妖精王としてカレコレの世界に転生した もう一つのカレコレ屋 作:ikkun
sideカゲチヨ
今日は依頼が無かったのでヒサメがシディに電気マッサージを、カンナとフィーアはゲームで対戦をしていたんだが・・・
「珍しいな、メールで依頼が届いてる珍しいな。」
パソコンを確認するとファイルに送信されていた。
「どんな内容なんだ?」
シディも気になっているし、皆も依頼と聞いてこちらを見た。
「えーっとタイトルは私を助けてください。」
「えっ!どういうこと?」
ヒサもタイトルの内容に戸惑っている。
俺はメールを読み始めた・・・
送り主は肌が鱗になる奇病患者としてメディアに露出しているジニーという少女だった。
「そういえばアーシもテレビの奇病特集で見たことあるかも・・・」
カンナが呟く、
そして次に書かれていた事実が衝撃的だった・・・
彼女は健康体で母親が彼女の肌をえぐり取り寄せた鱗埋めて髪を剃って車椅子に乗せて洗脳したらしい・・・
反抗すると地下室で殴られたようだ・・・
「なんだか私たちが受けたことに似ててもやもやしますね・・・」
フィーアがそう苦しそうに言う。その通りだが赤の他人と実の親では精神的な痛みが違うだろうな・・・
「その人の理由はなんなんだ・・・」
シディも母親の行動に疑問を持つその答えは極めて自己中なものだった・・・
アイツは子供の病気を偽り熱心に介護するふりをして周囲の注目を集めるのが理由だった。
「逃げ出して直接言っても信じてくれなかったからこんな形で・・・」
ヒサも泣きそうな顔で言う。
そして母親は成長に伴い支配できなくなると感じ始めたようで掣肘グソクムシを通販で取り寄せて人形のように操ろうとしていて娘はそれで自由を手に入れたくて母親の殺害依頼が最後に添えられていた・・・
そして俺はあることに気が付いた!
「待て!このメール複数のアドレスへの一斉送信だ!」
あいつ確実に母親のことを・・・
「じゃあ誰かがもう母親を・・・!?」
ヒサの言う通りかもしれねぇ・・・間に合えばいいんだが・・・
「本人も心配だ!シディ!フィーア!お前たちが一番早い!先に向かってくれ!」
「ああっ!」
「分かりました!」
sideシディ
俺は三輪車で、フィーアは走ってメールに書かれていた住所に向かった・・・
すると扉は開いていたので俺たちは片っ端から部屋を探して二階のある部屋を見て何も言えなくなり呆然としてしまった・・・
「シディ!!どうなってたの!?」
「フィーアちゃん、まさか・・・」
ヒサメとカンナが飛んできたが俺たちは首を横に振った・・・
「そんな・・・」
「大義名分を手に入れた人間は恐ろしいね・・・」
部屋にあったのは母親の惨殺された死体だった・・・
カゲチヨが呼んだ救急車と警察のサイレンが無常にも響き渡っていた・・・
俺達は事情聴取を受けた後警察の調べによると金を受け取った誰かがやったようだ・・・
この事件は大ニュースとなりジニーは生い立ちから減刑はされたが殺人教唆で実刑が下された・・・
しかし俺は彼女が罰を受けることに疑問を持っているがこればっかりはどうすることもできないな・・・
sideカゲチヨ
俺は刑務所の面会室にいた。相手はもちろんジニーだ。彼女は鱗は残ってしまっているが髪は剃られていないおかげか短いが伸び始めている。
「私がSOSメールを送った中で面会に来たくれたのは貴方が最初だわ。」
「・・・俺たちも体をいじられたことがあった勿論親にではないけどそんな俺たちでカレコレ屋をやってるんだ。」
気持ちがわかるなんて言わねぇ俺はクズだからそんなきれいごと言えねぇしな・・・
「ふぅーん、で?要件はなに?取材?」
んな下世話なことしねーよ・・・
「ココをでたら俺たちと一緒にカレコレ屋やんねーか?」
「・・・」
四人には許可を取ってある・・・それにこいつのサポートくらいはしたい。
「カレコレ屋とか意味不明って思うかもしんねーけどこれが意外と楽しくてさだから、どうかな?それに出所して住む場所がないならカレコレ屋に入らなくても紹介くらいならできるけど・・・」
「ふふっ、素敵なお誘いねけど、ごめんなさい私、もう何にも縛られたくないどこにも属したくない気分なの。」
「・・・そっか。」
俺はそう呟き面会室を背にした。
「あぁ、本当にあの人がいなくなって良かった!私今とっても幸せ!だって私は今、自由なんだから!」
自由に囚われたジニーを俺は救えない・・・俺も復讐に囚われちまっているからな・・・
俺は刑務所を背にカレコレ屋に帰るのだった・・・