】

 

冥ネプ「どうかした? グレイブ君。」

 

ズェピア「うむ…面目ない…」

 

ビッキィ「────」

【その時ビッキィの体に電流走る】

 

グレイブ「あ〜〜どうやって説明すればいいのか」

 

グレイブ「なぁビッキィ……少しいいか?」

 

ビッキィ「──? どうしたの?(なんだ今の感覚……)」

 

グレイブ「少し散歩のふりしてついてきて」

【小声】

 

ビッキィ「――わかった。」

 

グレイブ「ふぅーご馳走さん。俺散歩行ってくるから」

 

ビッキィ「わたしも散歩いってくるね」

 

グレイブ「なら一緒に行くか? ビッキィ」

 

ビッキィ「うん。」

 

ルナ「はーい。私はイリゼを起こしてくるね」

 

愛月「行ってらっしゃ〜〜い」

【手を振る】

 

冥ネプ「私には話さないんだなって」

【項垂れ】

 

ズェピア「皿でも洗っているよ」

 

ビッキィ「行ってきます!」

【同じく手をふる】

 

愛月「お姉ちゃんお皿片付けちゃお?」

【ビッキィ達を見送った後ネプテューヌの方を向いて】

 

ビッキィ「ついでに『ネプテューヌ』。行ってきます」

【さりげなく呼び捨て】

 

冥ネプ「あ、うんいってらっしゃいビッキィ。よーし、ズェピアさん手伝うよ!」

 

ズェピア「む、構わないが…愛月君はいいのかね?」

 

愛月「うん……お姉ちゃんと一緒だから」

 

冥ネプ「うーん、あはは…」

 

【外に出てきたグレイブとビッキィ】

ビッキィ「……話って? あるんでしょ。」

 

グレイブ「昨日愛月に飲ませた性転換の薬があるんだがな」

 

ビッキィ「……それで?」

 

グレイブ「あれ間違えたやつ飲ませちまった」

 

ビッキィ「……はっ?」

【殺気がにじみ出るアサシン】

 

グレイブ「後で謝罪や詫びなら幾らでも入れてやるしビッキィが望むなら自害だってしてやる。

そのぐらい不味い事なんだよ」

 

ビッキィ「……そこまでのことなの?」

 

グレイブ「愛月に飲ませちまった薬は『女神化進行薬』なんだよ」

 

ビッキィ「──なっ、はっ? め、がみしん、こう……やく……!?」

 

グレイブ「効力は名前の通りだ。」

 

ビッキィ「グレイブッ!」

【胸ぐらをつかむビッキィ】

 

グレイブ「だからこそお前だけに言ってるんだよ」

【苦しそうに】

 

ビッキィ「~~~ッ!」

【手をはなす】

 

【咳き込むグレイブ】

 

ビッキィ「このままじゃ、このままじゃ愛月は……ッ! 消えちゃう……!」

 

グレイブ「効力を無くす方法はひとつだけ。」

 

ビッキィ「──何ッ! 何をすればいいッ!?」

 

グレイブ「『愛月から直接シェアを取り出す』しかしそれには」

 

ビッキィ「……まさか……」

 

グレイブ「教会に『シェアを取り込む装置』はあるか?」

 

ビッキィ「──やっぱりそれか……!」

 

【皿洗い途中、楽しくやっていた三人の中でネプテューヌの動きが突然止まる。目が呆然と開かれ、愛月の方へ顔を向ける。】

 

冥ネプ「…愛月君…?」

 

愛月「んにゅ? 何……お姉ちゃん」

 

冥ネプ「(愛月君からのシェアが消えてる。いつの間に? 朝から? 意識を向けてなかった。一人分だったから? なんで? ……──)──そっか。……そっか。」

 

ズェピア「どうかしたのかね?」

 

冥ネプ「ごめん、ちょっとお手洗い。」

【無表情で外へ出て、グレイブの方へと歩いていく。】

 

グレイブ「あっやべ」

 

ビッキィ「……ネプテューヌ……」

 

【拠点から歩いてやってきたネプテューヌの顔は俯いてて伺い知れない。

ただ、威圧感だけはあった。

グレイブの前までやってきた彼女は顔を上げる。怒りもなく、悲しみもなく、無だった。】

冥ネプ「ねえ、グレイブ君。」

 

ビッキィ「────ッ」

【恐怖】

 

グレイブ「ネプテューヌ…………その……」

【勢い良く土下座をしようとする】

 

【シェアもない彼女はそれでも素早い動作でグレイブの胸ぐらを掴んだ。】

冥ネプ「…ねえ、グレイブ君さ。

愛月君に、何をして…ううん、違う。

…何、飲ませた?」

 

ビッキィ「(そうだ……! ネプテューヌが気づかないわけがない……!)」

 

グレイブ「の……飲んだ者を……女神にする……薬」

【息も絶え絶え】

 

冥ネプ「…私さ、別に私がシェア消えようが首はねられようが道半ばで死のうが悔しいけど受け入れるよ。だってそれは私の行動結果だから。

でもさ…これは、違うんじゃないかな。」

 

グレイブ「…………」

【黙って聞いている】

 

ビッキィ「……」

【同じく黙っている自分の手を握りしめてはいる。】

 

冥ネプ「女神って、今の私みたいになるんだよ。顔に出してないけど、私の今の状態知りたい?」

 

グレイブ「ぐっ…………うぅ」

【顔真っ青でろくに返答できない】

 

冥ネプ「あ、ごめん。」

【手を放す、でも悪いとは思っていない声。】

冥ネプ「…今もね、体怠いよ。頭も痛い。鉛みたいに重いんだ。正直一人のシェアじゃ足りない。

でもね、一人のシェアなんだよ。

大切な友達の、シェアなんだよ。」

 

ビッキィ「……ネプテューヌ……」

 

【激しく咳き込むグレイブ……ネプテューヌの声は聞こえていた】

 

冥ネプ「間違えたじゃすまない。

治せるからじゃ意味がない。

一人を巻き込むってことはその周囲を巻き込むんだよ。【自分】はそれを理解してる。元の世界で悪魔も天使も堕天使も人も全部巻き込んでるから…【自分】は分かる。

…それだけは、理解してよ。私、許さないから。愛月君が許しても、今回の事だけは…()()()()()()()。」

 

グレイブ「…………ワカッテイル」

 

ビッキィ「私も許さないから……」

【握りしめてる手からちが滴っている】

 

グレイブ「………………」

 

冥ネプ「私、愛月君だから怒ってる訳じゃないよ。皆、平等だから。

…ふぅー、ごめんね! 怖かった? 

それで、どうすれば良い!? 愛月君助けないと!!」

【息を吐いてから表情が快活に戻る。

はっきりと二人には分かる彼女の異常性。精神を2つ飼っていないと出来ないかのような狂気。】

 

ビッキィ「……」

【ビッキィはキレたまま。】

 

冥ネプ「もービッキィ! ずっと怒ってないで! ほら、愛月君助けないと…ね? グレイブ君も反省してるから! 今は、駄目だよ?」

 

ビッキィ「……ネプテューヌ……っ……ふんっ!」

【自分の顔をぶん殴る】

ビッキィ「ありがとう、もう、大丈夫……っ」

 

【グレイブは青ざめた表情で震えていた】

 

冥ネプ「うわぁ!? だ、大丈夫…?」

【心配そうにビッキィへと駆け寄る。】

 

【傷は瞬く間に治る】

ビッキィ「だから、もう、大丈夫だって…」

【にこりとネプテューヌに微笑む】

 

冥ネプ「あ、よかった。 グレイブ君も、大丈夫? 怖かったよね…辛かったよね…ごめんね。」

【グレイブへと駆け寄って、心配そうに顔を覗かせる。】

 

グレイブ「いや……俺が全部悪いんだ。俺が……」

【先程の恐怖が抜けきっておらず震えておりしかも落ち込んでいる】

 

冥ネプ「…ごめんね。私も、悪かったよ。」

【グレイブの顔を抱き寄せて、頭をそっと撫でる。】

 

ビッキィ「……」

【気まずさから声をかけられない】

 

グレイブ「うっ……ひぐ……」

【グレイブは後悔した自分のした愚かな行為に】

 

冥ネプ「大丈夫…まだ取り返しはつくよ。私が、私達がついてる。絶対に大丈夫!」

【泣いているグレイブに優しくあやすようにそう言う】

 

グレイブ「俺が……俺が原因で……あいつが」

 

冥ネプ「大丈夫、大丈夫…私が、救うから。絶対に、諦めない。─悲しみ全てに、希望を灯す。」

 

グレイブ「ネプテューヌ……」

 

冥ネプ「うん、なぁに?」

 

グレイブ「……何とかして愛月を助けないと」

 

冥ネプ「うん、助けようね。それで、方法はあるの?」

 

グレイブ「シェアを取りだす装置とかは無いのか?」

 

冥ネプ「だって、ビッキィ。ある?」

 

ビッキィ「ごめんなさい、装置はわたしのせいで……ッ!」

【恐怖による呼吸困難】

 

グレイブ「嘘…だろ……」

【膝をつく】

 

冥ネプ「…そっか! なら、仕方ないよ!」

【拠点へと歩いていく。】

 

グレイブ「ネプテューヌ? 何処へ……」

 

ビッキィ「ヒューッヒューッヒューッ」

【愛月を助けられなくなったらどうしようという感じ】

 

冥ネプ「──一人きりでは越えられない時は、皆で。皆の力が必要だから全部話すよ。()()()()()()()()()()()!」

 

ビッキィ「ネプ、テューヌ……っ」

 

グレイブ「(俺……これで死ぬのかも……)」

 

冥ネプ「何故なら、主人公ネプ子さんの仲間はそんな危機でどうにかなるわけないからね! グレイブ君も、愛月君もさ! 皆絶対に仲直りするんだからさ!」

 

ビッキィ「……」

【ふらふらとしつつも歩き出す】

 

グレイブ「(これで命をとられるかもしれないが全部俺が悪いんだ)」

【重い足取りで拠点にすすむ】

 

 

 

【協会内】

ズェピア「おや、おかえり……どうかしたのかね?」

 

愛月「あれ? 3人ともどうしたの?」

 

ビッキィ「あ、愛月……(どうしよう、もしほかにほうほうがなかったら…愛月がしんじゃったら…みらいと赤ちゃんのときみたいに……っ)~~~ッヒューッヒューッヒューッヒューッ」

【愛月を見た瞬間体が震えて痙攣しだす】

 

ズェピア「──エーテライト。『休みたまえ』」

【即座にビッキィへと糸を刺して、脳に気絶するように信号を送る。】

 

ビッキィ「────ッ」

【そのまま気絶】

 

愛月「えっ? ビッキィお姉ちゃん?! 大丈夫!?!? どうかしたの???」

 

ズェピア「おっと。…うむ、どうやら、疲れとか溜まってたらしい。寝かせてくるよ。」

【担いで、上へと行く】

 

冥ネプ「ねえ、愛月君。」

【いつも通り、優しく接する。】

 

愛月「んにゅ? どうしたの? お姉ちゃん?」

 

冥ネプ「すっっごい場違いな事聞くし今更なんだけど、お姉ちゃん不安で不安で! そのー…お姉ちゃんのこと、信じてくれる?」

 

愛月「………? うんお姉ちゃんの事信じるよ♪」

【満面の笑み】

 

冥ネプ「わーありがと! おいでー! お姉ちゃんとハグハグしよ!」

【受け入れ姿勢】

 

愛月「わ~い♪♪♪」

【ネプテューヌに抱きつく】

 

冥ネプ「んー…良い子良い子…」

【優しく頭を撫でてから、首筋を叩いて気絶させる。】

 

愛月「ふにゃ~♪♪ …みゃ!」

【気絶する】

 

冥ネプ「……良い子だね、本当…っ、ぅ…」

【愛月君をそっと寝かせてからネプテューヌの額にどっと汗が出てくる。息も荒い】

 

グレイブ「(愛月……ほんとごめんな。…俺って本当に最低な奴)」

【グレイブは愛月を見つめて涙を流していた】

 

ズェピア「戻ったが……どうした。何故それほどまでに疲弊している! 君も寝た方が…」

 

冥ネプ「いいの。…私は、いいの。ずっとこうだからいいの。それよりも…──ルナちゃんも呼んで? ちょっと緊急だから。」

【額の汗を拭ってから、元の何も感じさせない笑顔に戻る。】

ズェピア「…承知した。少し休んでいたまえ。」

 

 

 

ズェピア「ルナ君、少しいいだろうか。」

【緊急でもノックは忘れない】

 

ルナ「…?はい、どうしましたか? ズェピアさん」

【ドアを開き、相手がズェピアなのを確認して首を傾げる】

 

ズェピア「すまない、少々緊急事態のようだ。下まで共に来てもらっていいだろうか?」

 

冥ネプ「ふぅ……グレイブ君、説明頼むからね?」

 

グレイブ「…………」

【無言で頷いた】

 

ルナ「え、ま、また? わ、わかりました」

【念のため月光剣も連れて行く】

 

ズェピア「うむ、またなんだ、すまない。私も今回は理解が及んでいない。」

【ズェピアとルナが下に降りると、眠るように気絶する愛月と心配そうに愛月を見つめるネプテューヌ、そして部屋の隅で落ち込みきったグレイブの姿があった】

 

ルナ「うわっ!? え、あ、愛月ちゃんは寝てるだけとして、なんでグレイブ君そんな落ち込んでるの!?」

 

【グレイブは全力土下座をした。】

 

ルナ「!?!?」

【ルナは 混乱している!】

 

【顔をあげたグレイブの額からは血がたれていた】

 

ズェピア「…?」

 

冥ネプ「…あのー…土下座じゃなくて、説明を~…」

 

ルナ「血ぃ!? え、ちょ、手当!?」

 

グレイブ「俺なりの気持ちの切り替え方なんだよ……」

 

冥ネプ「分かったよー…」

 

ズェピア「うむ、そうかね。切り替えは済んだかな…?」

 

グレイブ「まぁ説明出来るくらいには」

 

ルナ「な、なんだか雰囲気が重いね、皆…うん。ちょっと待って、落ち着くから。……うん。落ち着いた」

 

ズェピア「うむ、では、何故そこまで深刻な顔をしているのかについてだが…君の事だから愛月君かな?」

 

グレイブ「ズェピアさんの言う通り、今回は完全に俺がやらかした事なんだ」

 

ルナ「愛月ちゃん? 愛月ちゃんが、どうかしたの?」

【愛月ちゃんを見ても寝てるだけにしか見えないルナは首を傾げる】

 

ズェピア「…少し診せてもらっても?」

 

グレイブ「………」

【頷く】

 

【ズェピアが愛月に触れ、少しすると顔を険しい物に変える。】

ズェピア「…魂の変質? 昇華、だろうか。…人から女神へと転じかけているね。」

 

【その言葉を聞いた瞬間グレイブは涙を零し始めた】

 

ルナ「えっ!? それってどゆこっ…いやごめん。ちょっと混乱しかけたけど、今はそういう場合じゃないんだよね」

 

ズェピア「グレイブ君、説明を求めるよ。原因であるのなら、泣いているのではなく言葉でお願いしようか。」

 

冥ネプ「うーんごもっとも…」

 

グレイブ「原因は昨日俺が愛月に飲ませた薬が原因なんだ……」

 

ルナ「薬……確か昨夜愛月君に飲ませてた性転換薬……?」

 

ズェピア「性転換薬ではなく、女神化促進の薬だったと?」

 

【グレイブはバッグから薬の瓶を出して床に置いた】

 

ズェピア「…ふむ、確かに女神化促進薬らしい。実際念入りに調べないと分からないが…しかし、ラベルを剥がした跡があるが。」

 

グレイブ「ズェピアさんの言う通り。ラベルについては今朝俺が剥がして判明した」

 

ズェピア「君は勘違いした、ということでいいのかな。」

 

グレイブ「少なくとも昨日の夜の時点までは勘違いしていた」

 

ズェピア「…それで、今朝方気付いたと。詰まるところ、君がビッキィ君にだけ内密に話したというわけだ。」

 

冥ネプ「まあ、私も気付いたんだけどね? シェアは私がもらってるわけだし」

 

グレイブ「その後2人から説教された……胸ぐら掴まれてな」

 

ズェピア「そうか。では、私は何も言うまい。」

 

冥ネプ「で、皆で解決したいなって思って来たんだ。何かないかな…」

 

ルナ「なるほどね。…でもその前に私からグレイブ君に訊きたいことがあるんだ。いいかな?」

 

グレイブ「いいよ。ルナ」

 

ルナ「じゃあちょっと状況を整理しながら訊くんだけど…グレイブ君は今朝、その瓶のラベルが重なっていたことに気付いたんだよね?」

 

【グレイブは頷く】

 

ルナ「じゃあその前はなんて書いてあったのかな」

 

グレイブ「この性転換のラベルが貼ってあった」

【と言いながらラベルを手に取り見せる】

 

ルナ「これか。…見たところ性転換薬としか書いてないね。私から見たらこれ、どう見ても怪しい薬なんだけど…君はどう思う?」

 

グレイブ「今……考えるととんでもなく怪しい」

 

ルナ「そう、よかった。君にちゃんとこれが怪しいものだって思える感性があって。…でもね、どうして今になってそうちゃんと認識できたんだろうね。どうしてその時は気付けなかったのかな。気付けていたら、君は君の大切な仲間を今、危険に晒していることもなかったのにね」

 

グレイブ「夜遅い時間にこれを見つけて……ラベルを見た……冷静な判断力が欠如していたから」

 

ルナ「そっか。冷静な判断ができなかったか。それでやっちゃったんだね。けどね、今回はこれが段々と女神様に…人間じゃなくなるお薬だったからまだ猶予はあるけど、これがもし毒薬だったら? 即死系の劇薬か、体に一生不自由が残る毒だったら、グレイブ君はどうしたのかな」

 

グレイブ「嘆いて一生後悔しながら……愛月を…………世話するか……自ら命を絶つ」

 

ルナ「うぅん…最後のは私も君の立場だったらやりかねないけど…うん。悲しいよね。辛いよね。そのことをグレイブ君はちゃんとわかったんだね?」

 

グレイブ「あぁ……いやという程……ネプテューヌとビッキィから……教えられた」

【体を震わせながら】

 

ルナ「ははは…じゃあそこはもういっか。うん。グレイブ君、これからは大切な人を自分の手で危険に晒すようなこと、しないでね」

【優しく言い聞かせるような叱り方】

 

グレイブ「わかってる…………二度としない…………してしまったら……確実に命を絶つ」

 

ズェピア「…そろそろよろしいかな、ルナ君。」

 

冥ネプ「ルナちゃんのお説教シーンは初めてかもね。」

 

ルナ「いいですよ、ズェピアさん。…そういえば確かに私、お説教したの初めてかも」

 

グレイブ「だからこそ……頼む! 愛月を…………俺の大切な仲間を……助けてほしい!!」

【すがりつくように涙を流しながらグレイブは土下座して頼んだ】

 

ズェピア「それは確定事項だ。」

 

冥ネプ「んーじゃあ、何とか出来る手段あるよって人いる?」

【ネプテューヌの質問にズェピアは軽く手を上げる。】

 

ルナ(月光剣……)

月光剣『はい、マスターのお考えは可能な範囲の解決法かと』

ルナ「(ならやるか……)…はい」

【ルナも軽く手を上げる】

 

ズェピア「私のやり方は極めて何も残らないやり方だが…あるにはある。」

 

冥ネプ「めっちゃ気になる。」

 

ズェピア「うむ、説明してもいいが、まずはルナ君に譲ろう。そちらが駄目ならば試すとするよ」

 

ルナ「わかりました。…私が可能な解決策だけど…これを使うんだ」

【そう言ってルナはひし形の透明無色のクリスタルを取り出した】

 

グレイブ「それって……クリスタル?」

 

冥ネプ「えっとー見たことあるよ! シェアクリスタル、だよね? シェアはないみたいだけど…」

 

ルナ「うん、シェアクリスタル。もっともこれはシェアエネルギーから作られたものでもないし、中身が入ってるわけじゃないよ」

 

ズェピア「なるほど、抽出するということか。」

 

冥ネプ「出来るの?」

 

ズェピア「女神へと転ずる原因が薬の生み出したシェアならばシェア全てを抽出すれば変化は止まり、元に戻るだろう。ついでに性別もね。」

 

ルナ「そういうこと。これにはシェアを注ぎ込んで蓄える機能がある。それを使うんだ」

 

グレイブ「みんな……ありがとう…………ほんとうにありがとう」

 

ズェピア「であれば、すぐに実行しようか。何か手伝えることはあるかな。」

 

冥ネプ「あ、私も私も!」

 

グレイブ「俺も手伝うよ!」

 

ルナ「そう言ってくれるのは嬉しいんだけど……うーん、特にないかな。これはこの偽物と私がいればできる方法だから。…あっ、あと相棒ね」

月光剣『はい、マスター』

 

ズェピア「そうか、では待つとしよう。」

 

冥ネプ「うーん歯痒い! お願いね、ルナちゃん!」

 

ルナ「うん、任された。じゃあやってみようか、相棒。

(…愛月君を助けるには愛月君が取り込んでしまったシェアを抽出すること。…正直それ自体は私の能力で出来る。でも……)」

月光剣『彼から流れ込んだシェアとマスターの力が反発し、逆流が起きてしまいます。そうなりますと逆流したシェアに交じってマスターの力も流れてしまい、彼の女神化が進んでしまいます』

ルナ(自分でもどうして自分の力が流れたら女神化が進むのかよく分からないけど、それは避けたい。なら一度私の中に取り込んだシェアエネルギーを、このクリスタルに移し替えればいい。そう、イメージするのは器から器へと移す光景。私はその間の管だ)

【愛月君の手を右手で握り、左手にシェアクリスタルを握って集中する】

 

【愛月はルナの手を握り返した】

 

ルナ「っ! …愛月君、私、頑張るね」

 

冥ネプ「頑張って、ルナちゃん…!」

 

グレイブ「ルナ……がんばれ」

 

ルナ(大丈夫。期待に応えろ、私。冷静に、明確にイメージするんだ、器を、そのなかの力を、移し替える…!)

【すると愛月君の体が僅かに光を纏い、その光はルナの手を伝い、体を伝い、そして反対の手に握られたシェアクリスタルへと流れる】

 

グレイブ「すげぇ……」

 

【輝きを失くしていたシェアクリスタルにその光が注ぎ込まれ、徐々に輝きを宿していく。それは無限の可能性を秘めた七色の輝きだった】

ルナ(月光剣、あとどれくらい?)

月光剣『残り1割。シェアクリスタルの容量、残り5割です』

ルナ(なら最後のひと踏ん張り!)

【やがて愛月君から光が消え、それに伴い伝っていた光もまた、全てシェアクリスタルに注ぎ込まれた】

 

グレイブ「ルナ……愛月は?」

 

ルナ「…大丈夫、終わったよ」

【安心させるように笑みを浮かべているが、その額に伝う汗は隠せていない】

 

ズェピア「…ふむ、少々診させてもらうよ。」

【愛月の首筋にエーテライトを刺し込む。】

ズェピア「…ふぅむ、魂の昇華も止み…人の魂へと…。うむ、施術成功、見事な手際だルナ君。後遺症はないだろう。」

 

冥ネプ「よ、よかったー!」

 

グレイブ「本当よかった……本当に……」

【グレイブはその場に崩れ落ち……笑みを見せた】

 

ルナ「えへへ…よかっ…た……」

【その場に倒れる。意識は保ったまま】

 

グレイブ「ルナ!?!? 大丈夫か!?!?! 

 

ズェピア「うむ、よく頑張った。」

【倒れるルナを受け止める。】

 

ルナ「あ、ズェピアさん…はい、がんばりましたよ~私…グレイブ君も、よかったね……」

【肩で息をするほど疲弊している】

 

グレイブ「本当にありがとうな……ルナ……本当に」

 

ズェピア「存分に休むといい、後は私がやろう。」

 

ルナ「どういたしまして。…じゃあすみませんが、あとはおねがいしま…す……」

【気を失ってしまった。だがその顔は安心しきった顔だ。】

 

【グレイブは、愛月の近くにより左手を握った】

グレイブ「本当にごめんな。愛月……本当に」

 

ズェピア「…ふむ、やはりこうでなくては。譲ってよかった。 …グレイブ君。」

 

冥ネプ「愛月くーん、よかったよー!」

【ちょっと泣いてる】

 

グレイブ「ズェピアさんどうしたんですか?」

 

ズェピア「君は運がいい。その事を努忘れぬようにしたまえ。人から変異していく存在など、気のいいものではないよ。では、私は功労者を部屋へ運ぶのでね。」

【ルナちゃんと月光剣を部屋へと運びに行きます】

 

グレイブ「はい」

【すると愛月は少し身動ぎ目を覚ました】

 

冥ネプ「愛月君、起きた?」

 

愛月「あれ? お姉ちゃん……僕寝てたの?」

 

冥ネプ「うん、寝てたの! いやー戻ってよかったー…ホント、戻って…よか…」

【心労から解放されたのかぶっ倒れる】

 

グレイブ「ネプテューヌ!?!? 大丈夫か!?」

【慌てて受け止める】

愛月「はわわ! お姉ちゃん!?!? しっかりして〜!?!?」

 

冥ネプ「……」

【半ば気絶するように眠っている。

共にいて事情を知るグレイブならば原因は分かるだろう】

 

グレイブ「……ほんと悪かったネプテューヌ。ほんとに」

【右手を握り静かにつぶやく】

愛月「お姉ちゃ~んしっかりして〜!!」

【左手を握って心配そうな表情をする】

 

冥ネプ「うーん……プリン~……うへへ…プリンの海…皆で…えへへ~…」

 

愛月「プリン? お姉ちゃん本当にプリン大好きだな〜」

 

グレイブ「悪かったネプテューヌ………はぁ」

【優しく抱き上げ部屋に運びながらつぶやく】

愛月「と言うか僕にも言ってよぉ〜大変だったんだからさぁ!」

【ネプテューヌの手を握り小声でグレイブに文句を言う】

グレイブ「………………悪かったよ。だからこれ以上俺の傷を抉らないでくれ」

【と言いながら部屋の前に到着し愛月に扉を開けてもらいベットに優しくネプテューヌをおろした】

愛月「…………わかった………じゃあおやすみグレイブ。」

【ゆっくりと頷き自分もネプテューヌの隣で横になり眠りについた】

グレイブ「はぁ……寝たか…………ほんとこれから謝んねぇとな」

 

冥ネプ「…ぁ……──」

【よく聞こえないくらい小さな寝言】

 

グレイブ「ん?」

【耳を近づける】

 

冥ネプ「──『皆』……家は……どこ……?」

 

グレイブ「…………元の次元に帰る方法か」

 

冥ネプ「…ん…スゥ……スゥ……」

 

【優しくネプテューヌの頭を撫でながら】

グレイブ「しっかり探さないとな」

 

冥ネプ「…えへへ……スゥ……」

【僅かに安堵した笑み】

 

グレイブ「俺たちの為……みんなの為に」

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