妖精王としてカレコレの世界に転生した もう一つのカレコレ屋   作:ikkun

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魔王と勇者の剣

sideカゲチヨ

 

今日はヤヨイがやってる鍛冶屋に来ていた。

 

「まさかお前がジャーナリスト以外にもやってることがあるとはな。」

 

俺がヤヨイに言う。

 

「まぁ、異宙に転移して以来武器の需要は高まってるから。ミナヅキとハツキ、くすぐりお化けと一緒に依頼したいことはこの店の店番をお願いしたいの。辺境の星で珍しい呪物が手に入りそうなの。頼まれていた剣を返したり預かるだけでいいから。」

 

「わかった気を付けて行ってきてくれ。」

 

シディがそう言って俺たちは店番をすることになったのだが・・・

 

「今のところは暇だね・・・」

 

「くぅ~」

 

ヒサの言う通りまだ客も来てないのでのんびりしていた。くすぐりお化けものんびりしてるな・・・

 

「ヤヨイはしっかりしているのですが負けず嫌いだからオークションなんかで意地を張って借金作りかけるんですよね・・・」

 

ハツキも苦労してんだな・・・

 

「ん・・・馬糞つかまされないか心配・・・」

 

ミナヅキにも心配されるって相当だな・・・

 

「ねえ・・・カゲ、なんか預かってる剣に変なのがあるんだけど・・・」

 

ヒサが言うので見てみるとそこには剣を掴んだままの骨と鎧がそこにあった・・・

 

「これは呪われた武器と知らずに手にとり装備が外れなくなった戦士が使っていた破壊の剣ですね。」

 

「持ち主ついてきてない!?」

 

ヒサの言う通り持ち主いるのにフィーアは何で冷静に分析してんだ!?

 

「え?これストラップじゃなかったの?」

 

なんでストラップで戦死の屍がぶら下がってると思うんだカンナ!

 

「一体だれが頼んだろうな?」

 

シディの言う通りだぜ・・・俺がそう思っていると

 

「頼もぉぉぉ!」

 

「くう!?」

 

くすぐりお化けが驚くのも当然だろう。いきなり勇者っぽい装備をした男が賢者の女性や老人の魔法使いなどを引き連れてやってきた。

 

「おや?ヤヨイ殿はどこだ?」

 

俺たちは事情を説明する。

 

「そうか留守なのか・・・紹介が遅れた、私は勇者 呂戸六(ろとしっくす)異宙の平和を守る勇者を発掘し育てる勇者星の者だ。」

 

そんなところあるんだな・・・

 

「異宙の平和を乱す魔王を発掘し育てる魔王星で異宙魔王 ティラミスが誕生した報を聞きその討伐の旅をしている。」

 

「そんなものまであるんだな。」

 

シディもそんな感想を持ったようだ。

 

「しかし旅の途中でパーティの一人戦士たけしが呪われた武器を装備してこんなことになってしまって・・・それでこの星に呪術師兼鍛冶屋がいるとききなんとかしてもらおうと剣を預けたんだ。」

 

「こういうのは仲間を助けるの優先でまず解呪のために教会に行くんじゃ・・・?」

 

ハツキが言う。

 

「破壊の剣は呪われているとはいえ強力な武器だ。この屍を除いて剣を使うことができるんじゃないかと考えてね。」

 

「そっちの依頼!?パーティ見殺しなんてそれでも勇者なの!?」

 

ヒサが驚愕する。

 

「破壊の剣はこれで仕上がっています。勇者さま。」

 

カンナが何事も無かったかのように接客する。

 

「何!?」

 

勇者が驚く。

 

「屍を取り除いても呪いは強力で改造もできなかったのでこのままでは呪われてしまいます。なのであちらにいるフィーアちゃんのようにこのままたけしごと装備してたけしを取っ手にして間接的に剣をお使いいただければ剣に呪われることなく戦えます。」

 

「ふっ!はっ!やはりなかなかの剣ですね。」

 

「たけしに呪われるだろ!」

 

俺は突っ込む。

 

「なるほど!そういうことだったのか!これでたけしも浮かばれる!」

 

勇者はたけしを振り回していたが剣が飛んでいった・・・

 

「もうたけししか使ってない・・・」

 

ミナヅキの言う通り冒涜しすぎだろ・・・

 

「流石は異宙に名のきこえた名工、その腕を見込んでもう一つ頼みたいことが。」

 

なんだよ・・・

 

「異宙魔王ティラミスを倒すには伝説の勇者だけが抜ける異宙神剣コスモスが必要と言われてるんだが手に入れたまでは良かったんだが眠りの中で大分痛んでいてね。」

 

そう言って勇者が出してきたのは岩に刺さったままのコスモスだった・・・

 

「この剣を再び使えるまでにしてほしいんだ。」

 

「全然抜けてねえだろ!?全く勇者として認められてないよ!力ずくで岩ごとテイクアウトしてるじゃねーか!」

 

俺は怒涛の勢いで突っ込む。

 

「魔王の手はすぐそこまで迫っている。時間がないのでショベルカーでガーといった。」

 

「ショベルカーで魔王に挑戦した方がいいですね・・・」

 

ハツキの言う通りだぜ・・・

 

「魔王との決戦は近い、異宙の平和を守るためにも早急に仕上げてくれ。」

 

伝説の剣を抜けと!?

 

「我々が宿屋でひと眠りする間に・・・」

 

勇者がそう言おうとした時だった!

 

「あの・・・私は宿屋よりもシディさんと一緒にいた方が回復しそうなのでここにいます・・・」

 

「そうなのか?俺は構わないが・・・」

 

なんと賢者の女性が顔を真っ赤にしてシディにすり寄っていた・・・

 

「そうですか・・・なら頼みますシディさん・・・ちっ。」

 

今舌打ちしなかったか?それでも勇者かあんた?

 

「・・・・・・」

 

フィーアはフィーアでブラックホールのような目で見てるし・・・

 

「それじゃあ、頼む。」

 

そう言って勇者たちは去っていく・・・

 

「あ、勇者様たけし忘れてる・・・」

 

賢者がそう言った。

 

「たけしつれてけぇ!」

 

俺の叫びが響いた・・・

 

sideヒサメ

 

なんでこんなことに・・・ヤヨイちゃんがこんな客を相手にしてたなんて・・・

 

「接客だけって言われたけど、放っておけませんね異宙の命運がかかってるし。」

 

カンナちゃんが言うけど・・・

 

「勇者さまで抜けなかったのに抜けるんでしょうか・・・?」

 

「なんで貴方は普通に参加してるんですか?」

 

賢者の人の言う通りだけどフィーアちゃんの突っ込みももっともだよ・・・

 

「やはりだめだな。びくともしない。」

 

シディでもだめか・・・

 

「ここは逆転の発想でいこう!剣を抜こうと考えるから駄目なんだよ。ミナヅキちゃんお願い。」

 

「了解・・・」

 

カンナちゃん?

 

「剣から岩を取り除けばいいんだよ!」

 

「ん!」

 

ゴシャアァアァ!

 

ミナヅキちゃんが剣を思いっきり振り下ろし岩と砕いて剣も砕いた!

 

「岩ごと剣も壊れたあああ!」

 

「くうう!?」

 

私とくすぐりお化けは真っ青になる!

 

「お前たちやばいぞ!」

 

「そうですよ!伝説級の賠償金ですよ!?これ私も支払う感じなんですか!?」

 

カゲと賢者が突っ込む。

 

「これが・・・伝説のジャックナイフなのね・・・」

 

カンナちゃんは感慨深く砕けた剣を見て言う。

 

「いや、根元からポッキリいってるだけですよ?」

 

ハツキさんがそういうが・・・

 

「なるほど・・・どんな剣も抜けなきゃただの鈍でもこのジャックナイフなら魔王の喉笛を掻っ切れるというわけですね・・・」

 

フィーアちゃんが言う。これで魔王に挑むのが相当な勇者だよ!

 

「うぬ・・・このままでは負けてしまうぞ・・・」

 

シディが苦い顔をしたその時だった!

 

「頼もおぉぉ!」

 

なんとモンスターらしき集団がやってきた!

 

「なぜモンスターたちがこんなところに・・・!?」

 

賢者も驚いている。

 

「見つけた・・・ついに見つけたぞ・・・あの~予約していた異宙魔王ティラミスですが頼んでいた剣持ってきてたんで見てもらえませんか?」

 

勇者と魔王をダブルで受け持つってヤヨイちゃんなにものなの!?

 

「まさか魔王までこの鍛冶屋で手入れを・・・!」

 

そりゃ驚くよね!

 

「実は電話でも話していたんだが実は吾輩異宙を支配しようと企んでるんだがこれを邪魔する勇者というものがおってな。勇者を葬れるのが異宙魔剣マヒナス、真の魔王だけが引き抜ける伝説の剣を手に入れるまでは良かったんだがすっかりさび付いてしまって・・・」

 

なんで桃缶に刺さってるの?

 

「まさか缶切りとして利用して・・・」

 

賢者の予想は当たってるね・・・

 

「勇者が攻めてくる前に早急に鍛えなおしておいてくれ。剣というものは一朝一夕で鍛えられないことは重々承知している。せめてもの協力に吾輩の部下腐ったきよしを置いていく。きよしが腐りきるまでに仕事をおえよ。頼んだぞ。」

 

唯の嫌がらせだ・・・

 

皆でどうするか話し合おうとしたんだけど・・・

 

ごっ!ボキ!

 

フィーアちゃんが剣を折った・・・

 

「何やってるの!?フィーアちゃん!」

 

私は問い詰める。

 

「当たり前です。片っぽの剣だけ長かったらバレますよ。」

 

そりゃそうだけど・・・

 

「そう!だから両方短くして伝説なんてこんなもんですよねという現実にそくした考えになってもらうの!」

 

カンナちゃんが続けて言う。

 

「そんな現実ないでしょ!?」

 

賢者が突っ込む。

 

「ねぇこれ勇者の方が若干長くない?」

 

カンナちゃんが剣を見てそう言う。

 

「勇者を有利にしといたほうがいいんじゃねーの?」

 

カゲがそういう。

 

「何言ってるんですか。目の前の鉄を全力で叩くのが鍛冶屋ですよ。」

 

フィーアちゃん・・・私たち剣壊してるだけだから・・・

 

「ミナヅキちゃんもうちょっと勇者の方削って。」

 

「今度は魔王の方が長いですね・・・」

 

ハツキさんも加わったら収集が・・・

 

私と賢者は止めようとしたけど・・・

 

「これが伝説のビームサーベルか。」

 

6人が揃っていったときには気付いたときには剣の刀身は無くなっていた・・・

 

「ごまかせんよ!最悪です!これだったら岩と桃缶に刺さってた方が良かったですよ!」

 

「くぅくぅ・・・」

 

泣き叫ぶ賢者をくすぐりお化けが慰める。

 

「そうだよ!問題は長さなんだから・・・」

 

カンナちゃんはそう言って魔剣をたけし、神剣をきよしに突き刺した・・・

 

「勇者と魔王が両方刺さってたみたいになりそうでしょ?」

 

いやならないよ!?

 

「これで勇者と魔王に剣を返せば一見落着だな!」

 

シディが言うけどそうなのかなぁ・・・?

 

「ってかさ、どっちがどっちだっけ・・・?」

 

もうミナヅキちゃんしっかりしてよ!

 

「これが勇者で、これが魔王でしょ!」

 

side賢者

 

私はパーティに戻ったんだけど剣を装備した勇者は変わった・・・

 

「何度いったら分かるんだ貴様ら!これからは盾なら尾ではなく横並びで行動しろ!数えるときも一匹二匹だ!」

 

性格も好戦的になって甘い息や凍てつく波動も出す・・・

 

しかし魔王の方も変わっていた・・・

 

「何度言ったら分かるんだね!縦並びにするんだ!セーブと薬草を忘れるな!」

 

人前の箪笥を勝手に開けるようになっていた・・・

 

sideカゲチヨ

 

「剣が完全に入れ替わってましたよ!?」

 

賢者の報告を受けて俺たちはまた剣を回収して会議をしていた・・・

 

「ヒサ何やってんだよ・・・」

 

「だってどっちも死体とゾンビで似てたし・・・」

 

俺とヒサはのんびり会話する。

 

「まぁ、勇者も魔王も似たようなものですよ。」

 

「人間年を取るとおじいさんもおばあさんも分からなくなるのと一緒ですよ。」

 

ハツキとフィーアが言う。

 

「一緒にしないでください!剣を元に戻せばいいですから!」

 

賢者が突っ込む。

 

 

「別にいいんだけどさ。たけしときよしってどっちで、どっちがどっちの味方だっけ?」

 

カンナが賢者に聞く

 

「何言ってるんですか!こっちがこっちですよ!」

 

賢者が連れて行く。

 

noside

 

勇者パーティでは神剣が刺さったキヨシが呂戸六を馬車おくりにしていた・・・

 

「大勇者きよしさま!」

 

賢者以外のパーティは彼をあがめていたが・・・キヨシは否定する。

 

「俺は勇者ではない・・・かつて魔王に倒され死ぬことも許されず操られていた汚れたマリオネット、ただの腐ったキヨシだ。だが神剣の力で生まれ変わった今ならわかる!本当に腐り、汚れているのは、魔王!貴様の心だとな!待っていろこの剣を鍛え終えたとき屍になるのは貴様だ!」

 

勇者が魔王打倒を誓っていたころ魔王城ではティラミスが膝をついて気配を感じ取っていた・・・

そして玉座に座るある男が話す。

 

「どうしたティラミス、古傷が痛むか?」

 

「いえ・・・」

 

「俺もだ、俺の中の呪いがこの破壊の剣が・・・奴を、教会代をケチり俺を見殺しにした勇者を殺せと泣いている。決戦は近いぞ、貴様も武器の手入れは忘れるな・・・」

 

「はっ!大魔王たけし様!」

 

こうして勇者と魔王の下剋上が起きていた・・・

 

sideヒサメ

 

「「ただいま戻りました。」」

 

「すみません・・・私も間違えました・・・」

 

いやなんで剣が歩いてるの!?なんで下剋上がおきてるの!?

 

「伝説の剣のせいでとんでもないのがよみがえったよ皆!」

 

「で、どっちがたけしでどっちがきよし?」

 

カゲ!それはもういいから!

 

とにかくなんとかしないと大勇者と大魔王によって新たな戦いの火蓋が・・・

 

「なんか勇者の方が長くないですか?」

 

ゴシャ!

 

フィーアちゃんが勇者を叩き付けた!

 

「ダメだやっぱり魔王の方が長くなった。ミナヅキちゃん。」

 

「ふっ!」

 

ズガっ!

 

カンナちゃん!?ミナヅキちゃん!?

 

「だめだ、今度はこっちが長くなった。」

 

ドスッ!

 

「だめです。今度はこっちが・・・」

 

ああ、もう!

 

「カゲもハツキさんも何やってるの!こういう力加減でしょ!」

 

「ヒサメ、こういうふうに叩いたらいいんじゃないか?」

 

シディそれ名案!

 

side賢者

 

カレコレ屋の皆さんたちがこうしてぶっ叩いた結果・・・

 

「これが伝説のビームサーベルか・・・」

 

「振り出しに戻ったじゃないですか!?」

 

最初と全く同じ展開じゃないですか!?

 

「今回はなんでヒサメさんもシディさんも参加して刀身なくなるまで打ってるんですか!」

 

「言ったでしょ。鍛冶屋は全力で鉄を打つだけだって。」

 

カンナさんが職人顔で言う。

 

「今分かりました!あなた達鍛冶屋に向いてません!」

 

「いや、案外向いてるかもね。」

 

ヤヨイさん!

 

「皆ありがとう。呪物は見つからなかったけど仕事の受注ありがとね。あとは任せて。」

 

ヤヨイさんはそういうと折れた刀身を持ってきて槌を振い始めた・・・すると

 

「すごい・・・みるみる元通りに・・・」

 

勇者の神剣も魔王の魔剣もまさに元通り、いやそれ以上の光と闇を放っています。

 

「流石ヤヨイですね。」

 

「ん、やっぱり真の鍛冶屋はヤヨイ・・・」

 

ハツキさんとミナヅキさんが言う。

 

ヤヨイさんは二人を呼んで剣を外に突き刺した。

 

「これで我らは勝負ができるな・・・」

 

「覚悟しろ!魔王!」

 

二人はそう言って剣を地面から抜こうとしたけど・・・

 

「「ぬ、抜けない・・・」」

 

二人の剣は抜けませんでした・・・

 

「名剣は主人を選ぶ。きっとまだあなたたちは真の勇者と魔王ではないのでしょう。剣はショベルカーでそれぞれの星に持ち帰ってください・・・」

 

ヤヨイさんが言った。

 

「なるほどな・・・賢者の気持ちにも寛容になれなかった俺にはその資格はないということか・・・わかりました!おい、ショベルカーを用意するぞ。」

 

「今回ばかりは協力だな・・・」

 

二人が去った後私はヤヨイさんに頼みこみました。

 

「お願いします!私を弟子にしてください!いつかシディさんが使う魔法の武器を作りたいんです!」

 

するとヤヨイさんは・・・

 

「勿論ですよ。新人はお茶くみと道具の手入れからですよ。」

 

「はい!」

 

私はこうして鍛冶屋として新たなるスタートを切るのでした!

 

 

 

 

 

 

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