妖精王としてカレコレの世界に転生した もう一つのカレコレ屋 作:ikkun
sideカゲチヨ
今日の依頼人は頭に羽を付けた外国の先住民のような衣装を身にまとった人たちだった・・・
「今日はカレコレ屋にお願いがあってまいりました。」
「す、凄い・・・」
ヒサが呆然と呟く・・・
「どこから突っ込めばいいんだ・・・」
「地球にもまだこんな文化が残ってたなんてワクワクする!」
カンナも俺も驚きを声にだしてしまう・・・
「うむ、それでお願いとはなんだ?」
シディ、順応性高すぎるだろ!俺たちは驚きの視線を向けつつ依頼人たちの話を聞く。
「カレコレ屋には太陽神様の使いと幻獣の使いがいると聞いたのだが。」
村長であろう男が質問をする。
「シディがホルス、フィーアが麒麟のDNAを持ってるっつーことか?」
俺は答える。
「おそらく。」
そして一緒に来ている女性も確認を取ってきた。
「太陽神様と幻獣の化身は強大な力を持つと聞きました。」
なんでそんなこと・・・
「まさか二人に危険なことをさせようと?」
カンナが聞くと
「いえ、ただ私たちの村に来て欲しいんです。」
「我々は太陽神様、そしてその使いの獣を信仰している。近々年に一度の祭りがあるそこに来て欲しいのだ。」
「それって私たちのDNAと一緒なんですかね・・・」
フィーアが聞くと
「そこは大丈夫です!とにかく私たちはシディさんに来て欲しいんです!」
女性が熱心に言う。
「うむ、俺で良ければ行こう。フィーアはどうする?」
「私もいきます。」
なんか怪しそうな依頼だな・・・
カンナも
「なにかあったらすぐに教えてね・・・」
深刻な顔で言っていた・・・
「・・・ああ、」
「了解です。」
sideフィーア
私たちは早速女性に村の文化を紹介されます。
「私たちの村は1500年ごろのアステカ部族から派生した派生した民族で文化を現代まで守ってきたんです。」
アステカ・・・ホルスはエジプト文明の神ですし麒麟は中国の神獣・・・矛盾があって怪しいですね・・・
「シディさん・・・やっぱり警戒した方が・・・」
「そうだな、だがあまり警戒するのも良くない祭りを見てみよう。」
シディさんの言う通り村を回ってみるととても賑わっていました。
すると
「いやぁあああ!!」
なんと異宙人の子供が人間の住民に連れられていました。
どうみても普通じゃないですね・・・
「何事だ?」
シディさんが聞くと
「儀式の一つですよ。」
「何をするんですか?」
私も儀式の内容を聞きます。
「神々に雨ごいと五穀豊穣を願って雨ごいをするんです。」
「嫌がってるように見えるが・・・」
「生贄は神輿に乗せて山頂まで登りそこで胸を切り裂いて抉り出して神に捧げます。」
しかも親は完全武装の戦士と戦って負けたら心臓を抉り出すみたいです・・・
そういえば古い民族はそれを光栄に思っていたような・・・
「そんな儀式すぐにやめさせろ!」
当然シディさんは怒って辞めさせます。
「なんなんだ・・・この祭りは・・・」
「まぁ、古い儀式を鵜呑みにすることは偶にありますからね・・・」
「そんなレベルだろうか・・・」
そんな認識をしていた私がバカでした・・・
その後も皮をはぐ儀式だったり火攻めにする儀式だったりなかなかえげつないもので中止したんですが・・・
「お前たち本当に太陽神と幻獣の使いなのか?さっきから儀式を辞めさせてばかりじゃないか!」
まずいですね・・・明らかに目が血走ってますね・・・けれど
「こんな命をもてあそぶことはダメです!」
「その通りだ!中止して当たり前だ!」
私たちが言うと
「こいつ悪魔だ!悪魔が出たぞー!」
村の住民は騒ぎだしました・・・宗教でも同じことがあるからまさかとは思ってましたけど・・・
「この儀式の狂信者・・・」
「くっ・・・!」
私たちがどうするか考えていると・・・依頼に来た女性が
「考えても無駄ですよ。彼らは今まで信仰してきたものを捨てられないんです自分たちの行為を罪だとは認められない・・・間違っているのにね・・・・」
「もしかしてあなたは・・・儀式を辞めさせるために・・・」
私が問うと
「はい・・・私は気付いてしまった・・・これが間違っているということに・・・でもあの人たちは止まらなかった・・・!だって・・・何よりも儀式を信じてるから・・・この村を燃やして、滅ぼしてください。」
「くっ・・・」
「シディさん・・・もうこれはやるしか・・・」
その間にも村人は武装して私たちに立ち向かおうとしてくる。
「この悪魔たちめ!生贄を逃がしたせいで我々は神の鉄槌を受けるやもしれないんだぞ!」
私たちはそれぞれ炎や光を出しますが村人はそれにもひるみませんでした・・・
「これは神の試練だ!最後の一人になるまで戦おうぞ!!」
「無理でしょ?この人たちはもう根っからの考えが違うんです。貴方たちが考えるようなやり直しはできないの。」
はぁ・・・これは三人を連れてこなくて正解でしたね・・・
「シディさん、なんとか無力化しつつ説得を続けましょう・・・」
「ああ・・・俺は諦められない・・・」
sideシディ
住民が立ち向かってきて数時間・・・いや数分も立っていないのか?時間の感覚さえなくなったころ俺たちは村人の亡骸の山を前に佇んでいた・・・家からは俺が出したホルスの炎が立ち上り地面はフィーアが切り裂いた血の跡があった・・・
「もっとやり方があったはずだ・・・」
「そうですね・・・せめてカゲチヨがいればもっとましな解決になったんでしょうか・・・」
俺の呟きにフィーアがそう答える・・・結局俺達にはこれしかできないのか・・・
「まだわからないの?たとえカゲチヨさんがいても無かったわ。貴方たちは最後まで対話を望んだけれど彼らは
聞き入れずに特攻してきた・・・」
ああ・・・妖精王の森にも水を奪おうとする狂信者が何度もやってきた・・・フィーアたちなら慣れていたんだろうが俺は・・・
「貴方たちのせいじゃありませんこの村の人間たちは自分の罪を償っただけ・・・私もね。」
すると依頼人は自ら炎の中に飛び込んだ!
「待って!」
「くっ!」
俺たちは手を伸ばすが
「行かせて・・・耐えられないの私たちのしてきたことに・・・ああ、火の中に入れられるとこんなに苦しいんだ・・・ごめんね。」
そうして依頼人は炎の中に消えていった・・・
「あの狂信者たちは神のために死んでいったから幸せなんでしょうけどあの女性は・・・」
「ああ、苦しんでそれでも少しでも罪を償おうとしていた・・・生きていてもやり直せないこともあるのだろうか・・・」
「今は神でもあの狂信者たちのためでもなくあの人のために祈るしかできませんね・・・」
「ああ、せめて安らかに・・・」
俺たちは夕焼けに染まる空の下で黙とうをささげるのだった・・・・