妖精王としてカレコレの世界に転生した もう一つのカレコレ屋 作:ikkun
sideカゲチヨ
今日の依頼人は危険そうな依頼だった・・・
「主人が三か月前から行方不明なんです・・・」
「そういうのは警察に行った方がいいんじゃね?」
俺は言うが
「もちろん警察にも届け出たんですが一向に見つからなくて・・・」
きな臭いな・・・
「行方不明になった日何か普段と違いはあったか?」
シディが依頼人に聞く。
「特には無いんですが・・・ただその日はチェスの大会に行ってくるって・・・」
「チェスですか・・・」
「主人はよくオンラインでチェスの対戦をしていて・・・行方が分からなくなったあと家のパソコンを調べてみたらこのサイトに行きついたんです・・・」
「じゃあこのチェス大会に申し込んで調べてみるのが良いかも。」
ヒサがエントリーする。
「次の日曜日、駅前から会場までシャトルバスが出るって。」
「次の日曜だと俺は里帰り中だ。」
「すみません・・・私もサトウとスズキとの特訓の約束があります・・・」
「ごめん!その日はゼクス君に手伝ってもらって別の依頼こなすことになってる・・・」
三人とも用事か・・・
「じゃあ、私とカゲで行ってくるよ。」
「まぁ、仕方ねーな・・・手がかりがこれしかねーしな・・・」
「すまん、俺はチェス用品店で話を聞いてくる。」
「アーシもヤヨイさんたちに聞いてみるよ。」
「私も特訓の合間に聞き込みをします。」
こうして俺とヒサは大会当日にシャトルバスに乗った・・・
「今のところは普通の大会っぽいね・・・」
なんか眠くなってきたな・・・
「ついたら起こしてくれ・・・」
そういって寝ようとしたが・・・
「ん?あの運転手なんで・・・ガスマスクを・・・」
俺が言ったその時
「カゲ・・・ごめん・・・私なんか眠くて・・・」
やべぇ・・・俺も・・・
sideヒサメ
「ヒサ!ヒサ!」
私はカゲの声で目を覚ますと私とカゲは奴隷のような服でカゲは巨大なチェスのビショップの駒に、私はクイーンの駒に縛り付けられていた!
「あれはチェス好きを集めるための罠だったみてーだな・・・」
そんな…私がうかつに応募したせいで・・・
「諸君!我々の宴へようこそ!諸君はこのゲームに選ばれた幸運な参加者だ。」
上を見てみるとガラス張りの部屋に仮面をつけた貴族のような人たちがいた・・・
「バスに乗ってた人たちもいる・・・」
「ガスかなんかで眠らされたんだ・・・」
私とカゲが状況を分析する。
「リアルなチェスがしたかったのだろう?君たちにはもってこいだと思うがね?」
「解放してよ・・・」
参加者の一人がそういうけど・・・
「それは無理だ。君たちはこれからチェスの駒になってゲームをするのだからな。」
ルールは普通のチェスと同じだけど駒は私たち自身、そして相手は・・・
「とっておきのゲストだ・・・巨人族だ。」
「悪い予感しかしねぇな・・・」
カゲが呟くのと同時に
「こんなことやってられるか!」
参加者の一人が拘束を解いて逃げようとするけど・・・
「お、おい・・・やめろ・・・!ぐわー!」
「取られたり逃げた駒は巨人に食われることになる・・・」
そんな・・・チェスなんてしたことないよ・・・
「旦那さんは食べられちまったんだろうな・・・そしてきっとこの戦いはあの貴族たちの賭けに使われてるんだろうな・・・」
カゲの言う通りだよね・・・
そうしてチェスが始まった・・
そして最初に最悪の出来事が起こってしまった・・・
「このままじゃ食べられる・・・」
「俺は食われたくねぇんだよ・・・」
カップルの男が女性を犠牲にしようとしてたんだけど・・・
「俺の駒を前に・・・」
なんとカゲがその女性の前に行ったのだ・・・そして
バクン!
食べられた・・・私のせいだ・・・大会に安易にエントリーしたから・・・
カゲが・・・カゲが・・・
目の前が真っ暗になって私の意識が途切れた・・・
noside
話は変わってしまうがブレイクとは高度な技術である。リミッターを解除し寿命を削らず潜在能力を解放する技、感情や力が何らかの理由で制御できなくなると暴走して不完全なブレイクとなり異形の姿となる・・・
「があああ!」
カゲチヨが食べられた瞬間ヒサメは叫び声を上げ縄を破り一足飛びでVIPルームにガラスをぶち破り侵入する。
「ひっ!?」
VIPの女性は怯えてしまう・・・なぜならヒサメの姿は目は雪女のように漆黒になり肌にはカンナカムイと同じく龍鱗が全身に広がっていた。
「な、なんだ!アイツを取り押さえろ!」
主催者の貴族は警備のロボットで止めようとするが・・・
「ガァァ・・・!」
バチチっ!
ヒサメはロボットにハッキングを施し・・・
「え・・・なんで私たちに・・・!ぎゃああ!」
貴族たちを次々となぎ倒していく。
「があああ!」
ヒサメは電気を纏った爪で参加者を斬りつけ吐息一つで貴族たちを凍らせた。
「これ以上めちゃくちゃにされてたまるか!異世界から取り寄せたゾディアックコレクション 『ピスケスのランプ』で・・・」
主催者はゼノンの世界のアイテムで魚人の使い魔を大量に出すが・・・
「ぐるるる・・・!」
ズガン!
「お・・・・が・・・」
雷を纏った体当たりによって使い魔ごと吹き飛ばされた・・・
「すげぇ・・・助かったのか・・・?」
「でもまだ巨人が・・・」
参加者がまだ助かってないと話していたその時巨人が倒れた!
「ぷはー!死ぬかと思った・・・」
カゲチヨが口から顔を出した・・・
「あんた!死んでなかったのか!?」
参加者の一人が心配そうに言った。
「あぁ、こいつの体内に強力なウイルスをばらまいたんだ。しばらくは起き上がれねぇ・・・ってなんかVIPルームが騒がしいな・・・」
カゲチヨが異常に気付く・・・
「ああ、アンタの連れがなんか突然拘束を解いてVIPの奴らを蹴散らしてるんだよ!でもなんかうなり声上げてたけど大丈夫なのか?」
参加者の答えを聞いてカゲチヨは急いでVIPルームに向かった・・・
sideカゲチヨ
「があああああ!!」
やっぱりあの姿・・・ミナヅキと同じように暴走しちまってる・・・
「あの状態のときは強烈な一撃を与えるか感情が収まらないと止まらねぇ・・・」
一か八かだがやるしかねぇ・・・
俺は血まみれの貴族の血を舐め力を上昇させて一気にヒサに近づいた!
そして・・・
「ヒサ!落ち着け!俺はここにいるぞ!もう貴族たちも倒れてる!終わったんだ!」
ヒサに抱き着いて大声で叫んだ!
「があああ!ああ!」
ヒサは最初は暴れていたが・・・
「落ち着けヒサ・・・俺もまた自分を犠牲にして悪かった・・・」
そう優しく言ってやると・・・
「カ・・・ゲ・・・?」
落ち着いたのか元の姿に戻り眠ってしまった・・・
sideヒサメ
「本当にごめん・・・!」
まさかまた暴走しちゃうなんて・・・
「まさか俺が食べられたかと思って暴走するなんてヒーちゃん俺のこと好きなのか?」
「ふざけないでよ・・・私が安易にエントリーしたからってのも重なってだから・・・」
「わかってるって・・・でもあの貴族が全員捕まって安心するぜ、全員後遺症付きでボロボロだけどな!」
「ううっ・・・カゲがまた自分を犠牲にしたと思ったんだもん・・・」
「・・・ありがとな。心配してくれて。」
「ううっ・・・食べられちゃったあの人も助けたかったよ・・・」
「泣くなよ・・・ヒサのおかげでその人以外全員助かったんだからよ。それにあのアイテムはタナトスであっちの俺達に転送したし今日は帰って休もうぜ・・・」
「うん・・・」
私たちは夕焼け空の中カレコレ屋を目指して帰った・・・