舞台は中山、芝、1200m
"王"を冠する二人が相対する
「速すぎた、そして早すぎた」
驀進王 サクラバクシンオー
「世界の龍王」
龍王 ロードカナロア
彼女らの対決が今ここに。
「本日のエキシビジョンマッチレース、スプリンターズステークスはもう間もなく発走です。今しばらくお待ちください。」
「本日のマッチレースは芝、1200メートル、馬場状態は良で開催されます。」
少し離れた控室を与えられ、レース開始を待つ二人の王者。
桃色の勝負服、随所にサクラがちりばめられたそのデザインは名門の伝統を感じさせる。しかし彼女はそれを気負うことなどない。
「さぁ!今日も学級委員長として全力でお相手しましょう!!」
白地に鮮やかな青の差し色、南海を思わせる涼し気な立ち居振る舞いは大王の威厳を感じさせる。
「...全力でぶっちぎる。世界を手中に収めてこそ...」
心意気をひとつ声に出して控室を出る。控室外で待機していた係員は彼女らを見て、後に口を揃えて言った、
「自然と頭を下げていた。」と。
地下バ道入り口で出会った二人は先輩後輩としての態度を捨てていた。
「カナロアさん!今日はこの私が勝たせていただきますっ!なんってったって最強の学級委員長ですから!わっはっはっは!!」
「...あなたのレコードは私が塗り替えました。今の最強は私です...」
「ふふーん。それこそ過去の話ですっ!直接対決で、すっぱり決めましょうっ!!」
「...望むところ...!」
地下バ道から姿を現す二人。スタンドから響く大歓声に応えると落ち着いた足取りでゲートへと向かう。向こう正面のゲートに今、揃って足を踏み入れた。
ガッコン!!
「今、スタートです!!」
「揃って良いスタートです!前に出たのはサクラバクシンオー、その後ろ1バ身離れてロードカナロアが追走します。」
「向こう正面抜けて3コーナーへ、差は変わらず1バ身!しかし、スタンドの熱狂はこの放送席までも強く届いています!」
「さぁ4コーナーへ突入!依然動かない!マッチレースゆえにマークされる形となったバクシンオーが若干不利か!」
「そして直線コース!ここで動いた動いた!ローーードカナロアが並びかけてくる!しかしバクシンオーも一気に加速!!」
「中山の直線は短い!あまりに短い!バクシンオーが1バ身半へ引き離す!」
後ろから迫る気配を感じて思い起こす。本格化前とはいえ、得意の距離でこのように差し切られたレースがあったと。恐るべき勢いで大外から飛んできた少女はあの時美しい花を咲かせていた。
「抜かせないっっ!!」
激闘を繰り広げたライバルのためにも抜かせるわけにはいかない。
「残り100メートル!ここでローーードカナロア突っ込んできたぁ!!」
右前方を逃げる姿を見て思い出す。初G1の挑戦者として臨み、前を捕まえられなかったレースがあったと。可憐な走りで走り抜けた彼女は不覚にもカワイイと言わざるを得なかった。
「抜き去ってやるっっ!!」
受け継いだ王者の称号を渡すわけにはいかない。
「「うぉぉぉぉおおおおぉぉぉ!!!」」
「残り50メートル!ほとんど並んだ!譲らない!譲らない!」
「どっちだ!どっちだ!!夢に刻まれた、最速はどっちだ!!!」
ifが大好きなんです。
皆さんの「もし...」が形になりますように...
あらすじをご覧になっていただけると今後の出走表がございます。
ゆっくりと他のG1も書いていきます。気長にお待ちください。
貴方の勝者は?
-
サクラバクシンオー
-
ロードカナロア
-
心の内に留めておくよ