二次創作筆者の解釈が正しければ、この物語の原典は最悪の民主主義と最高の専制主義の対立軸に宗教、経済、軍事、思想、さらには恋と友情を横糸と位置付けてよいのであれば銀河を股にかけた
その主人公たるや、ラインハルト・フォン・ローエングラム。
それを理知的な視点で見届けるのが、ヤンウェンリーその人である。
両人のどちらもが、過去より未来に多くの可能性を持つ年齢であった……そうだったはずであるが、ふたりは若すぎる年齢で命数を使い果たす。その悲劇に対して、筆者は一種のアンチテーゼを投じあり得たかも知れぬ未来をここに書き記すのである……その物語、その名は──
《 銀河英雄伝説二次創作:改新篇 第一章『皇帝万歳』─Ⅱ─ 》
……銀河帝国軍最高司令官ラインハルト・フォン・ローエングラムの乗るシャトルがハイネセン衛星軌道上を遊弋する艦隊旗艦ヒューベリオンに着艦した時、多くの同盟軍兵士が見物、いや、野次馬に群がっていた。この部隊が自由惑星同盟軍の中でもさらに軍規に緩いヤン艦隊であることに下士官兵は感謝し、まるで芸能人が来たかのようにラインハルトを迎えたのである。歓喜とは少し違う庶民感覚でのにぎやかな歓迎だった。
ポプランはウイスキーの瓶片手に顔を赤らめながら、
「くたばれカイザー!」
とんでもないことを言い放った。
キスリング大佐の視線が痛い。
「おい!」
「いって!」
憲兵総監ウルリッヒ・ケスラーが目をするどく細めブラスターを抜く前にアッテンボローがポプランのうなじに手刀をお見舞いする。
「す、すいません、どうもこいつは反骨精神豊かなようで」
ビッテンフェルトが拳を宙に浮かべ、ケスラーがため息をつき、視線で主君に判断を仰ぐ。
「よい。予は大帝ルドルフになるつもりはない」
もはやルドルフは帝国と同盟の共通の悪人の代名詞となっていた。そして悪人の代名詞と言えばもうひとり、
「よいのですか?」
「くどいぞオーベルシュタイン。この酔っぱらいは酒の勢いでつい本音を漏らしたのだろうがたった今上官による鉄拳制裁を受けたではないか。よって不問とする」
「ぶっ!」
「くくく」
同盟軍の若い兵士がつい噴き出した。
「も、申し訳ありませんでした! 金髪のこz──」
アッテンボローが慌てて口を塞ぐ。
「──き、金髪の閣下!」
今度はミッターマイヤーが目を見開き頬を膨らませた。
「ふむ、気に入った。小僧から閣下か」
ラインハルトは白皙の顎に手をやり、大真面目に頷く。
「「えっ!」」
同盟軍と帝国軍が驚く。
「(はて、ラインハルトはこんな性格だっただろうか?)」
とオーベルシュタインの義眼は文書を差し出しながら脳に送信するデータを機械的に逡巡していたにちがいない。
「御意。私がいなくてよろしいのですか?」
「卿がいると話がこじれる」
オーベルシュタインの死角で帝国軍将官が静かに頷くのを見てヤン艦隊の主要幹部が義眼の参謀の評判を理解した。
ヤンは咳払いする。
「では閣下、私の執務室にご案内します」
ラインハルトの二人目の友人はおさまりの悪い黒髪をベレー帽におさめ、いまいち一本芯の通っていない背筋で彼を先導していく。
……キルヒアイスが生きていたら何と言うだろうか。
らいとすたっふルールに準拠しているか
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ルール違反
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ルール範囲内