妖精王としてカレコレの世界に転生した もう一つのカレコレ屋 作:ikkun
sideカゲチヨ
今日の依頼人はとある主婦だったのだが・・・
「人さらい!?」
「はい、娘がさらわれまして・・・」
いや、それ何でも屋じゃなくて・・・
「警察に連絡した方が・・・」
俺はそう言ったが
「それが普通の人さらいじゃないんです。」
「え?」
「娘は天狗にさらわれたんです。」
天狗・・・ゼクスと同じDNAの・・・
「はい、天狗攫いというものらしく天狗が子供をさらい、数か月から数年後に元の家へ帰しておくものらしいんです。戻ってきた子供曰く天狗と一緒に空を飛んで日本各地の名所を見物させてもらったらしいんですけど・・・私にとっては大事な娘でその娘が大人になる時間は親にとってはかけがえのないものなんです・・・」
なるほどな・・・確かに強大な力を持つ異宙人は犯罪を犯しても人間じゃ捕まえられないことが多いからな・・・それに天狗にはちょっと因縁あるしな・・・
「わかりました。娘さん取り返して見せます。」
「そんなあっさり・・・天狗っていうのは凄く高位の異宙人だって聞いたんですけど。」
「前に一度経験してるので任せてください!」
そうして依頼を引き受けてヒサたちに連絡したんだが・・・
「えーっ!?妖精王の森で温泉が湧き出たから入りに行く!?聞いてねーよ!?」
「いや、アーシたち一緒に行くって聞いたのにカゲチヨゲームしたいって断ったじゃん・・・」
そういえばそんなことあったかも・・・・
「それで何かあったの?」
ヒサが聞いてきたが・・・
「いや、何でもねぇ。」
俺はそう言って電話を切った。
「シディも家族で入りに行く!?サトウ達やゼクスやミナヅキ達も連れてく!?」
マジかよ!混血全員で行く行事だったのかよ!?
「言ってくれよ!」
「すまん言い忘れてた。」
普通に言ってなかったのかよ・・・
「それならいいよ。楽しんで来いよ。」
俺は電話を切った瞬間に落ち込んだ。
「終わった・・・」
「あんなにかっこつけておったのに人だよりか。」
「うっせー!っていうかボティス研究所のとき俺の心臓食って本来の姿に戻ってたんだろ?その力使ってくれよ!」
「いやじゃ!そのままなぶり殺されろ。」
てめぇ・・・!
俺もあのころとはちげぇしな・・・
まだ村がゾンビに襲われる前のころにヒビキが神社に備えられていたお酒を盗もうとして天狗に攫われたんだ・・・それでシロウがボロボロになりながら助けたんだっけ・・・
俺は森の中に行きあの時と同じ酒を用意した。
俺も異宙の力をもってんだ・・・人間のシロウにできたんだから俺だってやってやるさ・・・!
シャリ―ン・・・・
鈴の音と共に依頼人の子供を抱えた天狗が現れた・・・
「出やがったなのんべぇが、俺は天狗博士じゃねーからな。前にあった奴と同じ奴か見分けはつかねーけど子供は返してもらうぜ・・・!」
俺は空気中にウイルスをばらまいた・・・
その瞬間!
ドカっ!
「ガァっ!?」
俺がとっさに張った血液の壁も突き破って天狗の蹴りが鳩尾にヒットした・・・
「くそ・・・」
鳥の足だからまた強烈だな・・・!
「・・・」
こいつも強力なウイルスや毒じゃないと効かない異宙人かよ・・・
地球人民幸や鈴の吸血鬼のときみたいな毒は作るのに時間がかかる・・・
「おらあぁぁぁ!」
俺は時間稼ぎと油断させることも計算に入れて戦ったが妖精王との特訓と同じように格が違いすぎた・・・血液でつくった刃や弾丸は風で吹き飛ばされ毒を入れること、そもそも接近もできないまま最初の蹴りで怪我が治ったので再生を見透かされたのか強烈な足の力で踏みつけにされて拘束された・・・
「・・・」
グビッグビッグビッ
一升瓶をラッパ飲みとかどんだけ強いんだよ・・・っていうか飲み終わって飛び去られたら俺の飛行能力じゃ・・・!
結局俺はシロウみたいにはなれないのかよ・・・
そんな俺の悔しさをあざ笑うかのように天狗は悠々と空を飛ぼうとした・・・
その時だった!
バリバリっ!
「!?」
空に電撃の網が張られ天狗は急停止した!
「逃がさないよ!」
ヒサ・・・!何でもないって言ったのに・・・
「ここぐらいで大丈夫?フィーアちゃん!」
「ええ、ばっちりです!」
そんな声が聞こえた瞬間フィーアが神速の動きで奪い返した。
「悪いけどうち落とさせてもらうよ!」
カンナが周りの水蒸気を水にして天狗の体を包んで墜落させた!
「大丈夫だったか?カゲチヨ。」
シディ・・・
その瞬間子供を取り戻すためかこっちに向かってきた。
「はぁっ!」
ガッ!ドカっ!ドンっ!
「なかなか強いな・・・」
ブレイクしてないとはいえ昼のシディとやりあえるのかよ・・・
そうしてにらみ合いが続くかと思ったのだが・・・
「・・・」
バサっバサッ・・・
天狗は子供を置いて飛び去ってしまった・・・
「相変わらず気まぐれな奴だな・・・」
俺がそうつぶやくと
「カゲチヨ~?何か言うことない?」
カンナがにやにやしながら言ってきた・・・わかってるよ!
「ありがとな助けに来てくれて。」
「一人で行くとか無茶しすぎだよ。」
「うむ、三輪車を飛ばしてきたぞ。」
「高位の異宙人と一人で戦うなんてカゲチヨも天狗になったんですか?」
「悪かったって!」
フィーアは上手い嫌味言わないでくれよ・・・
「カゲって助けてもらうことダサいってまだ思ってるでしょ。」
「うぐっ・・・・」
「何故助けてもらうことがカッコ悪いんだ?助けてくれる仲間を持っていることは誇らしいことだろ?」
ヒサとシディに言われてしまう・・・
「そうそう!逆に助けてもらわずに事態を悪化させる方がカッコ悪いんだから!」
「そうですよ。余程良いってことですよ。」
カンナとフィーアも言う。
「カゲ!この子をお母さんのところに返しに行くよ!」
「早く帰ってまた温泉つかりに行かなきゃ!」
ヒサとカンナがそう言って子供を連れて行く。
はぁー・・・
「・・・俺はクズにはなれねぇなぁ・・・」
「は?カゲはクズだよ?」
「蹴られておかしくなったの?」
「自覚無かったんですか?」
「お前らヒデェなおい!」
シロウ・・・
ーカゲにはカゲにしかねーもんがあんだからー
あの時いってたもの見つかったかもしんないよ・・・
side妖精王
俺は飛んできた天狗に声を掛けた。
「どうだった?昔に会った男は?」
「・・・外見は変わったが中身は変わっていなかった。弱いがいい仲間を引き寄せるみたいだ。」
俺は言葉を翻訳して聞いたり話すこともできる。
「あの男の昔の仲間をゾンビにしたトッププレデターという組織の壊滅手伝ってくれる?」
「お前とは飲み仲間だし、名所を巡る子供たちが実験道具にさせるのは困る手伝おう。」
「よし!実はケルベロスとの交渉も上手くいったんだよね~!」
そういうと本人が来た。
「娘を連れてきてあの金髪と黒髪の少年たちと一緒に私の子供を助けるようにしたのは貴方でしょう?それに子供を安全に育てるためにも協力します。」
よーし!契約成立ということで!
「今日は皆で飲み会だー!」
「あなた娘たちが帰省してること忘れてません?」
「いいじゃん!病院行ったり娘を母親に届けるのに時間かかるんだしさー!ケルベロスは水で良いからさ!天狗も!森の米や果実で作った日本酒やワインもあるからさー!」
「全く・・・お前が一番酒と騒ぎ好きだな・・・」