妖精王としてカレコレの世界に転生した もう一つのカレコレ屋   作:ikkun

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浮気とグループ

sideカゲチヨ

今日の依頼人は若い男性だった

 

「この度離婚することになったんですが・・・」

 

おお・・・それは

 

「いきなりヘビー・・・」

 

「ちょっとカゲ!」

 

思わず口から洩れてしまいヒサに怒られるが

 

「いえいえ、ヘビーなのはここからです・・・」

 

「と、いうと?」

 

フィーアちゃんが詳細を聞く

 

そもそも依頼人と奥さんとの出会いは大学の映画サークルだったらしい。

 

「サークルはとても仲良しで何をするにしても一緒でした。映画はほとんど撮らず日々アクテビティや飲み会ばかりでしたけど。」

 

陰キャの俺には想像で気ない世界だ・・・

 

「大学を卒業してから妻とはサークルの同期で結婚しました。メンバーは社会人になっても

皆仲良しでカップル第一号だーって盛大に祝ってくれました。」

 

なるほどね・・・

 

「結婚して一年くらいすぎたころ妻が急にそっけなくなったんです。原因は十中八九不倫です。浮気相手はすぐに分かりました同じサークルのコウタロウって男です。彼は明るい性格と企画する行動力から中心人物でした。」

 

「なるほど・・・リーダーみたいな立ち位置だったんですね。」

 

「はい・・・」

 

カンナがコウタロウについて確認する。

 

「妻はコウタロウと二人でよく食事に行っていました。週に三、四度くらい自分が流石に多くないか?と聞くと友達と遊んでるだけだとしらばっくれました。」

 

「流石に無理がありますね・・・」

 

フィーアも回数の多さに呆れている。

 

「はい・・・ついには泊まりも増えてきて、ついにある事件が起きたんです。」

 

「妻が妊娠したんです。こういう話もあれですが妻はほとんどそういうことはなかったんで多分コウタロウの子だと思います・・・妻は有無を言わさずおろすというのでついに話し合うことにしました。」

 

遅いきもするがまぁ、そうなるよな・・・

 

「しかし絆を馬鹿にしてるとか仲間とかヒステリックに言われて結局不倫を認めませんでした。しかも二人は自分が妻にDVしておりそれが原因でコウタロウに相談していたと真っ赤な嘘をサークルに言いふらしました。狙いは離婚協議を有利に進めることと二人がサークル内で悪者にならないようにすることでした。サークルの皆は本当のことを知っていました。二人を見ていれば不倫関係にあるのは一目瞭然でしたから。けれど皆は自分を責め始めました。」

 

「うぬ?何故だ?」

 

「それが自分にもわからなくて・・・」

 

大体の事情とその仕組みはわかったぜ・・・

 

「サークル内で悪者になりたくないもしくはサークルを存続させるためまたはその両方だな。」

 

「つまり群集心理ってこと?」

 

まぁ、ざっくりといえばカンナの言う通りだな。

 

「まず前者はコミュニティ内で大事なのは空気を読むことだサークル内の大多数で黒といったものに白といえば反感を買い言った本人は悪役に認定されちまう。」

 

「でもDVは無くて不倫はあったて周知なんじゃ・・・?」

 

ヒサはそう反論するがそこが恐ろしいんだよ・・・

 

「実際にその色が白か黒かは関係ない、多数決で色が決まんだよ。」

 

「えー・・・そんなのって・・・」

 

まぁ、ヒサも唖然とするよな・・・

 

「サークルを存続させるというのは?」

 

シディが質問するまぁこれも集団の心理だな。

 

「皆が祝ったサークル内結婚を中心人物の不倫でぶち壊す。これは自分が属していたコミュニティの品格を陥れることになり否定につながる。するとどうなる?そんなくだらないコミュニティでまだ集まりたいと思うか?」

 

「確かに集まりは悪くなりますね・・・」

 

「自然に解散になっちゃうかも・・・」

 

フィーアとヒサの言う通りだ。

 

「そのうえコミュニティに誇りを持ってる人間にとってその事実自体が自分の青春や人格の否定につながる。そりゃ認めたくないわけだ。」

 

「そうだったのか・・・」

 

「それで依頼の内容はどういうものなんだ?」

 

シディが聞くと依頼人は

 

「凄い、フワッとしてるんですがこの状況を何とかしてほしくて・・・裁判になったら皆口裏を合わせてるから自分が負けるんじゃないかって・・・」

 

まぁ、そう考えるよな・・・だが

 

「家庭裁判所ではDVより不貞行為の罪の方が重く見られるんでそんなに不利になんないと思いますよ。

それに証言だけで証拠もないでしょうし。」

 

「そうなんですか・・・」

 

依頼人は一旦落ち着いた顔をする。

 

「でもサークル内で悪者にされるなんて・・・」

 

「心理とはいえ厄介だよね・・・」

 

ヒサとカンナが心配な顔をするが心配無用だ!

 

「サークル内の口裏合わせをひっくり返すのは簡単すよ。」

 

俺が言うと

 

「ぜひお願いします!」

 

こうして俺は作戦の準備をした。

 

sideヒサメ

 

そして別の日カゲが同じサークルの仲間に会うことになったんだけど・・・

 

「何その恰好・・・」

 

カゲは髪を黒染めしてメガネをつけスーツを着ていた。

 

「いや少しでも信ぴょう性を上げるためにだな・・・」

 

それはわかるけどさぁ・・・・そんなことを言っていると

 

「きたぞあの人だ。」

 

見張りをしていたシディが待ち合わせのファミレスに入っていく仲間を見つけた。

私たちが別の席で見ている中

そしてカゲがファミレスに入ってしばらくして会話を始めた。

 

「というわけでして私は不倫の証言を集めているのですが・・・」

 

「いや、不倫とかはなくてですねもともとDVが原因であの二人は会うようになって・・」

 

「えー?これまでにお話を聞いた十数名のサークル員はDVは嘘で不倫はあったと言っておりましたが?」

 

カゲは仕掛けてきた。

 

「さらにそれはサークル内全体での共通認識だったと伺っていましたが・・・」

 

「えっ!?」

 

「貴方だけが違う意見なんですね・・・わかりました、もう一度ほかの方々に・・・」

 

「いや!?ありました!コウタロウは不倫してました!しかもこどもまではらませておろさせたんですよ!!そのうえ嘘までついてまさに外道ですよ!」

 

すごい・・・どんどん出てくる。

 

sideカンナ

作戦が終わってアーシたちはカレコレ屋に戻ってきた。

 

「結局全員が不倫を認めてDVはでっち上げだといったくれたな。」

 

「どういうことなの?」

 

ヒサメちゃんとシディは不思議がっているけどアーシにはわかったな。

カゲチヨが答える。

 

「だからアイツらにとって真実はどうでもいいんだよコミュニティ内で自分が悪者になんないことが一番大事なの。」

 

「だから、他の人がそうだと供述したと知ればそっち側に意見を合わせるということか。」

 

シディのいうとおり結局は手のひら返しみたいなものだよね。

 

「だから俺は誰からも話を聞いてないのに皆こういってましたよ~って教えてやればアイツらはそっち側に流れる。」 

 

「でもそうすると嘘をついていたもう一つの理由サークルの存続はどうなるの?」

 

ヒサメちゃんが聞くと

 

「まぁ、だからあのコミュニティは自然消滅するだろうよ。」

 

「そうですか。楽しんできた思い出や事実は変わらないのにむなしいですね・・・」

 

フィーアちゃんが言う。

 

「それに依頼人もDVを偽装されずにサークル外にそのうわさが出ることもなかったんだし良かったんじゃない?」

 

アーシが言うと

 

「そうだな、それに自己保身と空気を読むことに必死な奴らの絆なんてそんなもんだろ。」

 

そうカゲチヨはどこか諦観したような寂しそうな眼をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

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