サブタイトル、あらすじ加筆しました。
「大丈夫か!?」
皆が一斉に同じ言葉を叫んだ。
式典会場を襲ったテロ事件、会場ステージが白煙に包まれる中、我らがヤン総理大臣はフレデリカを庇いながら地面に伏せ、顔だけ起こし咳き込む。
ラインハルトを親衛隊がかばい、フロイラインマリーンドルフがマリーンドルフ貴族院議長を助け起こす。
レベロ衆議院議長が立ち上がり、すみやかに情報収集する旨みずからの秘書に言いつける。レベロは二手三手先を見越し、万が一の議会緊急集会に備えて、無事な議員の安否確認を取ろうとしていた。
レベロはさらに考える。まだヤン・ウェンリーは衆議院で首班指名、内閣総理大臣任命されたばかりで、閣僚の選任すら終わっていない。
そして今は、誰が敵で誰が味方かわからない。
発砲音が聞こえてきた。もう猶予はない!
「ブリュンヒルトに皆を乗せるか!?」
「なりません陛下」
ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ大将が軍事的見地から意を唱えた。
「ここで皇帝陛下、内閣総理大臣、貴族院議長、衆議院議長、最高裁判所長官の全員が同乗すれば、格好の標的となります」
このままではブリュンヒルトがいわゆる内閣総辞職ビームを喰らいかねない。
「私も同意見です」
ヒルダも頷いた。
「わかった。従おう。立法府と司法府の皆は分散して脱出せよ。その指揮はミッターマイヤーとミュラーが取れ」
「御意!」
「ビッテンフェルトは黒色槍騎兵艦隊を猪突させ、敵の包囲網を食い破れ!」
「御意!」
「ロイエンタールは姉君を連れて逃げよ」
「はっ、すでにそのように」
「ラインハルト、まずはハイネセンの旧最高評議会地下危機管理センターを掌握する必要があると考える」
内閣総理大臣は皇帝を呼び捨てにして進言した。
「同意だ。だがハイネセン当局が敵か味方かわからぬではないか」
と、上空から爆発音が響く。
見れば、ブリュンヒルトが中性子ビーム砲で艦砲射撃をしながらガンシップのごとく上空を旋回しているではないか、右へ左へ半円の孤をなぞるようにバレルロールし戦闘機のごとく軽やかな機動で敵の対空砲火を躱していく。
それは白鳥そのものだった。
艦長はどんな操艦をしているのか。
『こちらユリアン・ミンツです。ラインハルト陛下、ヤン総理、聞こえますか!?」
艦長ではない。ただの天才だ。
「よく聞こえるよ、ユリアン」
『負傷した艦長らから一時的にブリュンヒルトの指揮を頼まれました! 僕が囮となり敵を惹きつけます!』
いいのか? と帝国側の幕僚が互いに目線を交わす。
「構わぬ! ユリアン・ミンツ、ブリュンヒルトを任せた!」
『捕虜によれば、地球教であることを自白しました』
「了解だユリアン。我々は最高評議会ビル地下危機管理センターをこれから掌握する」
『ヤン提督、いやヤン総理もハイネセンから脱出なさってください!』
『ユリアン、それはできない。私は首相だ、皇帝を輔弼し市民を守る義務を負う。国民を見捨ててここを離れることはできない』
ヤンは確実に総理大臣として鋼の意志を持ちつつある。
そこへ会場の警備に当たっていたローゼンリッター連隊が駆けつけ、ラインハルトとヤンを守るために陣形を組んだ。
「カイザーラインハルト、亡命の身ながらお守り申し上げる!」
ワルター・フォン・シェーンコップが斧を構え、薔薇が刻まれた装甲服でラインハルトとヤンを守る。
ブリュンヒルトからワルキューレが展開される。
「ポプラン、コーネフは制空権を確保!」
「了解!」
「オーベルシュタイン、オイゲンリヒター、カールブラッケ、予と同行せよ、危機管理センターにて組閣を行う』
彼らは地下危機管理センターに向けて走り出した。
途中、ラインハルトは妙な報告を聞いた──ロイエンタール艦隊、地球へ向けて発進!? と。
ご感想お待ちしております。
らいとすたっふルールに準拠しているか
-
ルール違反
-
ルール範囲内