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「ジークフリード・キルヒアイスが生きていたら……」
というのはローエングラム元帥府幕僚陣がしばしば口にすることであった。
銀河帝国皇帝に対し奉り甚だ不敬を承知で断言するが、キルヒアイスは野心以外のあらゆる面においてラインハルトより勝っていた。
「ジーク、弟と仲良くしてやってね」
そうアンネローゼは言った。
アンネローゼからキルヒアイスへ、キルヒアイスからヤンへ、ヤンからユリアンへ、そしてその傍らにはヒルダがいて。こうして私人としてのラインハルトの後見人たる役目は、人の思いは受け継がれていくのだろう……
ヤンは夢を見ていた。
幻想的な白い背景の中、暖色系の紳士的に後ろで手を組んでいる赤毛ののっぽさんは睫毛を伏せてラインハルトの新たな友人を穏やかな色をたたえた瞳で見つめていた。
「キルヒアイス上級大将」
銀河帝国軍最高司令官が発布し元帥号よりラインハルトの臣友としてともに得た上級大将の称号で彼を呼んだ。
「まさか僕の夢にまで会いにきてくださるとはね」
キルヒアイスは穏やかに語った。
「ヤン提督、ラインハルト様をどうか頼みます」
ヤンはヤンらしくこれが夢であることを自覚していた。
かつての友人からラインハルトを託された新しい友人は目覚めた。
ヤンが医務室を見渡せばラインハルト、ヒルダ、フレデリカがいた。
フレデリカが泣きじゃくりながら抱きついてくる。
その中にあってヤンの手は寝ている間にラインハルトのペンダントに伸びていた。
ラインハルトは特に拒まず、赤毛ののっぽさんの遺髪が収まる星を触らせていた。
窓に映るのは、かつての美しさは失えども、かけがえのない星。母なる星。
そして、みずからの覇道を少しだけ譲歩することによって得た、かけがえのない仲間たち。幸せの形がそこにあった。
「地球って言ったな、まあまあの星じゃないか」
* *
銀河帝国と自由惑星同盟に現れたふたりの英雄に休息の暇は与えられなかった。
──同盟首都星ハイネセンにてクーデター発生!
あのヨブ・トリューニヒトが銀河帝国皇帝ラインハルトと同盟総督ヤンの盟約を自由惑星同盟に対する脅威とみなし、例のごとく同盟市民を焚き付け、トリューニヒト派の軍を動かし、現在地球宙域に展開中のヤマト艦隊への攻撃を目論んでいるとの情報が入ったのである。
「キャゼルヌ一家を人質にとったのとの情報も入っているのか。やっかいだな」
ヤンはスカーフを結び、おさまりの悪い黒髪にベレー帽を乗せる。
『ヤマト艦隊は最低限の残置部隊を残し、急ぎハイネセンに向かう!』
急げヤマト艦隊よ! ハイネセンは英雄の凱旋を待っているのだ──!
第三章『共同作戦』
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