ズェピア、ルナ
ズェピア「たまには、外でお茶でも如何だろうか。今日は日差しもいい、風も強くないいい日だ。」 【吸血鬼です】
ルナ「ですね。ではお言葉に甘えてご一緒させていただきます」
ズェピア「うむ、こんな日に中にいたのでは鬱屈としてしまうからね。テーブルと椅子は用意してあるので、行こうか。」
ルナ「準備がいいんですね…はい。行きましょう」
ズェピア「というわけで今回はアールグレイだ。ストレス解消、つまりリラックス効果もあるのでこういう日に最適だね。マカロンは食べられるかね? 味は一通り揃えてあるのだが、食べられなければ別を用意しよう。」
ルナ「ありがとうございます、ズェピアさん。大丈夫ですよ、甘いお菓子は好きなので。
くんくん……へぇ…良い香りですね、この紅茶」
ズェピア「流石、紅茶を分かってるね。匂いから楽しむのが紅茶だ。上手く淹れられているかは不安だったがその様子だと心配は徒労だったようだね。」
ルナ「はい。…はふぅ。落ち着くなぁ」
【紅茶を一口飲んでほっとした表情をする】
ズェピア「最初は何度か失敗していたがね、ハハハ。最近は騒がしい日が多かったから心労もあっただろう。私からの労りとでも思ってほしい。」
ルナ「お気遣いありがとうございます。…はむ。ん~♪」
【マカロンを一口食べ、その美味しさに幸せそうな笑みを浮かべる】
ズェピア「その表情、作り手としては一番の褒美となるよ。」
【穏やかな表情で紅茶を飲む】
ルナ「ほぇ? そ、そうですか…? 変な顔をしてたんじゃ……」
【ちょっと不安】
ズェピア「何、幸せな顔だったとも。是非そのまま堪能してくれたまえ。」
ルナ「そうでしたか…? なら安心かなぁ…はむ。ん~♪」
ズェピア「菓子もそれくらいの気分で食べられるなら本望、というものだろう。」
ルナ「えへへ…でもそれを言うなら、お菓子も紅茶も、こんなに美味しくしてもらって喜んでいると思いますよ」
ズェピア「おや、これは一本取られたかな?」
ルナ「一本とか、そういうつもりはなかったですけど…ふふっ、一本取れちゃいました」
ズェピア「うむ、取られてしまったね。お見事と言えよう。」
ルナ「いやぁそれほどでも…」
【照れて、照れ隠しに紅茶を一口飲んではふぅと落ち着く】
ズェピア「ふふ……そうだな、ここらで会話に華でも咲かせようか。会話もまたこの場を盛り上げる要素の1つ、だからね。」
ルナ「ですね~。それで何を話しましょう?」
ズェピア「うむ…といっても我々にはそこまで互いを知りえていない。なのでここは互いの思い出話というのはどうだろうか。」
ルナ「思い出ですか…何かあったかな?」
【思い出そうとするルナ】
ズェピア「何、楽しかったことでいいとも。例えば私の場合は友の話などになるかな?」
ルナ「ズェピアさんの友達ですか? わぁ、聞いてみたいです!」
ズェピア「ふむ? ならば僭越ながら私から。そうだな…彼は若いながらも多くの上司でね。私もよく付き合ったものだ。まあ、かなり無茶振りを振られたので私も無茶振りを返す、そんな仲でね。」
ルナ「へぇ…無茶振りをお互いに振れるって、とても仲が良かったんですね」
ズェピア「うむ、本人には決して言うつもりはないが親友という間柄と言えよう。私の生活面のサポートもしてくれた良き男だよ。未熟な面も目立つのだが、それもまた味がある、というやつだ。」
ルナ「本人には言えないけど親友と呼べる相手がいる、いいですね。未熟なところに味というのは私はちょっと分からないですけど……」
ズェピア「完璧な者などいないさ、未熟ゆえに惹かれるものもある。他にもいるが、次はルナ君にバトンを譲ろう。」
ルナ「私ですか? 私の思い出か…あ、向こうで初めて友達が出来たお話がいいかな」
ズェピア「君の友か。気になるな、是非聞かせてほしい。」
ルナ「はい。では…えっと、その子は私が記憶を失くしてから初めて出来た友達で…ってあれ? ズェピアさんに記憶喪失のこと言いましたっけ?」
【確認を取る】
ズェピア「ふむ? それは初耳だ。いやしかし気にすることでもあるまい。今の君もまた真実だとも、聞かせてほしい。新たな君が出会った友人の話を」
ルナ「では続けますね。…その子のことは最初、記憶を失ってしまった私を助けてくれた恩人の一人という印象だったんですが…ある日別の恩人の方からの提案で、ピクニックに行ったんです。恩人はその子を含めて四人いて、その時は用事で行けなかった一人の恩人を除いて四人で行きました。近くの自然公園の、とっても大きな大木の下で。そこで私、アイエフさ…もう一人の恩人に剣の扱い方を教わったんです」
ズェピア「なるほど、君の戦い方の師というわけかな。」
ルナ「そうなりますかね。それで一通り教わって、その方からの提案でその子からも剣の扱い方を教えてもらうことになりました。その方のはカタールで、その子はビームソード…私と似た武器でしたから。それでその子からも一通り教えてもらって…最後に模擬戦をしました。もちろん寸止めで。最初勝てるかなって不安で…でもその、私の中の何かが出たのか…というかそうとしか思えないんですが、私、その子に剣で勝っちゃって、その子落ち込んじゃって……。先輩だから先輩って呼んだら元気を取り戻してくれました。でもそのすぐ後に友達が良いって言ってくれて。それでその子と友達に、初めての友達が出来ましたってね」
ズェピア「とてもいい話だった。うむ、その友人もだが…君のことが見えてきた気がするよ。ふふ、いい盛り上りだ。 では、私も相応の話で返させて貰おう。そうだな…娘との一時を話させて貰おう。」
ルナ「ズェピアさん娘さんいらっしゃったんですか? わぁ、その話すっごく聞きたいです!」
【嬉々として聞きたがるルナちゃん】
ズェピア「そうかな? では。 彼女はそうだな、金の髪を長く伸ばした子で…といっても養子になるのかな。まあとても優しい子だ。私が親となってからはそれはもう教えに教えたとも。家事、一般常識、人との接し方諸々。 うむ、しかしどうも本人は恥ずかしいのかお父さんと呼んでくれず未だに名前で呼んでくる始末でね?」
ルナ「ははは。そうですね、最初に呼んでいた呼び方って、後から変えるのにちょっと恥ずかしさがありますね。その呼び方が親しいことを表すものだったら尚更」
ズェピア「うぅむ…とても残念だ。 あれ程熱心に人に物を教えたことはないと断言してもいい。いやもう可愛くてね。そんな彼女と本を共に読んだ時があった…あの時は雨だったので外に出るのはやめてね。珍しく読んでほしいとせがまれたので、読み聞かせたかな。」
ルナ「…うん。それは本人なりの甘えだったのかもですね」
ズェピア「かもしれない。 とかく彼女はその人物の心情を知りたがった。私なりの解釈で伝え、読み進め…ふと、質問の声が聞こえなくてね。寄り掛かったまま寝てしまった。 少し残念だったが、有意義な時間には変わりなかった。そのまま娘を寝かせて、私は座って続きを一人で読んでいた、という話だ。うむ、娘自慢になってしまったかな、これは。」
ルナ「自慢でもいいですよ。とっても優しいお話でほっこりしましたから。娘さん、きっとズェピアさんの優しい声と傍にいる温もりが心地よくて寝ちゃったんですね」
【優しい笑み】
ズェピア「そうだとすれば、父親冥利に尽きるがね。」
ルナ「ズェピアさんはとっても優しくて、傍にいると安心するお父さんだったんですね。娘さんにとっては」
ズェピア「ハハハ、褒められるのも存外悪くはないな。どうやら、互いを理解できたいい茶会には出来たようだ。」
ルナ「ですね。…ズェピアさん、今回はお誘い頂きありがとうございました。紅茶もお菓子もとっても美味しかったです」
ズェピア「いやいや、私も有意義だった。では、片付けといこうか。」