妖精王としてカレコレの世界に転生した もう一つのカレコレ屋 作:ikkun
ヒューマンバグ大学のあの殺し屋を出します。
出てくるゲスは、「女子高生が冤罪をかけられるとどうなるのか」と「女子刑務所に入るとどうなるのか?」で出てきた検察庁トップの息子です。
瓜生はヒサメたちが子供の頃に来ているので吸血鬼編でもだします。
side瓜生
俺の名は瓜生 龍臣(うりゅうたつおみ)異宙を飛び回る移動式パン屋を営む元殺し屋だ。
恨みつらみは人の世とは切れないもの。それはやがて殺意となって心を蝕む、それは身勝手で醜い感情だ。けれどそれは本能的に刻まれている感情でもある。
それは異宙に転移した今の世でも変わらない。いやより一層抱くものは増えてしまった・・・今じゃ人を呪わば穴二つなんてすばらしい言葉を覚えてる人間は少ない・・・
殺し屋はその殺意を実現し金に換える職業、そして異宙人であろうと人間であろうと殺意が無くなることはない。つまり殺し屋は未来永劫続くビッグビジネスだ。
俺が所属していた組織は感情を失った殺戮マシンを量産する極秘機関だ。
依頼主は財政界の妖怪か裏世界で名をとどろかすマフィアたち、奴らは人ひとり殺すのにも
数億のビッグマネーが動く。そして殺し屋を依頼されるような奴の最後はいつも醜悪だった。
俺の能力は組織でも飛びぬけており最強の殺し屋だった・・・千人以上の標的を殺したおれは八年の間で「死龍」なんてコードネームで呼ばれるようになっていた。証拠も残さなかったことから死龍に狙われたならば絶対に逃れられないそれが語り草となった。
殺しをしていた八年間俺の味覚は壊れていた・・・どんなものを食っても血の味しかしなかった・・・鉄の味に耐える。飯とはただそれだけ、殺せば殺すほど俺は味覚を忘れていった・・・命を金に換算する狂気の世界、依頼を選べる立場になってからは欲にまみれたゲスだけを殺した。ささやかな抵抗だ。
俺は母のぬくもりをわずかに覚えていた・・・その記憶のおかげで殺戮マシンにならずに済んだ。
俺に転機が訪れたのは突然だった・・・
今にして思えばバカみたいな話だが危険地帯であるはずの妖精王の森で俺はボーとしていた・・・当時の俺は味覚が無くなり疲れていたのかもしれない・・・しかしそのおかげで俺は運命の出会いをする。
「どうしたの?そんな死にそうな顔して?」
木の陰から現れたのはオレンジの色の髪を持った幼い女の子だった・・・
「森に危害を加える気はなさそうだし森もあなたのことを認めているし良かったら一緒におやつでも食べない?」
後から聞いたことだがこの森には意思があり敵意や害意、悪意に反応して侵入者を排除するらしい・・・
そして俺は木製の家が沢山建っている家の一つに向かった。周りを見ても皆殺意や欲といった感情が少なくみんなが笑っている・・・俺は少しだけ心がほぐれた・・・
「あれ?カンナちゃんその人は?」
「見ない顔ですけど・・・」
そこには青い髪と金髪の女の子がいた。
「この人はなんか死にそうな顔で森の中で佇んでたんだよ。ほっとけなかったから連れてきたんだ。」
そういうとオレンジ色の髪の女の子・・・カンナさんはパンを焼き始めた・・・
そして
「はい!今日のおやつのメロンパン!」
「やったー!」
「相変わらず美味しそうですね。」
青い髪の女の子や金髪の女の子・・・ヒサメさんやフィーアさんが喜ぶ。
「はい、何があったか知らないけどとりあえず食べてよ!」
俺にもメロンパンを渡してくれた・・・けどどうせ何を食っても血の味・・・ため息とともにそのメロンパンを食べた瞬間。
「あぁぁはあああ!うっまあああ!」
「うわっ!?」
「びっくりした・・・・」
「そんなに美味しいんですか?今までどんなもの食べてたんですか・・・」
三人にびっくりされるほどの大声を出した。俺はその美味しさに俺の世界の色彩が一気によみがえった・・・そして俺はいつの間にか三人に素性をしゃべってしまっていた・・・
「アーシ料理を教える生徒を探してたんだよね。よかったらパンの作り方教えさせてくれない?」
こんな俺を受け入れてくれた時点で俺の覚悟は決まっていた。
父親である妖精王の許可を取った俺は気が付いたら組織に飛んで戻っていた。
「パン屋をやるだと!?冗談だろ死龍!」
「紛れもなく本気です。」
そしてボスに引退の意思を伝えていた。
「いいか死龍!掟破りは一生組織から狙われる羽目になる。その覚悟はできてるのか?」
「もちろん・・・ですが俺も組織最強の暗殺者、ただじゃ死にませんよ。」
そうして俺は殺し屋を引退した。
そうして俺はカンナさんの弟子となり修業に励んだ。
「やっぱりすごい力だね!」
「生地が一瞬でこねあがってますね・・・」
「もう美味しそう・・・」
三人に驚かれる、ヒサメさんの食欲は底なしだな・・・
「筋力はオリンピックレベルです!」
三人との生活、そして温かい森の住人達と妖精たちのおかげで永久凍土だった感情が徐々に溶けていった。
そしてやりたいと思っていた移動式のパン屋をオープン!
「よっしゃあ!瓜生のパン!出陣じゃあああ!」
「すっかり熱血ですね・・・」
「でもアーシは今の方が好きだな。」
「私も!」
そのころには感情が戻りすぎて熱血型の人間に仕上がっていた。
今でも泊り以外の寝床や仕入れで世話になっているし過去の俺を変えてくれたのはこの森だ。そして俺がパン屋を開いたあと三人は男友達二人とカレコレ屋という何でも屋を開いたと手紙で知った・・・
売り上げも上々だったのだが最近起きた事件を話そうと思う・・
それは地球でパンを売っていたときのことだ・・・
「シゲさんずっと来てねぇな・・・」
地球の常連客であるホームレスのシゲさんがめっきり顔を見せなくなったのだ。
道端で座っていたシゲさんにメロンパンをプレゼントしたのだが恩を感じてくれていたようで週末には必ず買ってくれていた。
その金はアルミ缶を売って稼いだもの、シゲさんは社会になじめなかった・・・でも必死に生きていたんだ。
俺はシゲさんが顔を見せなくなって数週間・・・俺は住処である高架下に訪れたがそこはもぬけの殻だった・・・
その時だった!
「や、やめてくれ・・・」
「!!」
か細い声だったが殺し屋時代に鍛えた聴力で俺はその声を聞きとれた!
「何があったんだ!」
俺は急いで声のする方に行ってみると人気のない廃ビルだった。
「なんて濃い死臭だ・・・!」
もうすでに人ひとりを殺してる死臭だった・・・俺は殺し屋稼業で身に着けた死臭を嗅ぎ取る力で部屋にいる無数の若い男がシゲさんを殺そうとしているのが分かった・・・
そしてドアごしに聞こえてきたのは・・・
「な、なんでこんなことをするんじゃ・・・」
「うるせぇ!社会に害をなすホームレス殺してスカッとしてたのにいきなり身代わりがバレて無期懲役だぜ!?脱獄できたんだから殺してやるよ・・・お前らホームレスもカレコレ屋っつー何でも屋も!」
まさにゲスの会話だった・・・!
「シィィィィ!」
俺はドアから飛び出し
「い、いきなりなんだ!」
銃を出そうとするおそらくさっきの声の部下との距離を詰め
「何してんだコラ。」
ドン!
「え・・・?ごはっ!?」
銃の方向を部下の顎にして引き金を引かせた。
さて銃の残りはあと三発よって、
パン!パン!パン!
「がっ!」
「ごっ!」
「ぎゃは!」
よって三人頭に弾丸をぶち込む。
「シゲさんすぐに助ける。」
「瓜生ちゃん・・・」
「お前らシゲさんを殺す気か?」
俺はゲスどもにそう問いかける。
「ああ!?なんだお前は俺は検察庁トップの息子だぞ!」
「それに物乞いのオッサンを有益に利用して何が悪いんだ!」
なるほどね・・・つーか逮捕されたってことはとっくに縁きられてるんじゃねえか?
「死ねやあああ!」
部下の一人が金属バットを振りかぶって襲ってくるが・・・
「隙だらけなんだよ。」
「は!?いつの間にバットを・・・」
そんな大振りが俺に当たるか・・・
「フルスイング!」
ごしゃ!
「ぐげぇぇぇ!」
俺の振りはメジャーリーガーよりもえぐいぜ。
その後の奴らも相手のナイフを突き刺したり落ちてた尖った割れた床を拾って投げつけ頭を貫いた・・・お前らと俺じゃ根本的に殺しの性能が違うんだよ。そして残ったのは元ボンボンただ一人・・・
「ば、化け物・・・」
「お前生きる資格ないし殺すけど言い残すことある?」
「お、お前俺の護衛にならないか?俺たちならきっとトップを取れるぞ。」
「くだらない提案だったよ、地獄からやり直せ!」
ぐぎゃぁ!
「ぐげぇぇえ!!」
俺はボンボンの脊椎を一発で折った。こうして害虫駆除は終わった。
そうして俺はシゲさんを送った後再び車の元に戻ってきたのだが
ヒュン!
「ぬう!」
俺は殺気とともに投げつけられたものを顔をそらして躱す。
「剣先に毒か・・・なるほど殺す気ね。」
どうやら俺が妖精王の森にいないのを好機と刺客を送り込んできたな。
「挨拶もなしにいきなり殺すのか?寂しいじゃねえかカリン。」
「随分反応が鈍ったみたいね死龍。」
夜の暗闇から現れたのは猫耳のパーカーを着た女だった。
こいつは投擲のカリンといい組織の殺し屋なのだが
「本気なら殺せたわ。」
アイツはまたあるものを投げてきた。
「ちっ・・・ナイフが全く見えねぇ。」
俺は躱したがこの投げるものが厄介だ。
「やっぱりクリスタルナイフね・・・」
無色透明のガラスでできたナイフを使うからだ。
「死龍、組織の命令で死んでもらう。」
「カリンお前も殺し屋やめてパン屋になれ毎日楽しいぞ。」
そういうとカリンは殺気を増してクリスタルナイフを八本抜いた。
「そんな醜い姿をさらすなら死んでちょうだい!!」
「あらまあお転婆ねえ。」
よけにくいようにミリ単位で配置して投げるってわけね。
だがな見えようが見えまいが関係ねぇ
「銃もナイフも軌道を読むんだよアホ。」
それにこんな投擲スピード森にいたころならヒサメさんのレールガンで打ち出す鉄球や
フィーアさんのスピードを読むのに比べたらあくびがでるレベルだぜ・・・
「バカな!?見えないナイフをいとも簡単に・・・」
「どうも見えない人間です。」
なんどもお前には教えたはずだけどな。
「スーパー手加減パンチ。」
「くぁ・・・!?」
俺はカリンを気絶させベンチに運んだ。
そして目が覚めたカリンに俺のパンをふるまった。
「美味しい・・・でもなんで私は貴方を殺そうと。」
「別に良いよ。また食いたくなったら来い。次は金払えよ。」
こうして俺はカリンに別れを告げた・・・
sideカゲチヨ
俺はカレコレ屋近くの公園に来たんだが・・・
「いらっしゃいませ!うりゅうのパンですよ!」
「やれやれ・・・」
美人な女性と隻眼の男がパン屋をやっていた。
「あれ?瓜生さんじゃん!」
突然カンナが来て隻眼の男と話し始めた。
「どうしたの?こんな美人な店員雇って、もしかして瓜生さんの・・・」
「そんなんじゃないですよ・・・」
カンナがにやにやしながら瓜生って男と話してる何なんだ?
「あ、カゲチヨこの人は瓜生龍臣さん移動式パン屋をやりながら異宙中をめぐってるアーシの料理の弟子だよ。」
マジかよ!?カンナに弟子なんていたのかよ!
「お、君がカンナさんが良く言ってるカゲチヨくんだね。」
俺のこと知ってるのか?
「陰キャだけどいじると面白いってよくメールがくるよ。」
ろくでもない覚えられ方だった。
「瓜生さんおすすめの品ください。」
「おすすめはメロンパンです!焼きたてがありますよ!」
また濃い男と知り合いになっちまったな・・・
後日談
カンナ「ちなみに瓜生さんって元殺し屋なんだよ。」
カゲチヨ「!?なんでそんな人がパン屋を?」
カンナ「アーシのパンに惚れて。」
カゲチヨ「意味不明すぎだろ・・・」