妖精王としてカレコレの世界に転生した もう一つのカレコレ屋 作:ikkun
side妖精王
こうして俺たちは吸血鬼のアザミ、カッゼ、ハウンド、そして保護対象であるレンゲの偵察を開始した。そして次の日、
「はぁああああ!」
吸血鬼の三人は戦闘をしていた。まずはハウンドが大振りに血液の大剣を振るが
「大振りだな。」
「いっでぇええええ!!」
当然躱されてアザミから一撃を貰う。そしてその隙に
「ナイス囮。」
「囮なんてしてねーわ!!」
カッゼが血液の糸で切断しようとするが・・・
「柔いな。」
そう言って血液の鎧と槍を生成してカッゼの頭を貫いた。
しばらくたつと二人の頭や腕が修復される。
「ひゃ~!あの鎧かっこよくなかったですか!?」
三輪はキラキラした顔でアザミを見てる。
「相変わらずミーハーじゃの。確かに血液の操作能力やパワーは申し分ないみたいじゃの。」
二人が先ほどの戦いを分析する。
にしてもアザミが強いとわかったときのレンゲの笑顔・・・
「まさしく天使だな!」
「ロリコンも大概にしとくことじゃ。娘たちから愛想つかされても知らんぞ。」
「陸奥さん!?俺はロリコンじゃなくて純粋に可愛いと思ったから言ったのであってね・・・」
こうして四人が食事をとるまでの間先に俺たちはアンパンとクリームパンを食べ、コーヒーを飲んでいたのだが・・・
カリカリ・・・
カッゼの奴何を書いてるんだ・・・?
俺はカッゼが何かを書いてるのを覗き見ていた。
「何書いてるの?」
ご飯のためにカッゼを呼びにきたレンゲが彼に聞く。
「今日の反省と自分の技術体系を纏めている。僕の戦い方はパワーを補うために繊細な血液操作で戦うしかないんだ。」
「???」
レンゲにはわからないよな・・・
「戦い方を纏めてるってことだよ。」
あのメモ・・・カゲチヨの修業のためにも欲しいな・・・カッゼとカゲチヨの戦い方ってなんか似てるし。
「なんとかしてこの屋敷に侵入してメモとレンゲ両方奪える方法ってないかな?」
「いや!?なんか確保するもの増えてませんか?」
「早速目的を見失っとるぞこの男は・・・」
sideハウンド
「レイナ・ガーベラが来るのっていつっすかね?」
俺はアザミさんに聞く。
「十中八九、地衝月の時でしょう。」
カッゼ!なんでお前が答えるんだよ!
なんで地衝月の時にレイナ・ガーベラが来るのかを教えて貰ったが異宙人が沢山来たらパニックになるんじゃねーの?
「十年前まではパニックだったが今回は妖精王と同盟を結んでいるエルフの一族から贈呈された結界を張るらしい。まぁ、あの王の狙いがなんなのかはわからんがな。」
「妖精王ってそんなにヤバい異宙人なのか?」
俺は二人に聞く。
「ああ、ホルスやアヌビスと引けを取らない戦闘能力で吸血鬼は敵う相手じゃない。」
「俺にしてみれば、異宙人の味方でも人間の味方でもない中途半端な奴だな。」
アザミさんが口を開く。
「レイナ・ガーベラは珍しい異宙人を求めてやってくる。だから交代で奴隷市を見張る。レイナ・ガーベラは兵器密売組織に雇われている。」
「護衛を倒してレイナ・ガーベラを捕獲する。」
こうして俺たちの作戦は決まった。
「もしかしたら妖精王も奴隷を求めてこの市場にやってきているかもしれん。このところ奴隷の大量購入が相次いでいる。予約していたにも関わらず金を大量に積んでその奴隷までむしり取っているらしい、そして交渉が成立しないときは人間の商人でも異宙人の商人でも力ずくで奪い取られるらしい。」
それも妖精王ってやつの仕業かよ・・・!アザミさんの発言に俺は正体も思想も不明な妖精王に震えを感じた。
side妖精王
ふふふ・・・筒抜けだぜ。作戦を話してくれてありがとよ。
「じゃあ、俺たちも奴らがアクションを起こすまでここと市場を交代で見張るか。」
俺は作戦を聞いたあと俺は今後のプランを立てる。
「人数は此処が二人、市場が一人でいいな。俺たちの役目はあくまでレンゲの保護だ。」
「了解です!」
「それで構わん。」
こうして市場は陸奥が見張りに行くことになった。
そして衝撃的なことがわかる。
「・・・やっぱりそうか。進行速度からもって十年・・・」
カッゼの精密な血液操作で病気の進行を調べたらしくレンゲの寿命のことを知った。
「どうにかならないんですか!?あの美味しそうに食べる顔が失われるなんて耐えられないですよ!」
んなことわかってるよ!くそっ!命の雫を落とせば一発だっていうのに・・・
「アザミやカッゼが大人しく俺たちを入れてくれないだろうし・・・」
「変装してもばれそうですよね・・・」
せめてアザミがいなくなれば・・・カッゼはハウンドに甘いからそこにチャンスがある!
そんなときハウンドがレイナを見つけたことと異宙人の奴隷を助けることを会話で聞いた。
潜入できるかと思ったが当たり前のようにアザミが屋敷にいて無理だった・・・
「「くそー!!」」
noside
「連絡していた奴隷がいないだと!?」
兵器会社の社長は叫んでいた。それもそうだろう購入していた奴隷がいないのだから。
「申し訳ございません・・・妖精王の襲撃を受けまして奴隷は買い取られてしまったんです・・・」
「くそっ!やつめ一体どれだけの武力を・・・」
「え~、そうなんっすか~!」
レイナは奴隷がいなくていじける。
「ま、正確にはあやつが見ている奴隷も全部幻術なのじゃがな。」
見張っていた陸奥が隠れて呟く。
そして場面は変わり異宙人の奴隷の独房、
「・・・」
「しーっ、じっとしてろそうすりゃ自由になる。」
「・・・はい。」
カッゼは疑問に思う。
(やはりこの奴隷たちは機械的すぎる・・・)
しかし潜入した意味がなくなるので言わないで置いた。
そうして吸血鬼たちはレイナ確保に向けて動きだした。
「吸血鬼・・・!お前らまた・・・!」
奴隷商人の顔が歪む。
「吸血鬼っす!僕あれ研究したい!」
レイナがはしゃぐ。
「俺たちについて来い。そうすれば危害は加えない。」
「何勝手に進めてるんだ!こいつは私の道具なんだよ。レイナやれ!!」
「はーい!」
レイナはボタンを押して警備員を化け物にしたが
「遊びにもなんねーよ。」
「やはり典型的な改造人間では鍛錬された奴らには敵わんようじゃの。」
ハウンド、そして見張っている陸奥の目から見ても勝負になっていなかった。
そして
「うぎっ!」
社長はハウンドに殴り飛ばされた。
「本当に僕たちについてくるのか?」
「はい、僕は実験さえできればなんでもいいんで。」
カッゼがレイナに確認を取る。
「奴隷の商人はどこに行った?」
カッゼがハウンドに聞く。
「あり?逃がしちまったみてーだ。」
「まぁ、いい一度拠点に戻ろう。」
こうして二人はレイナを連れて帰ったのだが・・・
「どうしてここにくるんじゃ・・・」
「な、なんでここに・・・」
奴隷商人と陸奥が鉢合わせてしまった。
「儂はあの吸血鬼たちの様子を見に来ただけじゃ。邪魔したの。」
「ま、待ってくれ!アイツ等が奴隷の幻覚を逃がしちまって幻術が解けたんだ!妖精王に頼んで掛けなおしてくれ!」
商人はバルボアに殺されたくない一心で頼むが
「悪いがそれでワシらに何のメリットがある。こちらはもともと幻術を掛けずとも森にバルボアは侵入できない。幻術はワシらの要求を呑んでくれたことに対するサービスみたいなものじゃ。そもそも吸血鬼の二度の侵入を読めなかった貴様の管理体制にも問題がある。せいぜいバルボアに八つ当たりで殺されんことじゃな。これに懲りて奴隷商なんて辞めればよかろう。」
陸奥が去っていく中奴隷商は考える。
「どうする・・・妖精王が買い占めたことをばらすか・・・?いやダメだ・・・アイツらが言ってただろ・・・」
ーこの町で戦ったら火の海になっちゃけどねー
「俺の楽園が・・・せっかく大金を手に入れたのにこんなところで死んでたまるか・・・そもそもあの吸血鬼が幻術さえ解かなければ・・・そうだ・・・そもそものケチのつけ始めは・・・!」
奴隷商は呪詛をぶつぶつと吐き始めた・・・
side妖精王
陸奥が帰ってきたころカッゼとハウンドがレイナを連れて帰ってきた・・・
「二人とも何を落ち込んどるんじゃ?」
「「・・・」」
俺たちは何もできない自分たちに絶望していた・・・まさか侵入する手立てが何も思いつかないとは・・・今まで正面から堂々と他人のうちに入れたことの弊害がここにきて・・・
「あのあのぉ~抱き枕が車の中に置きっぱなしなんで取ってきます。」
「お前ふざけてるのか!?」
「・・・俺と一緒に来い。」
「え?マジすか・・・」
よっしゃチャンス!
「アザミがいないんだったら楽勝だぜ!」
「そうですね。旅の医者に成りすましてハウンドを騙して潜入しましょう!」
俺と三輪がアザミがいないのに活路を見出す。
「その作戦で行くしかないの。」
陸奥も同意したし変装作戦スタートだ!
「よし!そうとなったら変装道具をドンキに買いに行こう!」
「待っててくださいね~!レンゲちゃん!」
けれどまさかこの買い物がレンゲを危機に合わせてしまうとは思わなかった・・・
noside
一方そのころ奴隷商ではバルボアが奴隷がいないことに激怒し兵器会社の社長を殺していた。
「・・・人間の奴隷も異宙人の奴隷もいないとはどういうことだ?」
「ひっ!ひぃぃぃぃい!」
圧倒的戦闘能力と覇気に奴隷商人は圧倒される。
「申し訳ありません!で、ですがすべては吸血鬼共のせいなんです!そう!奴らはバルボア様のものと知っていながら奴隷を奪って行ったんです・・・!!これは奴らからの宣戦布告ですよ!」
奴隷商はバルボアと妖精王との戦いを避けるため、もとい自分の楽園であるこの店を守るために吸血鬼たちの仕業に仕立て上げた。
「吸血鬼・・・?どこの誰だ?バルボアの名に傷を付けた奴らは?」
プライドを傷つけられた武人が報復に動き出す・・・