妖精王としてカレコレの世界に転生した もう一つのカレコレ屋   作:ikkun

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また自警団出します。


無期懲役になったら

sideカゲチヨ

今日の依頼人は刑務官だった・・・

三人は用事のため俺とシディで対応する。

 

「囚人になって調査してほしい、か。」

 

シディが依頼内容を確認する。

 

「はい、実は刑務所内の囚人の中に妙な『お菓子』をばらまいてるやつがいるようで・・・

もう何人も廃人のようになってるんです。」

 

「俺らにその犯人を突き止めて欲しいっていうことですね?」

 

「はい、お願いできますか?」

 

「俺が行くよ。シディは他の依頼を対応してくれ。」

 

「わかった。」

 

「ありがとうございます。それとそのお菓子の原材料が妖精王の森の植物らしくて自警団の方も調査にしにくるのでお願いします・・・」

 

マジかよ・・・

 

「森の植物で廃人の薬をつくるなんて命知らずだな・・・」

 

シディの言う通りだぜ・・・

 

そして依頼当日、

 

「おぉ!カゲチヨさんじゃないっすか!」

 

「虎徹さん。」

 

どうやら調査は頭脳派の久我虎徹に任されたらしく俺と同じで囚人服を着ていた。

 

「それでは今日からカゲチヨさんは1004番、久我さんには1005番としてお願いします。」

 

「「はい。」」

 

「それでは雑居房に案内しますね。そこには無期懲役の囚人もいるので何かあった時は異宙の力や戦闘力で取り押さえてもらって構いません。」

 

それってめっちゃ凶悪な人がいるってことだよな・・・

 

「カゲチヨさんビビってるんですか?」

 

「仕方ねーだろ!?こちとらカレコレ屋最弱の陰キャだぞ!?」

 

「フィーアさんの殺気に慣れてるなら大丈夫っすよ。それに廃人になってるのはそういう極悪犯らしいんです。」

 

「はい、それに私も普段以上に目を光らせておきます!」

 

頼みますよ・・・?

 

side久我

 

そうして俺たちが雑居房に入って最初にいたのは丸坊主の囚人だった・・・

 

「よー新入りたち!」

 

なんかお調子者で明るい人だな・・・

 

「お前たち何やってぶち込まれたわけ?」

 

「放火で・・・」

 

カゲチヨさんが答える。

俺も設定されている罰を答えた。

 

「一緒じゃん!俺も押し入った家でうっかり家事起こして強盗と放火の罪で無期懲役になちまってよー。」

 

罪犯したのになんかイメージが違うな・・・カゲチヨさんも驚いている。

 

「誰も殺してねーのにまじヒデ―よ。」

 

他人から高い家と物を奪ったんだから妥当だと思うが・・・俺は先輩の態度に呆れてしまう。

 

「放火は罪が重いから死傷者が出なくても無期懲役になるらしいっすからね。」

 

カゲチヨさんも罪の訳を話す。

 

「お前たち詳しいし様になってるな!もしかして初めてじゃねーとか?」

 

「初めてっすよ!?」

 

まぁ、俺たちは目つきが悪いからな・・・そう思われても仕方がない。

 

「じゃあここでのルールを教えてください。」

 

俺は聞く。こういうところには必ずルールが存在するからな。時には外の物資や情報を貰うのにルールが適応される刑務所なんかも存在するし聞かないと不利だ・・・

 

「とりあえず刑務官に逆らわなきゃ大丈夫だ。あと最近はあれだな・・・囚人の間でやべーもんが出まわってるって噂。お菓子かなんかに見せかけてるけどそれを食べてると廃人みてーになっちまうらしい。そこのオレンジ髪の兄ちゃんは大丈夫そうだけど赤メッシュのお前は誘惑に弱そうだからな・・・気ぃつけろよ?」

 

やっぱり囚人の間でも有名になってるのか・・・同盟破りの上反省しようとしてる奴も問答無用で狂わせる薬を流す奴は必ず罰を受けてもらうぞ!

 

sideカゲチヨ

 

俺たちは別のベテランの先輩に言われて刑務作業に向かう・・・

 

「刑務作業って組み立てや洋裁なんかの軽作業ですよね。」

 

久我が聞く。

 

「あぁ、炊事洗濯もあるけど新入りはそーゆー一般工場だな。まず訓練工場で適性を見てそれから振り分けられる。」

 

「そーなんすね。」

 

数週間後俺たちはそれぞれ配置されたんだが、刑務作業は一日7時間土日祝日は休みというホワイト企業という感じなのだが・・・

 

「願います!工具を落としたので拾ってもよろしいでしょうか!」

 

「許可する。」

 

作業中はもちろん一切の私語厳禁、囚人は落ちた物を拾うだけでも刑務官に願い出ないといけない。

結構これがきついんだよな・・・

そうして疲労困憊で俺たちは牢に戻ってきた。

 

「初給料だぜ!」

 

あの先輩は給料をもらって喜んでいた。

 

「やっぱ作業報酬は出るんっすね。」

 

「ああ、刑務所内での生活でも生活必需品を買うことはあるからね。」

 

ベテランの先輩が教えてくれる。

 

「おめーたちも来月になったらもらえるから頑張れよ!」

 

「ちなみにどんくらいなんすか?」

 

俺が聞いて坊主の先輩が袋を開けると・・・

 

「832円!?」

 

「こりゃ、シャンプーとか買ったら消し飛ぶ価格だな・・・」

 

久我の言う通り少なすぎだろ!?

 

「これ時給いくらだよ!?」

 

「4円くらいだね。」

 

「刑務時間ホワイトなのにこっちはブラックすぎません?」

 

俺はベテランの先輩が返した答えに突っ込む。

 

「先輩はいくらでした?」

 

坊主の先輩が聞く。

 

「いつもと変わらないよ23000円。」

 

「なんで!?全然違うじゃないですか!?」

 

「作業等工が違うからね。受刑者のランクみたいなもので種類や態度、期間などで決まるんだ。新人は十等工からスタートするだから報酬も低いってわけ。」

 

確かに最近入ったって言ってたな・・・

 

「一等工だといくらなんですか?」

 

久我が聞く。

 

「130円くらいだよ。」

 

それでも安いな・・・

 

side久我

 

「けどやっぱもらえる金は多い方が良いよな!出所後の就活にも役立ちそうだしよ!」

 

坊主の先輩が明るく言う。おいおい・・・アンタ無期懲役だろ・・・

 

「あれ?君は無期懲役じゃなかったの?」

 

当然ベテランの先輩にも聞かれる。

 

「けど実際は十年くらいで仮釈放で出られるんすよね?」

 

なるほど・・・明るかったのはそういう理由か・・・

 

「いや、世間じゃそういう噂もあるみたいだけど実際は30年はかかるよ。実は僕も無期懲役なんだけどもう40年もここにいるんだ。服役してから30年経過して初めて仮釈放審理が行われるんだ。再犯の可能性と更生の意欲を見極められ条件に合えば認められる。」

 

「普通の生活に戻れるってことすね。」

 

カゲチヨさんが答える。

 

「保護観察下にあるから制限はあるけどね。それに認められるのはかなり少ないのが現実だよ。十年後ごとに三回しかないしね。」

 

確か先輩は40年って言ってたな・・・

 

「僕も二回目があるけどもういいんだ・・・仮に出られてもこの年だしね。40年も空白期間のある前科持ちが

まともな職に就けると思うかい?結局再犯して戻ってくる人が多い、餓死するか捕まるかの二択って聞いたよ。」

 

「そんな・・・」

 

坊主の先輩の顔が暗くなる・・・

 

「実際は終身刑と同じなんだよ。夢を見るよりここで働かされる現実と向き合った方が良い。」

 

「くそっ・・・ううっ・・・」

 

確かにその通りだが新人にそんな冷たく言うか・・・?

俺たちは怪しいと思い自由時間坊主の先輩をつけていると・・・

 

「顔色が悪いね。さっきは厳しいことを言って悪かった。」

 

ベテランの先輩が近づいてきた。なるほどな・・・希望を持った囚人たちを弱らせて薬をね・・・

 

「元気の出る甘いものでもどう?食べると気分が良くなるんだ。」

 

あのラムネみたいなのが例のブツか!

 

「それって・・・」

 

「量さえ守れば大丈夫・・・真面目にやってもお先真っ暗なんだから少し楽しんだっていいじゃない。」

 

「・・・」

 

坊主の先輩が手を伸ばしたが受け取ることはない。

 

「へぇ、だったらお前は先に視界真っ暗になっとけ!」

 

「ごぉ!?」

 

俺は素早く間合いに移動しベテラン先輩にアッパーをくらわせた!

 

「おらよ!」

 

「新入り!?」

 

カゲチヨさんが血液で拘束したことに坊主の先輩が驚いているが俺たちはこいつに聞かないといけないことがある・・・

 

「おい、お前だけでこんなことはできないはずだ・・・誰が裏で糸を引いてる・・・!」

 

囚人が外部の薬をさばくなんて刑務官でも抱き込んでいない限り不可能だ・・・

 

「だ、誰が言うかよ・・・こんなところに一生閉じ込められる人生なんていらねぇんだよ!」

 

「あ?だから罰なんだろ?勝手に逃げ出そうとしてんじゃねーよ。」

 

カゲチヨさんが最もなことを言ってくれる。

 

「大人しくしろ!」

 

刑務官も駆けつけてきたか・・・

 

「後は私たちで見つけ出しますので!」

 

ここは刑務所だし暴力沙汰はまずい、ここは従っておくか・・・

 

「こっちからは連絡しなかったのによく気づきましたね。」

 

カゲチヨさんの言う通りどういうことだ?

 

「普段以上に目を光らせておくって言ったでしょう?」

 

ばらまいてる囚人も分かったし後は芋づる式だな・・・

 

sideカゲチヨ

 

数日後刑務官がお礼にきた・・・

 

「改めてありがとうございました。あの男は聞き込みをしつつ謹慎中です。本来なら増刑ですけど無期懲役ですから。」

 

「休日にわざわざありがとうございます。」

 

俺がそういうと依頼人は帰っていった。

 

「依頼人は帰ったのか?」

 

「あぁ、俺もちょっと出てくる。」

 

「昼ごはんの用意をしようと思っていたところだったんだが。」

 

「戻れる時間わからねぇから俺のはいいよ。」

 

さて、こっからは俺の自己満足だな・・・

 

「こんなところに呼び出してすまない・・・」

 

「近々監査が入るし妖精王の森の奴らもうるさいからだろ?で、ごまかせそうか?」

 

「あぁ、アンタから買ってる菓子のことは罪を囚人に押し付けてカレコレ屋のガキでうやむやにできそうだ。」

 

「そりゃどうも。」

 

俺は依頼人と業者を拘束する。そして

 

「よぉ、同盟破りのクソ野郎ども。上を脅して俺たちが直々に尋問したら奴さんアンタたちのことを吐いてくれたぜ?」

 

久我もやってきた。

 

「カレコレ屋はなんで俺だって・・・」

 

「暴れてた囚人がアンタの顔を見て大人しくなったからな。気になったんだよ。」

 

「流石っすね。あとはこいつらから情報を聞き出すんで報酬は俺たちの方でも振り込ませてください。」

 

そりゃどうも・・・

 

「・・・お前たちはこれで正しいと思うのか?囚人と一緒にいてみて分かっただろ!あんな奴ら生かしておく必要ないんだよ!なのに奴らは税金でのうのうと暮らしてる!だから俺は被害者のために・・・!」

 

「だがアンタは勝手に薬をばらまき地球の治安を悪くして地球と妖精王との関係も悪くしようとした。論点をすり替えるな。」

 

そう言って久我に依頼人と業者は引きづられていった・・・俺は複雑な思いを抱えながらシディのところに戻った・・・

 

「ただいま・・・」

 

「おかえりカゲチヨ。昼ごはんに作ったオムライスが残ってるぞ。一緒に食べよう。」

 

「・・・サンキュ。」

 

「ケチャップで何か書いてやろう。」

 

「それはいいです・・・」

 

今日は疲れたし難しいことはシディの飯食って忘れるか・・・

 

side久我

俺は業者と刑務官からアジトを吐かせて俺と近藤の兄貴、海瀬の兄貴、六車(むぐるま)の兄貴とカチこんだ!

 

「お前らぁ!同盟破りは死んで当然!」

 

「貴方たちは死にますか?それともDAETH?」

 

「クソを掃除しにきました!」

 

「後悔先立たず。死ね、掟破り。」

 

「うわぁああ!自警団だ!?」

 

アジトには数十人はいたが・・・

 

「頭粉状の刑!」

 

ドガドガっ!

 

「ぎゃあああ!」

 

海瀬の兄貴が金砕棒で敵の骨を次々と粉砕していく!

 

「ボーンをデストロイ!ルールデストロイヤー!」

 

ごしゃ!

 

「げへえええ!!」

 

近藤の兄貴も意味不明な言葉とともにメリケンサックで敵を破壊する!

 

「欲深きものに待つのは両断のみ!」

 

ズバ!ズバ!ズバ!

 

「があああ!」

 

六車の兄貴も二刀流で次々と切断していく!

 

当然俺も・・・

 

「最短距離で死んどけぇ!」

 

「ぎゃあああ!」

 

ボスをナイフで仕留めた・・・

 

俺はカチコミを終わらせたあと呟いた・・・

 

「まさか刑務官まで犯罪を犯すとはな・・・」

 

ミキさんの冤罪といい、この地球にはもう信念を通す奴らはいないのか・・・そう思わずにはいられなかった・・・

 

 

 

 

 

 

 

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