短編集 ラブライブ スーパースター多め   作:カーテンと手袋

6 / 6
赤い年月を迎えた (葉月恋 一話完結 唄シリーズ)

『思い込みが 時にチャンスに変わり』

ふざけていません。そんなふうに言って突き放してしまう。どうも押しが強いのか、引くことが苦手なのか、ずいぶんと孤立するのも慣れた。

『秋口には茶化される二人』

風の噂。誰かの口癖。春の匂いがやって来て。巡り会わす透明な人。

『クリスマスまで 雪降る日が来るまで』

それなのにずいぶんと粘着性が強いのか、離れることもなく、たちまちに笑って、私を疲れさせることもあれば、少しだけポカポカさせることもあった。

『この決心は揺らぎはしない』

着替えた夏。並べた時計。通い慣れた通学カバン。薫ってくる燕の羽根。

 

『知人にばれずに隠れて手を繋ぎたい』

「葉月さん」とクラスメイトに呼ばれ「なんだそりゃ」とからかわれた秋の日。イチョウの葉は色付く、だからサヤさんに言われて楽しみに来ていた。そんな時にかぎって、あなたと出会うのだから。

『まるで卒業写真のように』

誘われても内心安心して、幾度となくお断りしたけれど、本当は夢を見ていたかっただけ。何かの拍子に、バラバラになってしまって、悲しい思いをしたくなかっただけ。

『お慕いしていると、あなたに言うのは』

「恋」と呼ばれて世間話でもしていたら、クラスメイトに出会うなんて。学校の私とあなたとの私。こんなにも違っているのに。

『もう少し先になりそう』

このイチョウ並木は有名だというのに。

 

『髪を結わく 真剣な眼差し』

実はとても、幼いことを知っている。

それはあなたと私。お互いのこと。

『「様になるね」あなたが呟く』

16歳で。あなたは15歳で。それでもまた、どちらが先かなんて言い合っている。

『確か母も 今は居ない人に』

いちごが好きって子どもっぽいかもしれない。それでもあなたは馬鹿みたいにはしゃいでいる。夜遅くの公園で。無邪気にボールを追いかけている。

『優しくそっと言われたと』

あなたの方が子どもっぽいでしょう?

 

『幼い頃の思い出に触れて』

笑顔がぎこちないと練習させられて、私はむくれてあなたを睨んだ。饒舌にクラスメイトに話している。

『ケラケラと笑ってみせる』

凛々しくてシャンとしていて、そんなイメージはないとクラスメイト。あなたはまた私を剥がしていく。

『天蓋付きのベッドで悶えるのも』

凛々しくはない。おっしゃるとおり。あなたの前ではそうありたいのだけど、化けの皮が剥がされてしまうみたいに、見破られてしまう。

『なんだか子どもみたいで』

私のことだとしても、その類いの話題でも、クラスメイトとあなたが楽しそうに話すのは、胸が苦しくて泣き出しそう。

 

『この恋の行く末を

あなただけは知っていて』

 

『知人にばれずに隠れて手を繋ぎたい』

「葉月さん、またね」と離れていく。クラスメイトに安心してしまって。嫌な女だと思われたくないから、必死に笑顔を作ってみる。

『まるで卒業写真のように』

余計のことばかり気づいてしまうから、あなたは私のほっぺをつねる。そして「笑顔の練習だって」上手に笑ってみせる。

『誰かに打ち明けるほど』

イチョウの葉がひらひら舞い降りて、黄色の絨毯を作っている。そんなありきたりな表現をしてしまうほど、動揺しているのかもしれない。胸がふわふわしているのかもしれない。

『器用ではないから』

痛いですって、怒って見せたり、膨れて見せたり。少しずつ幼くなってそう。

『この思いを暖める』

いつかこの胸の突っかかりが取れて、胸のざわめきの正体が分かったら、一番に伝えたいと思います。

『お慕いしていると、あなたに言うのは』

雪が現れる頃、木樹が裸になる頃。

『もう少し先になりそう』

母を真似たおろし髪。私はどう?

あなたにはどう見えているの?

『もう少しだけ待っていて下さい』

あなたは何を思っているのでしょう。




また勝手に歌詞を書きました。題名はありません。

思い込みが 時にチャンスに変わり
秋口には茶化される二人
クリスマスまで 雪降る日が来るまで
この決心は揺らぎはしない

知人にばれずに隠れて手を繋ぎたい
まるで卒業写真のように
お慕いしていると、あなたに言うのは
もう少し先になりそう

髪を結わく 真剣な眼差し
「様になるね」あなたが呟く
確か母も 今は居ない人に
優しくそっと言われたと

幼い頃の思い出に触れて
ケラケラと笑ってみせる
天蓋付きのベッドで悶えるのも
なんだか子どもみたいで

この恋の行く末を
あなただけは知っていて

知人にばれずに隠れて手を繋ぎたい
まるで卒業写真のように
誰かに打ち明けるほど
器用ではないから
この思いを暖める
お慕いしていると、あなたに言うのは
もう少し先になりそう
もう少しだけ待っていて下さい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。